『花こよみ』 『hideo ishihara design archival kokeshi』;pdf

クリエイティブの力で地域資源の新たな魅力を発信
季節の草花をまとった
新しいこよみこけしが誕生
統産業の高付加価値化を図る『伝統産業高付加
ざ制作に取りかかると大変でした。伝統こけし
「面白そうなので気軽に返事をしましたが、い
話す。
価値化支援事業』に取り組む仙台市。その一環
に使う染料は『赤・黄・青・紫・黒』の5色で
クリエイティブのチカラを活用することで伝
として開発された創作こけしの『花こよみ』が
すが、『花こよみ』の制作には 色必要でした。
伝統的な5色の染料は木地に深く染みますが、
新しい色はそうならないので、馴染ませるのに
系統あり、そのうち
完成し、話題を呼んでいる。東北の伝統工芸で
ひと苦労ありました。また、書き慣れないデザ
あるこけしは東北6県で
こけし』として国の伝統的工芸品にも指定され
5系統が宮城ということもあって、『宮城伝統
新たに開発されたこよみこけし『花こよみ』
戦は刺激になりましたし、若い感性に触れるこ
どかかってしまいました。それでも、新しい挑
インということもあって、時間も通常の3倍ほ
は、遠刈田系こけしを手がけるこけし工人であ
ともできたので、
いい経験になりました」
と笑う。
ている。
る小笠原義雄さんと、仙台市在住の女性イラス
一年の暦を象徴する草花をモチーフにした佐
藤さんのイラストを元につくられた4寸(約
トレーターの佐藤純子さんによるコラボレーシ
ョンによって制作。1カ月ごとに異なる季節の
本のセットになった
センチ)のこけしが、
『花こよみ』は限定
草花が、こけしの胴模様として生き生きと描か
れている。
セットが予約販売される。
作しました。こけしファンの方にはもちろん、
しないので、小笠原さんと試行錯誤しながら制
て着色するのですが、こけしの着色はフチ取り
できたと思います。私のイラストはフチ取りし
現代のライフスタイルにもなじみやすいものが
新しい名品の誕生だ。
チャレンジスピリットの化学反応が生み出した
感性と、長き伝統を受け継ぐベテラン工芸士の
ぁ」と小笠原さん。若いクリエイターの柔軟な
ないかな」と話すと「さすがにそれはどうかな
「サンマとかホヤとか書いたらカワイイんじゃ
たこけしもつくってみたいという佐藤さん。
今後は花以外の宮城の名物をイラストに描い
多くの方に手に取っていただきたいですね」と
「イラストを元にした草花を配置することで、
12
50
話す佐藤さん。一方で小笠原さんは次のように
ブルーのパスタディッシュ&ポットセットの
(けやき)などの美しい年輪を生かした抽象的
ッククラフト』と名付け、槐(えんじゅ)や欅
石原さんが手がけた作品は、自ら『ポエティ
商品に関する問い合わせ □ インターナショナルギャラリー ビームス
さ ん( 写 真 右 )
『三輪田窯パスタセット』と、大崎市竹工芸館
なデザインの作品を世に送り出してきた。今回
にぎわった(写真右)。
〈fennica〉ディクレターのテリー・
イラストレーター
12
エリスさん、北村恵子さんと佐藤さん親子(写真左)
佐藤純子
とコラボレーションした岩出山のしの竹で編ま
の作品は、〈 fennica
〉ディレクターのテリー・
ンディゴこけしが1日限定で販売され、多くの買い物客で
こけし工人
木地師・こけし工人
さん
れた『岩出山しの竹細工バックパック』。そし
エリスさんと北村恵子さんが、石原さんの数多
ナルギャラリー ビームス〉にて販売。ビームス仙台ではイ
さ ん( 写 真 左 )
10
復刻こけしは3/8~3/15にわたり、原宿の〈インターナショ
仙台木地製作所
佐藤正廣
て、仙台で活躍した創作こけし作家の故・石原
くの作品の中から見いだした『槐の子』を復刻
上前のもので、とても懐かしく感慨深いものが
日出男さんの作品を復刻制作した『 hideo ishihara
したもので、世界中のクラフトを見てきたふた
ととデザインを融合したアイテムは3つ。石巻
』だ。制作した〈仙台木
design archival kokeshi
あります」と佐藤正廣さんは話す。
地製作所〉としては、昨年の『インディゴこけ
りにとっても、ほかで見たことのない斬新なも
のだったという。
し』に続く〈 fennica
〉とのコラボレーションと
なっている。
「石原さんがデザインしたものは、技術的にも
大変難しいものでしたが、そのおかげもあって
年ほど前から木地を挽いて提
供していました。当時は新型こけしと呼ばれる
腕を上げることができました。いつかまたつく
「石原さんには
創作こけしのブームで、県内にも多くの新型こ
りたいと思っていましたが、この機会をいただ
いて感謝しています」
こけしや木地製品を手がける。宮城伝統こけしの伝統工芸士
小笠原義雄
(フェニカ)〉では、
『デザ
fennica
11
の三輪田窯とコラボレーションしたインディゴ
今回提案された仙台・宮城の伝統的な手しご
台市と連携し、新たな新商品を開発した。
いる。そんな〈 fennica
〉が、昨年に引き続き仙
地からクラフト感あふれるアイテムを提案して
インとクラフトの橋渡し』をテーマに、世界各
ルのひとつ〈
駆けである〈 BEAMS
(ビームス)〉。そのレーベ
するアイテムを取り扱うセレクトショップの先
世界中のファッションやライフスタイルに関
宮城伝統こけしの伝統工芸士
年以
昭和30年から修行をはじめた遠刈田系こけし工人。
花 こ よ み
hideo ishihara design
archival kokeshi
年ではこけしの小物入れなども制作。
けしの工房がありましたが、石原さんの作品は
突出していました。今回復刻した作品は
昭和43年に現在地に制作拠点を移し、現在は息子の康広さんとともに
昭和27年から遠刈田で修行を行い、
現代によみがえった伝統とクリエイティブのコラボ作品
昭和40年に仙台市太白区で独立。近
40
新
17
18
50
信
発
を
力
魅
な
の
た
源
資
域
地
で
力
の
ブ
ィ
テ
イ
エ
リ
ク
TEL 03-3470-3948 http://fennica.jp
商品に関する問い合わせ □ 株式会社 Sunnyday TEL 022-797-6614 http://www.sunnyday.co.jp
□ 仙台木地製作所 仙台市青葉区芋沢字大竹新田下30 TEL 022-394-3005 http://www.sendaikiji-c.com
□〈手とてとテ 仙台・宮城のてしごとたち〉http://tetotetote-sendai.jp