「会社法の一部を改正する法律」(平成 年法律 号。以 下、「改正法」 という) および 「会社法施行規則等の一部を改 以下、「改正省令」 と 正する省令」(平成 年法務省令6号。 いう) の施行が、本年5月1日と迫っている ( 「会社法の一部 を改正する法律の施行期日を定める政令」(平成 年政令 号) 、 改正省令附則1本文) 。 改正の大きな柱は、コーポレート・ガバナンスの強化お よび親子会社に関する規律 (企業結合法制) の整備の2点 であり、上場会社およびそのグループ会社をはじめとする 株式会社が改正の影響を受けることになる。 本特集では、4回にわたって、会社法および法務省令の 改正内容を解説するとともに、改正に対する実務対応の ポイントを解説する。 第1回である本稿は、改正法および改正省令の施行を 目前に控え、特に、その施行前後において対応を要する改 正項目および多くの (上場)会社がその施行からまもなく 開催することになる本年6月の定時株主総会に向けて早 期に対応すべき改正項目を採り上げる。 なお、以下において、条文番号は、特に断らない限り、改 正法および改正省令による改正後のものである。 また、文 中において意見にわたる部分は、筆者らの私見である。 置いていない上場会社等(正確には、 公開会社であり、かつ、大会社であ 過措置が設けられており、平成 年 5月1日 ( 改 正 省 令の施 行日 )以 後に 「 監 査 役の監 査 を 受 け る 事 業 報 告 」 である場 合、す なわち、同日以後に 監査役の監査が完了して監査役が監 ②参照) には、改正後の 査報告の内容を取締役に通知 する場 合(会施規 規定が適用され、当該理由を記載し なければならないとされている (改正 省 令 附 則2⑥ ただし 書 )。 3月 決 算 の会 社では、通 常、監 査 役の監 査が 完了 するのは5月に入ってからであろ う。 そう すると、本年3月末日に社 年3月 期の事 業 外取締役を置いていない3月決算の上 場 会 社では、平 成 報 告に「 社 外 取 締 役 を 置 くことが相 当でない理 由 」が記 載 されるのが一般 的であるといえる。 次に、本 年3月 末日に社 外 取 締 役 を置いていない3月決算の上場会社の 取締役は、本年5月1日以後 (ほとん (独立) 取締役の導入を求める声が高 事業報告または取締役選任議案に係 義務を負うもの)は、定時株主総会、 株式について有価証券報告書の提出 社 (会 ①)であって、その発行する の設置が義務づけられている株式会 ず、平成 年3月期の事業報告に「社 取 締 役 を 置いていない場 合には、 ま 度の末日である本 年3月 末日に社 外 提とすると、当該上場会社が事業年 定 時 株 主 総 会 を 開 催 す ること を 前 3月 決 算の上 場 会 社が本 年6月に 取締役から積極的に説明しなければ 質問を受けるかどうかにかかわらず、 られていない)。 これは、株 主からの 同条の新設について、経過措置は設け 説 明 しな ければな らない (会 置くことが相当でない理由」を口頭で 時株主総会において、「社外取締役を どの場合は、本年6月) に開催する定 まっていることを踏まえ、改正法お る株主総会参考書類において、「社外 外 取 締 役 を 置 くことが相 当でない理 の2。 よび改正省令では、上場会社等にお 取締役を置くことが相当でない理 ならないものである。 27 ②)。 当該記載義務については経 124 昨今、特に上場会社に対し、社外 ける社外取締役の選任を促進するた 由」を記載する必要が生じ得る (会施 ち、図表1のとおり、社外取締役を 規 由」 を説明しなければならない。 ⑴ 事業報告への記載と定時 株主総会での口頭説明 27 めの措置が講じられている。すなわ る会社、すなわち会社法上監査役会 132 90 27 義務の概要、内容、タイミング 26 「社外取締役を置 くこと が相当でない理由」 の説明 27 「社外取締役を置くこ 1章 とが相当でない理由」 の説明義務の概要 27 16 第 以 上 は、 本 年 3 月 末 日 に 社 外 取 締 327 328 10 経理情報●2015.4.1 (No.1409)
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