研究成果発表会を開催します!

東京都農林総合研究センター
研究成果発表会を開催します!
東京都農林総合研究センターは,農業や畜産業、林業、食品産業など,生産者や都民の暮ら
しに役立つ試験研究に取り組んでいます。
平成28年度に得られた試験研究の成果について発表会を開催いたします。都市農業に関する
特別講演もございますので,農林業関係者の皆様はもとより,東京の農林業に関心をお持ちの
幅広い都民の皆様のご来場をお待ちしています。
JR青梅線
至青梅
日
時
薬局
発表会会場
中華料理屋
残堀川
平成29年3月22日(水)
10:00~16:00
会
場 (公財)東京都中小企業振興公社
多摩支社 大会議室
昭島市東町3-6-1(地図参照)
参加申込等 事前申込不要・入場無料
至立川
西立川駅
東京都農林水産振興財団
庁舎改修のため、今年の
会場はこちらです。
東京都中小企業振興公社
多摩支社
多摩職業能力
開発センター
多摩テクノプラザ
ラーメン屋
富士見橋
東京都
農林水産振興財団
滝口橋
奥多摩街道
※発表会用の駐車場が用意されておりません。
公共交通機関のご利用をお願い致します。
農業試験場前
新奥多摩街道
※東京都農林水産振興財団は庁舎改修のため会場は上のとおりとなります。
○ 特別講演(14:00~15:00)
『都市農地が街を変える!』
背景計画研究所 代表
一級建築士 井上
洋司
氏
○ 主な発表課題
・野菜の品目別省力化技術の紹介
~作業軽減を図り多品目生産を支えます~
葉茎菜類のブロッコリーやキャベツでは一度の苗作りで長期に植え付け可能な栽培技術や,根菜類のダイ
コンやニンジンでは間引きを不要とする種まき技術、果菜類のトマトでは手をかけずに実をならせる栽培
技術など、東京に多い多品目栽培における品目ごとの省力化技術を紹介します。
・大型コンテナ緑化による真夏の暑熱対策
~東京ビックサイトのエントランスに移動式の樹木を設置しました~
都市部の夏の暑さを緩和するため,樹木にベンチとミスト噴霧を組み合わせた緑化用の可搬式大型コンテ
ナベンチを開発しました。このベンチを東京ビッグサイトに設置したところ,利用者の90%以上が暑さが
和らぐと感じ,高い好感度を得ました。
・東京都産フルーツを利用した果実酢の開発
~ナシ・パッションフルーツの特徴を活かした酢をつくります~
果肉や果皮も含むナシ果汁を酢酸発酵させることで,食感を活かした「ナシにごり酢」を製造すること
ができました。また,パッションフルーツの果汁をあらかじめ酢酸発酵に適したpH値や濃度へ調整するこ
とで,特有の香りと風味に富んだパッションフルーツ醸造酢を製造することができました。
◎このほかに9課題の発表があります。プログラムは裏面をご覧下さい。
<問い合わせ先>
(公財)東京都農林水産振興財団 東京都農林総合研究センター 研究企画室 内田・中村 電話
産業労働局農林水産部 調整課 高須・中里 電話 03-5320-4809(直通) 都庁内線 37-140
042-528-5216(直通)
平成28年度 研究成果発表会プログラム
開会
10:00
1
『皆伐地における広葉樹の森づくり』
~標高の高いところでも広葉樹を上手に育てます~
緑化森林科
新井 一司
10:05 ~ 10:20
2
『農耕地土壌は温暖化ガスの貯留庫』
~植物由来の堆肥には光合成で吸収した二酸化炭素がいっぱい!!~
生産環境科
南 晴文
10:20 ~ 10:35
3
『大島特産ブバルディアの効率的な品種育成を目指して』
~染色体数と倍数性を確認して育種素材として活用します~
園芸技術科
大槻 優華
10:35 ~ 10:50
4
『切り花パンジー栽培技術の確立』
~直売用の新たな切り花にお勧めです~
江戸川分場
吉岡 孝行
10:50 ~ 11:05
5
『都内カンキツ類導入に向けた大苗育苗技術の開発』
~適切な用土を選定しました~
園芸技術科
杉田 交啓
11:05 ~ 11:20
6
『耐乾性を指標とした夏花の評価』
~水やり回数が少なくても夏の高温期を彩る花を紹介します~
園芸技術科
小幡 彩夏
11:20 ~ 11:35
7
『野菜の品目別省力化技術の紹介』
~作業軽減を図り多品目生産を支えます~
園芸技術科
沼尻 勝人
11:35 ~ 11:50
休憩
11:50 ~ 13:10
8
『大型コンテナ緑化による真夏の暑熱対策』
~東京ビックサイトのエントランスに移動式の樹木を設置しました~
緑化森林科
長嶋 大貴
13:10 ~ 13:25
9
『牛にお灸は効く』
~施灸による繁殖改善技術を開発中です~
畜産技術科
三山紗衣子
13:25 ~ 13:40
『東京都産フルーツを利用した果実酢の開発』
~ナシ・パッションフルーツの特徴を活かした酢をつくります~
食品技術センター
保坂 三仁
13:40 ~ 13:55
10
休憩
13:55 ~ 14:00
特別講演 『都市農地が街を変える!』
背景計画研究所 代表 井上 洋司 氏
14:00 ~ 15:00
休憩
15:00 ~ 15:15
11
『台木品種を用いたトマトかいよう病の防除効果』
~トマトかいよう病菌に強い台木品種を明らかにしました~
生産環境科
久保田まや
15:15 ~ 15:30
12
『コマツナの生育特性が農薬の残留性に及ぼす影響』
~コマツナの品種の違いによる影響を調査しました~
生産環境科
大道 紀子
15:30 ~ 15:45
閉会
16:00
特別講演『都市農地が街を変える!』
背景計画研究所 代表
井上
洋司
氏
都市農地には,一般的に7つの機能※があると言われています。それは明確な機能別
形態をもった場所として存在する訳ではなく,多様性を包摂しています。しかも,市民のす
ぐ近くに存在しています。これこそが大きな財産です。人が本来もつべき“自然との調和や
会話”を農地は提供できます。都市が農地を食い尽くす今までの都市ではなく,農地が都
市,そして市民を育むいくつかの事例と,その可能性を紹介します。
※都市農地の持つ7つの機能:①農業生産機能,②環境保全機能,③防災機能,④レクリエーション・コ
ミュニティ機能(観光農園、市民農園等),⑤教育・福祉機能,⑥景観形成機能,⑦歴史・文化の継承機能
<井上 洋司 (いのうえ ようじ)氏 プロフィール>
1975年工学院大学大学院建築学科修士課程修了。登録ランドスケープアーキテ
クト(RLA)・背景計画研究所代表,ART in FARM主宰。一級建築士。主な業
績:成田山表参道整備事業,長野市今井ニュ—タウン(冬季オリンピック選手村),
谷津遊路・千葉県街並み景観賞知事賞,JR横須賀駅周辺地区計画ランドスケープ・
都市景観大賞(都市景観100選),ガーデンアベニュー志木幸町・彩の国さいたま景
観奨励賞。主な著書:『日本の都市環境デザイン'85〜'95』(学芸出版社・共著),
『雨の建築学』『雨の建築術』『雨の建築道』(日本建築学会編・共著),『ロー
メンテナンスでつくる緑の空間』(彰国社)他
東京都農林総合研究センター研究成果発表会
日時
場所
平成29年3月22日(水) 10:00~16:00
(公財)東京都中小企業振興公社 多摩支社 大会議室
特別講演 14:00~15:00
『都市農地が街を変える!』
背景計画研究所 代表
井上 洋司 氏
都市農地には一般的に 7 つぐらいの機能※があると言われている。しかしそれは明確な機能別形態を
もった場所として存在する訳ではない。言い換えれば多様性を包摂している場所であるとも言える。
しかも市民のすぐ近くに存在している。これこそが大きな財産である。人が本来もつべき“自然との
調和や会話”をこの農地は提供できる。いくつかの事例を見ることで,都市が農地を食い尽くす今ま
での都市ではなく,農地が都市を,市民を育むいくつかの可能性をご紹介したい。
※1 農業生産機能,2 環境保全機能,3 防災機能,4 レクリエーション・コミュニティ機能(観光農園,
市民農園等),5 教育・福祉機能,6 景観形成機能,7 歴史・文化の継承機能
<井上 洋司 (いのうえ ようじ)氏 プロフィール>
1975 年工学院大学大学院建築学科修士課程修了。登録ランドスケープアーキテクト
(RLA)・背景計画研究所代表,ART in FARM 主宰。一級建築士。主な業績:成田山表参道
整備事業,長野市今井ニュ—タウン(冬季オリンピック選手村),谷津遊路・千葉県街並み景
観賞知事賞,JR 横須賀駅周辺地区計画ランドスケープ・都市景観大賞(都市景観 100 選),
ガーデンアベニュー志木幸町・彩の国さいたま景観奨励賞。主な著書:『日本の都市環境デ
ザイン'85〜'95』(学芸出版社・共著),『雨の建築学』『雨の建築術』『雨の建築道』(日本建築
学会編・共著),『ローメンテナンスでつくる緑の空間』(彰国社) 他
10:05~10:20
①『皆伐地における広葉樹の森づくり』 ~標高の高いところでも広葉樹を上手に育てます~
標高 800m以上の皆伐地で様々な広葉樹の植栽試験を行ったところ,植栽木の多くが枯死することが
分かり,この原因としては,誤伐やシカによる食害などが考えられました。その被害を受けにくく生育が旺
盛なカツラと,それと同様の特性を持つ7種類の樹木を選出し,下刈り後の管理方法とあわせて提案しま
10:20~10:35
②『農耕地土壌は温暖化ガスの貯留庫』
~植物由来の堆肥には光合成で吸収した二酸化炭素がいっぱい!!~
農耕地に投入される植物由来の堆肥やソルガム,トウモロコシなどの緑肥は,一部は分解されにくい土
壌有機炭素として土壌中に貯留されます。これらは,土壌を肥沃にするだけではなく,二酸化炭素などの
温暖化ガスを土壌中に閉じ込める働きもあり,環境対策にも有効です。
10:35~10:50
③『大島特産ブバルディアの効率的な品種育成を目指して』
~染色体数と倍数性を確認して育種素材として活用します~
大島特産切花のブバルディアのオリジナル品種育成を進めています。育種素材として原種や大島在来
品種,海外育成品種,計 18 種類を集め,その染色体数や倍数性を明らかにしました。これらの情報を活
用して効率的な育種を進めていきます。
10:50~11:05
④『切り花パンジー栽培技術の確立』 ~直売用の新たな切り花にお勧めです~
パンジーは春を彩る花壇苗として親しまれていますが,新たな用途として切り花の可能性について検討
しました。切り花パンジーは,地植え栽培では1株から 13~18 本,鉢物(行灯仕立て)では 20 本以上も収
穫できるため,直売等での新たな切り花品目として期待できます。
11:05~11:20
⑤ 『都内カンキツ類導入に向けた大苗育苗技術の開発』 ~適切な用土を選定しました~
寒さのため越冬が難しい都内でも2年程度ポット育苗してから定植する大苗育苗技術により,カンキツ類
の栽培が期待できます。大苗育苗では,ポット用土に籾殻くんたんを混ぜることで軽量化できますが,温州
ミカン「宮川早生」苗木の生育は慣行の“赤土+堆肥”の方がよくなります。
11:20~11:35
⑥『耐乾性を指標とした夏花の評価』
~水やり回数が少なくても夏の高温期を彩る花を紹介します~
都市部では灌水設備が少なく,夏季における苗物の維持管理が難しいことが問題となっています。そこ
で,夏季高温期に灌水頻度を変えた試験を行い,品目・品種ごとに耐乾性を評価しました。その結果,ビ
ンカ,ベゴニア,マツバボタンなどは耐乾性が非常に強く,夏花として有望なことがわかりました。
11:35~11:50
⑦『野菜の品目別省力化技術の紹介』 ~作業軽減を図り多品目生産を支えます~
葉茎菜類のブロッコリーやキャベツでは冬季の無加温苗や夏季のスーパーセル苗(肥料制限苗)の利
用,根菜類のダイコンやニンジンでは間引きを不要とする1粒播種法,果菜類のトマトではホルモン処理の
いらない単為結果性品種について,その技術や特徴を解説します。
13:10~13:25
⑧『大型コンテナ緑化による真夏の暑熱対策』
~東京ビックサイトのエントランスに移動式の樹木を設置しました~
都市部の夏の暑さを緩和するため,樹木にベンチとミスト噴霧を組み合わせた緑化用の可搬式大型コ
ンテナベンチを開発しました。このベンチを東京ビッグサイトに設置したところ,利用者の 90%以上が暑さ
が和らぐと感じ,高い好感度を得ました。
13:25~13:40
⑨『牛にお灸は効く?』 ~施灸による繁殖改善技術を開発中です~
人工授精してもなかなか妊娠しない牛が増えていることをご存じですか。これをお灸で改善する技術開
発に取り組んでいます。お灸中,牛がリラックスしていることを示す様々な生体反応が現れ,妊娠しにくい
牛でも繁殖成績が改善されます。今後は農家への普及を通じて,東京産牛乳の生産安定につなげます。
13:40~13:55
⑩『東京都産フルーツを利用した果実酢の開発』
~ナシ・パッションフルーツの特徴を活かした酢をつくります~
果肉や果皮も含むナシ果汁を酢酸発酵させることで,食感を活かした「ナシにごり酢」を製造することが
できました。また,パッションフルーツの果汁をあらかじめ酢酸発酵に適した pH 値や濃度へ調整すること
で,特有の香りと風味に富んだパッションフルーツ醸造酢を製造することができました。
15:15~15:30
⑪『台木品種を用いたトマトかいよう病の防除』
~トマトかいよう病菌に強い台木品種を明らかにしました~
近年,都内のトマト栽培ではかいよう病の発生が増加しています。しかし,防除手段が少なく,農家は対
応に苦慮しています。そこで,現在,市販されているトマト品種のかいよう病菌に対する耐病性を検定し,
病気に強い4種の台木品種を選定しました。
15:30~15:45
⑫『コマツナの生育特性が農薬の残留性に及ぼす影響』
~コマツナの品種の違いによる影響を調査しました~
コマツナは東京都の主要な農作物で,幅広い特徴を持つ様々な品種が育成されています。そこで,生
育速度と根の張りの異なる品種に対して二種類の農薬を施用し,残留性を調査しました。その結果,生育
特性による差はほとんどなく,農家での品種選定に影響はないことがわかりました。