骨盤底筋を鍛える運動

【尿もれの主な原因】
●妊娠・出産:妊娠すると赤ちゃんの重さで骨盤底筋がのびやすくなり、大きくなった子宮が膀胱を圧迫
します。また、出産時のいきみも、骨盤底筋をのばす原因になります。
●加齢:尿道口付近の筋肉や骨盤底筋群が弱くなります。
●便秘:便を出すのにいきむことで骨盤底筋に負担がかかります。便そのものの重さも膀胱を圧迫します。
●肥満:お腹についた脂肪の重さが、骨盤底筋をのばしてしまいます。
●膀胱炎:雑菌が膀胱に入って膀胱炎が生じると、膀胱が過敏になり、強い尿意が起こります。
●女性ホルモンの減少:尿道やその周囲が硬くなりやすく、萎縮して尿道を締める力が弱くなります。
●ストレス:ストレスが、排尿の働きに作用する神経に影響します。
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せきやくしゃみをすると尿がもれる
重い物を持ち上げると尿がもれる
腹圧性尿失禁
骨盤底筋を鍛える運動
⇒レッスン①
が効果的です
お腹に力を入れた時にもれてしまう尿失禁
です。尿もれ全体の7割を占めています。
妊娠・出産、加齢、便秘、肥満、運動不足など
が影響し、骨盤底筋がのびてしまうために起こ
ります。薬物療法や手術療法もあります。
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混
合
し
て
い
る
場
合
も
あ
り
ま
す
。
※
腹
圧
性
尿
失
禁
と
切
迫
性
尿
失
禁
は
、
トイレに間に合わずにもれてしまう
切迫性尿失禁
泌尿器科や内科に相談しましょう
尿意を感じてからトイレまで我慢できずにも
れてしまう尿もれです。これは、膀胱炎など
で膀胱が過敏になって勝手に収縮してしまう
場合や、脳梗塞などの病気で脳が勝手に排尿
のサインを出してしまう場合などがあり、
「頻
尿」
「夜尿症」をともなうことが多くあります。
適切な治療が必要です。
※ 尿もれを心配するあまり、少ししか尿がたまっていないのにトイレに頻繁に行く習慣がつくと、膀胱がたくさんの尿を
蓄えられなくなる場合があります。骨盤底筋を鍛えるとともに、3~4時間を目安に膀胱に尿をためるための訓練が
有効なこともあります。 ⇒レッスン②
※ 子宮筋腫・卵巣腫瘍などの病気で膀胱が圧迫され頻尿になる場合もあります。また直腸がん・子宮がんなどの手術
により、膀胱につながる神経に障害が起きた時に生じる尿もれもありますので、主治医に相談しましょう。
日常生活でできる尿失禁ケア
*膀胱周辺への血流を維持するため、下半身を冷やさないようにしましょう。
*足腰の筋肉を鍛えましょう。
*アルコールやカフェイン類、刺激の強い食べ物を控えましょう。
*水分を控えず、1 日に必要な 1~1.5 リットルをまんべんなく飲みましょう。
水分の過剰摂取も、不足にも、注意が必要です。
*食生活の見直しと適度な運動を取り入れ、肥満や便秘の解消に努めましょう。
*尿もれを吸収する下着や尿失禁用の製品が開発されているので活用しましょう。
*心配事やストレスを解消し、リラックスした気持ちで過ごしましょう。
*尿もれや頻尿のために外出が億劫になったり、外出先で気になって楽しめないことはありませ
んか?適切な対処、治療を受けることによって改善できます。一人で悩まずに受診しましょう。
失禁・尿漏れ外来がなくても、泌尿器科、内科、産婦人科で扱うこともありますので、まずはお
近くの医療機関に問い合わせてみてください。
レッスン① 骨盤底筋を鍛える運動
1 肛門と膣を締める。
2 締めたままゆっくり5を数えて力を抜く。
10 回を1セットにして 1 日に 5~10 セット行うと効果的です
※立ったままでも、座っていても、いつでもどこでもできます。
電車の中や、家事の最中、テレビを見ながらなど、意識してやってみましょう
レッスン② 膀胱訓練
・尿意を我慢する練習を、短い時間から始めて、少しずつ時間を伸ばしていきます。
・最初は 5 分くらい我慢し、 1 週間ほど続けます。
・10 分、15 分と、我慢する時間をだんだん伸ばしていきます。
1 日のうち時間や回数を決めて、少しずつ始めましょう
※最終的に、2~4時間我慢できるようになれば、目標達成です