御嶽山の火山活動解説資料(平成27年3月31日10時00分発表)

火山活動解説資料(平成 27 年3月 31 日 10 時 00 分発表)
御嶽山の火山活動解説資料
気 象 庁 地 震 火 山 部
火山監視・情報センター
<噴火警戒レベル3(入山規制)が継続>
御嶽山の火山活動は低下してきており、昨年(2014 年)9月 27 日の噴火と同程度、またはそれ
を上回る規模の噴火が発生する可能性は低くなっています。
一方、火口列からの噴煙活動や地震活動が継続していることから、今後も小規模な噴火の発生す
る可能性があります。
本日(31 日)10 時 00 分に噴火警戒レベル3(入山規制)を切替え、警戒の必要な範囲を火口か
ら概ね3km から概ね2km 及び南西側のみ 2.5km に縮小しました。
【防災上の警戒事項等】
火口から概ね2km の範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石と火砕流に警戒して
ください。
これに加えて地獄谷方向では火口から概ね 2.5km まで火砕流に警戒してください。
風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。また、降雨時には土石流
の可能性がありますので注意してください。
○ 活動概況(図2)及び防災上の警戒事項
御嶽山では、火山活動は低下してきており、昨年(2014 年)9月 27 日の噴火と同程度、またはそ
れを上回る規模の噴火が発生する可能性は低くなっています。
一方、火口列からの噴煙活動や地震活動が継続していることから、今後も小規模な噴火の発生する
可能性があります。
地方自治体では、火山噴火予知連絡会の見解で2月 24 日に示された影響範囲に沿う形で規制範囲の
設定ができるように防災対応の検討を進め、連絡体制等の安全対策を確認し、昨日(3月 30 日)開催
された地元火山防災協議会において、火山噴火予知連の見解による影響範囲を踏まえた必要な防災対
応について決定されました。このことを受け、気象庁では警戒すべき範囲を見直しました。
これらのことから、本日(31 日)10 時 00 分に噴火警戒レベル3(入山規制)を切替え、警戒の必
要な範囲を火口から概ね3km から概ね2km 及び南西側のみ 2.5km(図1)に縮小しました。
御嶽山では、火口から概ね2km の範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石と火砕流
に警戒してください。これに加えて地獄谷方向では火口から概ね 2.5km まで火砕流に警戒してくださ
い。
この火山活動解説資料は気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/volcano.html)で
も閲覧することができます。
資料中の地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の『数値地図 50mメッシュ(標高)』
『数値
地図 25000(行政界・海岸線)』『数値地図 25000(地図画像)』を使用しています(承認番号:平 26 情使、第 578 号)。
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御嶽山
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当面の間通行不可
図1
御嶽山
警戒が必要な範囲
・赤い点線が山頂火口から2km 及び南西側のみ 2.5km の範囲
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御嶽山
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9/27 11:52 の噴火
遠望カメラによる噴煙の高さは視界不良のため不明
気象レーダーで火口縁上約 7000mと推定
483 回
9 月 28 日から
観測開始
図2 御嶽山 日別活動状況(2014 年8月 15 日∼2015 年3月 29 日(速報値含む))
①遠望カメラによる噴煙の高さ 噴煙の高さは日最大値(噴火時以外は定時観測(09 時・15 時)の値)。
矢印は噴火開始を示します。また、視界不良時には噴煙の高さが表示されていませんが、噴火発生以
降は噴煙が連続的に発生しているものと考えられます。
②微動の最大振幅
③日別地震回数
⑤GNSS 観測
田の原上観測点(剣ヶ峰南東約2km)の上下動の変位振幅。
計数基準:田の原上振幅 1.5μm/s 以上、S−P1秒以内。
図3の基線②に対応。点線で囲まれた変化は、火山活動との関係はないと考えられます。
なお、解析には、IGS(International GNSS Service: 国際 GNSS 事業)から提供される超速報暦(3
月 29 日まで)を用いています。
・火山性地震は少ない状態で推移していますが、8月以前の状況には戻っていません。
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御嶽山
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図3
御嶽山
GNSS 連続観測点配置図
小さな白丸(○)は気象庁、小さな黒丸(●)は気象庁以外の機関の観測点位置を示しています。
(国):国土地理院
図中の GNSS 基線②は図2の⑤に対応します。
図4
御嶽山
観測点配置図
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御嶽山