研究成果発表会を開催します!

東京都農林総合研究センター
研究成果発表会を開催します!
東京都農林総合研究センターは、東京オリジナル品種の育成や生産性を高める栽培技術、食
の安全・安心の確保などの技術開発、地域の資源を利用した食品開発など、生産者や都民の暮
らしに役立つ試験研究に取り組んでいます。
このたび、当センターで実施した試験研究の成果について発表会を開催いたします。施設園
芸に関する特別講演もありますので、農林業関係者の皆様はもとより、東京の農林業に関心の
ある都民の皆様のご来場をお待ちしています。
日
会
時 平成27年3月24日(火)10:00~16:00
場(公財)東京都中小企業振興公社 多摩支社 大会議室
昭島市東町3-6-1(地図参照)
入場無料 (事前申込不要)
詳細は、(公財)東京都農林水産振興財団HP( http://www.tokyo-aff.or.jp/)をご覧ください。
○ 特別講演(14:00~15:00)
『日本は養液土耕栽培の後進国』
~日本型技術の提案~
明治大学黒川農場特任教授
○ 主な発表課題
~根域制限による早期成園化と高品質安定生産~
東京のブドウ生産は、食味は良いが降雨に弱い欧州系品種
の導入にあわせ施設栽培が増えています。こうした施設化に
伴う課題の解決のため、安定生産、果実品質向上、管理省力
化を目指した東京型根域制限栽培技術の開発を行いました。
・大型コンテナ緑化による都市部の暑熱対策
~コンテナ植栽樹木の緑陰が真夏の暑さを和らげます~
都市部の夏の暑さを緩和するため、緑陰形成を目的とした
可搬式の大型コンテナ緑化に取り組んでいます。今回試験し
た緑化用の樹種は全て生育に問題が無く、良好な緑陰を形成
しました。また、ミスト散布を組み合わせることで体感温度
が約11℃も下がることがわかりました。
◎このほかに9課題の発表があります。
プログラムは裏面をご覧下さい。
至立川
西立川駅
薬局
中華料理屋
残堀川
・施設ブドウの生産性向上技術開発
聖 氏
JR青梅線
至青梅
・被覆資材を活用した野菜の端境期対策
~マルチやトンネル資材の効果的な使い方~
高温期や厳寒期は野菜の生育が不安定になるため、栽培時
期や品目に応じた資材を選ぶことが重要です。適切な方法で
マルチやトンネル被覆を行えば、ダイコンやホウレンソウ、
ブロッコリーなどの露地栽培でも、栽培の難しい端境期に安
定生産することが可能です。
小沢
立川庁舎改修のため、
今年の会場はこちら
です。
東京都中小企業振興公社
多摩支社
ラーメン屋
富士見橋
職能センター
多摩テクノプラザ
東京都
農林水産振興財団
奥多摩街道
農業試験場前
新奥多摩街道
<問い合わせ先>
(公財)東京都農林水産振興財団
東京都農林総合研究センター
研究企画室 河野(カワノ)・中村
電話 042-528-5216(直通)
産業労働局農林水産部
調整課 本澤・坂田
電話 03-5320-4809(直通)
都庁内線 37-140
滝口橋
平成26年度 研究成果発表会プログラム
開会
1
2
3
4
5
6
7
10:00
『大型コンテナ緑化による都市部の暑熱対策』
緑化森林科
長嶋 大貴
10:05 ~ 10:20
生産環境科
小野 剛
10:20 ~ 10:35
『街路樹ツツジ類の黄化の実態と改善対策』
~街路の緑を豊かにします~
生産環境科
松浦 里江
10:35 ~ 10:50
『先進的工具を使用した集材作業の効率化』
緑化森林科
吉岡 さんご
10:50 ~ 11:05
畜産技術科
森本 直樹
11:05 ~ 11:20
食品技術センター
野田 誠司
11:20 ~ 11:35
生産環境科
小山 知生
11:35 ~ 11:50
~コンテナ植栽樹木が緑陰で真夏の暑さを和らげます~
『野菜と花きに発生した新たな病害』
~最近問題となっている高温性ピシウム菌~
~林業の低コスト化と安全を目指します~
『畜産廃水からリン資源を回収』
~資源回収と廃水浄化が同時にできます~
『東京近海で漁獲された魚のすり身特性』
~新たな江戸前水産ねり製品をつくる~
『コマツナ連作圃場における農薬残留』
~土壌施用剤の安全性を検証しました~
休憩
8
9
10
11:50 ~ 13:10
『屋内における花きの新しい観賞スタイルの提案』
~花壇苗の屋内利用を目指した試作品を紹介します~
『年内出荷できる東京ウドの新品種を目指して』
~休眠性の弱い系統の作出~
『施設ブドウの生産性向上技術開発』
~根域制限による早期成園化と高品質安定生産~
園芸技術科
岡澤 立夫
13:10 ~ 13:25
園芸技術科
大槻 優華
13:25 ~ 13:40
園芸技術科
杉田 交啓
13:40 ~ 13:55
休憩
13:55 ~ 14:00
特別講演 『日本は養液土耕栽培の後進国』~日本型技術の提案~
明治大学黒川農場特任教授 小沢 聖 氏
休憩
14:00 ~ 15:00
15:00 ~ 15:15
11
『被覆資材を活用した野菜の端境期対策』
~マルチやトンネル資材の効果的な使い方~
園芸技術科
沼尻 勝人
15:15 ~ 15:30
12
『江東地域におけるコマツナの6次産業化』
~加工に向く品種を紹介します~
江戸川分場
馬場 隆
15:30 ~ 15:45
閉会
16:00
特別講演『日本は養液土耕栽培の後進国』
~日本型技術の提案~
明治大学黒川農場特任教授
小沢
聖
氏
近年、農業にICT(情報通信技術)を利用する試みが増えていますが、現実とかけ離れ
て目標倒れになる例が多くあります。日本の農業を支えてきた先人の「経験と勘」を数値化
して次世代に伝えたいという思いから、数値管理の導入が比較的容易な施設の養液土耕栽培
をターゲットに、ICTを活用した栽培支援システム開発に取り組んでこられました。海外
での事例や栽培技術の内容についてお話ししていただきます。
<プロフィール>
1954年東京都中野区生まれ。1977年千葉大学園芸学部卒業。同年から東京都農業試験場に
配属、小笠原亜熱帯農業センター、江戸川分場において栽培技術の研究に携わる。1990年よ
り農林水産省東北農業試験場、2000年より国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点、
2012年より現職。
1995年千葉大学にて農学博士取得、2003年日本農業気象学会賞普及賞受賞。主な著書
に「新しい農業気象・環境の科学」、「べたがけを使いこなす」などがある。
東京都農林総合研究センター研究成果発表会
日時
場所
平成26年3月24日(火) 10:00~16:00
(公財)東京都中小企業振興公社 多摩支社 大会議室
特別講演 14:00~15:00
『日本は養液土耕栽培の後進国』
~日本型技術の提案~
明治大学黒川農場特任教授
小沢 聖 氏
<小沢 聖 (おざわ きよし)氏 プロフィール>
1954 年東京都中野区生まれ。1977 年千葉大学園芸学部卒業。同
年から東京都農業試験場(農林総合研究センターの前身)に配属、小
笠原亜熱帯農業センターでは果菜、パッションフルーツを、江戸川分
場においては野菜をはじめとした栽培技術の研究に携わる。1990 年
より農林水産省東北農業試験場に勤務、「寒締め菜っ葉生産技術開
発」が有名。2000 年より国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究
拠点を経て、2012 年より現職。
1995 年千葉大学にて農学博士取得
2003 年日本農業気象学会賞普及賞受賞「寒冷地野菜栽培のため
の微気象改善技術「溝底播種」の開発と普及」
主な著書に「新しい農業気象・環境の科学」、「べたがけを使いこな
す」、「クッキングトマトの栽培と利用」がある。
10:05~10:20
①『大型コンテナ緑化による都市部の暑熱対策』
~コンテナ植栽樹木の緑陰が真夏の暑さを和らげます~
都市部の夏の暑さを緩和するため、緑陰形成を目的とした可搬式の大型コンテナ緑化に取り組んでい
ます。今回試験した緑化用の樹種は全て生育に問題が無く、良好な緑陰を形成しました。また、ミスト散布
を組み合わせることで体感温度が約 11℃も下がることがわかりました。
10:20~10:35
②『野菜と花きに発生した新たな病害』 ~最近問題となっている高温性ピシウム菌~
都内でコマツナやベゴニアに新たな病害が発生しました。病原を詳細に調査したところ、通常では病原
菌が活動できない高温域でも強い病原性を有するピシウム菌であることが判明しました。その病状と病原
菌、防除法について紹介します。
10:35~10:50
③『街路樹ツツジ類の黄化の実態と改善対策』 ~街路の緑を豊かにします~
道路沿いの植栽マスに植えられたツツジ類の中には葉が黄化しているものもあり、緑の景観を損ねてい
ます。このため、植栽マス土壌とオオムラサキツツジの葉の黄化症状の実態を調査し、その原因を解明す
るとともに改善対策を検討しました。
10:50~11:05
④『先進的工具を使用した集材作業の効率化』 ~林業の低コスト化と安全を目指します~
森林で伐採した木を麓までロープで吊りおろす集材作業は、林業の中で最もコストが掛かり、危険も伴
います。そこで、ワイヤレス式の荷掛けワイヤー解除システム等の先進的工具を導入し、作業の効率化と
安全性の向上を図ります。
11:05~11:20
⑤『畜産廃水からリン資源を回収』 ~資源回収と廃水浄化が同時にできます~
畜産廃水からリン資源を回収する技術を開発しました。リンは廃水1m3 あたり約 10g回収でき、そのまま肥
料として利用可能です。また、本技術は廃水中の主要な汚濁成分の除去が可能であり、従来の技術と比
べ 20%程度処理費用の低減化が期待できます。
11:20~11:35
⑥『東京近海で漁獲された魚のすり身特性』 ~新たな江戸前水産ねり製品をつくる~
東京湾で漁獲されるクロシビカマス、カスゴダイ、コノシロの 3 魚種についてすり身特性を明らかにしまし
た。コノシロを混合することにより他の 2 魚種の食感の脆弱化が改善されました。この特性の利用によって
茹で物や蒸し物などの新たな江戸前水産ねり製品の開発が可能となりました。
11:35~11:50
⑦『コマツナ連作圃場における農薬残留』 ~土壌施用剤の安全性を検証しました~
コマツナを1年間に多数回連続して栽培し、播種の度に土壌施用剤を使用した際の農薬成分の残留性
を調査しました。試験に用いた4種類の農薬は、基準値を超過して作物に残留することはなく、安全である
ことを確認しました。
13:10~13:25
⑧『屋内における花きの新しい観賞スタイルの提案』
~花壇苗の屋内利用を目指した試作品を紹介します~
花き消費拡大に向け、花壇用花苗が屋内利用できる新たな栽培システムの構築を目指しました。廃棄
される制服素材を栽培容器として利用することで、高い観賞性とリサイクルを同時に実現することができる
と考えました。本発表では、このシステムの商品化に向けた問題点と解決策について取り上げます。
13:25~13:40
⑨『年内出荷できる東京ウドの新品種を目指して』 ~休眠性の弱い系統の作出~
東京特産野菜の軟化ウドは、年内に出荷すると高価格が期待できますが、秋以降は休眠するため安定
生産ができません。そこで交配育種により、休眠性が弱く年内でも作りやすい系統の作出に取り組んでい
ます。本発表では、有望な系統をいくつかご紹介します。
13:40~13:55
⑩『施設ブドウの生産性向上技術開発』 ~根域制限による早期成園化と高品質安定生産~
東京のブドウ生産は、食味は良いが降雨に弱い欧州系品種の導入にあわせ施設栽培が増えていま
す。こうした施設化に伴う課題の解決のため、安定生産、果実品質向上、管理省力化を目指した東京型根
根域制限栽培技術の開発を行いました。
15:15~15:30
⑪『被覆資材を活用した野菜の端境期対策』 ~マルチやトンネル資材の効果的な使い方~
高温期や厳寒期は野菜の生育が不安定になるため、栽培時期や品目に応じた資材を選ぶことが重要
です。適切な方法でマルチやトンネル被覆を行えば、ダイコンやホウレンソウ、ブロッコリーなどの露地栽
培でも、栽培の難しい端境期に安定生産することが可能です。
15:30~15:45
⑫『江東地域におけるコマツナの6次産業化』 ~加工に向く品種を紹介します~
コマツナは漬物以外にもパウダーやペーストに加工され、パン、麺、アイスクリームなどの原料として利
用されています。そこで、加工に向く品種や栽培方法について、漬物では食感に、パウダー・ペーストでは
色彩に着目して調査した結果を報告します。