働いて収入を得るという意味を理解しよう 14-2 ①企業がお金を得る仕組みとは キャリアデザインとお金を 考えるために、まずは 企業の仕事とお金の流れ について考えてみましょう。 企業がどうやってお客様 からお金を得ているのか 考えてみましょう。 ②ビジネスとは価値とお金の交換 ビジネス=価値とお金の交換 価値 企業 お金 顧客 ビジネスとは企業が顧客へ価値を提供し、その対価として お金を得ることです。 顧客とは個人のお客様の場合や他の企業である場合や、 同じ企業の中の別の人である場合もあります。 ②ビジネスとは価値とお金の交換 スーパーマーケットの価値 価値=食と生活を支える スーパー お金=購入代金 買い物客 例えばスーパーは買い物客に対して 「食と生活を支える」という 価値を提供しています。 ②ビジネスとは価値とお金の交換 コンビニエンスストアの価値 価値=食と生活を支える コンビニ お金=購入代金 買い物客 同じく買い物客に対して 「食と生活を支える」という価値を 提供している企業にコンビニがあります。 ②ビジネスとは価値とお金の交換 同じ商品なのに値段が違う? スーパー 85円 価値 買い物客 コンビニ 147円 ところでスーパーもコンビニも例えば ペットボトルのお茶のように同じ商品を 扱っていますね。 しかし、値段(お金)が違うことがあります。 ②ビジネスとは価値とお金の交換 顧客が求めるもの スーパー 安く!! 買いたい 85円 お金 買い物客 夜中に!! 買いたい コンビニ 147円 お金 買い物客 顧客が何に困っているか(ニーズ)、 何に価値を感じているかによって、 同じ商品でも値段(お金)が変わるんですね。 ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み ビジネス=商品とお金の交換 ビジネス=価値とお金の交換 仕事やビジネスは顧客が望むもの (困っていることへの解決策など)を提供し、 その対価としてお金を得ることです。 同じ商品やサービスでも、価値がより顧客の 望むものに近ければ、高い値段が設定されても 価値とお金の交換が成り立ちます。 それが企業の強みになります。 ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み スーパーとコンビニの強みは? スーパー 85円 価値 買い物客 コンビニ 147円 先ほどの例で、スーパーとコンビニでは 同じ商品でも値段が違うことがあると お話ししましたが、それぞれのビジネスの 強みを考えてみましょう。 ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み スーパーマーケットの強み 価値=食と生活を支える スーパー お金=購入代金 買い物客 ワーク:スーパーの強みを考えてみましょう。 スーパーはどんなところが便利でしょうか? ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み スーパーマーケットの強み 価値=食と生活を支える スーパー お金=購入代金 買い物客 回答例:スーパーの強みを考えてみましょう。 スーパーの強みは以下があげられます。 ・豊富な生活品の品揃え ・安さ、タイムセール等の企画セール ・商品の選択肢の多さ ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み コンビニエンスストアの強み 価値=食と生活を支える コンビニ お金=購入代金 買い物客 ワーク:コンビニの強みを考えてみましょう。 コンビニの便利なところは、 どんなことがあげられるでしょうか。 ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み コンビニエンスストアの強み 価値=食と生活を支える コンビニ お金=購入代金 買い物客 回答例:コンビニの強みを考えてみましょう。 コンビニはの強みは以下があげられます。 ・店舗数が多く利用しやすい。 ・24時間利用可能 ・宅配便やクリーニングも使える。 ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み スーパーやコンビニの他に 仕事やビジネスの強みによって 値段が変わる商品やサービスは ないか、話しあってみましょう。 有形の商品だけでなく、無形の サービスについても考えてみましょう。 ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み 強みの例①:1000円カットと高級美容室 1000円カット ・安い。 ・早い。 ・予約が不要 高級美容室 ・くつろげる。 ・髪型のメニューの幅が広い。 ・カラーやパーマができる。 同じ「髪を切る」という価値を提供する 床屋ですが、それぞれの強みによって 料金が異なる例ですね。 ③顧客の望むものに応じて価値を高める=強み 強みの例②:電車とタクシー 電車 タクシー ・安い。 ・遅れが少ない。 ・大人数の移動が可能 ・目的地まで乗れる。 ・駅まで行かなくても乗れる。 ・自宅まで呼ぶことも可能 また「移動する」という同じ価値を 提供する電車とタクシーも顧客の 困っていること(解決したいこと)に よって強みを発揮している例ですね。 ④働く価値を提供するということ 皆さんが将来、社会にでて働くと 給与や報酬を得ることができます。 働く価値について考えてみましょう。 「働いて給与を得る」とは、 どんな価値や強みを 提供することでしょうか。 ④働く価値を提供するということ 働いて給与を得るとは 働く 働く自分 給与 企業・団体 将来、企業や団体で働く自分について 考えてみましょう。 私たちは企業や団体、あるいは社会で 働くことによって給与や報酬を得ることが できます。 ④働く価値を提供するということ 働く=価値の創出 働く=価値の創出 働く自分 給与 企業・団体 つまり「働く」とは価値を生み出し (創出し)、企業へ提供し、その対価 として給与や報酬を得ることです。 ④働く価値を提供するということ 創出した価値は、必要とする相手へ提供される 働く=価値の創出 組合わせた価値 給与 代金 働く自分 企業・団体 顧客・社会・誰か 皆さんが働いた成果をもとに、企業は その価値を組み合わせて、顧客や 社会そのもの、必要としている誰かに 提供することで代金を得ています。 ④働く価値を提供するということ 価値を提供する相手 働く=価値の創出 価値 給与 代金 働く自分 企業・団体 働いて価値を提供する相手は、 顧客や社会の他に、同じ企業内の 別の誰かである場合もあります。 ※例:人事部は労務管理を通じ 同じ企業内の社員に対して価値を 提供している。 顧客・社会・誰か ④働く価値を提供するということ 企業に所属しない働き方 働く=価値 働く自分 代金・報酬 顧客・社会・誰か 企業に就職せず、起業したり自営業を 営むことにした場合は、顧客や社会、 世の中の誰かに対して、直接価値を 提供することになりますが、価値の 対価として報酬を得る仕組みに 変わりはありません。 ④働く価値を提供するということ 働く価値の提供 具体例 ワーク: 以下の仕事をする人の提供する価値を 考えてみましょう。 ①家電電器店の接客店員 ②住宅を建築する大工 ③サッカー選手 価値を提供している相手とともに 考えてみましょう。 ④働く価値を提供するということ 働く価値の提供 具体例 回答例: ①家電電器店の接客店員 • お客様へ販売し売上げを上げる。 • よい接客を通じ企業ブランドを上げる。 ②住宅を建築する大工 • 家を建築する。(モノを生み出す。) ③サッカー選手 • 試合でプレーしチームの勝利に貢献する。 • お客様を楽しませる。 ⑤給与が上がる理由 ワーク: 20歳代の平均給与に比べて30歳代、40歳代の平均給与が 高いことが分かります。これはどうしてか話し合ってみましょう。 年齢階層別平均給与(平成25年度分) 年齢区分 平均年収 男性 平均年収 女性 20〜24歳 264.6万円 226.3万円 25〜29歳 371.4万円 294.8万円 30〜34歳 437.6万円 294.3万円 35〜39歳 498.9万円 296.6万円 40〜44歳 568.1万円 289.8万円 45〜49歳 637.6万円 292.2万円 ※出典:国税庁「民間給与実態統計調査」 ⑤給与が上がる理由 回答例:給与が上がっていく理由 • 出来る仕事が増えた。 • 同じ仕事を短時間でできるようになった。 • 多くの商品やサービスを売れるようになった。 • より質の高い製品を作れるようになった。 • より多くの人に喜ばれるようになった。 など ⑤給与が上がる理由 給与が上がっていく理由は、「労働時間が 増えたから」ではなく、「働くことで生み出す 価値・提供する価値・働く自分の強みが 高まった」ということです。 回答例:給与が上がっていく理由 • 出来る仕事が増えた。 • 同じ仕事を短時間でできるようになった。 • 多くの商品やサービスを売れるようになった。 • より質の高い製品を作れるようになった。 • より多くの人に喜ばれるようになった。 など ⑥働く価値を高めるには ワーク: 「働くことで生み出す価値・提供する価値・ 働く自分の強み」を高めるには、どうしたら よいでしょうか。 ⑥働く価値を高めるには 「働く価値・強み」を高める=「行動の質」を上げる • 自ら積極的に動く。 • 周囲の人やお客様を巻き込む。 • 自分に足りないもの(課題)を発見する。 • 工夫をしたり新しいアイデアを用いたりする。 • リーダーシップを発揮する。 • 適切なコミュニケーションを取り人と協力する。 • 働く内容を理解し計画を立てる。 ⑥働く価値を高めるには ワーク: 先ほど考えた仕事例を参考に「行動の質」を 上げる方法を考えてみましょう。 ①家電電器店の接客店員 ②住宅を建築する大工 ③サッカー選手 ⑥働く価値を高めるには 「働く価値・強み」を高める=「行動の質」を上げる ①家電電器店の接客店員 • 製品知識を増やすために学習する。 • より分かりやすい商品説明の工夫をする。 ②住宅を建築する大工 • 働き方を理解し計画的に動く。 • 今までにない技術(スキル)を身につける。 ③サッカー選手 • コミュニケーションをとりチームプレーが向上する。 • リーダーシップを発揮しチームに貢献する。 ⑥働く価値を高めるには 「行動の質」を上げると報酬が上がる 行動の質を上げる 給与・報酬が上がる 働く価値・強みが高まる 相手に提供する 価値が上がる 「行動の質」を上げることで「働く価値・ 強み」が高まり、価値を提供する相手に もより高まった価値が提供ができ、それに 応じた報酬が得られるようになります。 ⑦キャリアデザインとお金 お金は「働く価値・強み」に応じて得ること ができます。 「働く価値・強み」を高めるには、単に 長時間働くことや、無計画にがんばること ではなく、キャリアデザインをしっかりと作り、 自分がどのように成長したいかを 意識しながら、「行動の質」を 上げていくことを実践していきましょう。
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