千葉市感染症発生動向調査情報

千葉市感染症発生動向調査情報 第40週 (10/3∼10/9) 今週の発生は? 1 定点報告対象疾患(五類感染症)
報告のあった定点数
上段:患者数
下段:定点あたり患者数
小 児 科
眼 科
インフルエンザ
基幹定点
40週
11
5
16
1
39週
14
5
21
1
38週
13
4
19
1
37週
10
5
13
1
9/19-9/25
38週
9/12-9/18
37週
千 葉 市
定点
感 染 症 名
RSウイルス感染症
咽頭結膜熱
A群溶血性レンサ球菌
咽頭炎
感染性胃腸炎
水 痘
小
手 足 口 病
児 伝染性紅斑
突発性発しん
科
百日咳
風しん
ヘルパンギーナ
麻しん
(成人麻しんを除く)
流行性耳下腺炎
イン インフルエンザ(高病原
フル 性鳥インフルエンザを除く)
眼 急性出血性結膜炎
科 流行性角結膜炎
基
幹
定
点
細菌性髄膜炎
(真菌性を含む)
無菌性髄膜炎
マイコプラズマ肺炎
クラミジア肺炎
(オウム病を除く)
成人麻しん
注意報
○
10/3-10/9
40週
9/26-10/2
39週
5
0.45
0
0.00
0
0.00
4
0.29
6
0.55
28
0.36
0.71
0.07
5
0.45
0
0.00
0.00
0.00
0
0.00
0
0.00
0
0.00
11
1.00
0
0.00
0
0.00
0
0.00
0
0.00
0
0.00
0.00
0.00
0
0.00
0
0
0.00
0.00
2
0.29
0
0.00
0
0.00
0
0
0
0
0.00
0
0.00
0.00
0.00
24
0.75
0
0
0
0.00
0
0
0.00
0
0.00
0.00
0.00
2.00
0
0
2
1
0.01
0.00
0.00
0
0
0
0
0
139
1.19
0.00
0.00
0.00
9
0
1
0
0.00
0.00
0.00
0.20
0
0
0
27
0.23
0.90
0.00
0.00
0.01
0.00
15
1
1
10
1.00
1.15
0.05
0
0
16
0
0.00
0.00
0.00
1.14
0
1
0.08
84
0.72
0.00
0.00
0.29
7
0
4
16
0.14
0.70
0
0
0.45
0.20
0.00
53
2
11
0
0.00
0
0.30
0.85
46
0.39
3
3
9
0.64
2
6
0.23
280
2.39
0.20
0.46
73
0.62
28
5
1
0.17
2.80
0.38
10
1
0.09
19
6
20
4
0.40
1.46
0.43
4
0.00
0.62
2
0.02
0
8
31
4
0.36
0.00
0.00
2.21
1
0.10
0
8
0.57
2.55
0
0.00
千 葉 県
9/26-10/2
39週
0
0.00
0
0.00
0
0.00
★★:流行中 ★:やや流行中 ◎:増加 ○:やや増加 →:変化なし ↓:やや減少 ↓↓:減少
2 全数報告対象疾患(0件)
病名
性
検査方法
年齢層
検査結果
第40週のコメント
第40週のRSウイルス感染症の定点あたりの報告数は0.45で、報告例は5件(生後12ヶ月未満から3歳)でした。
他の定点把握感染症は、流行性耳下腺炎が例年のこの時期としては高めである以外は、例年並で沈静状態が
続いています。
第40週での全数報告対象疾患の報告はありません。
【トピック】
RSウイルス(RSV)感染症
RSVはParamyxovirus科のPneumovirus属に分類されるRNAウイルスによる呼吸器の感染症で、肺炎の原因となります。
RSV感染症は世界中に存在し、幼弱な乳幼児でもっとも大きなインパクトがあることと、毎年特に都市部において流行を繰
り返す特徴があります。 流行は通常急激な立ち上がりをみせ、国内では例年11∼1月に流行が報告されます。
冬場を中心に流行し、軽い症状も含めて多くの子どもがかかるポピュラーな小児、特に乳幼児に多く見られる「かぜ」です
が、咳と喘鳴(ぜいめい)が特徴で、治りにくいため長期にわたって症状が続きます。
飛沫感染と接触感染により伝播し感染力が非常に高いことと、一度かかっても免疫ができにくいために、くり返し感染しま
す。 2歳以上では、何度も感染しながら徐々に免疫ができるので「鼻かぜ」程度ですむことがほとんどです。(血中で検出さ
れる抗体は即座に感染防御を意味せず、抗体が存在している生後6カ月以内でもっとも重症化します。最初の一年間で50∼
70%以上の新生児が罹患し、3歳までにすべての小児が抗体を獲得します。)
3∼6ヶ月ぐらいの乳児は母親からの免疫がなくなる時期で免疫力が弱く重症化しやすく、また喘息や先天性心疾患を持つ
小さい子どもは重症化しやすいと言われており注意が必要です。脱水症状や、タンがつまってゼイゼイするようなせきがでて
苦しそうにしている場合は、医療機関を受診する必要があります。
特に1歳以下では中耳炎の合併がよくみられます。生後4週未満ではRSV感染の頻度は低いですが、罹患した際には呼吸
器症状を欠く非定型な症状をとることが多く、診断の遅れにつながります。この年齢では、突然死につながる無呼吸が起き
やすいことも報告されています。
「インフルエンザ」や他のウイルス感染症と区別する為に、鼻の粘液を採取し、短時間で判定を得ることが出来る検査もあ
ります。
「RSウイルス感染症」に効果のあるワクチンはなく、多くの場合は症状を抑える対症療法がほとんどです。他の「かぜ」と同
じく、水分補給・睡眠・栄養・保温をして安静にして経過をみます。
乳幼児の多い保育園では感染が広がりやすい。家族内に持ち込むのは、軽症の上気道炎症状を来した学童年齢の小児
の場合が多く、大きな呼吸器飛沫と、呼吸器からの分泌物に汚染された手指や物品を介した接触が主で、特に濃厚接触を
介して起こります。「かぜ」の対策として“手を洗うこと”も重要です。
参考、引用:国立感染症情報センターIDWR
RSウイルス感染症(全国)
報告数
1.0
0.9
0.8
RSウイルス感染症(千葉市)
定点あたり報告数
2005年
2004年
2003年
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
週 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53
千葉市感染症情報センタ-:http://www.city.chiba.jp/kanpoken/ccidsc,Eメ−ル:[email protected]