っと ちょ ● ひと 息 東京都目黒 羅漢寺 第37回 ● 林試の森 “羅漢・らかん” 現在は 305 体が東京都の重要文化財 に指定されています。 羅漢とは、人々から尊敬を受けて 悟りを開いた高僧を指す言葉と言わ れており、日本では仏法を護持する 16人の弟子を十六羅漢、更に 2人を らかん茶屋 加えて十八羅漢などと言われていま す。また、五百羅漢は、仏陀に従っ 泰叡山瀧泉寺 た 500人の弟子を表したと言われて 羅漢堂の羅漢さん おり、それぞれお姿が違うのは、そ 当寺の羅漢さんは木造で趣きがあ 一般的には目黒不動と言われる不 のためです。 り表現内容の豊かさ、品格の高さな 動明王を本尊としたお寺で江戸五色 ど羅漢堂に並んだ光景は見ごたえが 不動の一つです。 あります。 目黒の地名はこの不動尊に由来する 木造の羅漢像は珍しく、関東地方で とも言 わ れ は当山のみと言われています。 ています。 本堂裏手に 羅漢寺本堂 は、江戸 時 羅漢寺と言われる寺院は、禅宗の 代の儒学者 曹洞宗に多くあり、ここ天恩山五百 で、サ ツ マ 羅漢寺も禅宗の一つである黄檗宗か イモで 有名 目黒不動尊独鈷の滝 本堂の羅漢さんと堀執事 な「甘藷先生墓」と墓石に刻まれた また、本堂ではお釈迦さまが弟子の 青木昆陽の墓があります。 羅漢の前で説法されている光景が再 ここには門前町が残っていて、参道 このお寺は、 現されています。 入口付近にはうなぎ屋やすし屋など もともと江 戸 目黒・五反田から僅かの距離しか離 の商店もあります。 時代に本所に れていません。繁華街近くのこのよう また、林野庁の「林業試験場」の 創 建 さ れ「本 な場所で俗世を忘れて法話にしばし 跡地が「都立林試の森公園」として 所 のらかんさ 耳を傾けるのも一考かと。 整備され開放されていますので、特 ん」として 親 お寺の入口には、“らかん亭”と“ら に春先には、山手線目黒駅から目黒 しまれましたが、明治末期に現在の かん茶屋”があり松花堂弁当などの 川沿いの桜並木を抜けて、羅漢寺、 地に移転しました。創建当時は、五 食事、クリームみつまめ等の甘味や 目黒不動、林試の森を散策して目黒 百体以上の群像が完成しましたが、 季節により、かき氷やお汁粉なども 線の不動前駅までの散策コースがお 300 年程の間に失われるものも多く、 楽しむことができます。 勧めです。 ら独立した寺院です。 五百羅漢寺 江戸古地図と佐山執事 2 015 年 3・4月号 (2014年2月取材) 電気と保安 19
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