第1編 序論 第1章 1 計画策定の基本的な考え方 計画策定の趣旨 我 が 国 の 総 人 口 は 、今 後 、長 期 の 人 口 減 少 過 程 に 入 り 、総 人 口 が 減 少 し て い く な か で 、 高 齢 者 の 増 加 に よ り 高 齢 化 率 は 上 昇 を 続 け 、 平 成 67年 に は 40% に 達 し 、 国 民 の 2.5人 に 1人 が 65歳 以 上 の 高 齢 者 と な る 社 会 が 到 来 す る と 推 計 さ れ て い る 。 高 齢 化 に 伴 い 、認 知 症・寝 た き り 高 齢 者 等 の 要 介 護 者 が 増 加 し 、ま た 、核 家 族 化の進行等に伴い、家族の介護力は年々低下している。 こ の よ う な 状 況 の も と 、平 成 12年 に 介 護 を 社 会 全 体 で 支 え る 仕 組 み と し て 介 護 保 険 制 度 が 施 行 さ れ 、さ ら に 高 齢 者 が 尊 厳 を 保 ち 自 立 し た 生 活 と 積 極 的 な 社 会 参 加 が で き る 社 会 の 構 築 を 目 指 す 「 ゴ ー ル ド プ ラ ン 21」 が 策 定 さ れ た 。 本 市 で は 、全 国 を 上 回 る ペ ー ス で 高 齢 化 が 進 ん で お り 、介 護・保 健 福 祉 施 策 を 一 体 的 に 推 進 し て い く 必 要 が あ る た め 、平 成 12年 3 月 に「 高 齢 者 保 健 福 祉 計 画 ・ 介 護 保 険 事 業 計 画 」( ほ っ と 福 祉 プ ラ ン )を 策 定 し 、以 降 3 年 ご と に 所 要 の 見 直 し を 行 い 、基 本 的 な 政 策 目 標 と そ れ を 実 現 す る た め の 具 体 的 な 施 策・事 業 を 定 め てきたところである。 こ の よ う な 中 で 、平 成 18年 3 月 に は 、介 護 保 険 法 の 制 度 全 般 に わ た る 見 直 し が 行われ、制度の持続性の確保、明るく活力ある超高齢社会の構築を基本視点に、 予防重視型システムへの転換が図られている。 ま た 、介 護 保 険 制 度 が 定 着 す る 一 方 で 、認 知 症 や ひ と り 暮 ら し 高 齢 者 へ の 対 応 や日常生活圏域での地域包括ケア体制の充実等が今日的課題になってきている。 今 回 の 本 市 の 計 画 は 、高 齢 者 福 祉 を 取 り 巻 く 新 た な 問 題 等 へ の 対 応 を 図 り つ つ 、 こ れ ま で の 給 付 実 績 や 住 民 の 意 見 等 を 踏 ま え 、平 成 24年 度 以 降 の 新 し い 3 年 計 画 を策定したものである。 2 計画の性格、法令等の根拠 本 市 の 高 齢 者 保 健 福 祉 計 画 は 、老 人 福 祉 法 に 基 づ く す べ て の 高 齢 者 を 対 象 と し た 老 人 福 祉 計 画 で あ り 、老 人 福 祉 サ ー ビ ス や 高 齢 者 の 介 護 予 防 、健 康 の 増 進 に 資 す る た め の 基 本 的 な 政 策 目 標 を 設 定 し 、そ の 実 現 の た め に 取 り 組 む べ き 施 策 を 定 めるもので、その内容において介護保険事業計画を包含するものである。 2 ま た 、介 護 保 険 事 業 計 画 は 、介 護 保 険 法 に 基 づ く 介 護 の 必 要 な 高 齢 者 等 を 対 象 と し た 計 画 で あ り 、介 護 保 険 の 適 正 な 給 付 を 目 指 し 、要 介 護 認 定 者 数 の 推 計 等 を 踏まえ介護保険サービスの必要量の見込等を定めるものである。 3 基本理念 高 齢 化 が 一 層 進 展 す る 中 で 、全 て の 高 齢 者 が い つ ま で も 健 康 で 生 き が い を も っ て 暮 ら す こ と が で き る よ う 、健 康 づ く り や 介 護 予 防 の 推 進 を 図 る と と も に 、社 会 参 加 の 促 進 等 に 努 め る こ と が 必 要 で あ る 。ま た 、介 護 が 必 要 に な っ て も 、住 み 慣 れ た 地 域 で 、そ の 人 ら し く 自 立 し た 生 活 を 送 る こ と が で き る よ う 、介 護 サ ー ビ ス 基 盤 の 整 備 や 介 護 サ ー ビ ス の 質 の 向 上 を 図 り 、必 要 な サ ー ビ ス を 適 時・適 切 に 提 供できる体制づくりに努めることが必要である。 ま た 、こ れ ら の こ と を 着 実 に 推 進 す る た め に は 、行 政 ・市 民 ・事 業 者 が 連 携 を 密 に す る と と も に 、地 域 の 人 々 が 互 い に 協 力 し 、支 え 合 い な が ら 高 齢 者 が 安 心 し て 暮らせるまちづくりを進めることが重要であり、その実現に向け取り組む。 【基本理念】 地域で支え合いながら、いつまでも健やかに、 生きがいを持って、安心して暮らせるま ち づ く り 4 計画の策定経過等 (1) 計 画 策 定 の た め の 取 り 組 み 高岡市高齢者保健福祉計画及び高岡市介護保険事業計画の策定に当たって は 、両 計 画 の 一 体 的 な 取 り 組 み を 図 る 観 点 か ら 、 「高岡市介護保険運営協議会」 と「高岡市福祉のまちづくり推進委員会高齢者部会」とを合同開催してきた。 両 委 員 会 で は 、平 成 23年 7 月 以 降 、頻 回 に 検 討 を 重 ね 、平 成 24年 3 月 に こ れ までの検討結果を報告書として取りまとめ、高岡市へ提出する 。 3 (2) 市 民 参 加 及 び 市 民 の 意 見 を 反 映 す る た め の 方 策 高 齢 者 保 健 福 祉 計 画 及 び 介 護 保 険 事 業 計 画 の 策 定 に 当 た っ て は 、よ り 多 く の 市 民・被 保 険 者 の 意 見 を 反 映 す る た め 、学 識 経 験 者 や 保 健・医 療・福 祉 関 係 者 の 委 員 の ほ か 、介 護 保 険 運 営 協 議 会 に 公 募 に よ る 4 名 の 委 員 を 加 え て 会 議 を 開 催した。 ま た 、計 画 案 を 市 ホ ー ム ペ ー ジ に 掲 載 す る な ど 、幅 広 い 市 民 の 意 見・要 望 の 聴取に努めたところである。 5 計画期間 計 画 期 間 は 、 平 成 24年 度 か ら 平 成 26年 度 ま で の 3 年 間 と す る 。 こ の 計 画 の 初 年 度 か ら 3 年 が 経 過 す る 平 成 26年 度 中 に 、そ れ ま で の 給 付 実 績 等 を も と に 見 直 し 、 新 た に 平 成 27年 度 を 初 年 度 と す る 3 年 間 の 計 画 を 策 定 す る 。 4 第2章 1 高齢者を取り巻く現状 高岡市の人口構造、高齢者のいる世帯の状況 (1) 高 岡 市 の 人 口 構 造 本 市 の 総 人 口 は 、平 成 19年 の 180,877人 か ら 平 成 23年 に は 176,713人 と な っ て お り 、 5 年 間 で 4,164人 減 少 し て い る 。 こ れ を 年 齢 別 で み る と 、特 に 高 齢 者 人 口 の う ち 75歳 以 上 人 口 に つ い て は 、急 激 な 伸 び を 示 し て お り 、平 成 19年 か ら 平 成 23年 ま で の 5 年 間 で 約 1.12倍 に 増 加 している。 ま た 、本 市 の 高 齢 化 の 状 況 は 、全 国 と 比 較 し て も 高 い 割 合 と な っ て お り 、足 早に高齢化が進んでいることがうかがえる。 〔高岡市の人口構造〕 平 成 19年 総人口 (割合%) 平 成 20年 平 成 21年 平 成 22年 平 成 23年 180,877人 179,783人 178,622人 177,552人 176,713人 ( 100.0) ( 100.0) ( 100.0) ( 100.0) ( 100.0) 22,789人 22,464人 22,169人 21,694人 21,347人 (12.6) (12.5) (12.4) (12.2) (12.1) 112,976人 111,131人 109,162人 108,198人 107,566人 (62.5) (61.8) (61.1) (60.9) (60.9) 45,112人 46,188人 47,291人 47,660人 47,800人 (24.9) (25.7) (26.5) (26.8) (27.0) 22,145人 23,023人 23,532人 23,992人 24,819人 年少人口 0~ 14歳 (割合%) 生産年齢人口 15~ 64歳 (割合%) 高齢者人口 65歳 ~ (割合%) う ち 75歳 以 上 人 口 資 料 : 住 民 基 本 台 帳 ( 各 年 10月 1日 現 在 ) (参考)高齢化率の推移 平 成 19年 平 成 20年 平 成 21年 平 成 22年 平 成 23年 高岡市 24.9% 25.7% 26.5% 26.8% 27.0% 全国 21.5% 22.1% 22.7% 23.3% 23.4% 全国数値の資料:総務省統計局「推計人口」年報及び月報 5 (2) 高 齢 者 の い る 世 帯 の 状 況 第 1 号 被 保 険 者( 65歳 以 上 の 高 齢 者 )の い る 世 帯 は 、平 成 23年 10月 に お い て 33,283世 帯 で 、 総 世 帯 に 占 め る 割 合 は 、 52.1% と な っ て い る 。 総 人 口 が 漸 減 傾 向 に あ る 中 で 総 世 帯 数 は 漸 増 傾 向 に あ り 、核 家 族 化 が 進 ん で い る こ と が う か が え る 。こ の よ う な 状 況 に お い て 、65歳 以 上 の 高 齢 者 の い る 家 族 や 夫 婦 と も 高 齢 者 の 世 帯 、ひ と り 暮 ら し 高 齢 者 世 帯 は ま す ま す 増 加 し て い く ことが予測される。 〔高齢者のいる世帯の状況〕 平 成 21年 10月 平 成 22年 10月 平 成 23年 10月 総世帯数 63,108世 帯 63,496世 帯 63,919世 帯 第1号被保険者のいる世帯 32,763世 帯 33,094世 帯 33,283世 帯 (総世帯数に占める割合) ( 51.9% ) ( 52.1% ) ( 52.1% ) 資料:介護保険事業状況報告(月報) 6 2 介護保険対象サービスの実施状況 (1) 要介護認定の状況 要支援・要介護認定の状況をみると、認定者数は、平成21年10月の8,189人から 平成23年10月には8,749人と増加している。また、第1号被保険者に占める割合も 17.3%から18.3%へ増加している。 一方、介護度別では、要支援1及び要介護1・5の伸びが他の区分よりも大き いことから、軽度者の増加と重度化への移行が合わせて進んでいると考えられる。 〔要介護認定の状況〕 (単位:人、%) 平成 21 年10 月 平成22 年10 月 人 数 第 1 号 被保険者数 要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 認定者数合計 認定比率 人 数 平成23 年10 月 伸び率 (対 21 年) 伸び率 (対 22 年) 人 数 47,323 47,691 100.8 47,835 100.3 697 894 1,382 1,588 1,434 1,194 1,000 8,189 17.3 906 821 1,459 1,575 1,320 1,174 1,112 8,367 17.5 130.0 91.8 105.6 99.2 92.1 98.3 111.2 102.2 ― 976 897 1,522 1,637 1,282 1,260 1,175 8,749 18.3 107.7 109.3 104.3 103.9 97.1 107.3 105.7 104.6 ― ※認定者数には第2号被保険者数を含む 資料:介護保険事業状況報告(月報) 平成23年度 平成21年度 要介護(支援)認定の状況 要介護5 1,000 要介護4 1,175 1,112 1,260 1,174 1,194 1,282 要介護3 1,320 1,434 要介護2 要介護1 1,382 897 821 894 要支援2 要支援1 697 0 200 400 600 800 7 平成22年度 1,522 1,459 1,637 1,575 1,588 976 906 1000 1200 1400 1600 人 1800 (2) 居宅・地域密着型・施設別の介護サービス利用量 居宅サービスの利用者は、平成21年10月から平成23年10月の間に109.7%伸びて いる。また、地域密着型サービス利用者についても、平成21年10月に比べ151.6% 増加している。一方で、施設サービスは101.2%の増加であることから、全体とし て在宅中心の介護サービスへの移行が進んでいることがうかがえる。 給付の面からも同様の傾向がみられ、全ての介護サービスで給付総額が伸びて はいるものの、最も大きい施設サービスにかかる給付が介護サービス全体に占め る割合は、平成21年10月の51.6%から平成23年10月の48.3%へと減少傾向にある。 〔居宅・地域密着型・施設別介護サービス利用量〕 平成21 年10 月 人数・給付額等 A 平成22 年10 月 平成 23 年10 月 人数・給付額等 B 伸び率 B/A 人数・給付額等 C 伸び率 C/A 認定者数(a) 8,189 8,367 102.2 8,749 106.8 利用者数 4,501 4,740 105.3 4,936 109.7 66.1 66.9 - 66.2 - 425,032 450,258 105.9 464,014 109.2 41.6 42.4 - 42.2 - 利用者数 384 427 111.2 582 151.6 構成比 5.7 6.0 - 7.8 - 69,485 76,628 110.3 104,621 150.6 6.8 7.2 - 9.5 - 1,920 1,920 100.0 1,943 101.2 28.2 27.1 - 26.0 - 527,133 536,156 101.7 531,415 100.8 51.6 50.4 - 48.3 - 利用実人数(b) 6,805 7,087 104.1 7,461 109.6 受給率 (b)/(a) 83.1 84.7 - 85.3 - 1,021,650 1,063,042 104.1 1,100,050 107.7 サ居 ー ビ宅 ス サ ー ビ ス (単位:人、%、千円) 地 域 密 着 型 構成比 給付総額 構成比 給付総額 構成比 利用者数 サ施 ー ビ設 ス 構成比 給付総額 構成比 介護サービス 給付総額 ※介護予防サービスを含む。また、居宅サービスには居宅介護支援費を含む。資料:介護保険事業状況報告(月報) 8 居宅・地域密着型・施設サービス利用者数 1,943 4,936 1,920 4,740 582 平成23年10月 平成22年10月 427 平成21年10月 384 0 500 1,920 4,501 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 人 施設介護サービス 地域密着型サービス 居宅介護サービス 居宅・地域密着型・施設サービス給付額 531,415 平成23年10月 104,621 平成22年10月 76,628 464,014 536,156 450,258 527,133 69,485 平成21年10月 425,032 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 千円 施設介護サービス 地域密着型サービス 9 居宅介護サービス (3) サービス受給者の状況 ○居宅サービス・地域密着型サービス利用実績(人数・利用回数) 居宅サービスの平成21年度から平成23年度にかけての利用人数をみると、ほとん どのサービスで増加傾向にある。特に居宅療養管理指導、短期入所療養介護、福祉 用具貸与の利用者の増加傾向が大きいことがわかる。 また、地域密着型サービスの平成21年度から平成23年度にかけての利用人数をみ ると、各サービスともに大幅な伸びを示している。 〔居宅サービス利用実績(人数・利用回数) 〕 サービスの種類 (単位:人、回) 利用人数(月平均) 利用回数(月平均) 平成21 年度 平成22 年度 平成23 年度 平成21 年度 平成22 年度 平成23 年度 訪問介護 841 842 844 8,977 9,393 9,811 訪問入浴介護 158 159 160 657 663 684 訪問看護 230 226 234 1,116 1,074 1,080 訪問リハビリテーション 116 129 126 527 580 584 居宅療養管理指導 189 235 239 323 389 388 2,270 2,281 2,317 18,801 19,257 19,836 通所リハビリテーション 662 657 666 4,874 5,073 5,315 短期入所生活介護 781 800 835 6,996 7,384 7,388 短期入所療養介護 138 150 151 1,117 1,226 1,355 福祉用具貸与 1,811 1,912 2,052 1,811 1,912 2,052 福祉用具購入 44 55 57 44 55 57 住宅改修 34 38 39 34 38 39 特定施設入居者 生活介護 18 22 24 18 22 24 3,490 3,547 3,607 3,490 3,547 3,607 通所介護 居宅介護支援・介護予防支援 資料:介護保険事業状況報告(月報) 〔地域密着型サービス利用実績(人数・利用回数) 〕 サービスの種類 (単位:人、回) 利用人数(月平均) 利用回数(月平均) 平成21 年度 平成22 年度 平成23 年度 平成21 年度 平成22 年度 平成23 年度 認知症対応型通所介護 114 150 186 1,188 1,542 1,818 小規模多機能型居宅介護 85 101 135 85 101 135 認知症対応型共同生活介護 173 181 220 173 181 220 資料:介護保険事業状況報告(月報) 10 ○ 居宅・地域密着型・施設別サービス利用実績(人数) 居宅サービスでは、介護度別にみると、特に要介護1~2の利用者数が多くな っているほか、要支援者の利用も増えてきている。また、地域密着型サービスで は、要介護1~3の利用者が多くなっている。一方、施設サービスについては、ほ ぼ横ばいで推移しており、ここでも在宅中心の介護サービスへの移行が進んでい ることがわかる。 〔居宅・地域密着型・施設別サービス利用実績(人数) 〕 区 分 平成21年10月 サ ー ビ ス 521 526 要支援2 614 576 655 0 0 0 要介護1 983 1,052 1,134 要介護2 1,175 1,165 1,190 要介護3 780 779 726 要介護4 406 401 446 要介護5 216 246 259 4,501 4,740 4,936 要支援1 5 7 11 要支援2 7 3 6 経過的要介護 0 0 0 要介護1 68 76 111 要介護2 114 124 178 要介護3 128 133 154 要介護4 44 58 85 要介護5 18 26 37 384 427 582 要支援1 0 0 0 要支援2 0 0 0 経過的要介護 0 0 0 要介護1 28 39 40 要介護2 174 180 190 要介護3 456 434 401 要介護4 644 651 633 要介護5 632 622 682 1,934 1,926 1,946 合 サ 施 ー ビ 設 ス 平成23年10月 327 合 地 域 密 着 型 平成22年10月 要支援1 経過的要介護 サ 居 ー ビ 宅 ス (単位:人) 合 計 計 計 資料: 介護保険事業状況報告(月報) 11 (4) サービス種類別給付額の状況 ○ 居宅サービス給付実績 居宅サービスの中で最も給付額が多いのは通所介護であり、平成21・22年度共 に居宅サービスの1/3以上を占めている。 平成 21年度から平成 22年度における居宅サービスの給付額全体の伸び率は 104.4%となっており、そのうち、居宅療養管理指導が122.7%、福祉用具購入が 125.4%と大きく伸びている。 〔居宅サービス給付実績(支給額) 〕 (単位:円、%) 平成21年度 給付額 構成比 A 給付額 B 459,078,176 9.0 487,892,167 9.2 106.3 89,184,971 1.7 90,138,051 1.7 101.1 110,306,997 2.2 107,111,889 2.0 97.1 訪問リハビリテーション 35,091,252 0.7 39,217,905 0.7 111.8 居宅療養管理指導 14,322,600 0.3 17,574,075 0.3 122.7 1,969,776,379 38.5 2,044,775,796 38.3 103.8 通所リハビリテーション 568,782,939 11.1 582,179,196 10.9 102.4 短期入所生活介護 714,085,833 14.0 741,454,467 13.9 103.8 短期入所療養介護(老健) 106,341,465 2.1 114,412,233 2.2 107.6 短 期 入 所 療 養 介 護 (療 養 ) 32,853,402 0.6 38,425,428 0.7 117.0 福祉用具貸与 304,747,709 6.0 317,034,294 5.9 104.0 福祉用具購入 13,444,360 0.3 16,858,934 0.3 125.4 住宅改修 60,666,585 1.2 66,867,967 1.3 110.2 特定施設入居者生活介護 40,963,272 0.8 47,567,628 0.9 116.1 居宅介護支援・介護予防支援 589,422,482 11.5 622,175,237 11.7 105.6 5,109,068,422 100.0 5,333,685,267 100.0 104.4 サービス種類 訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護 通所介護 合 計 平成22年度 構成比 伸び率 B/A 資料:介護保険事業状況報告(年報) 居宅サービス給付実績 構成比 平成22年度 13.9 49.2 16.8 7.5 12.6 平成21年度 13.9 49.6 16.7 7.5 12.3 0% 10% 20% 訪問サービス 福祉用具・住宅改修サービス 30% 40% 50% 通所サービス その他サービス 12 60% 70% 80% 90% 短期入所サービス 100% ○ 地域密着型サービス給付実績 地域密着型サービスの中で最も給付額が多いのは認知症対応型共同生活介護 (グループホーム)であり、平成21・22年度共に地域密着型サービスの1/2以上を 占めている。 平成21年度から平成22年度における地域密着型サービスの給付額全体の伸び率 は112.7%となっており、そのうち、認知症対応型通所介護が128.9%と大きく伸 びている。 〔地域密着型サービス給付実績(支給額) 〕 (単位:円、%) 平成21 年度 給付額 A サービス種類 平成22 年度 給付額 B 構成比 構成比 伸び率 B/A 認知症対応型通所介護 143,274,591 17.6 184,727,466 20.1 128.9 小規模多機能型居宅介護 186,428,808 22.9 221,075,226 24.1 118.6 認知症対応型共同生活介護 484,850,160 59.5 512,350,245 55.8 105.7 814,553,559 100.0 918,152,937 100.0 112.7 合 計 資料:介護保険事業状況報告(年報) 地域密着型サービス給付実績 構成比 平成22年度 20.1 平成21年度 17.6 0% 10% 24.1 55.8 22.9 20% 認知症対応型通所介護 30% 59.5 40% 50% 60% 小規模多機能型居宅介護 13 70% 80% 90% 認知対応型共同生活介護 100% ○ 施設サービス給付実績 給付額の構成割合では、介護老人福祉施設が一番高い割合となっている。 平成21年度から平成22年度にかけての給付額の伸び率は、施設サービス全体で 100.8%であり、ほぼ横ばい状態となっている。 〔施設サービス給付実績(支給額) 〕 (単位:円、%) 平成21 年度 サービス種類 給付額 A 平成22 年度 給付額 B 構成比 構成比 伸び率 B/A 介護老人福祉施設 2,627,041,660 41.3 2,651,143,549 41.3 100.9 介護老人保健施設 1,956,444,708 30.7 1,975,772,645 30.8 101.0 介護療養型医療施設 1,780,812,427 28.0 1,787,400,126 27.9 100.4 6,364,298,795 100.0 6,414,316,320 100.0 100.8 合 計 資料:介護保険事業状況報告(年報) 施設サービス給付実績 構成比 平成22年度 41.3 30.8 27.9 平成21年度 41.3 30.7 28.0 0% 10% 20% 30% 介護老人福祉施設 40% 50% 介護老人保健施設 14 60% 70% 80% 介護療養型医療施設 90% 100% 第3章 Ⅰ 計画の重点課題と基本方針 生きがい・健康づくりの推進 明るく生きがいのある高齢社会を確立するためには、高齢者自身が自らの経験と知 識を活かし、地域における重要な担い手として積極的に役割を果たしていけるよう、 生涯学習の機会の拡充や高齢者の就労促進が重要な課題となる。このため、自身の趣 味やサークル活動のみならず、社会的に必要とされる仕事やボランティア活動を通じ て社会と関わりを持ち続けることができるよう、高齢者がやりがいを持って活動でき る場を提供する体制づくりに努める。 また、健康で活力のある長寿社会を構築するためには、市民一人ひとりが「自分の 健康は自分でつくり守る」という自覚と認識を持って、できる限り自立して生活でき る期間(健康寿命)を伸ばしていくことを基本に、介護予防や健康づくり施策を積極的 に推進していくことが重要である。このため、生涯にわたる健康の増進や地域の中で の介護予防の充実を図ることに重点を置きながら、一人ひとりの生きがいと健康づく りを社会全体の協働により推進する。 Ⅱ 1 元気な高齢者の活動の場と生きがいづくり 2 高齢者の健康づくりの推進 生活支援サービスの充実 高齢者が地域で共に支え合いながらいつまでも安心して暮らせるようにしていくた めには、高齢者一人ひとりの自立した生活を支えるための在宅における生活支援サー ビスをより一層充実していくことが求められる。とりわけ、近年の認知症及びひとり 暮らし高齢者の増加が大きな社会問題となりつつあるなか、適切に対応していくこと が重要である。 このため、生活上の援護を必要とする高齢者の自立生活を支えるための様々な生活 支援施策を推進するとともに、高齢者が暮らしやすい住まいの整備を推進する。 15 Ⅲ 1 生活支援施策の充実 2 高齢者の住まいの整備 地域で支え合う仕組みづくりの推進 高齢者が住み慣れた地域でより安心して生活し続けられるよう、地域包括ケア体制 の構築が求められている。予防から保健・医療・福祉などの適切なサービスが切れ目 なく提供できる体制づくりの中心となる機関として地域包括支援センターの役割は、 ますます大きくなってきている。 また、地域課題を解決するためには、地域社会において自助・共助・公助による重 層的な取り組みが必要であり、ひとり暮らし高齢者や要援護高齢者を地域で支え合う 仕組みづくりを推進していくことが重要である。 今後、地域福祉のネットワーク機能を強化し、増え続ける認知症高齢者の見守り支 援体制づくりや高齢者の権利擁護のための取り組みを一層強化するとともに、地域社 会全体で要援護者を支援する体制整備の推進を図る。 Ⅳ 1 地域福祉ネットワークの整備・推進 2 認知症高齢者支援施策の充実・推進 3 高齢者の権利擁護 4 要援護者支援体制の整備 介護サービスの充実 介護が必要な人が要介護度に応じて適時・適切にサービスを受けられるよう、介護 保険事業計画に基づき、必要な居宅サービス、地域密着型サービスや施設サービス等 を提供していくことが重要である。 特に、介護保険制度においては、できる限り住み慣れた地域でその人らしい生活を 送るという在宅重視の考え方が基本となっていることから、今後は小規模多機能型居 16 宅介護などの地域密着型サービスの充実が一層重要となる。 さらに、介護保険制度を持続可能なものとしていくため、介護認定の精度をより向 上させるとともに、介護サービスのより適切な実施と質の向上にむけての取り組みを 推進していくことが重要である。 1 介護サービスの充実 2 介護サービスの適正実施の推進 17 ■ 施策の体系 地 域 で 支 え 合 い な が ら 、 い つ ま で も 健 や か に 、 生 き が い を 持 っ て 、 安 心 し て 暮 ら せ る ま ち づ く り 1元気な高齢者の活動の場と生きが いづくり (1)生涯学習・スポーツの充実 (2)就労の場の確保 (3)高齢者の生きがいづくりの推進 と活躍の場の拡大 2高齢者の健康づくりの推進 Ⅰ 生きがい・健康づくりの 推進 (1)健康の保持増進 (2)介護予防の普及・啓発 (3)地域における介護予防活動の 支援 (4)介護予防の推進 1生活支援施策の充実 (1)在宅の生活支援 (2)自立への生活支援 Ⅱ 生活支援サービスの充実 2高齢者の住まいの整備 1地域福祉ネットワークの整備・推進 (1)地域包括支援センター事業の 推進 (2)高齢者の見守り支援 (3)医療との連携強化 2認知症高齢者支援施策の充実・推進 (1)認知症の方とその家族を支える 体制づくり (2)認知症に関する正しい知識の普 及・啓発 (3)認知症ケアの質の向上 Ⅲ 地域で支え合う仕組みづく りの推進 3高齢者の権利擁護 4要援護者支援体制の整備 5災害時支援体制の整備 (1)要援護者の把握 (2)避難誘導・安否確認等の支援体制 の整備 (3)避難所の整備 1介護サービスの充実 (1)平成26年度における目標値 (2)要支援・要介護者へのサービス (3)介護サービス基盤の整備 (4)介護保険対象者外の施設サービス の推進 2介護サービスの適正実施の推進 (1)介護認定の適正化にむけて (2)介護サービスの適切な実施と 質の向上にむけて Ⅳ 介護サービスの充実 18
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