東京都 目黒 羅漢寺 2015年3・4月号 (PDF:654KB)

っと
ちょ
●
ひと 息
東京都目黒
羅漢寺
第37回
●
林試の森
“羅漢・らかん”
現在は 305 体が東京都の重要文化財
に指定されています。
羅漢とは、人々から尊敬を受けて
悟りを開いた高僧を指す言葉と言わ
れており、日本では仏法を護持する
16人の弟子を十六羅漢、更に 2人を
らかん茶屋
加えて十八羅漢などと言われていま
す。また、五百羅漢は、仏陀に従っ
泰叡山瀧泉寺
た 500人の弟子を表したと言われて
羅漢堂の羅漢さん
おり、それぞれお姿が違うのは、そ
当寺の羅漢さんは木造で趣きがあ
一般的には目黒不動と言われる不
のためです。
り表現内容の豊かさ、品格の高さな
動明王を本尊としたお寺で江戸五色
ど羅漢堂に並んだ光景は見ごたえが
不動の一つです。
あります。
目黒の地名はこの不動尊に由来する
木造の羅漢像は珍しく、関東地方で
とも言 わ れ
は当山のみと言われています。
ています。
本堂裏手に
羅漢寺本堂
は、江戸 時
羅漢寺と言われる寺院は、禅宗の
代の儒学者
曹洞宗に多くあり、ここ天恩山五百
で、サ ツ マ
羅漢寺も禅宗の一つである黄檗宗か
イモで 有名
目黒不動尊独鈷の滝
本堂の羅漢さんと堀執事
な「甘藷先生墓」と墓石に刻まれた
また、本堂ではお釈迦さまが弟子の
青木昆陽の墓があります。
羅漢の前で説法されている光景が再
ここには門前町が残っていて、参道
このお寺は、
現されています。
入口付近にはうなぎ屋やすし屋など
もともと江 戸
目黒・五反田から僅かの距離しか離
の商店もあります。
時代に本所に
れていません。繁華街近くのこのよう
また、林野庁の「林業試験場」の
創 建 さ れ「本
な場所で俗世を忘れて法話にしばし
跡地が「都立林試の森公園」として
所 のらかんさ
耳を傾けるのも一考かと。
整備され開放されていますので、特
ん」として 親
お寺の入口には、“らかん亭”と“ら
に春先には、山手線目黒駅から目黒
しまれましたが、明治末期に現在の
かん茶屋”があり松花堂弁当などの
川沿いの桜並木を抜けて、羅漢寺、
地に移転しました。創建当時は、五
食事、クリームみつまめ等の甘味や
目黒不動、林試の森を散策して目黒
百体以上の群像が完成しましたが、
季節により、かき氷やお汁粉なども
線の不動前駅までの散策コースがお
300 年程の間に失われるものも多く、
楽しむことができます。
勧めです。
ら独立した寺院です。
五百羅漢寺
江戸古地図と佐山執事
2 015 年 3・4月号
(2014年2月取材)
電気と保安
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