モノづくり リサイクル金属 株式会社 佐藤金属;pdf

モノづくり
product innovation
技術は多岐にわたる。写真は、鉄の表面
処理加工で排出される研削スラッジ(汚
泥)を『脱液固形化』によってリサイク
ルした鉄原料。ドラム缶1本分の汚泥の
うち、重量比で80%前後が再生原料にな
るという。研削スラッジはほとんどが廃
棄物として埋め立て処分されているが、
最近では資源の有効活用と地球環境保全
の面からこの技術が着目されており、平
成25年度には『みやぎ産業廃棄物3R等推
進設備整備事業』に指定された
リサイクル金属
〈佐藤金属〉が手掛ける金属リサイクル
金 属 資 源 の 再 生 を 通 じ 、 次 代 に 住 み よ い 環 境 を 渡 す
岩沼臨空工業団地にある〈佐藤金属〉
は、金属全般のリサイクルを行う企業。
電子部品や機械プラント、医療機械など
の各産業分野から機器を回収し、ニッケ
ルやタングステンといった特殊金属や、
金や銀などの貴金属を再生する。機器解
体に際しては、人手による細かな選別作
業を行うのが同社の特徴で、プリンタを
例に挙げれば金属以外の部分も含め90%
以上がリサイクルされる。こうした丁寧
な処理作業が評価され、大手メーカーか
らの案件も数多い。
震災時、同社は業務の中枢を担う1階
部分が浸水。操業停止を余儀なくされた。
その苦境からの再起を支えたのが、事業
再開を待ち続けてくれた多くの顧客と女
性社員の激励だったという。また、事業
再開に伴った人材確保の中で、佐藤克己
社長はパート採用した子育て世代の女性
たちの丁寧な仕事ぶりに着目。女性がよ
り活躍できるように、雇用条件・業務内
容・人事制度などの整備に取り組んだ。
その結果、社員のスキルアップと業務
各種省電力機器などのハード面だけでな
く、フレキシブルなワークスタイル、作
業者の自立性を高める業務内容のガイド
ライン化、社員登用・人事制度、スキル
アップ支援など、ソフト面においても女
性が働きやすい環境を整えた
株式会社 佐藤金属
代表取締役
佐藤克己
さん
被災から再起する中で、当社では企業の存在価値を見直し、「金属資源のリサ
イクルを通して資源循環型社会の構築・持続に貢献し、豊かな地球環境の中で
共存していく」を理念に掲げました。今、当社で活躍しているのは、この思い
に共感してくれた人たちであり、ダイバーシティ経営企業100選への選定は、
従業員が働きやすい環境を整えた結果だと思います。微力ですが、今後も地球
環境保全に貢献しながら、次代に「住みよい環境」を引き渡したいですね。
株式会社 佐藤金属 岩沼市下野郷字中野馬場34-48 TEL0223-23-4661 http://satoh-kinzoku.sakura.ne.jp/
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の効率化が図られ、同社におけるOA機器
のリサイクル率や売上、顧客満足度は大
きく向上。平成26年度には東北で唯一、
「ダイバーシティ経営企業100選」(経
済産業大臣表彰)に選定された。