問題PDF版

地
理
第 1問
自然環境と人間活動との関係に関する以下の設問 A∼Bに答えなさい。解答は,
解答用紙の(イ)欄を用い,設問・小問ごとに改行し,設問記号・小問番号をつけて
記入しなさい。
設問 A
図 1-1∼図 1-3は
, 1
9
1
6年
, 1
9
5
1年,2
0
0
2年に作成された日本のある地
域の地形図である。地形図の元の縮尺は 5万分の lであるが,ここでは縮少され
ている。 1
9
1
6年の地形図から明瞭に読み取れるように,この地域の地形は,
1)西側の「山地J
'2)東側の河川沿いの「低地J
' 3)両者の間にある 「
台地J(谷に
刻まれた扇状地)の 3つの要素で構成される。
(
1
)
1
9
1
6年のこの地域の土地利用は,地形の影響を強く受けている。上記の 「
台
地J
の東部と, 「
低地」のそれぞれについて,当時最も卓越していた土地利用
を,それらが卓越した自然的・社会的理由とあわせて,全部で 3行以内で述べ
なさい。
(
2) 1
9
5
1年の地形図では,「台地J
の一部の土地利用が 1
9
1
6年とは大きく変化し
ている。その変化の内容とそれを可能とした技術について,あわせて 2行以内
で述べなさい。
(
3) 2
0
0
2年の地形図では,「低地J
と「
台地J
の土地利用が 1
9
5
1年とは大きく変化
している。その変化の内容と,変化を引き起こした諸要因を,「低地J
と「
台地J
をあわせて 3行以内で述べなさい。
- 2
8-
く
)M5(171 1
0
1)
1916年
。
4km
小
図1
1
1:5
0
,0
0
0地形図(縮少)。
2
9
>
くM5(171-102)
1951年
。
4km
小
図1 2
1:5
0
,0
0
0地形図(縮少)。
- 3
0-
>
くM5(171 1
0
3
)
2002年
。
4km
小
図 1- 3
0地形図(縮少)。
0
,0
0
1:5
- 31-
OM5(171-104)
設問 B
図 1- 4は,アジアの湿潤な地域の山岳における植生帯の分布を,横軸に緯
度,縦軸に標高をとって模式的に表したものである。
(
1
) 図中の A∼ D に当てはまる植生帯を,下の語群から選んで, A-0のように
答えなさい。
語群
針葉樹林
常緑広葉樹林
サバンナ
ステップ
落葉広葉樹林
ツンドラ
(
2) 低緯度地域の垂直分布において C の植生帯が存在しない理由を,下記の語
句をすべて用いて 2行以内で述べなさい。語句は繰り返し用いてもよいが,使
用した箇所には下線を引くこと。
年較差
低温
落葉
(
3) ロシアの Bの植生帯では林業が盛んで,日本にも木材が輸出されている。
一方,日本の本州の同じ植生帯では,多くの森林が分布するにもかかわらず木
材生産があまり行われていない。その理由を 2行以内で述べなさい。
(
4) 東南アジアの D の植生帯では,森林を伐採して火入れする焼畑が伝統的に
行われてきた。 しかし,従来は森林面積が維持されてきたのに対し,近年は伐
採・火入れが森林面積の大幅な減少につながるケースがみられる。その理由
を,伝統的な焼畑との違いに留意しながら 2行以内で述べなさい。
- 3
2-
く
)M5(171 1
0
5
)
9
8
7
キ
ナ
、
/t
ル
山
、
ー
〆
,
~n[[
4
単E
3
2
。
l
0
°
S
。。
。
1
0
2
0
°
3
0
°
4
0
°
5
0
°
60°N
緯度
図 1- 4
大津 2
0
01を一部改変。
- 3
3-
く
)M5(
1
71 1
0
6
)
第 2問
世界の貿易に関する以下の設問 A∼ Bに答えなさい。解答は,解答用紙の(ロ)欄
を用い,設問・小問ごとに改行し,設問記号・小間番号をつけて記入しなさい。
設問 A
表 2- 1は,アフリカの 3つの国を取り上げ,主要貿易相手国(輸出額・輸入
額の上位 5カ国)を示したものである。
(
1
) A∼ Cの各国は,南アフリカ,ナイジエリア,モロッコのいずれかで、ある。
A∼ Cの国名を, A-0のように答えなさい。
(
2) A固と B国の主要輸出相手国の構成を比較し,その特徴とそうした特徴が
みられる背景を,あわせて 2行以内で述べなさい。
(
3) C国では,全体の輸出額が輸入額を大きく上回っている。こうした貿易構造
に反映されている,この国の経済・社会発展上の課題を 2行以内で述べなさ
い
。
(
4) A∼ Cの各国とも,輸入相手国の上位に中国が位置している。 2
0
0
0年代に
入って,とくにアフリカ諸国では,中国からの輸入が急増している。こうした
事態が生じている背景を 2行以内で述べなさい。
- 34-
<)M5(
17
1 1
0
7
)
表2
A国
1
B国
相手国
輸出額
全体
21
,41
7
4
,
61
9
3
,
5
4
1
l
,
2
6
6
1
,
1
61
9
3
0
フランス
スペイン
ブラジル
インド
アメリカ合衆国
相手国
輸入額
全体
4
4
,7
9
0
5
,9
0
1
5
,5
4
8
2
,9
6
8
2
,
8
5
9
2
,
8
3
2
スペイン
フランス
中 国
アメリカ合衆国
サウジアラビア
割合(%)
相手国
輸出額
1
0
0
.0
21
.6
1
6.
5
5
.9
5
.
4
4
.3
全体
8
6,
71
2
1
0
,1
3
9
7
,5
8
6
5
,
41
4
4
,1
7
5
3
,
6
7
5
中 国
アメリカ合衆国
日 本
ドイツ
インド
割合(%)
相手国
輸入額
1
0
0
.0
1
3
.
2
1
2.
4
6.
6
6
.
4
6
.
3
全体
1
0
1
,6
1
1
1
46
3
8
1
0,
2
3
7
7
,
8
7
7
7
,
4
9
7
4
,
6
2
3
国
ドイツ
サウジアラビア
アメリカ合衆国
日 本
中
割合(%)
。
1
0
0
.
1
1
.7
8
.
7
6
.
2
4
.
8
4
.
2
割合(%)
1
0
0.
0
1
4
.
4
1
0
.1
7
.
8
7
.
4
4.
5
C国
相手国
輸出額
全体
1
4
3
,1
51
2
4
,1
3
9
1
5
,
8
9
5
1
0
,7
9
1
9
,9
5
8
9
,0
4
2
アメリカ合衆国
インド
ブラジル
オランダ
イギ リス
相手国
輸入額
全体
3
5,
8
7
3
7
,
7
1
5
4
,
8
8
7
2
,
8
8
8
2
,
8
6
8
2
,
3
6
1
中 国
アメリカ合衆国
インド
ブラジル
イギリス
割合(%)
1
0
0
.0
1
6.
9
1
1
.1
7
.5
7
.
0
6
.
3
割合(%)
1
0
0.
0
2
1
.5
1
3
.6
8
.1
8
.
0
6
.
6
2012年。輸出額 ・輸入額の単位は 1
00万米ド ル。
フランスには, モナ コ・ 海外県を含む。
アメ リカ合衆国には, プエル トリコ
, 米領パージン諸島 を含む。
r
a
d
eDa
t
aba
s
eによる
。
国際連合 Comt
- 3
5-
>M
く5
(
1
7
1 1
0
8
)
設問 B
3年に生鮮野菜を輸入した上位 6カ国について,
1
0
表 2-2は,日本が, 2
3年の輸入金額, 1キログラムあたりの平均単価,および,輸入金
1
0
7年と 2
9
9
1
額第 l位の品目を示している。なお,表中の A∼Cは,韓国,中国,ニュー ジー
ランドのいずれかで、ある。
) (ア)∼(ウ)は,ジャンボピーマン(パプリカなどにたまねぎ,まったけのい
1
(
ずれかである。それぞれの品目名を,(ア) − 0のように答えなさい。
3年の聞にいずれも
1
0
7年と 2
9
9
2) A国および B国か らの輸入の平均単価は, 1
(
大きく低下しているが,その原因となった野菜生産の変化は両国で異な ってい
る。 この間に ,A 国で(ア), B国で(ウ)が増加した理由を,両国の自然的およ
び社会的条件に触れながら,あわせて 2行以内で述べなさい。
) メキシコと C国はいずれもかぼちゃが第 l位品目であるが,日本の国内市
3
(
場で取引されるかぼちゃは,この両国産と北海道をはじめとする国内産がほと
んどを占めている。 このように,メキシコと C国から多くのかぼち ゃが輸入
されている理由を,それぞれの自然的条件に触れながら,あわせて 2行以内で
述べなさい。
6- 3
。
M5(171-109)
表 2- 2
1
9
9
7年
順位
国
A
2
3
4
5
6
アメリカ合衆国
B
メキシコ
c
オランダ
2
0
1
3年
金額
平均単価
輸入金額
金額
平均単価
輸入金額
(百万円)
(
円
/ kg)
第 l位品目
(百万円)
(
円
/ kg)
第 l位 品目
3
0
,
5
7
6
2
9
,
5
8
1
4
,
8
3
9
7
,
3
4
1
1
0
,
2
6
4
3
,
1
2
7
2
3
3
1
3
2
1
,1
6
0
1
4
3
9
0
6
4
4
しいたけ
4
2,
5
0
9
1
8
,
4
1
7
1
1
,1
2
6
9
,9
1
1
7
,
2
2
5
3
,7
0
9
8
3
1
6
6
3
6
5
1
2
6
1
0
2
5
3
2
ブロッコリー
(
イ
)
かぼちゃ
かぼちゃ
(
ウ
)
(
ア
)
ブロッコリー
(
ウ
)
かぼちゃ
かぼちゃ
(
ウ
)
独立行政法人農畜産業振興機構資料による。
- 3
7-
>
くM5(171 1
1
0
)
第 3問
日本の都市と社会の変化に関する以下の設問 A∼Cに答えなさい。解答は,解答
用紙の(ハ)欄を用い,設問 ・小問ごとに改行し,設問記号 ・小間番号をつけて記入
しなさい。
設問 A
図 3-1は,ある大都市内の 3つの区 A∼Cの人口密度の推移を示している。
0年の職業構成を示してい
1
0
5年および 2
6
9
一方図 3 2は,同じ 3つの区の 1
。
る
) 図 3- 2のア∼ウは,それぞれの区に住んでいる就業者の職業構成(常住地
1
(
ベースの職業構成)と,それぞれの区で働いている就業者の職業構成(従業地
ベースの職業構成)を示したものである。それぞれ図 3-1の A∼Cのどの区
に関するものであるのかを,ア− 0のように答えなさい。
0年代にかけて人口密度が急速に低下してい
7
9
0年代から 1
6
9
2) A と Cでは 1
(
る。それぞれどのような理由によるものであると考えられるか,あわせて 3行
以内で述べなさい。
0年代後半以降,人口密度が上昇に転じているが,どのような理
9
9
3) Cでは 1
(
由によって生じたものであると考えられるか,
8- 3
l行で述べなさい。
1)
一11
く M5(171
)
人口密度(人/ km2
)
A
3
0,
0
0
0
−
−
−
2
5
,
0
0
0
.
.
.
.
.
.
・
.
.
.
.
.
.
・
.
.
.
.
.
.
.
・
2
0
,
0
0
0
1
5
,
0
0
0
B
−
ー
−
ー
−
ー
−
ー
−
ー
.
,
ー
’
1
0
,
0
0
0
5
,
0
0
0
。
1
9
5
0
1
9
6
0
1
9
7
0
1
9
8
0
1
9
9
0
2
0
0
0
2
0
1
0年
図 3-1
国勢調査による。
開職キ叩技側職業
附年・常住地十
ア
トビス職業
その他
\
事務量
l
販売}
|
/
1965年・従業地
2010年・常住地
2010年・従業地
1965年・常住地
イ
1965年・従業地
2010年・常住地
2010年・従業地
1
9
6
5年・常住地
ウ
1
9
6
5年・従業地
2010年・常住地
2010年・従業地
。
2
0
4
0
6
0
8
0
100%
図 3- 2
国勢調査による。
1965年の従業地の値は, 20%抽出値による推計値。
「
生 産 工 程 等」は,「技能工,生産工程従事者および単純労働者」
(1965年
)
,
「
生産工程従事者J
(2000年)を指す。
- 39 -
>
くM5(171-1
1
2
)
設問 B
0年における以下の 6つのデータを,
1
0
0年∼ 2
5
9
, 1
図 3- 3は
5年ごとにグ
ラフに表したものである。ただし,いずれのグラフも,上記期間における最小値
0になるように,値を変換している。
0
が O,最大値が 1
東京都都心 3区(千代田区,中央区,港区)の人 口
①
② 東京都多摩市(現在の多摩市の範囲)の人口
③
北海道夕張市(現在の夕張市の範囲)の人口
5歳以上人口の割合)
④ 全国の高齢者率( 6
⑤ 全国の完全失業率
l市区町村当たりの人口(政令指定都市は lつの市として,東京都の特別
⑥
区はそれぞれを lつの区として数える)
) A から Fは上記① ∼⑥のいずれに相 当するか。A Oのように答えなさい。
1
(
0年における Cの変化が生じた共通の理由
1
0
0年∼ 2
0
0
0年と 2
6
9
0年∼ 1
5
9
2) 1
(
,
を
l行で述べな さい。
04
)
3
1
くM5(171- 1
>
1
0
0
9
1
”//、-~.
'r
f
"
'・戸、
J
7
0
6
0
5
0
、
、
2
い
\ ゐ
ABCDEF
8
0干
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"
0
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・
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−
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ー
ー
・
主
ι
\
\
\
\
.
"
.
.
,
¥
Q
.
,
4
0
ー
ポ
γ
メ/
3
0
4
邑
2
0
1
0
、
・、
。
旬
.
』
,
,
−a‘
/−
/千−ー・ 9
O晶出品ゐ4
1
9
5
0
1
9
6
0
1
9
7
0
1
9
8
0
1
9
9
0
2
0
0
0
2
0
1
0年
図 3-3
国勢調査等による。
-41-
>
くM5(171 1
1
4
)
設問 C
表 3-1は,東京都 2
3区,大阪市,名古屋市を,それぞれの大都市圏の中心
0
0
5年の各従業地での 1
5歳以上就業
となる従業地(以下,中心市とよぶ)とし, 2
者数の常住地別内訳を示したものである。 三大都市圏と一口に言っても,どこか
ら中心市に通勤してくるかという,地域的構成は異なっている。東京大都市圏で
は,東京都以外の周辺県からの通勤者数が多く,郊外地域が広く形成されてき
た。大阪大都市圏と名古屋大都市圏を比べると,中心市からの通勤者数と中心市
(
a)
以外からの通勤者数の構成比に大きな違いがみられる。
一方,図 3 4と図 3-5は,東京大都市圏と大阪大都市圏における郊外住宅
地の変化をみるために,東京駅,大阪駅からそれぞれ 5
0∼ 60km圏に位置する
A 町と B市を取り上げ,通勤者数の変化をみたものである。 A 町から東京都 2
3
区へ, B市から大阪市への通勤者数は, 1
9
8
5年から 1
9
9
5年にかけて増加した
9
9
5年以降は減少してきている。こうした A 町と B市における通勤者数の
後
, 1
推移には,郊外住宅地の変化が大きく関わっていると考えられる。
(
b)
(
1
) 下線部(a
)
について,両大都市圏でこのような違いが生じた理由として考えら
れることを,下記の語句をすべて用い, 2行以内で述べなさい。語句は繰り返
し用いてもよいが,使用した箇所に下線を引くこと。
中枢管理機能
住宅地開発
(
2)下線部(
b)について,郊外住宅地化とその後の変化とは,どのようなもので
あったか。下記の語句をすべて用い, 3行以内で述べなさい。語句は繰り返し
用いてもよいが,使用した箇所に下線を引くこと。
距離帯
団塊世代
地価
- 4
2-
)
く M5(
17
1 1
1
5
)
表 3-1
中心市
就業者の常住地別内訳
3区
東京都 2
東京都 2
3区
(
6
2
1
.3
5km2)
2
3区以外の東京都
その他の府県
就業者総数
大阪市
大阪市
大阪市以外の大阪府
)
(
2
2
2
.1
1km2
その他の府県
就業者総数
名古屋市
名古屋市
名古屋市以外の愛知県
(
3
2
6
.4
5km2)
その他の府県
就業者総数
人数(千人)
構成比(%)
3
,
6
7
7
5
1
6
2
,
5
0
1
6
,
6
9
4
5
4
.
9
7
.7
3
7
.
4
1
0
0
.
0
9
5
3
6
8
9
4
5
5
2
,
0
9
7
4
5
.5
3
2
.
8
2
1
.7
1
0
0
.
0
9
2
0
3
5
3
8
9
1
,3
6
2
6
7
.
6
2
5
.
9
6
.
5
1
0
0
.
0
国勢調査による。
4
3-
>
くM5(171-116)
(
人
)
2
,
0
0
0
1
,
8
0
0
1
,
6
0
0
1
,
4
0
0
1
,
2
0
0
1
,
0
0
0
8
0
0
6
0
0
4
0
0
。
2
0
0
1
9
8
5
1
9
9
0
1
9
9
5
2
0
0
0
2
0
0
5年
図 3-4 A 町から東京都 2
3区への通勤者数の推移
国勢調査による。
(
人
)
8
,
0
0
0
7
,
0
0
0
6
,
0
0
0
5
,
0
0
0
4
,
0
0
0
3
,
0
0
0
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5年
図 3-5 B市から大阪市への通勤者数の推移
国勢調査による。
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