PDF版 - 三井住友アセットマネジメント

2015年3月19日
グローバル
新興国の金融政策
新興国の金融政策の方向性は?
通貨の安定が物価見通しの改善につながれば、利下げによる景気下支えの動きが
広がりそうです。
■新興国の多くで、原油安などによる物価上昇率
の低下、政策金利の引き下げが目立ちます。
■一方、米国で年央以降に利上げが開始されると
の観測などから、新興国通貨は不安定な動きに
なっており、物価への影響が懸念されます。
■こうした状況を受け、3月にはインドネシアとトル
コの中央銀行が、利下げ姿勢を様子見姿勢に変
更しました。
■米国で18日に発表されたFOMCの声明文を受け、
利上げが早まるとの観測が一旦後退し、新興国
通貨は対米ドルで上昇しました。通貨の安定が
物価見通しの改善につながる場合には、利下げ
による景気下支えの動きが広がりそうです。
■ブラジルでは、財政再建のためにガソリンなど公
定価格が引き上げ方向にあり、物価高への警戒
から利上げが続けられると見込まれます。
【新興国の金融政策と物価の動向】
国
政策
金利
(%)
タイ
1.75
中国
5.35
インド
7.50
金融政策
最近の政策金利変更
14.00
インドネシア
7.50
トルコ
7.50
メキシコ
3.00
フィリピン
4.00
南アフリカ
5.75
ブラジル
12.75
今後の
方向性
3月11日に引き下げ
利下げ
ロシア
物価
昨年11月と今年3月に引き下げを実
施、2月に預金準備率引き下げ
1月15日と3月4日の臨時会合で
引き下げ
利下げ
方向
1月30日と3月13日に引き下げ
2月17日に引き下げ、
3月17日に据え置き
1月と2月に引き下げ、
3月17日に据え置き
2月12日に据え置き
据え
置き
方向
1月29日に据え置き
利上げ
3月4日に4会合連続の引き上げ
6カ月前
からの
変化(%)
▲ 0.5
▲ 2.6
+1.4
▲ 0.6
+5.4
▲ 2.4
+16.7
+9.1
+6.3
+2.3
+7.6
▲ 2.0
+3.0
▲ 1.2
+2.5
▲ 2.4
+3.9
▲ 2.5
中銀は、通貨安や賃金上昇といったインフレ要因を
警戒(3月24日~3月26日)
+7.7
+1.2
中銀は、ガソリンなど公定価格や食品価格の上昇な
どによるインフレを警戒(4月28日~4月29日)
様子見
1月29日に据え置き
据え
置き
直近の
上昇率
(%)
利上げ
方向
主なポイント(次回会合の予定)
物価の下落を背景に、低金利政策による景気支援
を狙う(4月29日)
全国人民代表大会(全人代)を終え、追加的な景気
刺激策への期待強まる
ラジャン中銀総裁は、必要に応じて随時金融政策を
見直す姿勢(4月7日)
中銀は、経済制裁などによる景気の落ち込みを警
戒(4月30日)
中銀は、ルピアの下落基調を受け早期利下げに慎
重(4月14日)
中銀は、利下げによる金利水準正常化を進めるが、
物価や金融市場の動きを警戒(4月22日)
中銀は、通貨安を警戒し、ペソ買い介入を3月に強
化(3月26日)
中銀は、内需の過熱を警戒(3月26日)
(注)政策金利は、2015年3月18日現在。中国の政策金利は、1年物貸出金利。 物価の直近の上昇率は、2015年2月の消費者物価指数の前年同月比。6カ月前から
の変化は、前年同月比の変化幅。 インドは2015年1月より消費者物価指数を改定したため、改定前と改定後の前年同月比を比較。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
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