中 国 人 農 業 技 能 実 習 生 の 人 権 侵 害 に つ い

人権を守る 第63号
2015.3.1
中国人農業技能実習生の
人権侵害について勧告
川上村現地調査
進行する日本において非熟練労
二 〇 一 三 年 一 〇 月 に は、 帰 国 間
際の技能実習生に事情聴取を行う
こ とを 窺 い 知る こ と にな り まし た。
だけ村民同士の顔の見える村である
が 歩 く と 明 ら か に 浮 い て お り、 そ れ
り ま し た が、 そ れ で も 事 件 委 員 三 名
の車に普段着という格好で現地に入
て い た 情 報 に 基 づ き、 現 地 ナ ン バ ー
村民の方に警戒されないよう予め得
入 っ た の は二 〇 一 三 年 七 月 で し た 。
川 上 村 内 の 状 況 を 把 握 し よ う と、
初めて三名の事件委員で川上村に
ま ま 放 置 さ れ た も の 等、 廃
窓ガラスが半分以上割れた
ニ ア 板 で 補 修 さ れ た も の、
寄 宿 舎 は、 プ レ ハ ブ 小 屋 の よ う
な簡易な建物で外に仮設トイレが
ま し た。
実習生らの寄宿舎も多く見て回り
を 聴 く こ と が で き ま し た し、 技 能
四人の技能実習生から詳しく事情
く の 技 能 実 習 生 の 協 力 が 得 ら れ、
を 繰 り 返 し ま し た。 結 果 的 に は 多
実習生を見つけては話を聞くこと
集 合 し、 三 つ の 班 に 分 か れ、 技 能
の と 思 い ま す。
い重要な事実が明らかになったも
今回はこの方法でしか発見できな
今振り返ってもアポなし突撃取
材 は 我 々 に 畑 違 い の 分 野 で す が、
い の で す。
悪な住居があることが把握できな
はそのすぐ軒先に技能実習生の劣
で い ま す。 た だ 通 り 過 ぎ る だ け で
「アポなし突撃取材」
働 ・ 単 純 労 働 を だ れ が 担 い、 そ の
べ く、 平 日 の 二 日 間、 現 地 に 入 り
~ 職 権 で 調 査 を 敢 行 海 外 調 査 も〜
記 載 さ れ て い ま し た。 日 弁 連 は、
担い手の権利をどのように保護し
ま し た。 村 内 の 人 に 警 戒 さ れ な い
レタス栽培等に従事していた中
国 人 農 業 技 能 実 習 生 に 対 し、 中 国
た技能実習生が重大な人権侵害を
川上村でレタス栽培に従事してい
者 受 入 れ 全 般 の 問 題 や、 少 子 化 が
ま ら ず、 日 本 に お け る 外 国 人 労 働
題 は、 単 な る 一 制 度 の 問 題 に と ど
喜 朝)
日常的に受けていることが詳細に
の 執 行 後、 複 数 の マ ス メ デ ィ ア が
人権救済事件として職権により調
て い る か と い う 問 題 と 関 連 し ま す。
て き た 投 書 で し た。 投 書 に は、 日
の送出し機関が行き過ぎた管理を
査 を 開 始 し ま し た。 中 国 吉 林 省 に
政府も技能実習制度の見直しを議
屋同然の劣悪なものでした
報 道 し ま し た。 技 能 実 習 制 度 の 問
し て い た こ と に つ い て、 日 本 の 監
渡って投書の名義人とされる元技
が、 さ ら に シ ョ ッ ク な こ と
本有数のレタス産地である長野県
理団体である事業協同組合が適切
能 実 習 生 と 面 談 し た り、 川 上 村 現
よう事前に一切アポを入れません
不 安 を 抱 い て い ま し た。 そ れ で も
組 み に、 当 初 は 事 件 委 員 の 誰 も が
材を行うという無謀とも思える取
豊 か な 村 で あ り、 農 家 の 自
川 上 村 は、 農 業 で 成 功 し た
佇 ん で い た と い う こ と で す。
ていたメイン通り沿いにも
は、 そ れ ら が 何 度 も 往 復 し
二 〇 一 三 年 九 月 一 七 日、 事 件 委
員 会 の 中 国 調 査 班 は、 吉 林 省 の あ
い き な り 訪 問 す る こ と に し ま し た。
し た。 そ こ で、 事 前 に 連 絡 を せ ず、
が不可能になることが心配されま
り、 彼 に 不 利 益 が 及 ん だ り、 調 査
国の送出し機関等から圧力がかか
らず、郵便で連絡を取った場合、中
し て い ま し た が、 電 話 番 号 は 分 か
た。 彼 の 中 国 吉 林 省 の 住 所 は 判 明
握する上で必須であると考えまし
本件の人権侵害に関する事情を把
と 面 談 し て 事 情 聴 取 を 行 う こ と が、
の元農業技能実習生の中国人男性
事 件 委 員 会 で は、 本 件 に 取 り 組
むきっかけになった投書の名義人
ずっと快適な住環境だと思いまし
実 習 生 が 居 住 し て い る 寮 よ り も、
れ い な 家 で、 川 上 村 で 多 く の 技 能
入 れ て く れ ま し た。 一 戸 建 て で き
目 的 の 家 を 訪 ね る と、 彼 の 奥 さ
ん が 出 て き て、 私 た ち を 家 の 中 に
所 は 分 か り ま し た。
彼 の 名 前 を 示 す と、 す ぐ に 家 の 場
集 ま っ て き ま し た。 そ の 人 た ち に
の 訪 問 者 に 驚 い て、 村 の 人 た ち が
舗 装 さ れ て お ら ず、 突 然 の 日 本 人
と は な い よ う な 場 所 で す。 道 路 は
ら く、 外 国 か ら 人 が 訪 ね て く る こ
さ な 農 村 の 中 に あ り ま し た。 お そ
ら う こ と し ま し た。 彼 の 家 は、 小
書の名義人の家を探して行っても
タ ク シ ー の 運 転 手 と 交 渉 し て、 投
と 話 し て く れ ま し た。
れた。農家からの暴力もあった。」
取 ら れ た し、 保 証 人 も 付 け さ せ ら
し た こ と を 理 由 に 罰 金 五 万 円 を、
に 私 は、 協 同 組 合 に 残 業 代 を 要 求
私 が 知 っ て い る 事 実 も あ る。 実 際
こ の 手 紙 に 書 い て あ る こ と の う ち、
誰 か が 私 の 名 前 を 使 っ た の だ ろ う。
立 っ て 抗 議 を し た り し て い た の で、
私 は 川 上 村 で、 み ん な の 先 頭 に
の 投 書 を 書 い た の は 私 で は な い。
てくれ、面談が実現しました。「こ
者 が い る こ と を 聞 い て、 帰 っ て き
た。 本 人 は、 村 人 た ち か ら、 訪 問
(事 件 委 員 会 委 員
指宿
昭 一)
賃 金 か ら 差 し 引 か れ た。 保 証 金 も
る 地 方 都 市 の 駅 に 到 着 し、 駅 前 で
ビニールとガムテームでふさがれただけの扉
日本司法支援センター推進本部ニュース 11・12 面
1〜4 面
3
一 初の勧告
な監理をせずに見過ごしていたこ
論 し て い る と こ ろ で あ り、 今 回 の
で し た が、 素 人 の 弁 護 士 が 突 撃 取
金
事業協同組合に対して
①問題のある送出し機関から技能実習生を受け入れないこと
②農家などが直接賃金を支払う等するよう指導すること
③技能実習生等に対する被害回復に努めること
厚生労働省に対して
①被害実態の調査を行って再発防止に努めること
②技能実習制度を直ちに廃止すること
法務省に対して
①被害実態の調査を行い、不正行為認定を行って技能実習生の受入れを停止すること
②技能実習制度を直ちに廃止すること
大 坂 恭 子)
と が 人 権 侵 害 に 当 た る と し て、 日
地に入って村内にいる技能実習生
勧告がその議論によい影響を与え
普段着で会社の社員旅行風に振る
弁 連 は、 昨 年 一 一 月、 事 業 協 同 組
か ら 直 接 事 情 を 聴 い た り、 精 力 的
る こ と を 期 待 し て い ま す。
(事 件 委 員 会 委 員 長
舞 う と い う こ と を 申 し 合 わ せ、 事
宅は美しいものが立ち並ん
|
投書の「主」を探して
中国吉林省へ
件委員六名と通訳人三名が現地に
(事 件 委 員 会 委 員
合、 厚 生 労 働 省 及 び 法 務 省 に 対 し、
な 調 査 を 行 い ま し た。
私生活を管理
制裁金も
そ の 結 果、 労 働 時 間 が 過 度 に 長
い 過 酷 な 労 働 環 境 に あ る こ と、 作
三
業 へ の 安 全 配 慮 も 不 十 分 で あ り、
(表)勧告の主な内容
設 置 さ れ た も の、 内 壁 が ベ
下 表 の と お り 勧 告 し ま し た。
技能実習制度については国内外
か ら 批 判 が 多 く、 日 弁 連 も、 人 権
侵害行為を引き起こす構造的問題
を 求 め て き ま し た が、 人 権 救 済 申
受入れ農家から暴言や暴力を受け
点 を 有 す る と し て、 同 制 度 の 廃 止
立事件として技能実習生の問題を
て い た 技 能 実 習 生 も い た こ と、 寄
本 件 は、 技 能 実 習 制 度 の 問 題 性
が 顕 著 に 表 れ た ケ ー ス で す。 本 件
四 制度見直しの動き
の 管 理 を 行 っ て い ま し た。
い は こ れ を 利 用 し て、 技 能 実 習 生
侵 害 を 知 り な が ら、 看 過 し、 あ る
る私生活や移動の自由への不当な
ま た、 送 出 し 機 関 を 監 理 す べ き
事 業 協 同 組 合 は、 送 出 し 機 関 に よ
管 理 し て い ま し た。
監 督 者 を 置 き、 技 能 実 習 生 を 支 配
め、 そ の 違 反 に は 制 裁 金 を 科 し、
中 国 吉 林 省 に あ る 送 出 し 機 関 は、
私生活や交友関係に及ぶ規則を定
こ と 等 が 判 明 し ま し た。
中には劣悪なものも含まれている
宿 舎 は 狭 く 不 衛 生 な も の が 多 く、
直 接 の 対 象 と し、 勧 告 等 を 行 っ た
「 投 書 」を 端 緒 に
職権調査開始
の は 初 め て で す。
ニ
本 件 の 調 査 の 端 緒 は、 二 〇 一 二
年一〇月に東京弁護士会に送られ
村内に掲示されていた看板
外国語により警告がされている
人権を守る(お問い合わせは各委員会へお願いいたします) 1 ●2015年(平成27年)3 月 1 日発行
日弁連民暴対策ニュース
5・6 面
付添人本部ニュース
13 面
日弁連司法修習委員会ニュース
7・8 面
教育法制改正問題対策ニュース
14 面
裁判官制度改革・地域司法計画推進本部ニュース 9・10 面
※題字は北山六郎元日弁連会長
あ り ま せ ん。
「暴 力」 に よ る 攻 撃 を 許 す べ き で は
北星学園脅迫で
日弁連会長談話
日 弁 連 は 昨 年 一 二 月 二 五 日、 過 去
に 日 本 軍 「慰 安 婦」 に 関 す る 記 事 を
執 筆 し た 元 記 者 と そ の 家 族、 元 記 者
思を表明する会長談話を発表しま
あ る」 と し て、 断 固 許 さ な い と の 意
基盤そのものを崩壊させるおそれが
性 一 名 が 威 力 業 務 妨 害 罪 で 逮 捕 さ れ、
昨年一〇月には脅迫電話を掛けた男
め る 脅 迫 文 言 ま で 掲 載 さ れ て い ま す。
族の実名と写真を掲載して自殺を求
今 回 の 脅 迫 行 為 は、 大 学 に 対 し て
「辞 め さ せ ろ。 辞 め さ せ な け れ ば、
し た。
た。 し か し 大 学 に 対 し て 昨 年 末、 放
が教員を務める北星学園大学への脅
元 記 者 や 家 族、 大 学 に 対 す る 脅 迫
行 為 は、 刑 法 の 脅 迫 罪 や 威 力 業 務 妨
火 を 示 唆 す る 文 書 が 送 ら れ る な ど、
学 生 を 痛 め つ け て や る」 な ど と、 学
害罪に該当する犯罪行為というだけ
その後も元記者や大学への脅迫は続
迫 行 為 に 対 し 「学 問 の 自 由 や 大 学 の
で は あ り ま せ ん。 教 育 ・ 研 究 活 動 と
い て い ま す。
生の安全を脅かして元記者の退職を
は何ら関係のない理由で教員の解雇
自 治 を 脅 か す」 だ け で な く 「取 材・
等 を 迫 る こ と は、 学 問 の 自 由 や 大 学
札 幌、 東 京 の 両 弁 護 士 会 が 昨 年
一 〇 月、 脅 迫 行 為 に 関 す る 会 長 声 明
求 め る だ け で な く、 元 記 者 や そ の 家
の 自 治 を 脅 か し ま す。 昨 年 末 に 元 記
を そ れ ぞ れ 発 表 し て い ま す。 日 弁 連
報 道 を 萎 縮 さ せ か ね ず 」「 国 民 の 知
者の本年四月以降の雇用継続を決め
も、 脅 迫 行 為 を 許 さ な い と の 意 思 を
族 に も 及 び、 ウ ェ ブ サ イ ト 上 に は 家
た 大 学 も、 大 学 の 平 穏 や 大 学 関 係 者
表 明 す る だ け で な く、 学 問 の 自 由 や
る 権 利 も 侵 害 し 」「 民 主 主 義 社 会 の
の 安 全 を 脅 か す 電 話 や メ ー ル、 手 紙
大 学 の 自 治、 取 材 ・ 報 道 な ど 表 現 の
ち切る方向での検討を余儀なくされ
主義社会を守るために全力を尽くす
自 由、 国 民 の 知 る 権 利、 そ し て 民 主
同年一一月に略式罰金刑を受けまし
等 に よ り、 一 時 は 元 記 者 の 雇 用 を 打
ま し た。
し ま し た。
表 現 の 自 由 を め ぐ っ て は、 他 に も
様 々 な 問 題 が 相 次 い で お り、 日 弁 連
姿勢をあらためて示すべきだと判断
ま た、 記 事 の 内 容 を 理 由 に 脅 迫 す
る こ と は、 取 材 ・ 報 道 を 萎 縮 さ せ、
表現の自由や国民の知る権利をも損
な い ま す。 そ の 蔓 延 を 許 せ ば、 民 主
と し て、 積 極 的 ・ 継 続 的 な 取 り 組 み
直)
主義社会の基盤を揺るがしかねませ
が 求 め ら れ て い ま す。
委員
(人 権 擁 護 委 員 会 第 五 部 会
平河
ん。 記 事 を 糺 す の で あ れ ば、 記 事 と
同 じ 言 論 に よ る べ き で す。 言 論 に は
言 論 で 対 抗 す べ き あ り、 脅 迫 と い う
元 記 者 は、 北 星 学 園 大 学 で
二〇一二年四月から非常勤講師を
勤 め て お り 大 学 で は、主 に 留 学 生
を 対 象 に「 国 際 交 流 」 の 講 義 を 担
当 し て い ま し た。
昨 年 初 め、 週 刊 誌 で、 元 記 者 の
書いた記事が捏造だと書かれまし
た。 す る と 五 月 か ら、 同 大 学 に 対
し て、「 元 記 者 を や め さ せ な け れ
ば 爆 破 す る 」「 学 生 を 痛 め つ け て
や る 」「 大 学 は、 国 賊 ○ ○ ( 元 記
者の名前)をかくまうのか」といっ
た 脅 迫 状 や 嫌 が ら せ 電 話、 メ ー ル
が 殺 到 し、 キ ャ ン パ ス に は 右 翼 の
宣 伝 カ ー ま で 来 ま し た。
さ ら に、 元 記 者 の 高 校 生 の 長 女
は、 氏 名、 写 真 を ネ ッ ト で さ ら さ
れ 「自 殺 に 追 い 込 む」 な ど と 脅 さ
れ ま し た。
元記者が勤務する同大学の爆破
や学生への傷害の予告は脅迫であ
り、 明 白 な 犯 罪 で す。 学 問 の 自 由
と教員人事という大学の自治に対
する破壊攻撃であり、「言論テロ」
と い う ほ か あ り ま せ ん。
同 大 学 は、 昨 年 九 月 三 〇 日 付 で
声 明 を 発 表 し、「 学 問 の 自 由・ 思
想信条の自由は教育機関において
最 も 守 ら れ る べ き も の で あ り、 侵
害されることがあってはならない
…あくまでも本学のとるべき対応
に つ い て は、 本 学 が 主 体 的 に 判 断
す る」 と 宣 言 し ま し た。
し か し、妨 害・脅 迫への 対 応 に 追
われ、
学内の意見も割れ、
昨年一〇月
三一日には、学長が元記者の契約更
こ の よ う な 中、 思 想 信 条、 立 場
新をしない意向を表明しました。
市 民 ら 有 志 に よ る「 負 け る な 北
年一〇月六日には、学者・弁護士・
て 闘 う 動 き が 急 展 開 し ま し た。 昨
由と民主主義を守る一点で協力し
を 超 え、 全 て の 大 学 人、 市 民 が 自
し、 日 弁 連 は、 本 年 一 月 七 日、 大
合意に至ったと発表したことに関
に 関 す る 補 足 協 定 に つ い て、 実 質
る環境の管理の分野における協力
月 二 〇 日、 日 米 地 位 協 定 を 補 足 す
一. 日 米 両 政 府 が 二 〇 一 四 年 一 〇
本 占 領 意 識 が 色 濃 く 残 り、 し か も
位協定は六〇年以上前の米国の日
採 決 さ れ ま し た。 つ ま り、 日 米 地
改 定 反 対 闘 争 の な か、 国 会 で 強 行
ま ま 引 き 継 ぎ、 一 九 六 〇 年、 安 保
の日米行政協定の内容を殆どその
日米地位協定(環境条項)
の
改正問題に関する会長声明
星 ! の 会」 が 発 足 し ま し た。
古い思想や考え方によって貫かれ
被 害」 に よ り 生 命 や 生 活 を 脅 か さ
要次のとおりの会長声明を出しま
(一)環境問題の実効的な対処を
れている基地周辺の国民や多くの
て い る も の で す。 よ っ て、「 基 地
自治を守るため毅然と対応されて
す る に は、 我 が 国 の 法 令 の 米 軍 へ
国民の基本的人権を保障するため
昨年一〇月一〇日には当会が会
長 声 明 を 出 し、「 大 学 に 対 し て、
い る こ と に 敬 意 を 表 す る」 と し つ
の 適 用 や そ の 実 効 性 の 確 保 等、 地
に は 抜 本 的 改 定 が 不 可 欠 で す。 環
し た。
つ 「こ の よ う な 人 権 侵 害 行 為、 ひ
位協定全体を抜本的に見直す必要
( 二 ) 日 米 両 政 府 の 協 議 は、 法 の
の に す る 必 要 が あ り ま す。
いては憲法秩序への挑戦に対して
み を 推 し 進 め て い く」 と 発 表 し ま
支 配 の 実 現、 国 土 の 保 全 及 び 国 民
三. 日 弁 連 で は、 一 九 七 六 年 一 〇
境 問 題 に 関 し て も、 人 権 思 想 や 環
し た。 会 長 声 明 は 東 京 弁 護 士 会 か
改 正 に 関 す る 決 議 」、 二 〇 〇 二 年
し、 秘 密 裏 に 行 わ れ る の で は な く、 月 人 権 擁 護 大 会 で 「日 米 地 位 協 定
の権利の保障という視点を明確に
八 月 理 事 会 で 「日 米 地 位 協 定 の 改
これを抑止・根絶するための取組
ら も 出 さ れ ま し た( 昨 年 一 〇 月
国民的議論を踏まえた上でなされ
(三)「補足協定」 の締結は、本来、 定 を 求 め る 決 議 」を し、 更 に、
境保護思想の発展を反映させたも
二三日付)。
る べ き で す。
が あ り ま す。
人権擁護委員会と憲法委員会が
中 心 的 に 取 り 組 み、 民 暴 対 策 委 員
会、 子 ど も の 権 利 委 員 会 も そ れ ぞ
た 日 米 政 府 間 合 意 内 容 は、 あ ま り
四. し か し な が ら、 今 回 発 表 さ れ
二 〇 一 二 年 一 一 月 「二 〇 一 一 年 沖
に も 貧 弱 で あ り、 根 本 的 問 題 を 抱
日米地位協定に環境条項を追加規
(四)実質的合意に至ったとされ
え た 内 容 に な っ て い ま す。 日 弁 連
れ の 立 場 か ら 対 応 し、 昨 年 一 一 月
る 内 容 に つ い て も、 そ の 環 境 基 準
と し て は、 そ の 問 題 点 を 指 摘 し、
縄 基 地 調 査 報 告 書 」、 二 〇 一 四 年
こ う し た 活 動 の 結 果、 昨 年 一 二
月 一 七 日、 同 大 学 は 外 部 の 脅 迫 等
は在日米軍司令部が作成する基準
最 終 的 な 合 意 に 向 け、 抜 本 的 改 定
定 し、 国 民 の 代 表 者 で あ る 国 会 が
に屈することなく元記者の雇用を
S に は 航 空 機 騒 音、 振 動、 悪 臭 等
(JEGS)を採用したり(JEG
を 求 め て、 本 会 長 声 明 を 出 し た も
七日には全国の弁護士三八〇名で
継 続 し ま し た。 記 者 会 見 で、 同 大
に 対 す る 定 め を 欠 い て い ま す )、
の で す。
部会長
佐々木
健 次)
)」 を各々公にしました。
学 理 事 長 と 学 長 は、 短 期 間 に 情 勢
米軍に対し今日の環境法理の大原
:意見書を要約したパンフレッ
二 月 「日 米 地 位 協 定 に 関 す る 意 見
が 大 き く 変 わ っ た こ と、 弁 護 士、
則 と も い う べ き 「汚 染 者 負 担 の 原
トの内容を日弁連ホームページに
書(
弁護士会の果たした役割の大きさ
則」、「環境汚染予防原則」 が全く
掲 載 し て い ま す。 前 号 を 御 参 照 く
関与する条約としての改定手続き
と今後への強い期待が述べられま
考 慮 さ れ て お ら ず、 実 効 性 が あ り
が な さ れ る べ き で す。
し た。 新 聞 に は、 当 会 の 田 村 会 長
ま せ ん。 環 境 汚 染 問 題 を 抜 本 的 に
だ さ い。
刑 事 告 発 を 行 い ま し た。
の コ メ ン ト も 載 り ま し た。
脅迫行為が無くなったわけでは
な く、 当 会 の 取 り 組 み は こ れ か ら
解決するには右の原則が採用され
部会
も 続 き ま す。
佐藤
二. 日 米 地 位 協 定 は、 一 九 五 二 年
(基 地 問 題 に 関 す る 調 査 研 究 特 別
博 文)
た 合 意 が な さ れ る べ き で す。
事務局長
(札 幌 弁 護 士 会 憲 法 委 員 会
弁護士会の果たすべき役割 〜札幌弁護士会の活動〜
表現 の自由・知る権利 を全力 で守る
人権を守る(お問い合わせは各委員会へお願いいたします) 2 ●2015年(平成27年)3 月 1 日発行
て も 事 前 に 把 握 し て お ら ず、 本
当 弁 護 団 は、 本 決 定 が 下 さ れ
る こ と も、 当 然 そ の 内 容 に つ い
で し た。
量も一ページ余りに過ぎません
て 形 式 的 な も の で あ り、 そ の 分
特別抗告理由がないという極め
決 定 文 の 内 容 は、 判 例 違 反 等 の
る前川氏に対する最高裁判所の
以上にわたり無罪を主張し続け
請求申立てから起算しても十年
捕 さ れ て か ら 三 十 年 以 上、 再 審
定) を 下 し ま し た。 前 川 氏 が 逮
告 を 棄 却 す る 旨 の 決 定( 本 決
事 件) の 特 別 抗 告 審 に つ き、 抗
請 求 事 件 (福 井 女 子 中 学 生 殺 人
司氏と父・禮三氏が求めた再審
二 〇 一 四 年 一 二 月 一 〇 日、 最
高 裁 判 所 第 二 小 法 廷 は、 前 川 彰
は 形 成 不 可 能 な 創 傷 が あ る こ と、
凶器と認定された二本の包丁で
果、 二 〇 一 一 年 一 一 月 三 〇 日、
問など充実した審理を行った結
に 再 審 請 求 を 申 立 て る と、 証 拠
氏が名古屋高等裁判所金沢支部
二 〇 〇 四 年 七 月、 前 川 氏 と 禮 三
が 分 か れ ま し た。 そ し て、
に よ り 確 定) と 下 級 審 で の 判 断
裁判所の判断も第一審では無
罪、 控 訴 審 で は 有 罪 (上 告 棄 却
た こ と は 明 ら か で す。
関の不当な誘導により形成され
な が ら、 こ れ ら の 証 言 が 捜 査 機
の 根 拠 と さ れ て い ま す。 し か し
前川氏を犯人とみなすほぼ唯一
と す る 供 述 で 一 致 し た こ と が、
後に血を付けた前川氏を見た」
て い っ た 結 果、 最 終 的 に 「犯 行
たちがそろって証言を変遷させ
も捜査機関に弱みを握られた者
別 件 の 捜 査 対 象 者 な ど、 い ず れ
方 で、 暴 力 団 員 や 薬 物 常 習 者、
退 け、 異 議 審 の 決 定 を 是 認 し ま
ないとして前川氏らの申立てを
本 決 定 は、 異 議 審 決 定 に は 判
例違反その他の特別抗告理由が
ま し た。
なものであることを指摘してき
調べの内容を無視した不合理
再審請求審の審理経過や証拠
が 合 理 的 で あ る こ と、 異 議 審 が
を 行 い、 再 審 請 求 審 の 事 実 認 定
三 氏 は、 最 高 裁 判 所 に 特 別 抗 告
し ま し た。 そ こ で、 前 川 氏 と 禮
と し て、 再 審 開 始 決 定 を 取 り 消
証明力を減殺するものではない
し、 新 証 拠 は い ず れ も 旧 証 拠 の
請求審における審理過程を無視
審 開 始 決 定 が 指 摘 し た 疑 問 点 や、
刑 事 第 一 部 は、 請 求 審 に よ る 再
異議審である名古屋高等裁判所
開 始 を 決 定 し ま し た。 と こ ろ が、
理 的 疑 い が 生 じ た と し て、 再 審
し、 前 川 氏 を 犯 人 と す る に は 合
し ま し た。
でやり遂げる強い決意を表明
審無罪に向けた戦いを最後ま
わ ざ る を 得 ま せ ん。
る信頼を著しく損なうものと言
文 で 棄 却 し て お り、 司 法 に 対 す
ず、 わ ず か 一 ペ ー ジ 余 り の 決 定
行うべきであったにもかかわら
定に踏み込んだ具体的な説示を
で あ り、 最 高 裁 判 所 は、 事 実 認
判所同士の判断が分かれた事案
れ、 再 審 請 求 に お い て も 高 等 裁
さ ら に、 本 件 は、 判 決 確 定 前
も第一審と控訴審で判断が分か
反 す る も の で す。
いる本決定もまた著しく正義に
す。 そ し て、 こ れ を 見 過 ご し て
る、 著 し く 正 義 に 反 し た も の で
した一連の最高裁判例に違反す
~著しい不正義に対する戦いは終わらない~
決定から二日後の同月一二日に
血だらけの前川氏が乗り降りを
身 体 を 気 遣 い 合 い な が ら も、 再
本 決 定 後、 病 を 抱 え る 前 川 氏
と 高 齢 で あ る 禮 三 氏 は、 互 い の
私たちの戦いは
終わらない
届いた最高裁判所からの普通郵
し た。
人像が前川氏と著しくかけ離れ
の現場状況からうかがわれる犯
全証拠の総合評価をも怠ってい
の 専 門 的 知 見 を 無 視 し、 か つ、
の み に 依 拠 す る 一 方、 法 医 学 者
援 を お 願 い い た し ま す。
今 後 と も、 皆 様 の 御 理 解 と 御 支
求 に 向 け た 行 動 を 開 始 し ま し た。
底 的 に 戦 う べ く、 第 二 次 再 審 請
本決定の著しい不正義
便 に よ っ て、 そ の 信 じ ら れ な い
繰り返したはずの自動車内から
当 弁 護 団 は、 前 川 氏 と 禮 三 氏
の 強 い 決 意 を 実 現 す べ く、 ま た
開示や法医学者に対する証人尋
よ う な 決 定 内 容 を 知 っ た の で す。
本来あるはずの血痕が発見され
て い る こ と な ど を 認 め、 こ れ ら
ま す。 こ れ は 「疑 わ し き は 被 告
(福 井女 子 中 学生 殺 人事 件 弁 護団
正義に反する判断に最後まで徹
本 件 で は、 前 川 氏 が 逮 捕 以 来
三〇年以上にわたり一貫して無
の事実は確定判決が有罪認定の
人 の 利 益 に」 と す る 刑 事 裁 判 の
て い な い こ と、 自 殺 偽 装 痕 な ど
罪 を 主 張 し て い る こ と に 加 え、
根拠とした関係者の各供述の信
次 郎)
前川氏が犯人であることを示す
鉄則が再審請求にも妥当すると
小島
用性に疑問を抱かせるに十分と
客 観 的 証 拠 が 存 在 し ま せ ん。 一
「 無 罪 」の 評 価 を
二度受けている
し か し、 異 議 審 の 決 定 は、 信
用性に疑問のある関係者の供述
突然の決定
「福井女子中学生殺人事件」
再審請求棄却決定を受けて
人権を守る(お問い合わせは各委員会へお願いいたします) 3 ●2015年(平成27年)3 月 1 日発行
「刑事被収容者処遇法」に関する
国賠訴訟の判例情報共有化を
検討しています
の 全 面 改 正 は 終 了 し ま し た。
年 六 月 に 施 行 さ れ、 監 獄 法
し た。 こ の 法 律 は 二 〇 〇 七
遇 に 関 す る 法 律 」と な り ま
容施設及び被収容者等の処
われ、法律の名称も「刑事収
の処遇等を加える改正が行
は未決拘禁者や死刑確定者
で あ っ た た め、同 年 六 月 に
同法律の対象は受刑者のみ
称 か ら も 明 ら か な よ う に、
に施行されました。ただ、名
制 定 さ れ、二 〇 〇 六 年 五 月
の 処 遇 等 に 関 す る 法 律 」が
月 に「 刑 事 施 設 及 び 受 刑 者
のです。まず、二〇〇五年五
のメスが入ることとなった
た 監 獄 法 に、 抜 本 的 な 改 革
質的な改正が行われなかっ
その結果、約百年もの間、実
き く 取 り 上 げ ら れ ま し た。
マスコミや国会審議でも大
事 件 が 発 生 し、 こ の 問 題 は
おいて受刑者に対する死傷
に か け て、 名 古 屋 刑 務 所 に
二〇〇二年から二〇〇三年
き ま し た。 そ し て さ ら に、
護士らから強く批判されて
などの点で刑事法学者や弁
通達等によって運用される
が知る機会のない法務省の
の処遇に関しては被収容者
な 内 容 で あ り、 ま た、 実 際
されないなど極めて不十分
の権限が法律上明確に記載
被収容者の権利義務や職員
一 九 〇 八 年( 明 治 四 一
年 )に 制 定 さ れ た 監 獄 法 は、
(人 権 擁 護 委 員 会 第 三 部 会
だ さ い。
の際には是非ともご協力く
検 討 し て お り ま す の で、 そ
等をご提供いただくことも
当された先生方から判決書
実際に国家賠償訴訟等を担
例 ・ 裁 判 例 を 広 く 募 集 し て、
刑事収容施設に関連する判
と は 困 難 で す。 こ の た め、
最新の判例等を入手するこ
例 等 に は 限 度 が あ り、 ま た、
た だ、 雑 誌 や イ ン タ ー
ネット検索で集められる判
一 つ の 選 択 肢 で す。
例・ 裁 判 例 集 」) の 構 築 も、
び拘置所の処遇に関する判
施行後に出された刑務所及
検 索 シ ス テ ム (仮 称 「新 法
等にアクセスできるような
ホームページ上で判決内容
的 に は、 各 会 員 が 日 弁 連 の
め て い る 段 階 で す が、 最 終
利用して判例・裁判例を集
現 時 点 で は、 法 律 雑 誌 等 を
に す る 手 段 を 検 討 中 で す。
判決内容を入手できるよう
似の判例・裁判例を検索し
あ た り、 容 易 か つ 迅 速 に 類
国家賠償訴訟を検討するに
収容施設での処遇に関する
そ こ で、 日 弁 連 人 権 擁 護
委 員 会 第 三 部 会 で は、 刑 事
数 に 上 り ま す。
訟 が 提 起 さ れ、 判 決 も 相 当
国家賠償を求める多くの訴
いて被収容者や弁護士から
所及び拘置所での処遇につ
委員
柘植
大 樹)
と な り ま す。 こ の 間、 刑 務
このような経緯で新法が
施 行 さ れ る に 至 り ま し た が、
二〇〇六年に運用が始まっ
てから今年の五月で丸九年
外国人の不必要な収容・
長期収容を無くすために
― 出入国管理における身体拘束制度の
改善のための意見書 ―
の 問 題 点 を 指 摘 し て き ま し た が、
今 回 の 意 見 書 は、 問 題 点 を 網 羅 的
に 指 摘 し、 外 国 の 立 法 例 等 も 参 照
し な が ら、 あ る べ き 法 制 度 を 提 言
す る も の で す。 そ の 中 で は、 収 容
代替措置を国の責務として構築す
べ き こ と、 収 容 期 間 に つ い て は 比
例 原 則 に 基 づ き 制 限 す べ き で あ り、
諸外国の立法例に照らして六か月
次 に、 こ れ ら の 施 設 に お け る 医
療 上 の 処 遇 の 問 題 点 と し て は、 申
ら れ ま し た。
保されなかったという問題点が見
インフォームド・コンセントが確
し て は、 速 や か に 入 管 収 容 施 設 に
立場にある法務省入国管理局に対
た、 こ れ ら の 施 設 を 指 導 監 督 す る
置 を 講 じ る よ う 勧 告 し ま し た。 ま
い よ う に す る た め、 再 発 防 止 の 措
後、 同 様 の 事 態 が 生 じ る こ と の な
る よ う 要 望 し ま し た。
の処遇等に関する立法措置を講じ
を含めた入管収容施設の被収容者
医療に関する具体的な規定や手続
は 何 ら の 規 定 も な い な ど と し て、
り ま と め ま し た。 こ の 意 見 書 は 現
制 度 の 改 善 の た め の 意 見 書」 を 取
日弁連は二〇一四年九月一八日
に 「出 入 国 管 理 に お け る 身 体 拘 束
る等の理由で日本での滞在継続を
担 能 力 の な い 人、 日 本 に 家 族 が 居
な り ま す。 こ れ に 対 し、 費 用 の 負
収容される時間も限定的なものと
等 の 見 解 を 明 ら か に し て い ま す。
て司法審査手続を設けるべきこと
置 ・ 公 表 す べ き こ と、 収 容 に つ い
べ き こ と、 仮 放 免 審 査 基 準 を 設
以上の長期収容は正当化できない
日 弁 連 は、 東 京 入 国 管 理 局 ・ 東
日本入国管理センターに収容され
立人らを診察した施設の医師が外
おける医療体制等に関する調査を
去強制に応じる意思を有する人に
ていたスリランカ国籍・フィリピ
部医療機関における診療を指示し
行 っ て 公 表 す る と と も に、 そ の 調
決 定 権 を 損 な う な ど、 申 立 人 ら の
わ ち、 施 設 の 医 師 の 指 示 か ら 申 立
か っ た こ と も 挙 げ ら れ ま す。 す な
子 は 次 の と お り で す。
カ国籍の男性が死亡するという事
収容されていた五七歳のスリラン
一 一 月 二 二 日、 東 京 入 国 管 理 局 に
し か し な が ら、 こ の よ う な 勧 告
等をした後間もない二〇一四年
改 善 を 求 め、 ま た、 退 去 強 制 手 続
題 点 を 指 摘 し、 法 改 正 及 び 運 用 の
約による人権保障の観点からの問
度 に つ い て、 憲 法 及 び 国 際 人 権 条
行入管法における外国人の収容制
る 人 等 は、 長 期 間 入 管 の 収 容 施 設
害を受けるとして難民認定を求め
も し く は、 母 国 へ 送 還 さ れ る と 迫
取 消 を 求 め る 訴 訟 を し て い る 人、
希 望 し、 退 去 強 制 令 書 発 付 処 分 の
察対象とすべきことにも言及して
を入国者収容所等視察委員会の視
限 を 求 め、 退 去 強 制 令 書 執 行 手 続
ま た 意 見 書 は、 送 還 の 執 行 に あ
たっての物理的強制力の行使の制
訴 え た も の の、 医 師 の 診 察 を 受 け
留資格で認められていないのに日
( い わ ゆ る オ ー バ ー ス テ イ )や、在
入 管 法 は、 認 め ら れ た 在 留 期 間
を超えて日本に在留している人
た め、 一 年 以 上、 入 管 の 施 設 に 収
を 求 め る 制 度 も あ り ま せ ん。 こ の
権利として身柄の拘束を解くこと
における保釈のように被収容者が
で診療を受ける機会を与えなかっ
た 場 合 が あ り ま し た。
プライバシーへの配慮等
③インフォームド・コンセント
吉田
の 努 力 に 敬 意 を 表 し ま す。
(人 権 ニ ュ ー ス 編 集 委 員 会
委員
純 二)
であったのかと調査委員の先生方
今号の現地調査レポートを読む
と、 勧 告 に 至 る 過 程 が い か に 大 変
た め て 感 じ ま す。
要なものであるということをあら
起 す る こ と は、 非 常 に 意 義 あ る 重
題 を 浮 き 彫 り に し、 社 会 に 問 題 提
日弁連の人権活動がこのように
光の当てられていなかった人権問
的 議 論 を 起 こ し て い ま す。
は報道で大きく取り上げられ社会
今年初めての発行となった今号
一面記事の中国実習生問題の勧告
編 集 後 記
鉄 平)
に 収 容 さ れ る こ と に な り ま す。
ら れ な か っ た と こ ろ、 午 後 一 時 こ
本 で 就 労 し た 人( 資 格 外 就 労 )、日
容されたままとなる外国人も珍し
本件で問題があるとされた医療
上の処遇は多岐にわたっています
の 確 保 に つ い て、 正 確 で 適 切
及び上陸審査手続における適正手
ろ に 意 識 不 明 の 状 態 で 見 つ か り、
本で一定の罪を犯し執行猶予と
く あ り ま せ ん。 こ れ ら の 収 容 に つ
が、 主 要 な も の と し て は、 ま ず、
さ ら に、 申 立 人 ら が、 施 設 内 に
お い て、 口 腔 内 か ら の 出 血 等 が 続
な 情 報 の 提 供、 適 切 な 通 訳 の
提 供、 セ カ ン ド ・ オ ピ ニ オ ン
要性・相当性を収容のための要件
茂木
(人 権 擁 護 委 員 会 第 六 部 会
搬送先の病院で死亡が確認された
なった人もしくは服役を終了した
い て は、 司 法 審 査 の 機 会 が 全 く あ
申立人らに速やかに医師による診
いたために給食を粥食に変更すべ
き 状 態 に な っ て い た り、 ま た、 高
と し、 も し く は 収 容 期 間 に 制 限 を
い ま す。
続 の 保 障 を 求 め る も の で す。
と さ れ て い ま す。
人などを退去強制の対象としてい
り ま せ ん。
察を受ける機会が提供されていな
か っ た こ と が 挙 げ ら れ ま す。 具 体
を受ける機会の保障
④診療・処方薬の情報の適切な
施設間の引継
⑤医師による適切な健康診断の
実施
去 強 制 令 書 に 基 づ き、 送 還 の 実 行
⑥適切な仮放免許可の実施
ツ・ 英 国 な ど 多 く の 外 国 の 立 法
療体制の構築などの措置が講じら
例・ 裁 判 例 や E U 指 令 で は、 必
れ る こ と が 求 め ら れ て い ま す。
に な り ま す。 自 己 の 費 用 負 担 で 退
た 事 情 と し て は、 入 管 収 容 施 設 に
満)
お け る 被 収 容 者 の 処 遇 に つ い て、
定 め て い ま す。
難波
ま で の 間、 入 管 施 設 に 収 容 さ れ、
(人 権 擁 護 委 員 会 第 六 部 会
入管法では概括的な規定があるの
部会長
やはり身体の自由を奪われること
日 弁 連 は こ れ ま で も、 人 権 救 済
申 立 に 基 づ く 勧 告 や 警 告 で、 制 度
み で あ り、 そ も そ も 医 療 に つ い て
委員
行 政 訴 訟 を 提 起 し て い る 場 合、
その終結前に送還が実行されるこ
つ い て は、 比 較 的 早 期 に 送 還 さ れ、 こ と、 仮 放 免 不 許 可 理 由 を 開 示 す
ン国籍の申立人らからの人権救済
た り、 外 部 医 療 機 関 の 医 師 が 再 診
査結果をふまえて適正な医療体制
意見書の公表
申 立 て を 受 け、 二 〇 一 四 年 一 一 月
を指示したりしているにもかかわ
の 構 築 等 を 行 う よ う 勧 告 し ま し た。
七 日、 こ れ ら の 施 設 は、 社 会 一 般
ら ず、 速 や か に 無 償 で 外 部 医 療 機
一
の水準と同様の水準の医療の提供
関での診療を受ける機会を与えな
医療を受ける権利を侵害していた
と は 原 則 的 に あ り ま せ ん が、 他 方、
入 管 収 容 施 設 で は、 二 〇 一 四 年
三月にも、東日本入国管理センター
ま す。 退 去 強 制 事 由 が あ る と 疑 わ
収容制度の問題点
に収容されていたイラン国籍の男
れ る 外 国 人 は、 退 去 強 制 事 由 の 有
性( 食 事 を 喉 に 詰 ま ら せ て 意 識 不
無 を 調 査 す る 期 間、 嫌 疑 が あ る こ
二
明となり死亡)とカメルーン国籍
と の み を 理 由 と し て、 逃 亡 の お そ
こ の よ う な 身 体 拘 束 制 度 は、 人
身の自由の制約を必要最小限と
収 容 期 間 に 制 限 は な く、 刑 事 手 続
診を指示するほど血圧の数値が基
つ い て、 速 や か な 無 償 で の 診
②外部医療機関における診療に
の 男 性( 体 調 不 良 を 訴 え て い た と
れ等の必要性を問うことなく収容
することを求める憲法及び国際
れ ば、 男 性 は 同 日 朝 に 胸 の 痛 み を
件 が 発 生 し ま し た。 新 聞 報 道 に よ
人が外部医療機関で診療を受けら
①入管収容施設における診療に
準を超えているのに申立人に無償
療の提供や連行時の人格権や
ころ意識不明の状態となり死亡)
さ れ、 人 身 の 自 由 が 奪 わ れ る の が
人 権 条 約 に 反 す る も の で す。 ド イ
れるまでに二週間以上が経過した
血圧で倒れた状態になっていたり
が相次いで死亡するという事件が
原 則 と な っ て い ま す。
つ い て、 速 や か な 診 療 の 提
的 に は、 口 腔 内 の 出 血 等 を 訴 え て
し て お り、 こ れ ら の 施 設 が 社 会 一
発 生 し て お り、 死 亡 事 件 が 相 次 ぐ
供・適切な診療の提供
診 療 を 希 望 し た り、 ま た、 高 血 圧
般の水準と同様の水準の医療を提
と い う 重 大 な 事 態 に 至 っ て い ま す。
ま た、 当 該 調 査 の 結 果、 退 去 強
制 事 由 あ り と 認 め ら れ、 退 去 強 制
場 合 や、 外 部 医 療 機 関 の 医 師 が 再
で 倒 れ た り し た に も か か わ ら ず、
供できていなかったにもかかわら
これ以上の事件の再発を防ぐため
令 書 の 発 付 を 受 け た 外 国 人 は、 退
医療上の処遇の
二
問題点
医師による診察を受けられるまで
ず、 速 や か に 仮 放 免 許 可 を 行 わ な
こ れ ら の 勧 告 と と も に、 日 弁 連
は、 衆 議 院 議 長 及 び 参 議 院 議 長 に
に は、 直 ち に 日 弁 連 が 勧 告 し た 医
あるべき収容制度
に数週間を経過した場合がありま
か っ た と い う 問 題 点 が あ り ま し た。
対 し、 こ の よ う な 人 権 侵 害 が 生 じ
こ の よ う な 調 査 結 果 を ふ ま え、
日 弁 連 は、 東 京 入 国 管 理 局 及 び 東
日 本 入 国 管 理 セ ン タ ー に 対 し、 今
し た。
三 勧告の具体的内容
ず、 医 師 に よ る 診 療 の 際 に 通 訳 人
の 立 会 い が さ れ な か っ た り、 診 断
内容や処方薬に関する十分な説明
を 受 け ら れ な か っ た り す る な ど、
三
ま た、 申 立 人 ら が 必 ず し も 日 本
語を十分に解しないにもかかわら
す る 勧 告 等 を 行 い ま し た。
と し て、 法 務 省 入 国 管 理 局 等 に 対
四 相次ぐ死亡事故
を 怠 り、 申 立 人 ら の 医 療 上 の 自 己
このような措置を講じるに当
た っ て、 日 弁 連 が 求 め た 事 項 の 骨
医療を受ける権利の
一
侵害による勧告
〜適切な医療体制の構築と事件の再発防止に向けて〜
入管収容施設における医療問題に
関する人権救済事件について
人権を守る(お問い合わせは各委員会へお願いいたします) 4 ●2015年(平成27年)3 月 1 日発行