北原 兵庫 氏

第三種郵便物認可 平成27年3月1日(日曜日)
中小企業タイムズ(3)
の兆しが感じられたが、消費税の増税に伴う反
▼データから見た
込み需要を主な要因として景況感は一時改善
う消費者マインドの低下から悪化している。
1年間で15円を超えた円安が進み、原材料を
業界 の動き
海外から仕入れ国内で加工や販売する多くの
中小企業は仕入価格や製造コストの上昇分を
よる人件費の増加、工期の遅延等を懸念する報
告も多く寄せられた。
これから年度末に向かって、原材料や人員の
調達、短納期等による経費負担増など、懸念
材料が山積みだが
「群羊を駆って猛虎を攻
難 しいが 、3 割 以 上 売 上 、
収益ともに落ちている。
●窯業・土石
(砂利)
/繁忙期
により売上は多少増加。
●窯業・土石
( 山 砕石 )
/燃料
の免 税 軽 油 が 3 年 間 延 長
となり 労 働 災 害 保 険 料 率
が6ポイント下がったが、景
気 回 復 感は感じられない。
しかし、経 費の減 少が見 込
め安堵している。
●一般機器⑴/全体的に不況
月が増えている。
● 電 気 機 器 / 年 度 末を控 え
各 業 界 とも 予 算 達 成のた
め、
一極集中型の短納期が多
発する見込み。
● 電 気 機 器 / 円 安を受け原
材料の値上げ要求が増加。
逆に、製 造 単 価アップを 受
注先に要求しているが認め
てもらえず、全 体 的に収 益
状況が悪化。
● その他( 貴 金 属 ① )/ 中 国
人バイヤーへの売り 込みが
減少。
● その他( 貴 金 属 ② )/ 地 金
相 場が上 昇しているため、
販売価格が高騰。
し合い、それぞれの強みを生かして景気
む」
の如く中小・小規模事業者は知恵を出
の荒波を共同の力で乗り越えて欲しい。
データから見た業界の動き(平成27年1月分)
■非製造業
●卸売
(紙製品)
/物流減、購
買減により取扱商品が常に
右肩下がり。中国の原料購
入がGDP減とともに落ち
ている。
●卸売
(ジュエリー)
/消費者
の購買力の低下とともに厳
しい状況にある。
● 小 売( 青 果 )/ 量 販 店の荷
動きは活 発だが、小 売 店は
低迷状態にある。
●小売
(食肉)
/年明け、消費
の落ち込みが顕 著 。米 国 西
海岸での港湾ストの影響で
豚肉を中心に品薄のため国
産の相場が上がり収益も落
ち込んだ。
● 小 売( 水 産 物 )/ 仕 入 商 品
の値上げにより給食等の納
品 時に価 格 転 嫁できず、経
営が圧迫されるケースが散
見される。
● 小 売( 自 動 車 )/ 新 型 車の
発売により新車利益率、収
益状況は改善傾向。
● 小 売( 電 機 製 品 )/ 昨 年 度
は、消 費 税 増 税による駆け
込み需要があったが、未だに
反動減による大幅な売上減
が続き、太 陽 光 発 電の落ち
込みも著しく、主要商品全
般的に停滞。
●小売
(石油)
/省エネ車の急
増により石油製品の重要減
が続く中 、厳しい状 況が続
いている。
● 商 店 街 ⑴ / 駐 車 場 利 用や
新システムによるポイント
カードが好調。
● 不 動 産 取 引 / 東 京 都 内の
不動産業者から物件の買い
取り依頼が増加。
● 美 容 業 / 低 料 金の美 容 室
店舗が少しずつ浸透してい
るため、既 存 店は料 金を値
下げしている。
● 警 備 業 / 年 度 末を控 え 公
共 工 事に伴 う 警 備 業 務の
受 注 量が増 加し多 忙 を 極
めているが、警備員の不足に
より受注に応じられず売上
高の増加に繋がらない。
● 建 設 業( 総 合 )/ 1 月の県
内公共工事動向は、件数で
% 、請 負 金 額で3 % 、そ
れぞれ減少している。
●建設業
(型枠)
/円安による
資 材の 高 騰 や 職 人の 高 齢
化 、技 術 職の不 足 等 、懸 念
材料が多い。
●建設業
(鉄構)
/ある程度の
▶ 景 況 感(前年同月比)
減少
26%
不変
72%
不変
56%
仕 事 量は確 保しているが、
県外の物件が多くを占め県
内の仕事量は少なく景気も
悪化している。
● 設 備 工 事( 電 気 工 事 )/ 年
度末に向けて人手不足にな
る。公共工事関係は4月以
降の 予 定 は 少 な く 民 間 関
係の設 備 投 資 もひと 段 落
感がある。
● 設 備 工 事( 管 設 備 )/ 住 宅
建 築 工 事 等の 民 間 事 業の
回 復の遅れから、売 上の減
少 傾 向が続いている。公 共
事 業の前 倒 し 効 果 も 大 手
企 業にとどまり、中 小 企 業
までは回らず改善が見られ
ない状況。
●運輸
(タクシー)
/夜の利用
客が減少しており厳しい経
済状況が続くと思われる。
●運輸
(トラック)
/燃料価格
が一時 的に値 下 げされたこ
とにより 、荷 主からの運 賃
見直しに向けた要請が懸念
される。しかし、現在の価格
でも 業 界 本 来 の 原 価 計 算
上の燃料価格としてはまだ
まだ高い状 況であることを
荷 主 等に周 知 徹 底 する 必
要がある。
酒造りへの挑戦を続けて
山梨県酒造組合 会長 北原 兵庫 氏
(
代表取締役社長)
山梨銘醸株式会社 opinion
現 在 、山 梨 県 内 に は 軒 の 酒 蔵 が あ り 、古 く は
300年前から酒造りに取り組んできました。
「 銘 醸 地に名 水あり」という言 葉のとおり、山 梨の
良 質 な 湧 水 を 使 い 杜 氏 の 優 れ た 技 によ り 風 味 豊 か な
酒造りに取り組んでいます。
全 国の 酒 蔵 は 、日 本 酒 出 荷 量 が ピークとなった 昭
和 年には3 ,0 0 0 軒を超えていましたが、今では
半 分の1 ,5 0 0 軒にまで減 少しています。多 様 化す
る消 費 者の嗜 好や生 活スタイルの変 化などから清 酒
の 消 費 量 も 年 々 減 少 していま す 。こう した 状 況 を 乗
り 切 る た めに は 、そ れぞ れの 酒 蔵 の 取 り 組 み に 加 え
て 、業 界 全 体 としての 取 り 組 み も 重 要 な 時 代 に なっ
ています。
そこで 組 合 で は 、後 継 者 に 技 術 の 伝 承 だけで な く
〝 心 〞や〝 人 間 性 〞に磨きを掛けて酒 造りに取り組んで
も ら い た い と 考 え 、毎 月 の 定 例 会 を は じ め 組 合 の
様 々なイベントなどに各 社の代 表 者に加えて後 継 者
達 にも 積 極 的 に 出 席いた だき 、次 世 代の 人 材 育 成 に
取り組んでいます。
次 に 、これまで 毎 年 県 内 外で 年 間 回 以 上の 試 飲
会 や 物 産 展 、日 本 食 等 を 堪 能 しな がらのイベント 等
を実 施してきましたが、更なる需 要 開 拓のために、平
成 年からはベトナムでの商 談 会も開 催しています 。
和 食 が日 本 人の伝 統 的な食 文 化としてユネスコ無 形
文 化 遺 産 に 登 録 され たことも 追 い 風 にな り 、県 内 の
日本酒の輸出量は年々増加しています。
また 、山 梨 県 にはオリ ジナルの 酒 造 好 適 米 がな く 、
これまでは県 外から提 供 してもらった酒 米 種 子で酒
づくりを行ってきました。
これからの酒造りを考えた
時に山 梨 県オリジナルの酒 造 好 適 米の開 発 が必 要と
考 え 、山 梨 大 学 や 工 業 技 術 センターな どと 連 携 を 始
めていま す 。実 用 化 までには 年 程 の 時 間 が 必 要 だ
と 思 いま す が 、次 世 代 の 業 界 発 展 の ために 第一歩 を
踏み出しました。
日 本 酒 造 りは 日 本の 風 土 に 根 ざした 文 化です 。伝
統の技と良 質な素 材を大 切にしながら失 敗や変 化を
恐れず 様 々な可 能 性に挑 戦していきたいと考えてい
ます。
20
昨年は、4月の消費税率引き上げに伴う駆け
業界からの報告
■製造業
● 食 料 品( 水 産 物 加 工 )昨 年
度は消 費 税 増 税に伴 う 駆
け 込み需 要 もあったが、今
年 度は業 務 用 、ギフト関 係
ともに低調のため全体の売
上は前年同月比 %。
● 食 料 品( 洋 菓 子 製 造 )/ 昨
年 度は消 費 税 増 税に伴 う
駆け込み需 要やテーマパー
ク関連の記念商品の受注も
あったが、今 年は記 念 商 品
に代わり自社製品の輸出や
冷凍ケーキが好調のため売
上は前年同月比108%。
● 食 料 品( 菓 子 )/ 販 売 先は
デフレ状況にもかかわらず、
原 材 料や資 材 等は高 騰 し
利益を出しづらく厳しい状
況だが、灯 油 代が安 価にな
っているため、収益は現状維
持を保っている。
● 繊 維 ・ 同 製 品( ア パレル )
/ 製 品 販 売 関 係は特 性 を
活かし順調に推移している
が、下 請 加工関 係は厳しい
状況にある。
●木材・木製品製造/昨年は
消費税増税による駆け込み
需 要が多かったため比 較は
10
平成27年1月
平成26年1月
平成27年1月
15
●DI値▲24
(前年同月比▲20)
●業種別DI値
製造業 ▲15(前年同月比▲35)
非製造業 ▲30(前年同月比▲10)
●前月比DI値
製造業 20ポイント改善
非製造業 7ポイント悪化
増加
20%
減少
20%
減少 増加
20% 18%
増加
2%
減少
24%
不変
72%
不変
62%
増加
8%
▶ 収益状況(前年同月比)
オピニオン
50
25
▶ 売 上 高(前年同月比)
●DI値▲12
(前年同月比▲10)
●業種別DI値
製造業 ▲15(前年同月比▲35)
非製造業 ▲10(前年同月比+7)
●前月比DI値
製造業 ±0
非製造業 3ポイント改善
平成26年1月
不変
58%
増加
46%
不変
32%
平成27年1月
平成26年1月
18
減少
32%
●DI値▲22
(前年同月比▲46)
●業種別DI値
製造業 ▲15(前年同月比▲50)
非製造業 ▲27(前年同月比▲44)
●前月比DI値
製造業 ±0
非製造業 4ポイント悪化
増加
10%
減少
22%
また、建設業を中心に技術労働者等の不足に
1月分
動減や円安による原材料の高騰、物価上昇に伴
86
価格転嫁できず体力を消耗させている。
平成27年
●情報連絡員からの景況報告の概要