運転責任者判定のための方法・実施体制等に係る

資料2
運転責任者判定のための方法・実施体制等に係る確認について(案)
平成27年2月25日
原子力規制委員会
1.背景
実用発電用原子炉設置者(以下「設置者」という。)は、実用発電用原子炉の設置、運転等
に関する規則1(昭和53年通商産業省令第77号。以下「実用炉規則」という。)第87条第3号
の規定に基づき、発電用原子炉の運転に必要な知識、技能及び経験を有している者であっ
て、かつ、原子力規制委員会が告示で定める基準(以下「基準」という。)に適合したものの中
から運転責任者を選任することとなる。
このため、設置者は、運転責任者が基準に適合しているかどうかの判定を行うための方法、
実施体制等(以下「判定方法等」という。)が、当該判定を行うのに十分であり、かつ、発電用
原子炉の運転の保安上十分であることについて、実用炉規則第87条第4号2の規定に基づ
き、あらかじめ原子力規制委員会の確認を受けることが必要となる。なお、この確認の有効
期限は3年となっている。
今般、平成27年3月2日に確認の有効期限を迎える設置者等から実用炉規則第87条第
4号の確認に係る申請があり、その申請内容について審査したところ、新規制基準を反映し
た保安規定の変更が判定方法等に反映されないものとなっている。
2.対応方針
(1)実用炉規則第87条第4号の確認に係る申請内容及び原子力規制委員会による確認内
容の見直し
①設置者に対して、関係法令の改廃及び保安規定の変更等を判定方法等に反映させる必
要があるような状況変化が生じた場合に、これに対応できるように必要なプロセスを判定
方法等に導入することを求めることとする。
②原子力規制委員会は、実用炉規則第87条第4号の確認において、設置者が①の必要な
プロセスを適切に実施できる体制になっているかを審査することとする。
③上記②を実施するために原子力規制庁において必要な訓令の整備を行う(平成27年3
月中を目途)。
(2)新たな判定方法等の制定時期及び今般の確認申請の取扱い
①設置者に対して、実用炉規則第87条第4号の規定に基づき(1)①の必要なプロセスを
定めた判定方法等の確認申請について、平成27年3月中を目途に申請を行うよう、文書
にて求めることとする。
②今般確認申請を受けている判定方法等については、速やかに確認手続きを行う。
1
東京電力株式会社福島第一原子力発電所については、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び
特定核燃料物質の防護に関する規則第14条第3号に基づく。
2
東京電力株式会社福島第一原子力発電所については、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び
特定核燃料物質の防護に関する規則第14条第4号に基づく。
(参考)
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
(昭和三十二年六月十日法律第百六十六号)
(保安及び特定核燃料物質の防護のために講ずべき措置)
第四十三条の三の二十二
発電用原子炉設置者は、次の事項について、原子力規制委員会規則で定め
るところにより、保安のために必要な措置(重大事故が生じた場合における措置に関する事項を含む。)
を講じなければならない。
一
発電用原子炉施設の保全
二
発電用原子炉の運転
三
核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の運搬、貯蔵又は廃棄(運搬及び廃棄にあつ
ては、発電用原子炉施設を設置した工場又は事業所において行われる運搬又は廃棄に限る。次条第
一項において同じ。)
2
(略)
実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則
(昭和五十三年十二月二十八日通商産業省令第七十七号)
(発電用原子炉の運転)
第八十七条
法第四十三条の三の二十二第一項 の規定により、発電用原子炉設置者は、次の各号に掲
げる発電用原子炉の運転に関する措置を講じなければならない。ただし、法第四十三条の三の三十三
第二項 の認可を受けた場合は、この限りでない。
一
発電用原子炉の運転に必要な知識を有する者に運転を行わせること。
二
発電用原子炉の運転に必要な構成人員がそろっているときでなければ運転を行わせないこと。
三
前号の構成人員のうち運転責任者は、発電用原子炉の運転に必要な知識、技能及び経験を有して
いる者であって、かつ、原子力規制委員会が告示で定める基準に適合したものの中から選任するこ
と。
四
前号の基準に適合しているかどうかの判定を行うための方法、実施体制等が当該判定を行うのに
十分であり、かつ、発電用原子炉の運転の保安上十分であることについて、あらかじめ原子力規制委
員会の確認を受けること。
運転責任者に係る基準等に関する規程
(平成十三年八月三十日経済産業省告示第五百八十九号)
(基準)
第一条 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(以下「規則」という。)第八十七条第三号の原子
力規制委員会が告示で定める基準(以下「基準」という。)は、次に掲げるものとする。
一 発電用原子炉の運転に関する業務に五年以上従事した経験を有していること。
二 過去一年以内に同一型式の発電用原子炉の運転に関する業務に六月以上従事した経験を有して
いること。
三 発電用原子炉施設を設置した事業所において、管理的又は監督的地位にあること。
四 発電用原子炉に関する知識及び技能であって、次に掲げるものを有していること。
イ 発電用原子炉の運転、事故時における状況判断及び事故に際して採るべき措置に関すること。
ロ 関係法令及び保安規定に関すること。
ハ 発電用原子炉施設の構造及び性能に関すること。
ニ 運転員の統督に関すること。
(確認を受けようとする者の申請)
第二条 規則第八十七条第四号の確認を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、次に掲げる事項を
記載した申請書を原子力規制委員会に提出しなければならない。
一 基準に適合するかどうかの判定を行う方法に関すること。
二 基準に適合するかどうかの判定業務の実施体制に関すること(合否の判定に係る職員の資格及び
数並びに設備に関することを含む。)。
三 基準に適合した者に係る有効期間に関すること。
四 基準に適合した者に係る更新の手続に関すること。
(確認等)
第三条 原子力規制委員会は、前条の申請書による書面審査及び必要に応じ行う調査により、同条に規定
する申請が基準に適合しているかどうかの判定を行うのに十分であり、かつ、発電用原子炉の運転の保
安上十分であることを確認するものとする。
2 原子力規制委員会は、前項の規定による確認をしたときは、申請者にその旨を通知するものとする。
3 原子力規制委員会は、前項の規定による通知をしたときは、その旨を公表するものとする。
第四条 前条第一項に規定する確認は、三年を限り有効とする。
東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則
(平成二十五年四月十二日原子力規制委員会規則第二号)
(発電用原子炉施設の運転)
第十四条
法第四十三条の三の二十二第一項 の規定により、発電用原子炉設置者は、次の各号に掲
げる発電用原子炉施設の運転に関する措置を講じなければならない。ただし、法第四十三条の三の
三十三第二項の認可を受けた場合は、この限りでない。
一
発電用原子炉施設の運転に必要な知識を有する者に運転を行わせること。
二
発電用原子炉施設の運転に必要な構成人員がそろっているときでなければ運転を行わせない
こと。
三
前号の構成人員のうち運転責任者は、発電用原子炉施設の運転に必要な知識、技能及び経験
を有している者であって、かつ、原子力規制委員会が告示で定める基準に適合したものの中か
ら選任すること。
四
前号の基準に適合しているかどうかの判定を行うための方法、実施体制等が当該判定を行う
のに十分であり、かつ、発電用原子炉施設の運転の保安上十分であることについて、あらかじ
め原子力規制委員会の確認を受けること。
五 ~ 十一(略)
東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関して必要
な事項を定める告示
(平成二十五年四月十二日号外原子力規制委員会告示第三号)
(運転責任者に係る基準)
第十一条 規則第十四条第三号の原子力規制委員会が告示で定める基準(以下「基準」という。
)は、
次に掲げるものとする。
一 発電用原子炉の運転に関する業務に五年以上従事した経験を有していること。
二 過去一年以内に同一型式の発電用原子炉の運転に関する業務に六月以上従事した経験を有し
ていること。
三 発電用原子炉施設を設置した事業所において、管理的又は監督的地位にあること。
四 発電用原子炉に関する知識及び技能であって、次に掲げるものを有していること。
イ 発電用原子炉の運転、事故時における状況判断及び事故に際して採るべき措置に関すること。
ロ 関係法令及び実施計画(保安のための措置に係る部分に限る。
)に関すること。
ハ 発電用原子炉施設の構造及び性能に関すること。
ニ 運転員の統督に関すること。
(基準に係る確認を受けようとする者の申請)
第十二条 規則第十四条第四号の確認を受けようとする者(以下「申請者」という。
)は、次に掲げ
る事項を記載した申請書を原子力規制委員会に提出しなければならない。
一 基準に適合するかどうかの判定を行う方法に関すること。
二 基準に適合するかどうかの判定業務の実施体制に関すること(合否の判定に係る職員の資格及
び数並びに設備に関することを含む。
)
。
三 基準に適合した者に係る有効期間に関すること。
四 基準に適合した者に係る更新の手続に関すること。
(基準に係る確認等)
第十三条 原子力規制委員会は、前条の申請書による書面審査及び必要に応じ行う調査により、同条
に規定する申請が基準に適合しているかどうかの判定を行うのに十分であり、かつ、発電用原子炉
施設の運転の保安上十分であることを確認するものとする。
2 原子力規制委員会は、前項の規定による確認をしたときは、申請者にその旨を通知するものとす
る。
3 原子力規制委員会は、前項の記載による通知をしたときは、その旨を公表するものとする。
4 第一項に規定する確認は、三年を限り有効とする。