説明力とは何か (物語的な情報発信と要約的な情報発信) 05-3 ①物語的な情報発信 ある日、桃太郎が言いました。 「ぼく、鬼ヶ島へ行って、悪い鬼を退治します。」 おばあさんにきび団子を作ってもらうと、鬼ヶ島へ出かけました。 旅の途中で、イヌに出会いました。 「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」 「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ。」 「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ。」 イヌはきび団子をもらい、桃太郎のおともになりました。 そして、今度はサルに出会いました。 「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」 「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ。」 「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ。」 そして今度は、キジに出会いました。 「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」 「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ。」 「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ。」 ②要約的(構造的)な情報発信 ①いつ:ある日 ②誰が:桃太郎が ②なにをした:旅に出た ③目的は:「鬼ヶ島へ行って、悪い鬼を退治すること」 ④持ち物は:きび団子(おばあさんがつくってくれた) ⑤旅の途中で出会った動物: 1.イヌ 2.サル 3.キジ ⑥何が起こったか: きび団子と交換に動物は桃太郎の家来になった。 ③物語的な情報発信と要約的(構造的)な情報発信の違い ●ワーク1: 物語的な情報発信の利点はなんでしょうか? 要約的(構造的)な情報発信の利点はなんでしょうか? ヒント: 昔話がまさしく物語 です。 ヒント: ビジネスの場では 要約的な情報発信 が求められます。 ③物語的な情報発信と要約的(構造的)な情報発信の違い 物語的な情報発信と要約的(構造的)な情報発信の特徴をまとめると 以下のようになります。 物語的な 情報発信の特徴 要約的(構造的)な 情報発信の特徴 情報を伝えるために 言葉の量が多くなり、時間を要す 必要な言葉の量・ る 時間 言葉が簡潔で、短い時間で済む 話者と情報の関係 人物や出来事について、原因と 結果の流れを話者が意味づけし てつなげたもの 要点や、優先順位を客観的に 整理したもので話者の主観は 基本的に取り除かれる どのように言いたい ことが表現されるか 言いたいことは、全てを聞かないと わかりづらい 言いたいことが単語レベルで 明確になっている コンテクスト(文脈) の共有 背景にあるコンテクスト(文脈)も 一緒に話される 背景にあるコンテクスト(文脈)を うかがい知ることが難しい 言葉を超えて 伝わる情報 イメージが生成されやすい 言葉を超える情報は、聴き手の 理解度に依存する 効果 共感を醸成しやすい 大事な点がわかりやすい ④物語的な情報発信ワーク ワーク2: あなたが今日起きてから、学校に着くまでのことを、 ワークシートに物語的に記してください。 ④物語的な情報発信ワーク ワーク2: あなたが今日起きてから、学校に着くまでのことを、 ワークシートに物語的に記してください。 今朝目が覚めた時、7時30分を過ぎていました。7時40分に家を 出ないと遅刻してしまうので、私は飛び起きて、慌てて着替えをして、 7時45分に家を出ました。 私の家は駅から自転車で15分の距離にあります。 私は自転車をかなり飛ばし、10分で着くことができました。 かなり疲れましたが、1限は少人数制のゼミスタイルの授業のため、 遅刻をするとかなり目立つので、それが嫌でがんばりました。 電車の時間には間に合ったのですが、なんと電車が遅れていました。 せっかく急いだのに結局駅で電車を15分待つことになり、8時に電車 に乗り、学校に着いたのは15分遅刻の9時ちょうどでした。 私はとてもがっかりしました。 ⑤要約的(構造的)な情報発信ワーク ワーク3: あなたが今日起きてから、学校に着くまでのことを、 ワークシートに要約的(構造的)に記してください。 ⑤要約的(構造的)な情報発信ワーク ワーク3: あなたが今日起きてから、学校に着くまでのことを、 ワークシートに要約的(構造的)に記してください。 目覚めた時間 :午前7時30分 家を出た時間 :午前7時45分 ※家から駅までの時間:自転車で10分(普通だと15分) 電車に乗った時間:午前8時00分 学校についた時間:午前9時00分(15分の遅刻) ※遅刻理由:電車の遅延 ⑥物語的な情報発信と要約的(構造的)な情報発信の使い分け ワーク4: 物語的な情報発信は、自分の学生生活のどのような場面で使うと 効果的でしょうか? また、要約的(構造的)な情報発信は、どのような場面で使うと 効果的でしょうか? ⑥物語的な情報発信と要約的(構造的)な情報発信の使い分け ワーク4: 物語的な情報発信は、自分の学生生活のどのような場面で使うと 効果的でしょうか? また、要約的(構造的)な情報発信は、どのような場面で使うと 効果的でしょうか? ●物語的な情報発信を使う場面の例 - 共感してほしい時 ・今日すごく良いことがあったことを友人に伝えたい時 ・悲しいことがあって、自分の気持ちを友人にわかってほしい時 ・親に買ってほしいものがあってその理由を説明する時 ●要約的(構造的)な情報発信を使う場面の例 - 要点を正確に簡潔に伝える時 ・実験した経過や結果を先生に報告する時 ・学生課の窓口で手続きについて質問する時 ・メールで明日の準備についてみんなに連絡する時 ⑦説明力を身につけよう 物語的な情報発信と要約的(構造的)な情報発信を使い分けて、 説明力を身につけよう!
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