③緊急要請文;pdf

大分労発基 0325 第1号
平成 27 年3月 25 日
関係団体の長
殿
大 分 労 働 局 長
硫化水素中毒・酸素欠乏症の防止の徹底について( 緊急要請 )
労働行政の推進につきましては、日頃より格別の御理解、御協力を賜り厚く御礼申し
上げます。
さて、本年3月 18 日、秋田県内の乳頭温泉郷において、労働者3名が硫化水素中毒
と考えられる死亡する労働災害が発生しました。本労働災害については、現在、所轄労
働基準監督署において原因究明のための調査中ですが、これらの「硫化水素中毒」や「酸
素欠乏症」は、ひとたび発生すると死亡災害等、重篤な労働災害に繋がりかねないもの
であり、さらに、被災した労働者等を救出に向かった者が同様に硫化水素や、酸素欠乏
空気を吸い込むいわゆる二次災害の発生が懸念されるところです。
また、硫化水素中毒に関連する労働災害については、近年、平成 25 年6月、長崎県
の雲仙市内の旅館において労働者2名が硫化水素中毒により死亡するとともに、大分県
内においても、昨年 12 月、温泉施設改修工事現場において労働者1名が硫化水素中毒
により休業するなど、温泉施設に係る貯湯タンクの清掃作業中における硫化水素中毒に
よる死亡災害及び休業災害が発生しているところです。
ところで、大分県は「おんせん県おおいた」として全国的に注目され、温泉施設等が
多く点在しているところです。このため、温泉施設等において、硫化水素の発生、流入
等により、硫化水素の滞留等や、酸素欠乏の状況下におけるタンク等の内部の清掃作業
等(以下「酸素欠乏危険作業」という。)に携わる危険性、有害性があることから「労働
安全衛生法」、
「酸素欠乏症等防止規則」、
「労働安全衛生規則」等の関係法令に基づき酸
素濃度等の測定、換気等の実施、保護具の使用、作業主任者の選任と作業指揮、特別教
育、監視人の配置、立入禁止等の措置が事業主に義務付けられているところです。
つきましては、貴職におかれましては、傘下の会員事業場(貴職が発注した建設工事
業者)に対し、別添パンフレット等を参考に、酸素欠乏危険作業における労働災害防止
に万全を期されるよう周知徹底方、お願い申し上げます。
なお、「硫化水素中毒」とは、空気中の硫化水素濃度が 10ppm を超える空気を吸入す
ることにより生じる症状が認められる状態であり、「酸素欠乏症」とは、空気中の酸素
濃度が 18%未満の空気を吸入することにより生じる症状が認められる状態で、貯湯タン
ク等の内部において硫化水素の発生、流入等により、空気中の酸素濃度が変化し、酸素
欠乏の状態となることで発生することがあります。