1/4 - はい議長10番 奥富 議案第22号 平成27年度福生市一般会計予算;pdf

奥富
議案 22H27 一般会計反対討論
15/03/29
はい議長10番 奥富
議案第22号 平成27年度福生市一般会計予算について
日本共産党会派を代表して反対討論を行います。
まずはじめに、地方自治体の財政運営に大きな影響を与える国政の動きについて述
べます。原発推進、集団的自衛権の行使容認、秘密保護法、沖縄米軍新基地建設、環
太平洋連携協定・TPP、農業・農協解体、社会保障改悪、消費税増税、憲法改悪、
雇用・労働法制改悪、大企業には減税、軍事費では史上最高の予算と、安倍政権の暴
走が止まりません。
なかでも、「海外で戦争する国」へ集団的自衛権の行使容認、これを具体化する「戦
争立法」へと暴走する安倍政権と自衛隊。それに備えるかのような事態が自衛隊で始
まっています。「殺し、殺される」武力行使を想定したとみられる”遺書”ともとれ
る「家族への手紙」の強要が、陸上自衛隊の約4分の1を占める陸自北部方面隊で、
実施されていることが3月24日、自衛隊関係者への取材でわかったと、しんぶん赤
旗が報道しています。
国民的な議論を避けて、閣議決定で解釈改憲をしようと言うのは、国民主権の原理、
立憲主義に反しているとの専門家の意見もあります。自民党・公明党の国会での過半
数議席を背景に、一斉地方選挙が終わった後、5月の国会で通過をさせようと狙って
います。
と
軍事費が止め処もなく突出すれば、国民の社会保障の一層の削減、庶民へのさらな
る重税は避けられません。地方自治体の財政への影響も計り知れません。
安倍政権の円安誘導で、証券界では100億円を超す利益の方が100名を超えて
います。一方、輸入物品の高騰の影響で、庶民は物価高で大変です。国民の9割を占
める中小企業、零細企業に働く、方々の給料はほとんど上がっていません。そこへ昨
年4月の消費税の増税、次々続く社会保障費の負担増、年金の削減などで、暮らしは
大変です。若者の雇用不安に一部改善は見られますが、非正規雇用の定着化、残業代
を払わなくても合法とする法案化で未来は真っ暗です。
こうした、市民の生活が大変な状況のときこそ、地方自治体が住民生活の最後の守
り手として、がんばることが求められています。
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地方自治法、第一条の二に、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本
として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。
すなわち、住民生活の安全・安心を守り増進することに、その本旨があります。
平成27年度福生市予算で、市民の安全・安心を守り増進をどのように進めていく
のかが、大切な視点です。
おびや
1点目として、先ず心配なのが、住民生活を脅 かすオスプレイの飛来・訓練・配備を
回避する対策です。しかし、5市1町での要請までで、その域を出る計画はない。
2012年1月から始まった大規模パラシュート降下訓練等にも、従来型の抗議の
域をでず。訓練は恒常化され、通告もあったりなかったりと、福生市行政は軽視され
ていると言わざるを得ません。熊川1571番地先誘導灯付近で記録された飛行回数
は11か月間で、すでに1万1,148回で、昨年10年ぶりに年間飛行回数1万1,
137回と1万回を超えたのを、さらに超えてしまいました。
横田基地跡地の有効活用で福生市の豊かな未来を開く方向に、政策転換をするビジ
ョンをもつ考えもまったくない。基地の存在は動かし難いという立場から出ようとし
ません。私は、横田基地跡地の有効活用構想で、福生市の豊かな未来を開く方向に政
策転換をするべき時が来ていると、考えています。
福生市民の当面の安全・安心を守るためにも、議会と行政、市民が一体となって、
力と知恵を合わせて展望をつくり出すことが、いま求められるところです。
2点目として、商業振興の問題です。
羽村市の平成27年度当初予算は商工費で約3億5百万円、福生市は約1億6千3
百万円と、2分の1以下です。商店振興策、地元建設業者等の仕事確保努力、なかで
も、公共事業発注時の分離・分割発注の研究をする等、プロジェクトを緊急に起ちあ
げると言った効果的予算配分が不十分です。商工会任せにせず、太陽熱、太陽光など、
し さ く
再生可能エネルギーに、一歩、二歩と踏み出す独自施策も不十分です。商店振興策と
結びつけての公共交通の充実、だれでも利用できる循環バス運行。福祉バスの増便。
駅周辺自転車駐輪場を無料に戻し、市民生活応援の姿勢を示すなどもありません。
3点目は財源がありながら市民生活応援が不十分と言う点です。
平成25年度の「データからみる福生」によりますと、市民一人当たり地方債現在
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高は14万7,829円と多摩市、武蔵野市に次ぐ3位です。借金は一人あたりで2
6市中3番目に少ないということです。
一方、市民一人当たりの積立金現在高も、武蔵野市、府中市に次いで福生市が10
万6,701円と3位になっています。比較的市民の所得水準の高いところと肩を並
べるほど、蓄えが多い市にランクされています。
一方、福生市の国民健康保険加入者の平均所得は、平成24年度約149万円、平
成25年度約152万円で、26市の中で最低水準です。「データからみる福生」に
よりますと、国民健康保険税収納率は67.5%と、26市中26位と一番低くなっ
ています。言い換えれば滞納率が26市中一番高いということです。
東京都厚生委員会資料によれば、福生市の国民健康保険証2013年、平成25年
度資格証明書の発行は、77件0.63%で26市中の4位、短期被保険者証の発行
が832件で6.8%の2位と、加入者当たりの発行件数の割合が高いのが特徴です。
保険税の面で見ますと、2013年度平成25年度は国保税を値上げの年ですが、
所得300万円4人家族、夫婦45歳以上、子ども2人、夫の所得のみ、持ち家など
の不動産資産なしでの試算による比較ですと、37万100円で、26市中の4位と、
かなり高い保険税負担であることが分かりました。以上の述べた内容が示すように、
福生市の国民健康保険加入世帯が、払いたくても払えないほどの負担増となっている
ことが分かります。
痛みを少しでも和らげようと、一般会計から国民健康保険特別会計への繰入額を増
やし、国民健康保険税の引き下げこそ行うべきでしたが、値上げを見送ったに留まり
ました。
4点目、日本共産党は国の税負担を軽くするために設けられた介護保険制度、お年寄
りを大切にしない、年齢で差別する憲法違反の後期高齢者医療制度にも反対です。
しかし、議案第7号介護保険条例の一部を改正する条例、あとから審議される議案
第23号平成27年度福生市国民健康保険特別会計予算、議案第24号平成27年度
福生市介護保険特別会計予算、議案第25号平成27年度福生市後期高齢者医療特別
会計予算のいづれも、制度の中でのやりくり工夫の努力がみられたので、今回反対を
しません。悪い制度の中でのやり繰り努力を評価したいからです。
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一方、介護保険1号被保険者の第5段階基準額では、年額69,500円となり、
7,000円の増額と負担する介護保険の1号被保険者には大変な打撃となります。
こうした国の悪政の防波堤の役割を果たし、介護保険制度以外の部分で支援する。
一般会計で出来る救済措置をとる施策が求められますが、平成27年度一般会計予
算にこの努力は特にはありません。
5点目は教育についてです。
学校給食充実の取り組みは、特に中学校給食が西多摩で最後に実施するわけですか
ら、東京で一番すぐれたものにぜひ仕上げていただきたく要望いたします。
学校給食費無料化の実現を目指す取り組みは、少子化対策、子育て支援策として、
福生市にあっては特に必要です。
生活保護基準引き下げの影響で、就学援助打ち切りになる9世帯10人に対して、
何の対策を採らなかったことは大きな問題です。
毎日1食丸ごと放射線測定で安全な給食確保については、全ての子育て市民の安全
のメッセージを送る意味で欠かすことができません。
どの子にもわかる授業、楽しく学べる学校づくり、基礎的学力を身につける課題へ
の取り組みの一層の推進を求めます。
外で見ていてわかるほど、教師の過重労働は大変なものです。特にメンタルヘルス
面のフォローを手厚くされることを求めます。福生市立学校労働安全衛生規定(仮称)
の制定を求めます。
残念ながら、福生市の27年度予算にも、この点は盛り込まれていません。
以上見てきましたように、国の悪政に苦しむ市民の暮らしをどう支援していくかが
問われているときに、福生市には財政的裏付けがあるにも関わらず、市民生活応援の
適切な予算措置がされているとは言えません。よって、平成27年度福生市一般会計
予算に反対であることを表明し、反対討論といたします。
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