2015 年 3 月 24 日 No.276 オマーン:カーブース国王が 8 カ月ぶりに帰国 3 月 23 日、ドイツで「医療プログラム」を受けていたカーブース国王は、8 カ月ぶりに帰国 した。同日に宮内省から発表された声明によると、カーブース国王はドイツでの医療プログラ ムを成功のうちに終え、完全な健康状態で 23 日夜にオマーンに帰国した。 評価 7 月 9 日にドイツに出国して以来、11 月 5 日に国民向 けの短い声明を読み上げる映像が発出された以外にメ ディアへの露出が全くなかったカーブース国王の健康 状態に関しては、様々な憶測を呼んでいた(これまでの経緯 写真:カーブース国王の帰国 については「オマーン:カーブース国王の健康状態」 『中東かわら版』No.118 (2014 年 8 月 25 日) 、及び「カーブース国王が国民向けに声明を発出」 『中 東かわら版』No.174(2014 年 11 月 6 日)を参照) 。 公式発表では「医療検査」ないし「医療プログラム」 のためにドイツを訪問していたことになっており、カー ブース国王の病名・病状については一切触れられていな いが、報道では結腸癌ではないかと噂されている。カー ブース国王の帰国時の様子は、オマーン TV、オマーン国 営通信などで映像、写真が報じられた。公開された約 1 分の映像では、タラップを 1 人で降りてくる姿や手を挙 げて挨拶する姿が映されており、健康状態が安定してい る様子がアピールされていた。 出典:オマーン国営通信(ONA) カーブース国王は現在 74 歳で、1970 年の即位以来、44 年間にわたってオマーンを統治して きた。オマーン近代化の立役者として国民から広く支持されている一方、権力が国王に集中し ていることから、ポスト・カーブース体制ではどのような政治体制が構築されるのか、注目が 集まっている。 (村上研究員) --------------------------------------------------------------------------------◎本「かわら版」の許可なき複製、転送、引用はご遠慮ください。 ◎各種情報、お問い合わせは中東調査会 HP をご覧下さい。URL:http://www.meij.or.jp/
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