択一式問題と複数選択式問題について(15-01) ㈱社会システムプランニング 佐藤恵介 弊社では、通常「五者択一式」 (5 つの選択肢から 1 つの正解を選ぶ方式)の問題を作成していま す。この方式は採点の際に、マークシート情報の処理がしやすい反面、正解を1つに限定する必要 があるため、作問しにくい場合もあります。 たとえば次の問題 1、2 です。本来は、それぞれの税目について国税であるのか、地方税である のかを尋ねたいのですが、 「択一式」問題にするために無理に税目の組み合わせを作っています。 問題 1 次のうち国税の組み合わせとして正し 問題 2 ものを一つ選べ。 次のうち国税の組み合わせとして正し ものを一つ選べ。 1 所得税、自動車税 ア 所得税 2 自動車税、法人税 イ 自動車税 3 所得税、法人税、相続税 ウ 法人税 4 所得税、固定資産税 エ 固定資産税 5 自動車税、法人税 オ 相続税 1 アとイ 2 イとウ 4 アとエ 5 イとウ 3 アとウとオ また、一般に「正しい記述を1つ選べ」といった択一式問題でも、誤った記述の選択肢を無理し て作成していることがうかがわれる問題もあります。 これに対して、 「複数選択式」問題は、5 つの選択肢から正しいものをすべて選びだす方式の問題 です。この場合、正しい選択肢を過不足なく選択した場合のみ得点となるものですが、問題 3 のよ うに選択肢が 5 つであれば、正解の組み合わせは 31 通りとなります(ちなみに 32 通りではありま せん)。これは実質的にすべての選択肢について、設問に該当するか否かを答えているのと同じこ ととなります。 あるいは、問題 4 のように「正答なしもあり得る」とする場合、正解の組み合わせは 16 通りと なりますが、いずれにしても偶然に救われることがない手ごわい問題となります。 問題 3 次のうち国税をすべて選べ。 問題 4 次のうち正しい記述をすべて選べ。 1 所得税 1 ○○は☓☓だ。 2 自動車税 2 △△は▽▽ではない。 3 法人税 3 □□は☆☆だ。 4 固定資産税 4 ☓☓は◇◇ではない。 5 相続税 5 1~4に正しいものはない。 弊社では、マークシート方式により、こうした複数選択型の問題も作成・採点していますが、問 題の難易度が極端に上がらぬように、ごく基礎的な、かつ重要性の高い設問に限り導入しています。 @社会システムプランニング 2015/03/12
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