(10)九 州 九州地域では、景気は緩やかな回復基調が続い ているが、このところ一部に弱さがみられる。 ・ 鉱工業生産はおおむね横ばいとなっている。 ・ 個人消費は持ち直しの動きがみられる。 ・ 雇用情勢は着実に改善している。 (注)下線を付した箇所は、前回からの変更のあった 箇所を表す( は上方に変更、 は下方に変更) 。 前回調査からの主要変更点 前回(平成 26 年 11 月) 景況判断 鉱工業生産 個人消費 雇用 今回(平成 27 年2月) 緩やかな回復基調が続いているが、このと ころ弱さがみられる 消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動の 影響もあって、このところ減少している 持ち直しの動きが続いているものの、この ところ足踏みがみられる 改善 緩やかな回復基調が続いているが、このとこ ↑ ろ一部に弱さがみられる おおむね横ばい ↑ 持ち直しの動き ↑ 着実に改善 ↑ 1.生産及び企業動向 (1)鉱工業生産はおおむね横ばいとなっている。 10∼12 月期には、輸送機械は、普通乗用車で海外向け受注の増加や、軽・小型車での新型車 の生産開始等により増加した。電子部品・デバイスは、海外向けのスマートフォン用途の半 導体集積回路(CCD・その他)等で増加した。はん用・生産用・業務用機械は、海外向けの半 導体製造装置や水管ボイラを中心に増加した。化学・石油石炭製品は、インフルエンザワク チン等を中心に増加となった。 鉱工業生産指数 110 九 州(移 動平均 ) 域内主要業種の動向(季節調整値、前期(月)比) (%) 九州 105 全 国(移 動平均 ) 100 95 90 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月 25年 26年 輸送機械 電子部品・デバイス はん用・生産用・業務用機械 食料品 化学・石油石炭製品 鉱工業 付加価値 ウェイト 24.5 12.3 11.2 9.6 8.3 100.0 7∼9 月期 ▲12.5 2.1 ▲3.5 3.6 1.5 ▲2.5 10∼12 月期 5.5 13.5 1.7 1.8 4.0 2.3 生産 10 月 11 月 0.9 3.7 2.2 2.4 7.8 0.7 (備考)1.地域における付加価値ウェイトの高い5業種。 (備考)1.22 年=100、季節調整値。九州の最新月は速報値。 2.全国及び九州の太線は後方3か月移動平均。 2.10∼12 月期、12 月は速報値。 5.0 3.8 ▲8.1 0.2 ▲6.5 0.1 12 月 5.0 3.9 17.4 ▲3.3 ▲2.5 1.6 (10) 九州 (2)企業動向の業況判断は「良い」超幅が、資金繰り判断は「楽である」超幅がそれぞれ横ばいと なっている。 ①企業短期経済観測調査及び中小企業景況調査 企業短期経済観測[業況判断] (%ポイント) (%ポイント) 30 企業短期経済観測[資金繰り判断] 10 20 5 10 0 0 -10 -5 -20 全 産業 -30 製 造業 -40 非 製造業 -50 全 産業 -10 製 造業 -15 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 月 21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 (備考) 「良い」-「悪い」回答者数構成比。27 年3月は予測。 21 年12 月は新・旧基準を併記。 -20 非 製造業 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9 12月 21年 22年 23年 24年 25年 26年 (備考) 「楽である」-「苦しい」回答者数構成比。 21 年 12 月は新・旧基準を併記。25 年3月から 製造業・非製造業は非公表となっている。 中小企業景況調査[業況判断] (%) 0 全 産業 -10 製 造業 -20 -30 -40 -50 -60 ⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠ期 27年 21年 22年 23年 24年 25年 26年 (備考) 「好転」-「悪化」回答者数構成比。27 年Ⅰ期は見通し。 九州(含む沖縄)地区のDI。 ②景気ウォッチャー調査(1月) [企業動向関連(現状) ] 「燃料油の小売価格は下げ基調に入っており、毎週、小売価格が下がっている。レギュラー ガソリンについては、地域内で 120 円台の看板も出始めた。個人顧客は、定量購入から満タ ン購入にシフトしているようだ(その他専門店[ガソリンスタンド] ) 」などの回答がみられ た。 (3)設備投資の民間非居住用建設工事は増加している。 企業短期経済観測調査[設備投資(12 月調査) ] 民間非居住用建設工事費(前年同期比)の推移 (%) 30 (前年度比、%) 九州 全国 20 全 産 業 製 造 業 非製造業 10 0 25年度実績 16.8 ▲5.0 27.0 (備考)1. ( )は前回(9月)調査比修正率。 2.リース会計対応ベース。 -10 -20 7-9 24年 10-12 1-3 25年 4-6 7-9 10-12 1−3 26年 4-6 7-9 10-12 四半期 26年度計画 12.7( 1.6) 23.9(▲0.4) 8.7( 2.4) (10) 九州 2.需要の動向 (1)個人消費は持ち直しの動きがみられる。 ①地域別消費総合指数(RDEI(消費) ) 10 月は前月比 0.8%減、11 月は同 1.5%増、12 月は同 1.0%減となった。 ②大型小売店販売額 百貨店は、10 月は、秋冬物商材や飲食料品などに動きがみられたものの、台風の影響等から、 前年を下回った。11 月は、飲食料品や高額品が堅調に推移したこと等から、前年を上回った。 12 月は、衣料品や歳暮商品の動きが鈍かったこと等から、前年を下回った。 スーパーは、衣料品は全般的に動きが鈍かったものの、惣菜や精肉など主力である飲食料品 が堅調に推移したことに加え、住関連商品の動きが良かったこと等から前年を上回った。 ③景気ウォッチャー調査(1月) [家計動向関連(現状) ] 九州地域の家計動向関連DIは、42.0 となり前月より 5.2 ポイント低下した。 「年始商戦の客足は郊外の大型店に流れ、市街地中心部の商店街の客は少なかった。客単価 は上向きであるが、来客数が減少している(商店街) 」など、 「やや悪くなっている」とする 回答が増加した。 大型小売店販売額等 (店舗調整前、前年同月比) RDEI(消費*1) (%) 25 百 貨店 大 型小売 店販売 額 ス ーパー コ ンビニ 20 15 大型小売店(*2) 百貨店(*2) 10 スーパー(*2) 5 コンビニ(*2) 0 乗用車(*3) -5 (季節調整値)(*3) -10 -15 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月 25年 26年 26年10-12月 1.1 1.5 ▲0.3 2.5 5.5 ▲5.5 3.2 26年10月 ▲0.8 1.9 ▲1.6 3.7 6.1 ▲7.5 ▲2.9 11月 1.5 1.9 0.9 2.5 5.7 ▲9.7 3.4 (備考)1.季節調整済前期(月)比(%) 2.九州・沖縄地区、店舗調整前、前年同期(月)比(%) コンビニは、平成25 年1月以降は九州のみの数値 3.乗用車は、新規登録・届出台数(上段は前年同期(月)比(%)) R DEI (消費 )と自 動車新 規登録 ・届出 台数の 推移 150 景気ウォッチャー調査(家計動向関連) 120 80 現 状判断 DI 115 120 先 行き判 断DI 110 90 105 60 自動車新規登録・届出台数 (季節調整値、2010年=100) 30 0 100 50 95 RDEI (季調調整値、2005年度=100、右目盛) 90 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月 25年 26年 85 20 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 月 27年 25年 26年 (2)住宅建設は減少している。 持家、貸家、分譲が前年を下回ったことから、全体では減少している。 (3)公共投資は 26 年度累計でみると前年度を下回っている。 (%) 30 20 新設住宅着工戸数(前年同月比) (%) 60 九州 全国 10 公共工事請負金額(前年同月比) 50 九州 40 全国 30 0 20 10 -10 0 -20 -30 -10 -20 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月 25年 26年 -30 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 月 24年 25年 26年 27年 12月 ▲1.0 0.8 ▲0.5 1.6 4.6 0.7 6.0 (10) 九州 3.雇用情勢等 (1)雇用情勢は着実に改善している。 ①有効求人倍率及び完全失業率等 有効求人倍率は上昇している。完全失業率は前年同期を下回っている。 (倍) 1.20 1.10 有効求人倍率(季節調整済) (%) 6.0 前年同期差 九州 0.4 九州(右目盛) 5.5 全国 0.2 全国(右目盛) 5.0 1.00 0.0 0.90 4.5 3.8 -0.2 10∼12月 0.96 0.80 0.70 0.60 完全失業率(原数値) (ポイント) 0.6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月 25年 26年 4.0 -0.4 3.5 -0.6 3.0 -0.8 2.5 -1.0 10-12 1-3 24年 25年 4-6 7-9 10-12 1-3 26年 4-6 7-9 10-12 2.0 四 半期 ②景気ウォッチャー調査(1月) [雇用関連(現状) ] 「有効求人倍率の上昇とともに、就職率、充足率など数値的には上昇傾向にある。しかし、 企業訪問時に業況等について聴取したところ、景況感が好調であるとする企業は少なく、あ まり変わらないとする企業が多い(職業安定所) 」などの回答がみられた。 (2)企業倒産は、件数は減少、負債総額は増加している。 (3)消費者物価指数は前年比の上昇幅が縮小している。 企業倒産 (%) (件、億円、%) 26年1-3月 倒産件数 170 (前年比) 4.9 負債総額 322 (前年比) 37.2 4-6月 187 1.1 336 5.3 7-9月 135 ▲26.2 184 ▲27.3 10-12月 162 ▲1.8 376 36.6 27年1月 65 4.8 85 ▲44.5 4.0 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 -0.5 -1.0 消費者物価指数 (生鮮食品を除く総合、前年同月比) 九州 全国 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月 25年 26年 ○ 景気ウォッチャー調査(1月) [合計(特徴的な判断理由) ] <現状> ・点検、車検のサービス売上は堅調に推移しているが、肝心の新車販売が低調である。財布 のひもは固いままである(乗用車販売店) 。 <先行き> ・円安等で原材料が高騰しており、取引先が2∼3月にかけて商品を値上げする。地方の消 費者の所得は上がっておらず、置き家具の買換え等の見通しは良くない(住関連専門店) 。 景気ウォッチャー調査 (合計:家計動向関連+企業動向関連+雇用関連) 80 現 状判断 DI 先 行き判 断DI 50 20 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 月 25年 26年 27年
© Copyright 2024 ExpyDoc