2015 年 3 月 2 日 WEEKLY MAGAZINE EIMEI .TV Mabuchi Report 時の花 2015/3/2 今週(2015/3/2~3/6)の日経平均予想:18600~19200 円 (先週の予想:18300~18800 円、実績値:18402.02~18865.39 円) 国内株価の動きは、一段と米国株価や円相場との相関性を低下させ、独歩の様 相が強まっている。その背景として、GPIFなどの買いによる「官製相場だ から」という声が強いが、むしろ国内経済や企業収益の持ち直しが評価されて いると考える。この点からは、今後多少の株価波乱があっても、基本的には4 月下旬~5月上旬の企業決算発表「までは」、株価の堅調地合いが続くと見込 んでいる。 とは言うものの、最近の日本株のほぼ一本調子の上昇に対しては、警戒感が広 がり利食い売りが嵩んでも不思議ではない。米雇用統計前の様子見気分が広が る可能性もあり、日経平均株価が続伸し 19000 円に乗せる可能性があると予想 はするものの、じわじわとした上昇か、二進一退の様相であろう。 なお、先週 2/27(金)発表の日本の1月失業率は、12 月の 5.4%から 5.6%に 上昇した。この主因は失業者数が季節調整済前月比で7万人増加したことだが、 このうち「勤め先や事業の都合による離職」(勤め先から解雇されたり、自分 が営んでいた事業が立ちいかなくなったりして、仕事を探している失業者)は、 このうち1万人に過ぎない。雇用市場の回復により、今の仕事を辞めてより条 件がよい新しい仕事を探すなどの、「自発的な離職」が3万人増えている。ま た、「新たな求職」による失業者も、3万人増加した。これは、今まで景気が 悪く職が見つからなかったので、あきらめて専業主婦(主夫)であった人が、 景気の改善で職が見つかりそうだと希望を持ち、新たに職を探し始めた(そし てまだ職が見つかっていない)人々だ。こうした諸点を踏まえると、失業率の 上昇を単に失望することは、当たっていないと言えるだろう。 1 2015 年 3 月 2 日 WEEKLY MAGAZINE EIMEI .TV Mabuchi Report 今週(2015/3/2~3/6)の米ドル円相場予想:118.30~120.20 円 (先週の予想:117.80~119.80 円、実績値:118.63~119.84 円) 先週のイエレン連銀議長の議会証言は慎重な物言いに終始し、事前に議長発言 で米ドル高になると煽った筋以外にとっては、予想通りの展開だったのではな いだろうか。 今週はISM指数(製造業:3/2(月)、非製造業:3/4(水))、雇用統計(3/6 (金))など、米国で2月分の注目される指標の発表が多い。ただし、2月は 米国では寒波や降雪の影響が大きく、指標自体は弱い内容になる可能性が高い と見込む。指標の発表内容がことごとく弱くなった場合、表面的にそれらを見 て米ドルが弱含むか、それとも天候要因だとして無視するか、予断は難しいが、 少なくとも 120 円超で大きく米ドルを買い上げるような展開は難しそうだ。 非米ドルに関しては、3/3(火)に豪州準備銀行理事会、3/5(木)にはECB 理事会が開かれる。共に今回は金融政策の変更はなさそうだが、両中央銀行の 声明やドラギECB総裁の理事会後の記者会見の内容も、市場は注視しそうだ (結果として、それで波乱にはなるまいが)。 【今週の一枚】 ※ 長期的に国内企業の生産能力をみると、バブル崩壊による設備リストラが 進んだ後は、リーマンショック前に一旦能力拡大の動きがあったものの、直近 に至るまでは再度設備縮小が継続している。 ※ 古くなった設備の更新投資や、新技術に対応するための投資を別にすれば、 設備投資の本格的な拡大には、能力増投資の増加が必要だ。円安による生産設 備国内回帰の動きなど、明るい兆しもあるが、能力増投資が本格化するには、 設備稼働率が高まり、生産設備の不足感が強まる必要がある。 2 2015 年 3 月 2 日 WEEKLY MAGAZINE EIMEI .TV Mabuchi Report ※ しかしリーマンショック前はもちろんのこと、近年のピークと比べても、 現在の設備稼働率は(とりわけ低いとも言えないが)それほど高くはないと考 えられる。能力増投資の本格拡大には(金融緩和ではなく)生産水準の一段の 改善が必要だと言えるだろう。 生産能力と 生産能力と稼働率の 稼働率の動き (2010年=100) 130 稼働率指数(季節調整済) 120 110 100 バブル景気に向けて バブル崩壊後の 転換の遅れ 90 生産能力指数 (3か月移動平均) 80 設備リストラ 東日本大震災 70 リーマン ショック (データは、2014年12月まで) 60 79/1 82/1 85/1 88/1 91/1 94/1 97/1 00/1 03/1 06/1 (経済産業省データよりBdフルーレット作成) 09/1 12/1 (年/月) 以上 ☆ 最後の 最後のページに ページに重要な 重要な注意事項がありますので 注意事項がありますので、 がありますので、ご覧下さい 覧下さい。 さい。 ブーケ・ ブーケ・ド・フルーレット ホームページ http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/ ホームページには、過去のレポート類や、マスコミ登場・セミナー講演のスケジュールも掲載し ております。是非ご覧ください(レポート類をご覧になるには、有料の登録が必要です)。 3 2015 年 3 月 2 日 WEEKLY MAGAZINE EIMEI .TV Mabuchi Report 法人・団体の、お客様向けセミナーや役社員・所属員向け勉強会等の講師のご依頼も、上記ホー ムページ内のメールアドレスからお寄せください。 当資料は、ブーケ・ド・フルーレット(略称「Bdフルーレット」、以下「当事務所」)が配布 しているものです。 著作権は当事務所並びに代表の馬渕治好にあり、著作権法により保護されています。全部あるい は一部を引用する際には、当事務所作成資料からの引用である旨を明記してください。①当資料 の複製により、あるいは②当資料の送付により、もしくは③当資料からの引用を大半とした資料 の販売により、対価を得ることを禁じます。 当資料は、情報の提供のみを目的として作成されたものです。特定の商品や取引の勧誘を目的と したものではありません。当資料は、信頼に足ると考える情報に基づいて作成されていますが、 当事務所がその情報の完全性や正確性を保証するものではありません。当資料の情報を利用する 場合は、すべて利用者の責任においてご利用ください。その結果生じたすべての帰結について、 当事務所は一切責任を負いません。当資料は、資料作成時点での当事務所の見解に基づいて作成 されていますが、当事務所は、今後予告なしに当資料の内容を変更することがあります。また内 容を変更しても、その旨を広く知らせるわけではありません。 当事務所並びに代表馬渕治好は、何らかの有価証券・金融商品・動産・不動産等やそれらの派生 商品を保有していることがありえます。 4
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