採血を受けられる患者さんへ

平成 27 年版
採血を受けられる患者さんへ
兵庫医科大学病院 採血室
『採血』について
『採血』は、病気の診断、病状の把握を行う
ために必要な医療行為の一つです。
体の中を流れる血液を検査のために採取しま
す。
医が判断した場合に採血をお勧めしております。
このような『採血』の必要性・危険性をご了
解の上、採血を受けて頂きますようお願い申し
上げます。
また、検査部採血室では、国家資格を有する
臨床検査技師、看護師が採血を担当しておりま
なお、採血に伴う合併症に関しては本説明書
「採血に伴う合併症」をお読みください。
す。
十分な知識に基づいた上で、安全性の高い手
技で行いますが、まれに合併症(併発症)が起
きることがあります。採血によって得られる情
報が、採血を行う危険性より重要であると担当
採血室にて採血を受けられる患者さんへのお願い
行うため、以下のことを施行させていただいて
☆ 下記に該当する患者さんは、採血前にス
タッフにお申し出ください
おります。
・採血時に気分が悪くなったことがある方
採血室では採血を「安全に」、「間違いなく」
・消毒薬や手袋(ラテックスなど)にアレルギ
☆ご本人確認
ーのある方
「採血取り間違い防止」のため、ご自身のお
誕生日、お名前などをお伺いしております。ピ
ンク色の整理券ははじめに採血担当者にお渡し
ください。
・血液透析中の方
・血液を固まりにくくするお薬を内服している
方
・乳房切除術を受けられた方
・その他採血に関して、ご希望、ご不安な点の
検査整理券
ある方
8001
IIIII
※ 円滑な採血の施行には皆さんのご協力が必
ヒョウゴ タロウ
要となりますことを何卒ご理解ください。
ID:0000001
※ご不明な点、ご不安な点がございましたら、
循内 Dr:西宮
ご遠慮なくスタッフにお申し出ください。
採血に伴う合併症
『採血』は、基本的には安全な手技であり、合併症の頻度は極めて少なく、また軽症なものが多
いとされております。しかし、ごくまれに次のような健康被害を生じるとの報告があります。
☆止血困難・皮下血腫
☆神経損傷
主に穿刺後の圧迫止血が不十分な場合に生じ
採血後に手指へ拡がる痛み、しびれなどが生
じ、一定時間が経過した後も持続します。約 1
ます。
採血後は少なくとも 3 分間は圧迫止血をして
万~10 万回の採血に 1 回の頻度で起こると報告
いただきますようお願いいたします。血が止ま
されています。皮膚表層近くの神経は個人差が
りにくい方は長めに圧迫してください。また、
大きいため、神経損傷を完全に防ぐことはでき
採血当日は採血をした腕で重い荷物を持ったり、 ませんが、通常の採血では、太い神経の断裂な
激しい運動は控えてください。なお、ご自身で
どの可能性は低く、損傷は軽度で、症状は軽く
圧迫止血が困難な場合、止血ベルトの貸し出し
一時的な場合がほとんどです。
も行っておりますので、スタッフにお申し出く
☆血管迷走神経反応
ださい。
心理的に緊張、不安が強いと起こりやすく、
揉まずにしっかり
押さえてください。
採血前に起こることもあります。
神経が興奮し、急激に血圧が下がるため、め
まい、気分不快感、意識消失などを引き起こし
ます。報告により様々ですが、0.01 %~1 %の
頻度で起こるとされています。
☆ アレルギー
採血時のアルコール消毒や、絆創膏によるか
上記合併症が起きた場合には最善の処置を行
ぶれ、かゆみ、発疹をはじめとするアレルギー
います(なお、その際の医療は通常の保険診療
症状が出現することがあります。
となります)。
採血室では非アルコール性消毒綿や、複数種
のパッド、テープがありますので、上記症状が
なお、診療内容に関してご不明な点(結果判
過去も含めてみられる方はスタッフにお申し出
断や検査項目など)は、担当医にご相談くださ
ください。
い。