あしたから劇的快眠SP

NHK総合テレビ 毎週水曜日・午後8時から放送中
http://www.nhk.or.jp/gatten/
あしたから劇的快眠SP
2015年02月25日放送
今回の番組について
今回のテーマは「しゃっくり」。
といっても、普通のしゃっくりではなく、下半身のしゃっくり!です。
睡眠中に下半身がしゃっくりのように動くことで、不眠に悩まされている
人がおり、気づいていない人も含めると、なんと400万人近くもいるそ
うです。
そこで、「しゃっくり」について詳しく調査したところ、普通のしゃっく
りをピタッと止める方法を発見! じつは、これさえわかれば、不眠を招
く下半身のしゃっくりも治すことができるんです。
しゃっくりが起きる意外なメカニズムや、止めるワザ、さらに「下半身
しゃっくり」の原因や治療法、自分で見分ける方法など、朝までぐっす
り眠るための最新情報をお伝えします。
番組ディレクターのひとこと
進化の歴史は抑制の歴史?
取材中、脊髄と脚の関係を探るため、脊髄を磁気で刺激する実験に挑戦しま
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した。
横になるよう指示され、腰に冷たい装置が当てられます。
ワクワクしながら待っていると……。
グォッ!!と、思わず声が漏れました。
めちゃ痛い……。
でも、おそるおそる脚を見てびっくり。
なんと脚が勝手に動いている!というか、左右の脚が交互に動いて歩行のよ
うな動きをしているのです!
聞くと、トカゲなどのは虫類も、歩行するときは、主にこの脊髄の働き。
でも、ふだん脊髄が勝手に働いて歩行をしてしまわないようにしているの
は、その後大きく発達した、脳による抑制力のおかげだというのです。
腰がしびれながら、人間の進化を感じた瞬間でした。
脳の働きが弱まることで、脚が勝手に動いてしまうのが、今回取り上げた
「脚のしゃっくり」。
脳を元気にして 劇的快眠 を手に入れてください!
不眠を引き起こす下半身のしゃっくりとは?
5年ほど前から、不眠に悩むBさん。どんなに眠くても、夜中に目が覚め
てしまい、日中は強い眠気に襲われてしまうそうです。今まで原因がわか
りませんでしたが、就寝中に起こる「下半身のしゃっくり」が原因である
ことがわかったのです。
寝ている最中のBさんの様子をカメラで撮影してみると、一晩で100回近
く脚がピクッと動く、下半身のしゃっくりが起きていました。
たとえ脚の動きが小さくても、何度も周期的に起きることで脳が小さな覚
醒を繰り返し、目が覚めてしまうのです。この症状をガッテンでは
「しゃっくり脚症候群」と名づけました。
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しゃっくり脚症候群には、3つの特徴があります。1つ目は、寝つきがよ
いこと。寝入りがよいため、自覚症状のないまま不眠になってしまうので
す。2つ目は、夜中に何度も起きること。3つ目は、睡眠薬が効かない
こと。
しゃっくりを止めることさえできれば、不眠は解消できますが、どうすれば
よいのでしょうか。
じつは、普通のしゃっくりの止め方がわかれば、「しゃっくり脚症候群」に
よる不眠は解消できるのです。
のどの奥のスイッチが押されると延髄が興奮
してしゃっくり発生!?
巷には、しゃっくりを止める方法がいろいろありますが、どれもピタッと止
めるのは難しいのではないでしょうか。
しゃっくりは、横隔膜のけいれんと同時に声帯がキュッと閉まることで
起こります。しゃっくりの時にでる「ヒック」は、声帯が閉まるときに出る
音です。
では、なぜ横隔膜がけいれんしたり声帯が閉まったりするのでしょうか?
その原因は、呼吸や嚥下を司る延髄にあります。
のどの奥には、延髄につながるしゃっくりスイッチがあり、食べ物を食べ
たときなどにこのスイッチが押されてしまう場合があるんです。
スイッチが押されると、延髄が興奮することで横隔膜がけいれんし、声帯が
閉まることでしゃっくりが起きるのです。
肺の入り口にある声帯は、水中から陸上へと進化した生物が、肺に水が入
らないようにするために作った、いわば門のような名残と考えられま
す。つまり、しゃっくりとは、水を肺に入れないための反射とも考えられる
のです。
それなら、一回だけしゃっくりすればよいように思えますが、止まらない場
合はよくあります。いったいなぜ延髄はずっと興奮状態になってしまうの
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でしょうか?
延髄の興奮を抑える耳押しでしゃっくりが止
まる!
1年間もしゃっくりが続いていたAさん。そこで延髄に問題があるかど
うか詳しく検査したところ、特に問題がありませんでした。
じつは、専門医の話によると、Aさんの場合は延髄が原因ではなく、以前出
血した大脳に問題があったのではないかと考えられるとのことでした。
通常、脳はしゃっくりが出ないように延髄の興奮を抑える働きを担ってい
ます。ところが、脳の働きが低下すると、延髄をなだめることができず、
しゃっくりが出やすくなってしまうのです。
脳の働きが低下する原因には、脳こうそくやストレス、アルコールなど
があります。
しゃっくりの専門医が実践して、100人中70人のしゃっくりを止めるこ
とができたのが、両耳に指を入れて、痛みを感じるくらい強く押すと
いう方法です。
じつは、耳にも延髄とつながる神経があるため、刺激を与えることで延髄の
興奮を抑えることができると考えられるのです。
ただし、ぜんそくなどの呼吸器の病気や心臓病などの循環器の病気の方
は耳を押さないでください。また、1週間以上続くしゃっくりは、深刻な
病気がひそんでいる危険もあるので、最寄りの医療機関へご相談くださ
い。
鉄分補給や脳の働きを高める薬で 下半身
しゃっくりを止める!
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普通のしゃっくりは、延髄に原因がありましたが、しゃっくり脚症候群は、
脳と直接つながる脊髄の興奮が原因で起こります。
実験で脊髄に磁気刺激を与えてみると、本人が脚を動かそうと思わなくても
勝手に動いてしまいました。じつは、脊髄は脳の指令がなくても脚を動か
すことができるのです。
ではいったいなぜ、下半身のしゃっくりは起きてしまうのでしょうか?
5年もの間、下半身しゃっくりに悩まされてきたBさんが、専門医の診断を
受けたところ、血液中のある成分が低いせいで脊髄が興奮し、下半身
しゃっくりを招いていたことがわかりました。
その成分とは、フェリチンです。
フェリチンは、中に鉄を蓄えて体の隅々まで鉄を届ける働きがありま
す。フェリチンが脳に届くと、神経伝達物質であるドーパミンが大量に
増えることで脳がパワーアップします。すると、脊髄をなだめて下半身
の動きを抑えることができるのです。
しゃっくり脚症候群は、正式名称を「周期性四肢運動障害」といい、ま
だあまり知られていない病気のひとつです。
周期性四肢運動障害を治療するには、鉄分の補給が何よりも重要ですが、
効果が現れるまでは時間がかかります。脳の働きを高める「ドーパミン受
容体作動薬」という薬は、即効性があり、なかには1日で治る人もいるそ
うです。
しゃっくり脚症候群は自分で見分けることも可能です。
1時間座って脚を伸ばしていると、ピクッと動く場合は、しゃっくり
脚症候群の可能性が高いと考えられます。また、周りの人がチェックする場
合は、就寝中の脚を観察し、20∼60秒間隔で4回以上足が動く場合
は、疑わしいと考えられます。気になる人は、睡眠外来へご相談ください。
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今回のお役立ち情報
しゃっくりについて
しゃっくりは、横隔膜の異常なけいれんによって起こります。「ヒック」と
いう音が出るのは、横隔膜のけいれんとともに声帯がキュッと閉まるため。
しゃっくりが起きるのは、延髄に原因があります。のどの奥には、延髄につ
ながるしゃっくりが起きるスイッチがあり、食べ物を食べたときなどにこの
スイッチが押される場合があります。スイッチが入ると、延髄が興奮するこ
とで横隔膜がけいれんし、声帯が閉まることでしゃっくりが起きるのです。
しゃっくりを止める方法について
しゃっくりを止めるには、延髄の興奮をいかに抑えるかがポイントになりま
す。
しゃっくりの専門医が実践し、100人中70人のしゃっくりを止めること
ができたのが、「両耳に指を入れて、痛みを感じるくらい強く押す」という
方法。
じつは、耳にも、延髄とつながる神経があるため、メカニズムはまだわかっ
ていないものの、刺激を与えることで延髄の興奮を抑えることができるので
す。
※ぜんそくなどの呼吸器の病気や心臓病などの循環器の病気の方は耳を押さ
ないでください。また、1週間以上続くしゃっくりは、深刻な病気がひそん
でいる危険もあるので、最寄りの内科へご相談ください。
しゃっくり脚症候群について
就寝中に、脚が何度も繰り返しピクッと動く「しゃっくり脚症候群」は、脳
が小さな覚醒を繰り返すことで目が覚めてしまい、不眠を招いてしまいま
す。
脚が勝手に動くのは、脊髄に原因があります。じつは、脊髄は脳の指令がな
くても脚を動かすことができるのです。
しゃっくり脚症候群は、正式には「周期性四肢運動障害」と言い、下のよう
な特徴があります。
・ 寝付きはよい/夜中に何度も起きてしまう/睡眠薬が効かない
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しゃっくり脚症候群の治療とチェック法について
下半身のしゃっくりを止めるには、鉄を摂取して、フェリチンの値を上げる
必要があります。フェリチンによって蓄えられた鉄が脳に届くと、神経伝達
物質のドーパミンが大量に分泌され、脳がパワーアップして下半身の動きを
抑えることができるのです。
治療には、鉄剤の補給が何よりも大事ですが、脳の働きを高める「ドーパミ
ン受容体作動薬」という薬による治療もあります。この薬は、即効性がある
ため、1日で治る人もいるそうです。
しゃっくり脚症候群は自分で見分けることも可能です。下記に該当する人
は、睡眠外来へご相談ください。
自分で診断する場合
1時間座って脚を伸ばし、動くようならしゃっくり脚症候群の可能性あり
周囲の人が診断する場合
就寝中の脚を観察し、20∼60秒間隔で4回以上足が動くようならしゃっ
くり脚症候群の可能性あり
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