平成26年度 教育・リスク部会 第3回研修会報告 林先生からの

平成26年度
教育・リスク部会
第3回研修会報告
教育・リスク部会長 新美明子
日時:H27.2.14(土)14:00〜16:30
場所:北浦和カルタスホール
テーマ:事例検討
「他者に危害を加えてしまうのではないかと不安を持ち生活する精神障害者の事例」
さいたま市浦和区障害者生活支援センターむつみ 精神保健福祉士
陽まわり訪問看護ステーション 管理者
松本京平さん
岩城あや子さん
参加者:37名
内容 松本さんから「障害者生活支援センターの役割と実際」
「障害者福祉サービス体系」等
の説明後事例発表→グループワーク→林先生からの講評・まとめ→昨年事例のその後
林先生からのアドバイス
・ 利用者の長所・強み(ストレングス)や人柄を含む全体像を把握する。
・ 援助者と利用者の相互作用の理解に基づいた援助過程を理解する。
・ 事例提供者がエンパワメントされること。
・
グループワーク
・ 色々なサービスを使い本人から任意で入院しよい方向へ行くケースでは。
・ Drとの連携として受診時に状況を書面で渡す、相談室の入ってもらうのも良い。
・ 今後父親のサービス事業所CM等との連携も必要。
・ 家族とのかかわり以外に金銭管理や生活援助も訪問看護で支援しても良かったのでは。
・ 松本さん以外に事業者間の会議が行なわれていたのか。
・ Ns2名で訪問し本人・家族と別室で対応するSTもある。
・ ディケアの様子をNsが見学にいけると参考になる。
・ 本人の希望を聞いてそのことを中心にケアを進めると良い。
・ 看護目標に本人の今後の人生を考えた支援が入ると良い。
・ 母が強すぎて悪影響、少し離したほうが良い。
・ 家庭内に入っている訪問Nsの存在は大きい多岐にわたるNsの関わりは重要。
・ リスパダールを頓用で使用し本人が悪くならない対処の仕方をわかっている。
・ 母に押さえつけられた幼少期だったのか。
・ 就労経験があり、単純なもの、人とのかかわりが多くない仕事なら可能。
・ 幻聴も1つの逃げ道(現実逃避?)
・ 母のサポートも大切。
・ 学生の集団はいじめられた経験がトラウマになっている。
・ 言葉で伝えることが苦手なため、暴力で発散している。
・ 社会との交流が出来るように。
・ 事例検討のゴールが見えなかった。
林先生の講義
精神障害者への支援に求められること
エンパワメント リカバリー
希望
ストレングス
家族支援 多職種連携
・生活主体者として、自己決定し、生きる力を発揮できる事を促進する。
・病や障害によって失った機能・自尊心・生活・人生を回復し新たな人生の再発見。
・支援者は精神障害者の可能性を信じ、希望を失いかけている人に希望を伝える
・病や障害に焦点を当てるのでなく、その人が持つ強さ、環境を注目し、その能力や長所を
のばしていく。
・世帯全体への支援が重要、疾患ケアだけでは本人・家族は安定しない。
家族の接し方の良し悪しで再発率が違う。
・ 異なる専門職が患者に関する情報とアセスメントを共有し、本人の意思を尊重した目標を
共有し、目標に向かって協働する。
精神障害者をもつ家族援助の必要性
・ 精神疾患は多くが再発を繰り返し慢性に経過している。
・ 統合失調症の発症年齢は思春期・青年期→家族の人生設計が変わる。
・ 長期にわたって再発を繰り返すため家族成員内の関係が変化していく。
・ 現在は、ますます、精神障害の地域での生活が促進されている状況。
・ わが国では、退院して家族と同居する障害者が多い
→204 万人の障害者に、400 万人の家族が存在する。
・ 統合失調症患者のセルフケア能力低下のため家族は援助を行なう必要に迫られる。
・ 患者の病状への対処をしなければならない。
・ 近隣への迷惑に対する配慮が必要。
・ いつも神経を研ぎ澄まし緊張状態にある。
まとめ
・ 本人の意思を確認し、本人の目標に向かって支援する。
・ 家族の分離支援など家族関係の調整をする。
・ 家族の話を聴きねぎらい助言をし、家族のストレスを軽減する。
・ 病気や障害に対する知識を提供する。
・ 家族会を活用する。
・ ヘルパーの活用を勧める。
・ 社会資源活用 社会活動参加のはたらきかけ。
・ 医療と福祉の連携をする。
・ 地域の関係機関との連携をする。
平成26年度
第3回
教育・リスク部研修会アンケート結果
出席37名 回収34名
1.
事例検討会の内容は参考になりましたか?
イ.はい31名
2.
ロ.いいえ0
ハ.どちらともいえない3名
イとお答えの方は、どんな点が参考になりましたか?
・ 多職種のかかわりが聴けて大変参考になった。4名
・ 障害者生活支援センターについて知識が得られた。6名
・ 今後精神科訪問を考えているため訪問時の注意点などさまざまな事が聞けた。
・ 精神疾患の本人家族の関わり方や方向性、地域との連携を知ることができた。3名
・ 精神科の訪問経験はないが今後の参考になった。
。
・ タイムリーに統合失調症の利用者を受け入れ、困っていたので勉強になった。
・ 精神を専門にしているST以外でも地域連携をしっかりしていくことで対応できると思った。
・ 精神科看護の事例を通して色々な進め方があると感じた。
・ 具体的な取り組みが理解できた。
・ 精神科の訪問は難しく悩むことが多かったから参考になった。
・ 精神疾患の訪問の苦労がわかった。
・ 家族とのかかわり方。2名
・ Nsが母親との面談したこと。
・ 林先生からの支援に対するアドバイスが具体的でわかりやすかった。
・ 精神疾患患者のかかわり方を振り返ることが出来た。
・ 家族支援の重要性。
・ 精神疾患の訪問をしていないので勉強になった。4名
・ 訪問時のかかわり方を検討できた。2
・ 色々な意見を聞くことができた。
・ 事例を通して考え方のポイントを学ぶことが出来た。
・ 精神科看護初心者でも理解しやすい事例であったと思う。
・ 強みという自分の気づかなかった視点が、今後の患者さん把握に参考になった。
・ 利用者本人の意思決定をすることの大切さを学ぶことが出来た。
・ 同じような悩みを抱えて訪問されていることがわかりよかった。
どのようにすればよかったと思いますか?
・具体的にグループワークの目的・進め方をいってもらわないと戸惑いがあり上手く進めていく
ことが出来ない。
・タイムスケジュールを先に出して欲しかった。
・ 精神についてだったので事例の後に先生の講義があったらよかったと思う。
(発表者と先生のディスカッションを先にしてもらうなど)
・ 精神科看護経験者を各グループ毎に配置して欲しかった。
・ 具体的な問題点がはっきりせず何を討論すればよいのかわかりづらかった。
3.
今回の事例検討会についてのご意見ご感想をお聞かせください。
・ グループワークでは他の多くのメンバーの方の貴重な意見も聞くことができてよかった。
・ 精神疾患での本人と家族へのアプローチ、理解の仕方等勉強になった。
・ 精神の訪問症例が増えると思うのでよかった。5名
・ 他部門の方も含めディスカッション出来、意見が聞けてよかった。
・ 40分のグループワークがあっという間だった。
・ 勉強になった。5名
・ 対応法について学べた。
・ 事例に関してさまざまな意見が聞けてよかった。
・ 林先生のお話はいつも勉強になります。
・ とても良かった皆前向きな検討をされていたと思う。
・ 難しいケースですが学べてよかった。
・ 訪問したら何かしなくては、ではなく寄り添うことや家族も観察していくことの大切さ、1
つの事に半年から1年かける時間の必要性など、とても勉強になった。
・ 難しいケースだったように思いますが多職種による連携を必然としているように思った。
・ 精神分野での事例検討が行なえてよかった。
・ 経験がなかったが実際訪問しているNSの体験談や意見が聞けた。
・ 障害者生活支援センターとのかかわりをされたことは今後の方向性にとっても役立つと思っ
た。
・ グループでの話し合いはためになる。
・ 小児を含む困難事例
・ 連携についての貴重な意見が多く聞けて勉強になった。
・ 精神は答えがすぐは出ないのでなかなか難しいです。検討内容を絞ると良い意見がでると思
う。
4. 現在他の専門部会・各ブロックでも研修会を実施し事例検討会の数も増えております。
今後の教育・リスク部での事例検討会をどのようにしたら良いか、ご意見をお聞かせください。
・ グループワークはやはり重要です。
・ ブロックごとに行なえば参加しやすいのでは。2名
・ 事例を通して実のあることとするために講義が入った事例検討をお願いしたい。
・ 毎年でなくても良いかと考えます。何年に1度でも良いかもしれません。
・ 事例を続けて欲しいです。2名
・ 事例検討はブロック毎に行い、教育・リスクでは他の研修を行なって欲しい。
< 当日の様子 >