ご参考資料 Vol. 100 (対象期間:2015年2月23日~2015年3月6日) インドの代表的株価指数であるSENSEX指数は、政府の経済見通しや予算案を受けて上昇する中、3月4日には緊急会合にお ける追加利下げを受けて、一時、初めて30,000ポイントの大台を超えました。その後は短期的な過熱感から下げに転じました が、対象期間を通して見ると0.7%の上昇となりました。為替市場では、円安インドルピー高となりました。政府の経済見通しと 予算案についてはニュース欄、追加利下げについては2ページ目の基礎講座をご参照ください。 [株式市場]SENSEX指数の推移 (2002年12月31日~2015年3月5日) 週間騰落率 (前週末比) 2月20日 29,231.41 0.4% 2月28日* 29,361.50 0.3% 3月5日** 29,448.95 日付 (ポイント) 30,000 25,000 [為替市場]インドルピーの対円レートの推移 (2002年12月31日~2015年3月6日) 終値 (円) 3.5 3.0 20,000 5,000 日付 為替レート 2月20日 2月27日 3月6日 1.908 1.931 1.929 週間騰落率 (前週末比) 1.2% -0.1% 2.5 15,000 10,000 円安インドルピー高 2.0 *政府予算案が発表された2月28日は、 1.5 特別に取引を実施。 **3月6日は、祝日のため休場。 円高インドルピー安 円高インドルピ 安 1.0 0 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 2002年12月 2005年12月 2008年12月 2011年12月 2014年12月 出所:Bloomberg L.P.のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 個別銘柄では、抗てんかん薬が米食品医薬品局による承認を受 け、対象期間中に13.4%上昇した医薬品メーカーのサン・ファーマ シューティカル・インダストリーズが、SENSEX指数構成銘柄の中 で値上り率トップとなりました。同業のシプラも9.4%上昇したこと から、セクター別では、両社が含まれるヘルスケア・セクターが 7.5%上昇して値上り率トップとなりました。 為替市場では、1米ドル=118円台から120円台まで円安が進む 中、対象期間中に1.1%の円安インドルピー高となりました。対米 ドルでは、3月4日の追加利下げ直後にはルピー高に振れました が、株式市場が短期的な過熱感から下げに転じるとルピーも下 落し、対象期間を通して見ると0.3%の米ドル高ルピー安となりま した。 [ニュース] 政府見通し:インド経済は2ケタの高成長に向かう 経済 インド政府は、2月27日に発表した経済調査で、インドの経済成長率が中期的に2ケタの高成長に向かうとの見通しを 示しました。また、翌28日に国会に提出した来年度(2015年4月~2016年3月)予算案に、法人税の引下げ、インフラ投 資の拡大、現行の間接税の仕組みを簡素化し経済効率性の向上を目的とする物品・サービス税(GST)の導入など、 経済成長を加速させるための内容を盛込みました。同調査では、インドの経済成長率が、政府の経済改革、原油安、 インフレ鈍化に伴う金融緩和の進展などにより、今年度見通しの前年度比+7.4%から来年度は同+8.1%~8.5%にな ると予想しています。 S&P、インドの経済成長率を上方修正 経済 米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、2月25日にアジア・太平洋地域の経済見通しを発表しまし た。その中でインドの実質国内総生産(GDP)成長率の見通しについて、2015/16年度(2015年4月~2016年3月)は前 年度比+6.2%から+7.9%に、2016/17年度(2016年4月~2017年3月)は同+6.6%から+8.2%に上方修正しました。日本 や中国をはじめ、域内の大半の国については経済成長率の予想を引下げましたが、インドについては最近のGDP算 定基準の改定を反映させたことに加えて、投資の拡大や原油安が成長率を押上げると見ています。 新金融政策フレームワーク:物価安定と成長加速に期待 金融 インド準備銀行(RBI、中央銀行)は3月2日、インド政府と2月20日に合意した新しい金融政策のフレームワークに関 ド準備銀 央銀 ド政府 合意 新 金融政策 する文書を公表しました。合意文書では金融政策について、物価の安定を主な目的としてインフレ目標を導入する 一方、経済成長にも配慮すべきと明記しています。政府が27日に発表した経済成長見通しと、翌28日に発表された経 済成長の加速を目指す内容の予算案に続き、3月4日にRBIは追加利下げを決定しました。政府とRBIの政策協調がイ ンドの物価安定と経済成長の加速をもたらすものと期待されます。 英国プルーデンシャル社はイーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社です。最終親会社およびそのグループ会社は主に米国で事業を展開 しているプルデンシャル・ファイナンシャル社とは関係がありません。 1/2 ご参考資料 Vol.100(対象期間:2015年2月23日~2015年3月6日) [インド基礎講座] 金融政策: 足元のインフレ鈍化と政府予算案を受け、追加利下げ インド準備銀行(RBI、中央銀行)は3月4日、政策金利であるレポ金利を7.75%から7.50%に引下げました。RBIは2013年9月のラジャン総裁 就任後、インフレ抑制に向け強い姿勢を示しレポ金利を7.25%から8.00%に引上げてきましたが、インフレ鈍化が鮮明となる中で、今年1月 15日に続き追加の利下げを決めました(図表1) ラジャン総裁は追加利下げの背景として 1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が目標を大 15日に続き追加の利下げを決めました(図表1)。ラジャン総裁は追加利下げの背景として、1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が目標を大 きく下回ったことや、予算案で景気刺激策や構造改革案が示されたことなどを挙げています。1月のCPI上昇率は前年同月比+5.11%で、RBI が2015年1月までの目標としていた8%を大きく下回るとともに、2016年1月までの目標である6%も下回りました(図表2)。また、2月28日に 発表された2015/16年度の予算案で、補助金を削減してインフラ投資に重点的に資金が配分されるなど、構造的な変革につながる内容が 盛込まれたことも利下げを後押しする材料となったものと考えられます。 (図表2)CPI上昇率(前年同月比)の推移 (2013年7月~2015年1月) (図表1)レポ金利の推移(2013年7月~2015年3月) 8 00% 8.00% 2014年1月 年 月 8.00% 12% 2013年11月 11.16% 10% 7.75% 2015年1月 7.75% 7.50% 2013年9月 7.50% 8% 6% 2015年3月 7.50% 2015年1月までの目標(8%) 2016年1月までの目標(6%) 4% 7.25% 2013年8月 7.25% 7.00% 2013年7月 2014年1月 2015年1月 5.11% 2% 2014年7月 0% 2013年7月 2015年1月 2014年1月 2014年7月 2015年1月 (注)2014年12月までは旧CPI(2010年=100)、2015年1月は新CPI(2012年=100)による。 出所: 上記の図表はいずれも、インド統計・事業実施省、インド準備銀行(RBI)のデータに基づきイーストスプリング・インベストメンツ作成。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社について 165年以上の歴史を有する英国の金融サービスグループの一員です。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社は、1999年の設立以来、日本の投資家のみなさまに資産 運用サービスを提供しています。 ●イーストスプリング・インベストメンツ株式会社の最終親会社は、英国、米国、アジアをはじめとした世界 各国で業務を展開しています。 ●最終親会社グループはいち早くアジアの成長性に着目し、アジアでは14の国や地域で生命保険および 資産運用を中心に金融サービスを提供しています。最終親会社グループの運用資産総額は 資産運用を中心に金融サ ビスを提供しています。最終親会社グル プの運用資産総額は、2014年 2014年 6月末現在、約4,570億ポンド(約78兆円、1ポンド=172.63円)に上ります。 アジア株式の運用拠点であるイーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドについて ■アジア地域を幅広くカバーする資産運用会社で、インド株式に関する専門知識と豊富な経験を最大限活用した運用を行います。 ■運用を担当するファンド・マネジャーやアナリスト・チームが徹底した企業のファンダメンタルズの調査・分析を行い、その結果をもと にポートフォリオの構築を行います。 イーストスプリング・インベストメンツの属するグループのインドの運用会社(ICICIAM)について ■1993年にインド大手の民間銀行ICICI銀行の資産運用会社として設立され、1998年からはイーストスプリング・インベストメンツの属 するグループとの合弁で事業を展開しています するグル プとの合弁で事業を展開しています。ICICI銀行は、50年以上の歴史を持ち、2014年3月末現在、総資産は約5兆9,464億 ICICI銀行は 50年以上の歴史を持ち 2014年3月末現在 総資産は約5兆9 464億 ルピー(約10兆1,921億円、1ルピー=1.714円で換算)となっています。 ■設立以来、インドで資産運用事業に注力している、インド大手の運用会社です。2014年6月末現在、運用資産総額は約1兆1,805億 ルピー(インドにおけるシェア約12.0%)となっています(出所:Association of Mutual Funds in India)。 [当資料に関しご留意いただきたい事項] 当資料は、インドの株式市場と政治、経済、文化等にかかる情報提供のみを目的として、イーストスプリング・インベストメンツ株式会社(「当社」)が株式 会社DZHフィナンシャルリサーチに情報提供を依頼し作成したもので、特定の金融商品等の勧誘・販売を目的とするものではありません。また、金融商品 取引法に基づく開示資料でもありません。当資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれら を変更したり修正したりすることがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。当資料で使用しているグラフ、パフォーマン を変更 り修 りする あります。ま 、将来 市場環境 変動等を保証するも ありま 。当資料 使用 るグラ 、 ォ ン ス等は参考データをご提供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績や将来の予測を示したものであり、将来を保証するものではありま せん。当資料は信頼できると判断された材料を使い、十分な注意を払って作成していますが、当社および株式会社DZHフィナンシャルリサーチは、必ずし もその正確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたも のであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、当社が運用を行う投資信託への組入れを示唆するものでもありません。 イーストスプリング・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 加入協会 一般社団法人投資信託協会/一般社団法人日本投資顧問業協会 2/2 150310(04)
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