平成 年度 当初予算 概況 市の財政を 取り巻く状況 本年度は合併から 周年の 国の経済は、民間投資を喚 節目の年となります。昨年度 に引き続き、これまでに築き 起する成長戦略などの経済政 あげた田辺市の魅力を国内は 策の推進により、景気は緩や もとより海外へ広く発信する かな回復が期待されているも た め の 取 組 を 展 開 す る な ど、 のの、地域ごとの景気回復に 数多くあるまちの中から﹁選 ばらつきがみられます。地方 10 択される田辺市﹂を目指しま では、国の経済政策の効果が す。また、防災対策の強化な 行き渡らず、経済の好循環の ど﹁安心・安全で住みよいま 実現が十分に進展していない ち づ く り ﹂ の た め の 事 業 や、 中、地方財政は、依然として 本市の多種多様で豊かな地域 厳しい状況が続いています。 本市は、税収の伸び悩みや 資源の価値を高め、田辺市そ のもののブランド化を推進す 年々増加する社会保障費への 対応をはじめ、防災・減災対 策への取組、広域廃棄物最終 処分場や義務教育施設等の整 備など財政需要が増す中、田 辺市行政改革大綱に基づき行 財政改革を推進してきたこと ☆財政課 財政係 ☎0739︵26︶9918 や、様々な国の経済対策の実 施や近年の地方財政対策にお ける効果などにより、財政基 盤は整いつつあります。 今後の取組 市町村合併による財政の特 例措置が平成 年度以降、段 階的に終了し、厳しい財政運 営が想定される中、安定した 財政運営を持続していくた め、税収等の自主財源の確保 をはじめ、費用対効果や緊急 性等を踏まえた事業選択な ど、行政需要と財政健全化の 双方を一体的に見据え、効率 的で効果的な財政運営に努め ていく必要があります。 次ページから、田辺市の本 年度の取組を紹介します。 TANABE City 2015.4 3 27 るため、引き続き、産業力の 強化、文化力の向上、地域力 の充実を図るなど、次なる 年 を 見 据 え、﹁ 攻 め ﹂ と﹁ 守 り﹂のまちづくりに取り組み ます。 10 28 特集 当初予算の基本的な考え方 次なる 10 年に向けた「攻め」と「守り」のまちづくり ∼国内外から「選択」される田辺市へ∼ 《新たな価値創造と魅力の発信》 (価値創造戦略プロジェクト〉 ・戦略ビジョン、戦略プランの策定 ・プロモーション活動による情報発信力の強化 ・専門部署「たなべ営業室」の設置 文化力の向上 地域力の充実 田辺市の価値を高める 産業力の強化 安心・安全で住みよいまち 《施策別重点事業の展開》 交流人口の増大 防災対策・防災力の強化 自然環境の保全・生活環境の向上 保健・福祉の充実 主な事業 ∼新たな価値創造と魅力の発信∼ 〈価値創造プロジェクト〉 ◇価値創造戦略ビジョン・戦略プランの策定【 533 万 7 千円 】 本市が目指すべき方向性・イメージを示す戦略ビジョンを確立し、それを 推進していくための戦略プランを策定する。 ◇価値創造戦略プロモーション事業【 1715 万円 】 大型周年という絶好のシティプロモーションの機会を迎える中、本市の魅 力や取組が注目されるよう効果的な情報発信を行う。 ◇価値創造に向けた戦略的人材育成事業【 873 万 2 千円 】 和歌山県が東京に設置する情報発信拠点「わかやま紀州館」へ職員を派遣し、 首都圏における観光PRイベント等の企画やマスコミ、メディアへの情報 発信を通して、本市の価値創造を推進する人材育成に取り組む。 ▲ 写真上:渋谷ヒカリエでの ▲ 記者発表会(昨年 4 月 16 日開催) 写真手前:わかやま紀州館 ▲ (所在:東京都) 写 真 奥: 世 界 遺 産 登 録 10 周年記念式典(昨年 7 月 6 日開催) 広報田辺 平成 27 年 4 月号 4 ∼田辺市の価値を高める∼ 〈産業力の強化〉 ◇施設園芸総合支援事業費補助金[新規] 【 500 万円 】 梅農家の経営が厳しい中、梅との複合経営や、梅以外の作物単独の栽培に よる新たな農業経営への促進を支援する。 ◇養殖漁業振興事業費補助金[新規] 【 600 万円 】 水産物の安定供給や新たな地域水産物の開発のため、当地域における新た な養殖漁業に対し補助を行う。 ◇田辺市新規開業資金利子補給補助金[新規] 【80 万円】 新規開業者を支援するため、日本政策金融公庫又は和歌山県の新規開業関 係資金融資に対する利子補給を行う。 ◇世界遺産等を活かした魅力あるまち検討事業[新規]【700 万円】 持続可能な観光地を目指し、これまでの取組を評価検証し、また世界遺産の 追加登録も見据え、新たな取組等を検討するとともに、保全・活用の視点か ら観光客を市街地に滞留させるための世界遺産等を活用した地域活性化の施 策を検討する。 ▲写真上:梅栽培の研修会 写真下:イサキの稚魚の中間育成 〈文化力の向上〉 ◇紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会の開催[新規] 【 2 億 8633 万 8 千円 】 第 70 回国民体育大会・第 15 回障害者スポーツ大会を開催する。 ◇熊野古道語り部ジュニア事業[新規]【 92 万 5 千円 】 小中学校の児童生徒に、地域の熊野古道や王子跡などを学習させることに より、ふるさとを愛し、地域に誇りを持った子どもを育成し、学習した内 容については、保護者や住民、地域を訪れる人々に語り継ぐ「語り部活動」 を展開する。 ▲三里小学校の語り部ジュニア ◇大塔・中辺路給食調理場の統合[新規]【 474 万 4 千円 】 老朽化した大塔給食センター及び中辺路学校給食調理場について、中辺路学 校給食調理場を廃止し、大塔給食センターに統合するための増改築を行う。 〈地域力の充実〉 ◇山村活性化基金の造成[新規] 【 8 億円 】 市町村合併後における山村地域の基盤整備に伴い、市街地及び山村地域の 基盤格差が縮小しつつある中で、ソフト・ハード事業に幅広く活用できる 基金を造成し、山村地域の更なる活性化を図る。 ◇ワーキングホリデー実践モデル事業【 210 万円 】 ワーキングホリデーによる農作業や民泊を通じて、都市部の在住者との交 流を深め、交流人口の増加を図るとともに、交流を深める中で、本市への 定住化につなげる。 ◇過疎集落再生・活性化支援事業【 697 万 5 千円 】 過疎生活圏を対象に、日常生活機能の確保や地域資源を活用した活性化な どの総合的な取組に対する支援を行う。 5 TANABE City 2015.4 ▲龍神村中山路生活圏寄合会の取組 ∼安心・安全で住みよいまち∼ 〈防災対策・防災力の強化〉 ◇庁舎整備検討事業[新規]【 780 万円】 耐震基準を満たしていない庁舎の整備方針の検討を進める上で必要となる 調査を行う。 ◇小中学校体育館天井落下防止対策事業[新規]【 800 万円 】 吊り天井を有する小中学校の体育館について、天井材等の撤去又は崩落防 止対策を実施する。 ◇消防庁舎建設事業【 12 億 5336 万円 】 震災など大規模災害時の防災拠点としての機能を有する新消防庁舎を建設 する。 ▲新消防庁舎の建設現場 ◇中辺路大塔消防署龍神出張所庁舎移転改築事業【 3783 万円】 龍神行政局庁舎内へ中辺路大塔消防署龍神出張所機能を統合し、行政局機 能の強化及び効率化を図る。 〈自然環境の保全・生活環境の向上〉 ◇よみがえりの森づくり事業【 400 万円 】 スギ及びヒノキの植栽地において、森林の健全な成長及び林地保全のため、 尾根筋等の上部約3割(天空三分)の広葉樹植栽に対して補助を行う。 ◇道路構造物定期点検事業【 6030 万円 】 橋梁、トンネル及びロックシェッド(トンネルに似た形状の防護用の建物) の点検を5年に1度、近接目視により実施する。 ◇一般廃棄物焼却施設基幹的整備改良事業【 13 億 3722 万円 】 本市の焼却施設について、施設の老朽化や処理能力の低下が進んでいるこ とから、設備機器類の基幹的改良を行う。 ◇あけぼの東山 1 号線道路改良事業[新規]【 1350 万円 】 JR 線路と交差する幅員が狭小な箇所における道路改良の実施に向け、JR 等関係機関と協議を進めるため、概略設計を行う。 ▲改良予定のあけぼの東山 1 号線 〈保健・福祉の充実〉 ◇子ども医療費[拡充] 【 1 億 2200 万円】 中学生入院医療費に係る自己負担分を助成するなど、現行制度の拡充によ り子育て世代の負担軽減を図る。 ◇生活困窮者の支援[新規]【 2292 万 3 千円 】 生活保護に至る前の生活困窮者に対して、包括的な支援体系により、就労 を支援し、自立の促進を図る。 ◇福祉定住促進モデル事業[新規]【 221 万 9 千円 】 高齢化地域で不足している訪問介護員の確保とU・Iターン希望者の定住 を促進するため、本宮地域に移住し、訪問介護に従事する者を対象として、 必要な資格取得のための研修費用及び研修期間中の生計費の助成を行う。 広報田辺 平成 27 年 4 月号 6 各種会計等 一般会計 特別会計 区分 平成 27 年度 国民健康保 険事業 131 億 3668 万円 後期高齢者 医療 17 億 3462 万 7 千円 0.7% 介護保険 85 億 5520 万 3 千円 -1.1% 71 万円 -2.7% 分譲宅地造 成事業 15.6% 同和対策住 宅資金等貸 付事業 1157 万 7 千円 -56.1% 簡易水道事業 12 億 6397 万 5 千円 112.7% 農業集落排 水事業 3 億 8433 万 3 千円 3.9% 林業集落排 水事業 1642 万 9 千円 1.8% 漁業集落排 水事業 6778 万円 6.7% 特定環境保 全公共下水 道事業 5716 万 3 千円 戸別排水処 理事業 586 万 2 千円 3.9% 3 億 6630 万円 4 千円 -3.1% 診療所事業 駐車場事業 -12.1% 木材加工事業 1 億 5529 万 2 千円 6.1% 四村川財産区 2887 万 5 千円 3.5% 258 億 2445 万 5 千円 10.0% 水道事業 増減率 20 億 3934 万 2 千円 -1.8% 使用料及び手数料 6 億 4740 万 4 千円 (1.4%) 歳入 財産収入 1 億 5385 万 2 千円 (0.3%) 455 億 2500 万円 国庫支出金 51億1331万 9 千円 (11.2%) 繰入金 10 億 4304 万 7 千円 (2.3%) 地方交付税 152 億 5000 万円 (33.5%) 寄付金・繰越金・ 諸収入 38 億 2128 万 9 千円 (8.4%) 積立金・予備費 12 億 7088 万 9 千円 (2.8%) 投資及び 出資金貸付金 23 億 7668 万円 (5.2%) 維持補修費 4 億 9698 万 4 千円 (1.1%) 455 億 2500 万円 災害復旧事業費 2 億 970 万 9 千円 (0.5%) 普通建設事業費 (単独) 42 億 30 万 5 千円 (9.2%) 人件費 74 億 776 万 7 千円 (16.3%) 物件費 58 億 8830 万 5 千円 (12.9%) 歳出 公債費 58 億 4793 万 7 千円 (12.9%) 扶助費 76 億 6037 万 9 千円 (16.8%) 補助費等 32 億 6699 万 6 千円 (7.2%) 普通建設事業費(補助) 26 億 5012 万 6 千円 (5.8%) ※特別会計・企業会計にある増減率は、平成 26 年度比です。 者に負担してもらうお金 所や老人ホーム等の利用 分担金及び負担金⋮保育 納めていただくお金 ため、市民の皆さんから 的に行う事業経費を賄う 市税⋮市民福祉向上を目 金や借入金 付又は割り当てられるお 依存財源⋮国や県から交 収入可能なお金 自主財源⋮市が自主的に のための経費 障害者の方等、福祉向上 扶 助 費 ⋮ 児 童・ 高 齢 者・ 等の維持・修繕費 維持補修費⋮公共用施設 ための委託費用など 用品や施設の維持管理の 物件費⋮市役所内の事務 れる経費 人 件 費 ⋮職員等に支払わ る性質の経費 投資的経費⋮後に形が残 らない性質の経費 消費的経費⋮後に形が残 語句説明 の使用や特定のサービス に対する負担金補助や建 補助費等⋮個人又は団体 使用料及び手数料⋮施設 に対して負担してもらう 公債費⋮国や県、銀行か 物の火災保険料など ら借りたお金・利子の返 お金 費税などの国税を一定割 済金 財産収入⋮市の財産の貸 合で交付されるお金 投資及び出資金貸付金⋮ 普通建設事業費⋮道路や 国庫支出金・県支出金⋮ 投資又は出資に係る経費 建物などの建設事業費 学校建築、道路整備、老 など 繰入金⋮会計間相互の資 人医療や生活保護の扶助 繰 出 金 ⋮一般会計と特別 付けや運用による収入 費等に対し、国や県から 会計の間で支出される経費 災害復旧事業費⋮災害で 支出されるお金 積 立 金・ 予 備 費 ⋮ 基 金 の 被害を受けた施設等の復 市債⋮学校建築や道路整 利息の積立金や突発的な 金 運 用 や、 基 金 を 取 り 崩 備など一時的に多くのお 事態に備えての予備的な 旧費 金が必要となる事業のた 地方交付税⋮所得税・消 めに長期間にわたり借入 経費 TANABE City 2015.4 市債 59 億 9010 万円 (13.2%) したお金 れするお金 7 平成 27 年度 分担金及び負担金 3 億 3976 万 5 千円 (0.8%) 繰出金 42 億 4892 万 3 千円 (9.3%) 企業会計 区分 その他 17億 6179 万 1千円 (3.9%) 県支出金 32 億3464 万1千円 (7.1%) -2.2% 3964 万 5 千円 合計 市税 81 億 6979 万 2 千円 (17.9%) 増減率
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