ウォシュレット※1 の吐水技術で「技術賞」受賞

2015 年 3 月17 日
受 賞
日本流体力学会 2014 年度学会賞
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ウォシュレット の吐水技術で「技術賞」受賞
※1
同技術でボリュームゾーンのウォシュレットの省エネ化を推進
※1:「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です
TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:喜多村 円)は、ボリュームゾーンのウォシュレット※2 に採
用している吐水技術で、一般社団法人日本流体力学会(会長:船越 満明)の 2014 年度学会賞「技術賞」
を受賞しました。受賞名は「バルーン状大気泡を用いた間欠吐水技術※3 の開発と省エネ温水洗浄便座の
普及」です。
「バルーン状大気泡を用いた間欠吐水技術」による水玉吐水(おしり洗浄)
日本流体力学会は、水や空気など“流れ”を扱う学問分野で国内最大の学会で、毎年 1 回、学会賞として
論文賞・竜門賞・技術賞・FDR 賞を授与しています。TOTO が受賞した「技術賞」は、流体力学的に画期的
な技術であることに加えて、実用化されて多くの人の役に立っていることが選考条件となっており、「該当
なし」の年もあります。なお、同賞が授与されるのは、2010 年度の「小惑星探査機はやぶさ回収カプセル
の熱・空気力学設計」以来、4 年ぶりとなります。
受賞技術は、ポンプなどメカニカルな部品を使わず、水と空気の流れの制御だけで、水玉吐水を実現した
ものです。高い洗浄感を保ちながら節水が可能となり、ウォシュレットの省エネ化に貢献しています。従来
品※4 と比べて使用水量は約 40%となり、年間消費電力量は約 35%※5 となります。同技術は 2012 年より
順次展開し、現在ではボリュームゾーンのほぼ全てのウォシュレットに採用されています。
※2:ウォシュレット一体形便器を含む ※3:特許第 5024576 号 ※4:1997 年発売の TCF771(ウォシュレット G) ※5:受賞技術を使った瞬間式ウォシュ
レット(TCF722)と従来品(TCF771)との比較
「技術賞」とは
「流体力学の知見に基づく画期的な技術(製品やソフトウェアを含む)を開発したと認められる個人もしくは代表
者とそのグループに授与される。ただし、過去 10 年以内に発表された技術で、既にある程度実用化等の評価が
なされ、また、多くの人への受益が認められるものを対象とする」(日本流体力学会ウェブサイトより)
「技術賞」受賞一覧
2014 年度……バルーン状大気泡を用いた間欠吐水技術の開発と省エネ温水洗浄便座の普及
2013 年度……該当なし
2012 年度……該当なし
2011 年度……該当なし
2010 年度……小惑星探査機はやぶさ回収カプセルの熱・空気力学設計
2009 年度……該当なし
2008 年度……風レンズ風車(超高効率風力発電システム)の開発
2007 年度……エアコン上下両開きロングパネル方式気流制御技術
日本流体力学会ウェブサイト
h t t p : / / w w w. n a g a r e . o r. j p /
1
受賞技術について
「水」と「空気」の大きな密度差に着目し、ノズルから出た速い噴流を、「空気の中に噴射する状態=速い
まま」と、「水の中に噴射する状態=減速」を交互につくることで、流速を周期的に増減させています。
基本原理
空気の中に噴射=速いまま
水の中に噴射=減速
交互に
繰り返す
噴流
空気
ノズル
水
具体的には、下図のように噴流下流に小部屋を設け、この小部屋内でバルーン状の大気泡が成長し、繰
り返し噴流に供給されるような仕組み(=流体素子)を構成しています。
バルーン状大気泡で流速変化
空気の供給口
水の供給口
噴流出口
(ウォシュレット吐水口)
噴
流
入
口
噴流
バルーン状大気泡
大気泡を通過=速いまま
水を通過=減速
噴流が大気泡を通る際は流速が落ちません
が、大気泡がない場合は水の抵抗を受けて減
速します。噴流を流すだけで自然に大気泡が成
長して周期的に供給されるような構造になって
おり、この繰り返しによって流速が周期的に変
化します。
その結果、ノズルから吐水された噴流は、飛ん
でいる間に遅い水に速い水が追いつくことで水
の塊(=水玉)を形成し、節水しながら高い洗浄
感を保った水玉吐水となります。
高い洗浄感を生み出す水玉
ウォシュレットの吐水口
大気泡が生成される小部屋
スケルトンモデルを使って撮影した「バルーン状大気泡を用いた間欠吐水技術」
2
「技術賞」選考理由
「今回開発された流体素子は、流体力学の応用技術として非常にユニークである。特に、気液固体が
干渉する複雑系において、流体(水と空気)の本来の性質を巧妙に利用して単純な構造で流れを制
御し、周期性を発現させた点で画期的である。また、耐久性が重要となる温水洗浄便座に成果を応用
できたことは、流体力学への興味・関心を喚起するものであり、流体力学への貢献度も大きい」
日本流体力学会 学会賞選考委員長
受賞技術の主な搭載機種
ウォシュレット一体形便器(タンクレスタイプ)
ネオレスト DH
ウォシュレット一体形便器(タンク式)
GG
GG-800
パブリック向けウォシュレット一体形便器
ウォシュレット S
ウォシュレット P
シートタイプ温水洗浄便座
ウォシュレット SB
ウォシュレット PS
TOTOグローバル環境ビジョン
これまでの環境活動をよりグローバルに進化させるために策定したグローバル
共通のビジョン。各国各地域の環境問題や社会課題と向き合い、6つのテーマ
で環境へのとりくみを推進し、創立以来、長年にわたり培ってきた『水』に関する
ノウハウを生かして、さらなる環境貢献へと発展させていきます。
詳しくは下記URLをご覧ください
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