個人情報を巡る時代的要請から生まれる新たなる課題

日印産連 個人情報保護研究会主催
個人情報保護研究セミナー
『個人情報を巡る時代的要請から生まれる新たなる課題』
個人情報保護法の全面施行から10年が経過した平成26年度は、個人情報に関係する大き
な動きがありました。一つは、6月に政府のIT総合戦略本部において「パーソナルデータの
利活用に関する制度改正大綱」が策定され、ビックデータ時代におけるパーソナルデータの利
活用による企業の新ビジネスや新サービスの創出に向けての法整備として、個人情報保護法改
正の方向性が示されたことです。もう一つは、急増するサイバー攻撃や内部不正により発生し
たかつてない大量の個人情報漏えい事件等に対処するため、12月に経済産業省の「個人情報
の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」が改正・告示された
ことです。
今回のセミナーでは、『個人情報保護法の改正内容』に沿って、パーソナルデータの利活
用等に関する改正点と今後の展開等について、詳しく説明します。また、個人情報漏えい等の
事故発生リスクのさらなる低減を目的に決定された『経済産業分野のガイドラインの改訂ポイ
ント』について、その要点と具体的な対応事例等について説明します。
併せて、本年10月1日に個人番号(マイナンバー)が通知され、平成28年1月から運用
開始となるマイナンバー制度について、平成26年12月発行の『特定個人情報の適正な取扱
いに関するガイドラン(事業者編)』に沿って、番号法と個人情報保護法の関係及び民間事業
者に課せられた対応等について解説します。
記
日 時:平成27年3月6日(金)9:20 ~ 12:20 (9:00 開場)
会 場:日本印刷会館2階 201-203会議室
対 象:日印産連の会員団体・企業 約100名
参加費:会員3,000円、非会員5,000円(消費税込み)
プログラム概要:
1.9:20-9:30 挨拶 個人情報保護研究会座長 凸版印刷法務本部
2.9:30-10:30 慶應義塾大学 総合政策学部 教授
『個人情報の保護に関する法律の改正について』
舩山 邦彦
新保 史生 様
3.10:30-11:10 経済産業省商務情報政策局 情報経済課 課長補佐
明石 幸二郎 様
『経済産業分野を対象とする個人情報保護法ガイドラインの改訂について』
4.11:10-11:20 休憩
5.11:20-12:20 特定個人情報保護委員会委員長
堀部 政男 様
『社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)と民間事業者対応の必要性・緊急性』
講演概要:
1.慶應義塾大学 総合政策学部 教授
新保 史生 様
『個人情報の保護に関する法律の改正について』
個人情報保護法の改正案(高度な情報通信技術の活用の進展に伴う個人情報の保護及び有
用性の確保に資するための個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案)につい
て、以下のポイントを解説する。
①個人情報の定義、②匿名加工情報、③利用目的制限の緩和、④機微情報(要配慮情報)
の取扱制限、⑤名簿屋規制の三点セット、⑥第三者提供に係る確認及び記録の作成の義務付
け、⑦図利目的提供罪の創設、⑧オプトアウト規定の見直し、⑨小規模事業者の適用除外撤
廃、⑩消去の努力義務、⑪開示等請求権、⑫個人情報保護委員会の権限、⑬個人情報保護指
針、⑭グローバル化への対応
2.経済産業省商務情報政策局 情報経済課 課長補佐
明石 幸二郎 様
『経済産業分野を対象とする個人情報保護法ガイドラインの改訂について』
先般、極めて多数の個人情報が漏えいするという事案が発生したことを受けて、個人情報
保護法の規定を具体化・詳細化した「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野
を対象とするガイドライン」を改訂したことから、その改訂内容について解説する。
3.特定個人情報保護委員会委員長(一橋大学名誉教授)
堀部 政男 様
『社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)と民間事業者対応の必要性・緊急性』
本年(平成27年)10月以降全住民に個人番号が市町村長から通知され、来年(平成28年)
1月以降、社会保障、税及び災害対策の分野で順次利用されるようになる。
マイナンバーは、番号法(正式な題名は「行政手続における特定の個人を識別するための
番号の利用等に関する法律」(平成25年5月31日公布))に規定されている「個人番号」の
愛称である。
番号法は、現行の個人情報保護関係法の特例法であり、保護を強化している。個人情報保
護関係法としては、個人情報保護法、行政機関個人情報保護法及び独立行政法人等個人情報
保護法がある。民間事業者の場合、主として個人情報保護法との関係が問題となる。
それらについては、特定個人情報保護委員会が作成し、平成26年12月11日に公表した「特
定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(事業者ガイドライン)で
解説しているので、事業者ガイドラインにも触れながら、民間事業者の対応の必要性・緊急
性について話を進めることにする。
以上