埒 外 - 展景

埒
外
小野澤繁雄
あるところ粉のようにも踏まれいつ木に囲まれて風の及ばぬ
一仕事終えたる人の足取りにもどりゆく人見守り隊の
一続きの声としききぬ一つ家の庭にはなれて飼われいる鶏
眼 に 入 る と う 読 み か た に「 再 び( を )来 て 世 を さ ば く 」「 売 る な ら 」 つ づ く
土手上を下を歩いてその差異は小鳥は小鳥人の大きさ
少年というには幼なボールもつ雨が上がって小公園に
するどくも打ち合うような音のしつ風が大きく竹林を揺る
心根の悪さを顔に出しているどのドラマでも役はそんなで
らち
対岸の土手をし歩む人とわれ埒の外辺を歩むがごとし
川渡る手段にひとつこわごわと水門直上歩みわたりぬ
8
展景 No. 77
展景 No. 77
9