「株主手帳 2015年4月号」に、 FISCOアプリを用いた連載記事

外国人にとって〝毎日がバーゲンセール〟状態となっ
た日本。人口減少社会の国内消費を下支えする新た
な主役として台頭しつつあるのがインバウンド消費
だ。その注目銘柄を紹介する。
景は、円安傾向の継続(対ドル
訪日外国人の半数近くが中華圏
で日本円は2年前より3割以上
政府の後押しが拡大の背景に
割安に)、消費税免税品目の拡
訪日外国人やインバウンド消
大(2014年 月より)、東
費と言っても、その内実は中華
南アジア圏からの訪日観光ビザ
圏が半数近くを占める。国土交
の要件緩和(インドネシア、フ
通 省 ・ 観 光 庁 の1 月 発 表 に よ る
ィリピン、ベトナム、インド、
と、2014年の訪日外国人旅
中国)などである。
行者1341万3600人(前
“2020年までに訪日外国人
年比 % 増で過去最多)のうち、
2000万人”を掲げる政府の
台湾が282万9800人と全
戦略は着実に進展していると言
体の % を占め地域別でトップ。
えよう。
ほか、中国本土が240万92
爆買いが注目されたわけ
00人(同 %)で第3位、香
対GDP比での影響は限定的
港が 万5900人(同7%)
金額ベースでも、中国人客は
で 第4 位 、 こ れ ら 中 華 圏 を 合 計
すると616万4900人で全
訪 日 時 に1 人 当 た り 万 円 ほ ど
体の %となる。
消費し、一般的な外国人平均
訪日外国人が急激に増えた背
( 万円)を大きく上回ること
23
30
21
92
46
18
15
10
43
かなり幅広い業界が恩恵を享
受しているとみられ、本書発売
時 期 に 発 表 予 定 の2 月 訪 日 外 客
数の推計値は恐らく大きな話題
となっているだろう。インバウ
ンド需要は小売業など中心にす
小 売 な ど幅 広い分野に恩恵
中期的には周辺分野にも注目
から、春節時期にその「爆買
い」がメディアから注目された
わけだ。訪日外国人の旅行消費
の総額は、前年比 ・3%増の
2兆305 億円と推計され、こ
ちらも過去最高額に(いずれも
2014年)。
一方で、対GDPでみると、
イ ン バ ウ ン ド 消 費 の 額 は ま だ1
% にも満たない点には留意して
おきたい。とはいえ、先述した
政府の後押しもあって、東京オ
リンピックが開催される202
0 年までは、インバウンド消費
の関連銘柄が注目され続けるこ
とだろう。
東京五輪まで注目され続ける
インバウンド関連銘柄を探せ!
注目テーマ 訪日外国人・インバウンド消費
24
2015. 4
24
2015. 4