生徒が人や社会と繋がりたくなる取り組み ~教師と心理系大学院生との連携~ 大学院生が高校教員と協力・作成したプログラムを実施して、生徒が未経験の役割や活動を 通して個人から学校、地域へと広がる繋がりを感じる中で、人間関係能力を育成しています。 ワークの様子③ ワークの様子② ◇ 大学の役割 ◇ ワークの様子① ◇ 活動の概要 ◇ 目 的 連携メンバー および役割 構成的エンカウンター・ソーシャルスキルトレーニング(SST)を通し、生徒の心理的成長と人間関係能力 の育成・向上を目指す 神戸市教育委員会・・・全体企画 神戸市立摩耶兵庫高等学校教員・・・プログラム作成の目的や方法を検討 関西大学高大連携センター・・・連携にかかる各種調整 関西大学文学部教授 松村暢隆・・・プログラムの実施前および成果の公表の相談 関西大学心理学研究科博士後期課程 小黒明日香 ・・・教員と協同してプログラムを作成、当日のプログラムの実施 関西大学大学院修了生 稲田一善・・・当日のプログラムの実施 活動地域 兵庫県神戸市中央区 活動期間 2011年∼(継続中) 費 実施学年での年度予算、神戸市における特別支援教育の枠内で捻出 用 <2012年度 実施例> 目的:ソーシャルスキルトレーニング(SST)を通し、生徒の心理的成長と人間関係能力の育成・向上を目指す。 ①スキルの獲得そのものよりは、生徒間のコミュニケーションの風土を促進する。 ②ひとつの問題を生徒どうしで共有できるような、共同注視の風土を促進する。 内容:シナリオロールプレイを実施し、人間関係能力と問題解決能力の育成と向上を目指す。 対象生徒:1学年昼間部36名(1組:18名,2組:18名) 講師:押江隆先生 準備物:椅子4つ、プリント①30枚、プリント②30枚、アンケート用紙60枚 タイムテーブル:15:00∼15:20 人間知恵の輪(アイスブレイク) 15:20∼16:20 シナリオロールプレイ 16:20∼16:35 アンケート記入 16:35∼ 教室に戻らずその場でホームルーム ◇ 成果 ◇ (1)クラス、学年を越えた生徒どうしの交流が促進された (2)教員、大学院生が生徒の授業以外の一面を見ることができた (3)教員と生徒の関わりを促すことができた (4)教員どうしのコミュニケーションを促進する効果が見られた (5)実施後も、生徒のコミュニケーションに良い変化が見られた (6)事後アンケートで、生徒の大半が活動を肯定的にとらえ、とくにすべての生徒が「楽しかった」と答えた ◇ 今後の展望 ◇ (1)年度により生徒の様子や特性も異なるため、毎年検討を要する (2)継続的な実施が重要となってくる (3)昨年度は、年に3回実施したが、実施時期や回数の検討が必要 ◇ 連携の経緯 ◇ ◇ 学生の紹介 ◇ 摩耶兵庫高等学校において本学学生の実習受け入れなどが行われていたことを契機に、神戸市教育委員会およ び関西大学高大連携センターが神戸市パイロットスクール事業を計画して、実施の依頼を受けた。 心理学研究科博士後期課程 小黒 明日香 ◇ 解決すべき課題 ◇ (1)不登校を経験している生徒が多い (2)人とのコミュニケーションが難しい生徒がいる (3)生徒が新しい仲間づくりを躊躇する風土もある (おぐろ あすか) 専門は、認知・発達心理学、特別支援教育。 関西大学学生相談・支援センターの学生コーディネー ター。小学校∼大学までの学習・社会支援の実践に取り 組んでいる。 ◇ 研究者の紹介 ◇ 文学部 教授 松村 暢隆 (まつむら のぶたか) 専門は、発達・教育心理学。発達障害児者の才能・認知的 個性を活かす学校教育実践の在り方について、日本学術振 興会科学研究費研究代表者等で研究を続けている。
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