経済・投資動向と企業活動からみる コートジボワールの可能性 撮影:ジェトロ 2014年12月 ジェトロ・アビジャン事務所長 山田泰慎 本オンラインセミナーで提供している情報は、ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。 ジェトロでは、できるだけ 正確な情報の提供を心がけておりますが、本オンラインセミナーで提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る 事態が生じたとしても、ジェトロ及び執筆者は一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。 2015 JETRO 禁無断転載 本日の内容 Ⅰ.コートジボワール概要 Ⅱ.経済動向と展望 Ⅲ.投資動向 Ⅳ.コートジボワールの優位性 Ⅴ.ECOWAS共通関税 2015 JETRO 禁無断転載 I. コートジボワール概要 1 面積 32万2,436㎡ 人口 2,330万人 首都 ヤムスクロ(経済の中心はアビジャン) 言語 フランス語(公用語)、各部族語 元首 アラサン・ワタラ大統領 通貨 CFAフラン(1ユーロ=655.957FCFA:固定)UEMOA共通 実質GDP 17兆210億FCFA 経済成長率 9.0% 一人当たりGDP 1,462USD 輸出額 7.4兆FCFA(+10.1%) 輸入額 6.8兆FCFA(+7.3%) インフレ率 0.5% ヤムスクロ 政党 アビジャン 【与党】共和主義者連合(RDR)、コートジボワール民主 党(PDCI)、コートジボワール民主主義・平和連 合(UDPCI)、未来の力運動(MFA)、コートジ ボワール連合(UPCI) 【野党】イボワール人民戦線(FPI)等 ※2014年推定値、輸出額/輸入額の()は2013年比 出所:コートジボワール経済・財政省 2015 JETRO 禁無断転載 I. コートジボワール概要 2 主要生産物生産量 ※2014年推定値、()は2013年比 コーヒー 10.7万トン(+3.2%) カシューナッツ 55万トン(+12.8%) カカオ 165万トン(-1.3%) 石油生産 1.8万バレル/日(+25.4%) バナナ 41.4万トン(+5.0%) ガス 22億㎥(+3.7%) パイナップル 8万トン(+18.5%) 金 15トン(-3.3%) 綿実 41.7万トン(16.6%) マンガン 30万トン(+17.9%) パーム油 41.1万トン(+5.0%) 石油製品 2,999Kt(-1.5%) 砂糖 18.7万トン(+4.5%) 発電 8,317GWH(+9.7%) 天然ゴム 32.2万トン(+11.0%) GDP構成比(名目、2013年) 12.1% 0.4% 11.6% 第1次産業 行政サービス等 22.1% 9.6% 6.4% 21.6% 9.8% 15.0% 第2次産業 第3次産業 34.1% 9.8% 5.9% 6.0% 22.3% 0.1% 6.3% 2.2% 0.2% 0.7% 0.7% 出所:コートジボワール経済・財政省 2015 JETRO 禁無断転載 3.3% 食糧作物・畜産 商業 輸出換金作物 食品加工 情報通信 鉱業 輸送 建築 石油製品 エネルギー 林業 漁業 その他サービス その他製造業 行政サービス 非営利団体活動 税 II. 経済動向と展望 1.2013~14年の動向① 成長基調は変わらず。13年の9.2%に続き、14年も9.0%の成長の見通し。 ■一次産業 ・食糧生産は13年に続き5%台の伸び:コメの増産プログラムが寄与 ・輸出換金作物:13年の9%増から2.2%増に減速するものの、カカオや綿花、カシューナッツ等 の主要作物は依然として過去最高水準の生産量を維持。政府による生産性向上プログラム等の 実施により競争力を強化。 ■二次産業 ・復興プロジェクトを中心とした各種インフラ整備計画により、建築分野が20%の高い伸び (高速道路建設、導水、住宅建設、水力発電ダム建設等) ■三次産業 ・運輸分野(+10.4%)を中心に高い伸び:道路改修による陸送の改善、サンペドロ港の貨物取 扱量の増加、エアコートジボワールの路線拡大等によるもの ■内需 ・公務員給与及び最低賃金の上昇、換金作物買取価格の安定化による所得の増加。 ・アフリカ開発銀行の本部帰還 2015 JETRO 禁無断転載 II. 経済動向と展望 実質GDP成長率の推移 15 一次産品価格の下落により 経済が停滞。貿易収支が赤 字となるとともに、巨額の 10 公共投資により国家財政も クーデターや内戦による南 悪化。 北分断等の政情不安により 低成長が続く 5 0 「象牙の奇跡」 -5 一次産品価格の上昇(特に 1994年1月、CFAフランの カカオ、コーヒー)に支え 切り下げを実施(仏フラン られた高成長を謳歌 に対して50%切り下 2010年大統領選に伴う混乱 げ)、国際競争力の強化を -10 図る -15 1966 1971 1976 1981 1986 1991 1996 2001 2006 2011 出所:コートジボワール経済・財政省、BCEAO 2015 JETRO 禁無断転載 II. 経済動向と展望 分野別商業販売額指数 基準年(指数=100):2000年 比率 2009 2010 2011 2012 2013 100 129,3 138,5 132,6 173,0 197,6 農産品、畜産品、水産品 0,4 87,7 61,4 36,8 37,8 7,8 水産加工品 3,0 90,5 81,3 69,8 92,3 79,3 食品、飲料、タバコ 4,9 357,2 367,8 374,5 396,9 408,5 織物、衣料品、履物、皮製品 4,7 81,8 80,6 85,7 102,8 121,8 0,01 269,9 282,7 206,2 251,6 317,8 家具、家庭用電化製品 1,3 137,0 137,8 119,9 166,3 155,4 建築用品、金物 3,3 143,3 146,7 142,0 155,8 227,6 新車 5,9 173,7 167,4 151,5 190,2 241,7 中古車 0,1 89,3 98,4 78,0 89,9 147,5 自動二輪車(新車) 0,06 143,2 157,8 125,1 144,3 236,6 自動車・二輪車部品 3,4 190,9 197,6 125,9 104,9 112,2 石油製品 50,4 103,5 116,2 114,3 175,1 204,0 医薬品 10,9 136,5 160,4 152,5 171,1 191,8 香水、化粧品 0,3 140,8 152,7 146,4 164,4 177,7 オフィス用品、情報通信機器 0,9 98,6 97,5 72,9 194,3 290,3 電気製品(家電以外) 1,4 49,4 63,9 42,0 49,1 74,9 新聞、図書、文具、学用品 1,7 111,1 95,7 77,1 113,6 104,6 その他 7,4 144,1 145,7 150,8 159,6 161,9 商業販売額指数 時計、宝石 出所:経済・財政省 2015 JETRO 禁無断転載 II. 経済動向と展望 2.2013~14年の動向② ■貿易動向 ・2013年に続き、14年も輸出・輸入ともに過去最高額を更新する見込み。 ・セメントやクリンカーなどの建築資材を中心に輸入が増加。12年から続く輸入額の増加基調に より貿易黒字は縮小し過去最低に。(UEMOAでは唯一の貿易黒字国) ・換金作物の生産増およびカカオの国際価格高騰による輸出額の押し上げ。 ・ブルキナファソやマリ等の後背国の需要拡大による石油製品等の輸出増。 ・最大の輸入相手国はナイジェリア、輸出相手国はオランダで13年から変わらず。 3.2015年の展望 ●二次産業と三次産業が成長を牽引する見通し ・一次産業は減速が見込まれるものの、政府財源の約10%を投入する農業分野の投資計画により 3.4%程度の成長の見通し。 ・二次産業は建築分野に加え、エネルギー、鉱物、食品加工分野での伸びが期待。 ・モバイルバンキング(貯蓄のための活用の開始)やリース、保険等金融分野の伸びも期待。 ・エボラ出血熱による経済面での影響は、主要感染3カ国との繋がりが比較的弱いため限定的。 ・15年10月の大統領選挙(現職の再選が大方の見方)とブルキナファソ情勢については注視する 必要有。 2015 JETRO 禁無断転載 II. 経済動向と展望 輸出入推移 単位:10億FCFA 8,000 7,000 輸出 6,000 輸入 5,000 貿易収支 4,000 3,000 2,000 1,000 主要輸出相手国(2013年)金額ベース 15% 9% 28% 8% 8% 3% 4% 4% 7% 7% 7% 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 0 主要輸入相手国(2013年)金額ベース ガーナ オランダ 米国 ガボン ナイジェリア フランス ドイツ 3% ベルギー ブルキナファソ カナダ 25% 15% ナイジェリア バハマ 中国 フランス アンゴラ インド 6% 2015 JETRO 禁無断転載 12% 13% 13% 出所:コートジボワール税関 II. 経済動向と展望 主要輸入品目 輸入量推移 単位:トン 2011年 2012年 2013年 クリンカー 1 265 660 1 801 769 2 014 338 米 1 215 282 1 773 040 1 311 756 515 469 641 699 665 507 11 946 53 857 358 375 414 548 614 705 655 019 26 728 50 320 44 090 包装材 122 172 153 021 159 461 果物、野菜 102 034 121 539 134 522 砂糖、グルコース、塩、糖蜜 253 334 312 684 428 699 積換貨物 896 570 1 137 617 876 272 小麦 セメント 肥料、基礎化学品 乳製品、卵 主要輸出品目 輸出量推移 コーヒー豆 カカオ豆 カカオ派生品 バナナ パイナップル 原木 製材 綿(ファイバー、繰り綿、原綿) 天然ゴム、ラテックス カシューナッツ 単位:トン 2011年 2012年 2013年 35 100 609 443 214 701 259 941 37 089 94 189 118 002 116 389 150 845 307 505 83 816 501 597 238 248 272 849 30 181 185 620 42 961 312 384 157 329 419 157 86 148 503 614 262 159 301 389 31 032 331 381 106 608 390 490 191 162 414 516 2015 JETRO 禁無断転載 出所:コートジボワール税関 III. 投資動向 1.動向総括 ・投資認可件数(注):143件(+39件:2012年比) ・投資金額(認可ベース)(注):5,137億FCFA(+167%:2012年比) ・主要分野:電気通信、ホテル、セメント製造、農業・食品加工 ・投資元資本:コートジボワール(20.7%)、モーリシャス(18.9%)、英国(17.1%)、フラン ス(8%)、シンガポール(6.2%)等 ・2014年11月中旬までの会社設立数:約5,600社 注)鉱物資源・石油・ガスの探査と開発および不動産・建 設・公共土木事業、金融・銀行・保険サービス部門の案 件は含まれない。また商業および輸送については5億 CFAフラン以上の案件のみが対象。 2.投資環境 ・窓口単一化による行政手続きの軽減(投資認可、会社設立、貿易手続) ・手続き日数の削減 例)会社設立:24時間、建築許可交付日数:474日→87日、電気敷設:55日→28日 ・費用の軽減 例)有限会社設立費用:66万FCFA→1.5万FCFA ・Doing Business 2015:147位(2014年:158位) ※建築許可交付日数や電気敷設日数等の改革が未反映のため、来年は更に上昇が期待。 ※納税回数の削減などが今後の課題。 2015 JETRO 禁無断転載 III. 投資動向 20% 4,000 16% 3,000 12% 2,000 8% 1,000 0% 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 国内総固定資本形成 1,132 1,187 1,246 1,518 1,072 1,671 2,258 2,724 3,269 対GDP投資比率 11.6% 10.9% 10.9% 12.3% 9.0% 12.1% 14.6% 16.0% 17.0% 公共 2.8% 3.6% 3.4% 3.4% 2.6% 5.4% 7.5% 7.7% 7.7% 民間 8.8% 7.4% 7.4% 8.9% 6.3% 6.7% 7.1% 8.3% 9.3% 0 単位:10億FCFA 4% 出所:経済・財政省 Doing Business 2015 建設許可 電力供給 取得 不動産 登記 資金調達 少数株主 保護 納税 通関 契約履行 清算 132 133 131 146 145 163 128 108 180 161 124 131 146 175 158 72 85 134 170 134 182 131 122 163 112 134 93 151 117 64 173 165 116 135 178 121 167 115 セネガル 161 90 151 183 167 131 122 183 79 142 99 ブルキナファソ 167 153 75 177 147 131 122 152 174 153 115 ニジェール 168 177 119 165 95 131 146 155 179 132 128 ギニアビサウ 179 176 165 180 160 131 122 150 119 169 189 総合 起業 マリ 146 169 97 コートジボワール 147 44 トーゴ 149 ベナン 出所:世銀 2015 JETRO 禁無断転載 III. 投資動向 3.企業動向① 農業・食品加工 企業名 国籍 投資額 内容 CEMOI フランス 40億FCFA チョコレート製造工場建設。国内販売用のチョコレート製造に加え、域 内16カ国にも輸出を計画。 NESLEのように売子を組織しての街中の移動販売も計画。 OLAM シンガポール 6,000万USD (カカオ) カカオ、カシューナッツ加工工場の建設 Louis Dreyfus、LR Group、CEVITAL等 仏、イスラエル、 アルジェリア n.a. 国産米増産および加工プロジェクト LR Group イスラエル n.a. 近代的栽培技術を活用したカカオ、コーヒー栽培 RINA Group イスラエル 100億FCFA パーム油製造工場の建設 EUSEBIO SPA イタリア n.a. グループ企業のCotoni del Firelloを介して繰綿加工へ進出 OLMIX フランス 2,000万USD 動物用栄養剤製造工場の建設 Nestle スイス n.a. 6カ月児以上向けに鉄分、ビタミンA・C、亜鉛、ビフィズス菌などを強 化したミルクを販売。500gと40gのパッケージ展開を計画。 SIAPA 国内 30億FCFA 500haのバナナ農園開発プロジェクト。病害に強いコスタリカ種のバナ ナを導入予定。生産目標は2.5万トン。 Royal Friesland Campina オランダ 1,870万USD オラムが所有する乳製品工場を買収。 Unilever 英国 45億FCFA マヨネーズ工場の建設(8,000㎡)。生産能力は1.2万トン。製造したマ ヨネーズは国内販売に加え、域内へ輸出される見通し。 2015 JETRO 禁無断転載 III. 投資動向 3.企業動向② 情報通信 企業名 国籍 投資額 内容 YooMee スイス n.a. カメルーンに続きLTEサービスの提供開始 One Tech チュニジア n.a. 金融、医療、教育の分野で情報通信技術を活用したサービス提供を検討 Thales・Orange・ Huaweiコンソ 仏・中 1.5億ユーロ アビジャン市内のビデオ監視システムを受注。ファイナンスは中国輸出 入銀行。中ZTE、ベナンGeneral d’Afriqueも応札したものの、審査の結 果Thales・Orange・Huaweiのコンソが受注。 MTN 南アフリカ n.a. 米Western Unionと提携し、資金送金サービスの強化を図る。 流通・小売 企業名 国籍 投資額 内容 Casino/ Cdiscount フランス n.a. Bolloreをパートナーにオンライン通信販売を開始。家具や装飾品、電化 製品など8万点を取り扱う。コートジボワールでは、JUMIAが既にMTN と協力しオンライン通販を既に展開。今後の市場拡大が見込まれる。 Carrefour/ CFAO フランス n.a. 大型ショッピングモールの建設・運営。15年9月にオープン予定。オン ラインショッピングへの進出も視野。これを受け、国内最大手の PROSUMAも旗艦店を大幅拡張し対抗。 n.a. YESHIグループと提携。YESHIがマスターフランチャイジーとなり、 コートジボワールを皮切りに、コンゴ共、ガボン、セネガルの4カ国で店 舗展開の予定。 Mr. Bricolage フランス 2015 JETRO 禁無断転載 III. 投資動向 3.企業動向③ 金融 企業名 国籍 投資額 内容 SAADA Group モロッコ n.a. Colina Assuranceを買収、SHAHAM Assuranceに改組。保険市場は未 だ加入率が低く拡大を続けており、Colinaの有する11カ国の販売網を手 に入れることで、域内でのシェアを一気に上げる構え。 Afriland First Bank スイス n.a. ナイジェリアAcces Bankのコートジボワール子会社を買収。農業分野で の融資システム構築に関心。 Standard Bank 南アフリカ n.a. 2013年11月にアビジャンに支店開設。コートジボワールを地域拠点と してUEMOA圏での事業展開を積極的に進める意向。 Orabank Group トーゴ n.a. フランス開発庁(AFD)傘下のPROPARCOから1,000万ユーロの融資を 受ける。Orabankは中・西部アフリカ12カ国に展開。コートジボワール ではBRSを10年に買収。 運輸 企業名 国籍 投資額 内容 Bouygues、Hundai Rotem、Dongsan フランス、韓国 10億ユーロ BOT方式によるアビジャン都市鉄道建設を受注。アビジャン空港から北 部アニャマまでの全長37km。区間の殆どはSitarailが所有する既存の鉄 道をリハビリして活用。空港までの5km程度を新設予定。 QUIPUX コロンビア n.a. 交通総合管理センターの運営を受託。免許交付や車両登録を行うととも に、関連データ―を一元管理する。 VINCI フランス 290億FCFA 子会社Sogea-Satomを通じてアビジャン港の漁港改修を受注。工期は 2015年末までの予定。 Air Cote d’Ivoire 国内 1.4億USD Bombardier Q400を2機購入。14年ぶりに国内線を復活。まずは3都市 から。 2015 JETRO 禁無断転載 III. 投資動向 3.企業動向④ 資源・エネルギー 企業名 国籍 投資額 内容 ORYX GAZ スイス 1,000万EUR 貯蔵容量4,000m3のブタンガス貯蔵施設を建設予定。現在、国内販売の 27%のシェアを有しており、今後販売を強化していく構え。コートジの ブタンガス消費量は年々拡大しており、14年の推定消費量は20万トン。 Buried Hill Africa キプロス n.a. 英African PetroleumからCI-509鉱区の採掘権益の10%を転借。 Randgold 南アフリカ 600万USD 国内12鉱区の探査を強化。内2鉱区で有望な鉱床が見つかったと発表。 同社は北部TONGONの金鉱山で採掘中。 SIFCA 国内 n.a. アビジャン東部のAboissoにパームの残滓を利用したバイオマス発電所 の建設を計画。仏EDFと技術提携。発電能力は46MWで、パームを利用 したバイオマスでは世界最大。 Telemania イスラエル 2,290億FCFA アビジャン西のSongonに火力発電所建設を計画。コンバインドサイクル で発電能力は372MWを予定。投資総額の約75%は西アフリカ開発銀行 (BOAD)からのファイナンス。 Ivoire Hydro Energy 国内 540億FCFA コートジボワール西部のSingrobo近くに水力発電ダムの建設を計画。発 電能力は44MWで2020年の稼働を目指す。稼働すれば、中Synohydro が建設中のSoubreダムと併せて水力葉電比率が46%まで向上する。 Hanergy Holding 中国 5億USD 太陽光パネルの組立工場と太陽光発電所の建設を計画。西アフリカでの 市場拡大を見込み、コートジボワールを足掛かりに進出を進める。 2015 JETRO 禁無断転載 III. 投資動向 3.企業動向⑤ その他 企業名 TASSOUMA Cauris Management 国籍 国内 トーゴ 投資額 内容 50万EUR ヨプゴン工業エリアにカカオポッドやココナツの綿毛、木屑などを原料 にしたバイオ炭工場(1600㎡)を設置。年間生産量は8000T。現在の販 売先はアビジャン市内の飲食店等。フランスのファンド等が出資をして おり、今後生産量の増強を予定。 20億FCFA コートジボワールの製薬会社CIPHARMに対して左金額の出資。 CIPHARMはSanofi-Aventisからのライセンス生産を行うとともに、ジェ ネリック薬品も生産。ディトリビューターを介して西・中部アフリカ12 カ国で販売。 Groupe TEYLIOM セネガル 290億FCFA アビジャン市内に同グループが展開するNOOMブランドのホテルを建設 予定。客室数は179室で、4つ星クラス、2016年第2四半期(4~6月)の 開業を見込む。 CGE-BTP ブルキナファソ n.a. アビジャンの西のグランバッサム近郊に3000戸の住宅建設を計画。ファ イナンスは同じくブルキナのCoris Bankが実施予定。 1,000億FCFA Limak Afrika S.A.という名称の現地法人を設立し、建築資材製造工場を 設置する。敷地面積は12万㎡で、年間生産量100万Tのセメント工場、 同100万Tのコンクリート工場を設置。第二フェーズでは砕石や煉瓦の生 産設備も設置予定。500人の雇用を見込む。 LIMAK、Afrikbat トルコ、国内 PISAM 国内 5,000万USD アビジャン市内の私立病院。最新型のMRIの導入や、オペ施設、集中治 療室、放射線治療設備などの刷新と増強を計画。西アフリカ開発銀行や アフリカ開発銀行からのファイナンスを見込んでおり、5年をかけて刷新 を図る。 AZALAI Hotels マリ 2,630万EUR アビジャン市内にAZALAIブランドのホテルを建設。客室数は180室を予 定。本プロジェクト実施に当たり、AZALAIはコートジSIFCAグループの SIFCOMとJVを立ち上げる。ホテルの完成は2015年の予定。 2015 JETRO 禁無断転載 IV. コートジボワールの優位性 1.UEMOAのゲートウェイ 域内経済の3割、貿易の4割、人口の2割強 ■物流拠点 ・サブサハラ2番目の港であるアビジャン港を起点に、 鉄道を利用したブルキナファソへのアクセス、道 路を利用したマリ、ニジェール、トーゴ、ベナン へのアクセス (後背3カ国の輸出入の7割がアビジャン港を経由) ・アビジャン-ヤムスクロ高速道路の開通により輸送 効率が向上 ・北部(Ferkessedougou)のドライポート建設に よるブルキナとの交易の円滑化 ・エアコートジボワールを利用した域内各国への直 行便での空路アクセスの向上 ・西部サンペドロ港を利用したギニア、マリへのア クセス ■加工拠点 ・安定、充実した産業基盤を活用した加工拠点とし ての位置付け ※物流拠点として整備を続けるロメとの差別化 2015 JETRO 禁無断転載 IV. コートジボワールの優位性 アビジャン港コンテナ取扱数の推移 アビジャン港後背国向けトランジット貨物の推移 単位:TEU 649,854 633,917 660,000 630,000 600,000 546,417 570,000 540,000 2011年 2012年 2013年 ブルキナファソ 394 402 758 097 885 805 マリ 367 971 832 628 919 558 ニジェール 1 323 8 306 10 770 総量 764 940 1 613 132 1 828 466 単位:トン 510,000 480,000 2011年 2012年 2013年 出所:アビジャン自治港 出所:アビジャン自治港 サンペドロ港コンテナ取扱数の推移 単位:TEU 2011年 2012年 ・マリの輸出入拠点として活用:綿花輸出、衣料品・消費 2013年 財の輸入 ・カカオ、木材、天然ゴム等農作物の輸出拠点 輸入 38 901 67 123 81 720 輸出 39 868 58 342 67 599 積換え 39 302 120 722 184 015 ・Man周辺で産出される鉄鉱石や金をサンペドロ港に運ぶ ため、サンペドロ-Man間の鉄道建設を計画。 ・同鉄道が整備されることにより、ギニア国境部のニンバ 山で産出される鉄鉱石の積出し需要も取り込む狙い。 ・鉄道整備と併せて、鉱物バース整備、コンテナターミナ 総量 118 071 246 187 333 334 ル拡張、タンカーバース整備を計画 出所:サンペドロ自治港 2015 JETRO 禁無断転載 IV. コートジボワールの優位性 石油製品消費量・販売量推移 産業分布 Odienne Ferkessedougou Korhoro Bouake 単位:トン 2011 2012 2013 国内消費量 863 040 1 334 994 1 391 819 SIR販売量 (国内向け) 893 848 1 366 700 1 407 408 ハイオク 136 874 237 129 265 896 軽油 555 246 779 362 834 705 重油 22 573 26 827 28 698 DDO 6 234 7 123 8 364 ブタン 92 097 112 344 121 846 ケロシン 44 969 58 896 85 021 SIR輸出量 1 142 865 1 751 166 1 791 168 SIR販売総量 2 036 713 3 117 866 3 198 576 Yamoussoukro 出所:経済・財政省 Dabou Abidjan San Pedro 出所:Jeune Afrique 2015 JETRO 禁無断転載 化学品 機械 食品加工 紡績 繊維・皮革 タバコ セメント・建設資材 石油精製 IV. コートジボワールの優位性 2.安定した電力供給 ・電力の完全自給を達成するとともに、近隣諸国(ブルキナファソ、マリ、トーゴ、ベナン、ガー ナ)へも電力を輸出し、エネルギーのハブとしてのプレゼンスを高める。 ・年間を通して安定的な発電を実現、長時間停電のリスクを低減。 ・増加する電力需要に対応するため、既存の発電所の能力増強、新設(火力・水力・バイオマス) を計画。 ・火力発電の燃料の安定的な供給と電力価格への転嫁を最小限に抑えることが課題。 発電量の推移 単位:GWh 2011 2012 2013 5 993 6 892 7 527 水力 1 761 1 774 火力 4 232 Vridi 1 消費量・輸出量の推移 単位:GWh 2012 2013 国内消費量 3 699 4 494 5 045 1 594 産業用 1 700 2 157 2 379 5 118 5 933 民生用 1 999 2 337 2 666 102 230 383 輸出量 596 645 819 AZITO 1 792 2 106 2 261 1,000 CIPREL 1 918 2 191 2 163 800 418 582 1 115 600 6 9 11 0 35 27 5 993 6 927 7 553 国内総発電量 AGGREKO その他 輸入量 供給総量 GWh 2011 400 200 2015 JETRO 禁無断転載 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 BENIN & TOGO BURKINA GHANA MALI TOTAL 出所:経済・財政省 IV. コートジボワールの優位性 3.再整備によるアビジャンの競争力強化 新規工業団地(PK24)造成① ヨプゴン北部に940haの工業団地を整備 第一段階の200haは国際入札で中CHEC が落札。BOT方式。 HKB橋建設(14年12月末完成) 工業団地 都市鉄道建設 2017年サービス開始予定。 全長37Km:既存の鉄道を活用。 想定利用乗客数:25~30万人/日 橋建設(15年3月着工) 工業団地 新規工業団地造成② 第2コンテナターミナル整備 2018年稼働予定。 取扱能力150万TEU、入港最大喫水18m 2015 JETRO 禁無断転載 ICTフリーゾーン@Grand Bassam 随時入居可。 関税、付加価値税、各種税の支払免除、 資金・配当金送金の自由 等。 出所:アビジャン自治港 IV. コートジボワールの優位性 4.潜在的パートナー企業:多くの企業が広域で活動 農業・食品加工 化学品・重工業 企業名 製品 売上(2013) 企業名 製品 売上(2013) 1 NP GHANDOUR 化粧品 52,511 1 SANIA CIE 食用油 274,926 2 SCCI PVCコンパウンド 45,215 2 CARGILL W.A. カカオ豆・加工品 263,212 3 TISA 亜鉛鉄板 22,551 3 SACO カカオ加工品 258,812 4 CROWN SIEM 金属容器 22,228 4 SAPH 天然ゴム 172,962 5 SIFAL 潤滑油 21,954 5 PALMCI パーム 161,639 流通・小売 保険 企業名 製品 売上(2013) 企業名 製品 売上(2013) 1 SDTM CI 米、日用品 259,749 1 SAHAM Colina, Colina-vie 52,312 2 PROSUMA 小売 141,613 2 SUNU LMAI, AAA 45,661 3 CDCI 小売 130,874 3 NSIA NSIA, NSIA-VIE 35,027 4 LABOREX CI 医薬品 73,981 4 ALLIANZ Allianz, Allianz-vie 30,133 5 CFAO MOTORS 自動車 68,262 5 LA LOYALE La Loyale, l.l.-vie 14,588 ●売上の単位は100万FCFA 出所:PME Magazine 2015 JETRO 禁無断転載 IV. コートジボワールの優位性 食品加工 セクター別 300,000 主要企業売上額の推移1 250,000 缶詰加工 25 35,000 ※●の中の数字は12/13の増減 20,000 -11 100,000 24 39 50,000 ※単位:100万FCFA 71 25,000 16 150,000 ※グラフ左が2012年、右が2013年 15,000 10,000 5,000 - CASTELLI 化粧品 60,000 流通・小売 13 52 30,000 17 200,000 ※2012年、2013年統計 70 40,000 300,000 50,000 250,000 40,000 200,000 SCODI Peche & Froid 医薬品販売 80,000 6 8 70,000 60,000 30,000 6 150,000 20,000 100,000 10,000 50,000 - 50,000 14 40,000 出所:PME Magazine SIVOP 37 30,000 6 20,000 10,000 NP GHANDOUR 17 SDTM CDCI 2015 JETRO 禁無断転載 CODIPAC LABOREX COPHARMED DPCI IV. コートジボワールの優位性 セクター別主要企業売上額の推移-2 輸送 日用品等 32 80,000 90,000 70,000 80,000 8 -11 70,000 60,000 60,000 50,000 43 40,000 50,000 19 40,000 30,000 24 16 30,000 47 20,000 12 20,000 10,000 10,000 - Bollore SITARAIL SOTRA 携帯電話 350,000 CANAL+ UTB UNILEVER SITAB LDF 自動車 31 300,000 80,000 18 247 70,000 250,000 60,000 200,000 50,000 40,000 150,000 30,000 100,000 29 90 20,000 50,000 10,000 出所:PME Magazine UNIWAX Orange MTN CFAO Motors 2015 JETRO 禁無断転載 COMAFRIQUE Prestige Auto IV. コートジボワールの優位性 セクター別主要企業売上額の推移-3 家電 14,000 塗装剤 133 12,000 93 16,000 -8 53 14,000 59 10,000 12,000 8,000 10,000 35 6,000 8,000 6,000 4,000 4,000 2,000 2,000 SOCIAM CFAO Tech RIMCO SONOCO 生命保険 25,000 INDUSTRAP 損害保険 35,000 -5 21 20,000 SIPROCHIM 18 30,000 16 12 25,000 15,000 20,000 10,000 15,000 21 11 1 23 LMAI AXA 10,000 5,000 5,000 - UA 出所:PME Magazine COLINA NSIA ALLIANZ 2015 JETRO 禁無断転載 COLINA NSIA ALLIANZ V. ECOWAS共通関税 ECOWAS加盟15カ国で2015年1月から開始(予定) ポイント ①UEMOA共通関税率表をベースに作成 ・変更点:4段階税率(0、5、10、20)を5段階税率(0、5、10、20、35)に変更 ②6桁から10桁に変更するとともに、製品区分を細分化 ・例)車両は組み立て済みか否かを区別 ③加盟国の産業育成のため、部分品は関税を抑え、完成品は高く ・例)乗用車:組立前 5%、完成車 20% ④統計税、共同体税、連帯税は引き続き課税され、税率に変更無し。 輸入に際して課される税 税率分類 カテゴリー 概要 税率 品目数 0 社会必需品(一部の医薬品、食品等) 0% 85 1 原料、部品等 5% 2 一部の原料、中間材 3 4 税率 関税 0~35% 2,146 統計税 CIFの1% 10% 1,373 ECOWAS共同体税 最終消費財 20% 2,160 UEMOA連帯税 CIFの1% 保護品目(加盟国の経済発展のために自国品 の保護が適当と思われるもの) 35% 130 付加価値税 18%程度 ※UEMOA加盟国の場合 2015 JETRO 禁無断転載 CIFの0.5% V. ECOWAS共通関税 UEMOA共通関税との比較 UEMOA共通関税 ECOWAS共通関税 0 5 10 20 35 合計 0 66 7 1 5 16 2013 28 26 10 2 58 1128 59 6 1253 20 1 68 216 2080 124 2489 合計 85 2146 1373 2165 130 5899 74 2083 出所:アフリカ統一省 ※殆どの品目で税率の変更無し。変更されるのは全体の10%程度 ※税率が変更される品目例: (20%→35%)食用油、食肉加工品(ハム、ソーセージ等)、チョコレート、一部綿織物、石鹸 等 (20%→10%)冷凍魚(除フィレ)、コーヒー、カカオバター、フルーツジュース、一部絹織物、一部 合成繊維の糸・織物、ピアノ 等 (20%→ 5%)一部の鉄又は非合金鋼のフラットロール製品、一部の鉄鋼製の管、組立前のエアコン・ 冷蔵庫・冷凍庫、耕耘機、組立前の自動車・二輪車、組立産業用に使用する自動車部 品、光ファイバー 等 (20%→ 0%)防虫剤を塗布した蚊帳 2015 JETRO 禁無断転載 V. ECOWAS共通関税 ※税率が変更される品目例(続き): (10%→35%)小売用に包装された界面活性剤、一部の綿織物 等 (10%→20%)一部たばこ製品、印刷済みのプラスチック板・シート、自転車・モーターサイクル用タ イヤ、一部更生・中古タイヤ、一部紙製品、スレート、一部石綿製品、一部鉄鋼製の 管、映画用カメラ 等 (10%→ 5%)一部鮮魚、漁業用に使用する紐、一部人造繊維製品、蒸気タービン、一部の組立前のエ アコン、一部の組立前の自動車 等 (5% →20%)調整牛乳、一部殺虫剤、一部の紙製品、ガス用アルミニウム容器、一部印刷機 (5% →10%)一部乳製品、アスベスト、有機合成着色料、医療用石鹸、航空機用エンジン 等 等 (5% → 0%)ブタンガス、一部窒素肥料、リン酸肥料、カリ肥料、一部肥料成分 特別措置 ①迂回リスト:税率が上がることで社会・経済的な影響が大きいと思われる品目について、5年間の適用猶予期間 を設定可能。5年後は共通関税を適用する。 ②輸入調整税(TAI):税率が下がることで影響が大きいと思われる品目について、5年間の逓減税率を適用。 ③保護補助税(TCP):当該製品について、年間の輸入量が過去3年間の輸入量の平均を25%以上上回った場 合、もしくは月間のCIF価格が過去3年間のCIF価格平均の80%以下となった場合2年を上限として設定可能。 ※TAI、TCPの税率は各国の裁量に委ねられているが、上限税率は70%(TAI・TCP合算値)。また、上記①~③ を適用できる品目数は、全品目数(5899)の3%まで。 2015 JETRO 禁無断転載 ご清聴ありがとうございました 西アフリカのパリ、アビジャンでお待ちしています。 撮影:ジェトロ Résidence Santa Maria, Rue de la Canebière, Porte No. 20, 3ème étage, Cocody, Abidjan, RCI TEL: (+225) 22.44.22.01 FAX: (+225) 22.44.23.59 E-mail: [email protected] 事務所担当国:コートジボワール、ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、カーボヴェルデ、 中央アフリカ、ガボン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、赤道ギニア、マリ、 ニジェール、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、セネガル、チャド、トーゴ 2015 JETRO 禁無断転載
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