(平成19年4月作成)(PDF:182KB)

ひとり1改革運動
「まねる」ことは最も効果的な改善です!
「『まねる』なんて…」と思っていませんか?
まねることは学ぶことにもつながるすばらしい改善の方法です。
皆がまねることで、よい事例の共有化が進み、生産性の向上にもつながります。
平成18年度の表彰事例から、共有化できそうな取組をまとめました。
○協働の事例
①森林パトロールサポートカーで不法投棄を未然防止(志太榛原農林事務所治山課)
*準グラ ンプリ・協働大賞受賞
「森林への不法投棄監視中」というステッカーを、地元の方々と農林
事務所発注工事の全ての契約業者の皆さんに配布しました。
ステッカーを社用車などに貼り、不法投棄を監視し、発見した場合は、
農林事務所に通報してもらいます。
この取組は県内に広まり、現在1,600台以上の車が「森林パトロール
サポートカー」として不法行為の未然防止に取り組んでいます。
○現在全ての農林事務所で取り組まれています。他の工事を発注する事務所でも取り組んで
みてはいかがですか?
○窓口応対の事例
②パスポート交付で耳の不自由な方に迅速応対(西部県民生活センター)
*心くばり特別賞受賞
耳の不自由な方が旅券窓口にいらっしゃった場合、その都度筆談など
で応対していましたが、お客様との意思疎通のために、説明・質問などを
記入した用紙をあらかじめ用意しておき、必要な項目を指で示すようにし
ました。
これにより、良好なコミュニケーションとスムーズな応対が可能になり、旅
券の交付までの時間も短縮しました。
③混雑する日曜日には旅券窓口を拡張(東部県民生活センター) *心くばり賞受賞 2台の旅券交付のコンピューター端末に対応して、窓口を2つ設けてい
ましたが、日曜日など交付件数の多い日には、交付端末1台を2つの窓
口で共有することにより、窓口を3つにしました。
これにより、お客様の待ち時間を短縮することができました。
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④県庁案内所で“ふじっぴー”が耳の不自由な方のご案内(企画部県民のこえ室) *心くばり賞受賞 県庁の案内カウンターには耳の不自由な方への設備がありませんでした。
他県での取組の情報を得て、「即実践」ということで、筆談用紙をカウンター
に設置して筆談で用件を伺い、担当部署にご案内することにしました。
「ふじっぴー」と「ちゃっぴー」のぬいぐるみが目印です。
○どれも窓口の応対で参考になるような事例ばかりです。自分の職場に合わせて、取り組んで
みてください。
○広報の事例
⑤地域住民に直接事前説明して工事の苦情激減(下田土木事務所工事第1課)
*情報発信大賞受賞
土木事務所が実施する街中の工事で、騒音などで迷惑をかける恐れが
ある住民の皆さんに対して、工事着手前に職員が直接資料を持参し、工
事の必要性や効果、工程等を説明するようにしました。また、地域の方々
が多く集まる商店などの協力を得て、店先に説明資料などを掲示しました。
事前説明を行った工事についてはこれまで1件も苦情を受けていません。
また1件当りの説明も数分程度と、さほど時間がかかっていません。
⑥作業看板に番号を表示して苦情対応を迅速化(浜松土木事務所維持調査課) *情報発信特別賞受賞 道路沿いでの緑花木管理作業は、箇所数が多く、おまけに移動しなが
らの作業であるため、苦情、問合せの箇所を特定するのに時間を要して
いました。
そこで各現場に番号を振り、その番号表示を目立たせた工事看板を配
置しました。苦情が寄せられてもすぐに現場を特定でき、苦情対応の迅速
化、事務時間の短縮につながりました。
○わかりやすく広報することで、苦情などへの対応がスムーズになった事例です。工事などの
広報の際に、参考にしてください。
○IT活用の事例
⑦特定疾患データベースで本庁と保健所が情報を共有(健康福祉部疾病対策室)
*IT活用特別賞受賞 特定疾患治療研究事業は、約1万8千名の患者さんを対象にしていま
すが、本庁担当室、保健所担当者が閲覧できるデータベースを作成し、
関係者間で情報を共有しました。これにより、問合せに対する速やかな
回答が可能になりました。
この他にも、患者さんの医療受給者証の交付事務を改善するなどして、
全体で年間約1,430時間の時間節約につながりました。
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⑧問合せ事例をホームページに掲載し相談時間を短縮(健康福祉部薬事室)
*IT活用賞受賞 製薬企業などから寄せられる許認可に関する相談に対し、実際の相
談事例に基づいたQ&Aをホームページに掲載しました。
これにより情報の周知が図られ、回答に要する時間が大きく短縮し、
年間約670時間の時間節約が見込まれます。
⑨設計図面製本方法をCAD活用にかえる(島田土木事務所川根支所)
*やめる・へらす・かえる賞受賞 設計図面は、パソコンによる図面作成(CAD)に変わってきていますが、
設計書添付の図面は青焼き図面のままで、電子化のメリットが活かされ
ていませんでした。
そこで必要な図面のみ青焼きとし、その他については事務所のプリン
ターでの打ち出しで可としました。これにより、年間400万円の経費削減
と100時間の時間節約につながりました。
○本庁と出先機関の情報の共有化やホームページによる情報発信など、ITをうまく活用すれば
大幅な事務時間の節約や県民サービスの向上につながります。事例を参考に、工夫してみて
ください。
○環境配慮の事例
⑩パソコンの低電力モードの強制設定で待機電力削減(静岡県立大学事務局総務課)
*環境賞受賞
パソコンの電力管理は、大半がスクリーンセイバーの設定のみでしたが、
「モニタの電源を切る」「システムスタンバイ」等の低電力モードの設定を
徹底しました。
事務局の約100台分で、3,750kWh(CO2に換算すると1,418kg)の電気
使用量の削減につながりました。
⑪コピー機のスキャナ機能を利用してペーパーレス化(環境森林部環境森林管理室)
*環境賞受賞 紙で保存する必要のない、身の回りの様々な文書について、コピー機の
スキャナ機能を利用し、電子データとして保存することにしました。
これにより、年間約1,000枚のコピー枚数削減が可能になりました。
○エネルギー、コピー用紙などの無駄を省くことも、事務改善では重要なテーマです。環境の
ことも考えて、取り組んでみてください。
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○事務改善の事例
⑫現場監督業務を当番者が一括して行う方法に思い切ってかえる(浜松土木事務所都市計画課)
*思い切ってかえる大賞受賞
遠州鉄道の高架事業は、10工区を監督員10人が分担し、昼間は現場
に出て、夜は事務処理という状況でした。
そこで、現場監督指名打者制(曜日ごとの当番者1人が全ての現場を一
括して見て回る方法)を実施しました。これだと当番者以外の9人は、日中
に事務ができます。鉄道高架事業のように連続した現場ならではのアイ
デアです。
これにより係の時間外勤務が1,850時間から850時間に減少し、休暇日
数は4割増加しました。
⑬スキルアップ・ミーティングでひとり1改革運動もパワーアップ(熱海土木事務所)
*取組努力賞
毎週の課長会の後で、職員が順番に日頃の業務の課題・疑問などにつ
いて発表する「スキルアップ・ミーティング」を実施しています。
担当の上司以外からのア ドバイスが受けられ、課題の共有、問題意識・
コミュニケーションの向上につながります。
ひとり1改革運動も、各課まんべんなく取組成果を報告するようになり、
件数も増加しています。
⑭介護福祉士修学資金の請求書をやめ る(健康福祉部人材養成室)
*やめる・へらす・かえる賞受賞 介護福祉士の学校養成所などに在学する方に、修学資金を貸与して
いますが、これまでは支払の都度、請求書の提出を求めていました。
これを財務規則に定められた請求書省略の指定を受けることで、請求
書が省略できるよう改善しました。請求者の負担が減るとともに、事務の
効率化にもつながります。
⑮経営基盤強化資金融資の審査方法をチェックリストでかえる(富士農林事務所企画経営課)
*やめる・へらす・かえる賞受賞
酪農農家などが金融機関から借り入れる農業経営基盤強化資金は、
県、市町、金融機関がそれぞれ審査を行っていましたが、チェックリス
トを作成し、各機関で審査を分担する方法に改めました。
これにより審査に要する時間が年間6,500分短縮されるとともに、農
家に対してもより迅速な融資が可能になりました。
⑯合意形成のために関係者を一同に集める会議にかえる(焼津漁港管理事務所工務課)
*やめる・へらす・かえる賞受賞
浜当目海岸は、瀬戸川からの砂の供給でできた海岸で、海水浴場や
優良な漁場と隣接していますが、浸食により砂浜が減少していました。
島田土木事務所が行う瀬戸川の浚渫土を使って砂の補充を企画しま
したが、土木事務所、海水浴場管理者(焼津市)、工事の騒音を心配す
る地元町内会、水の濁りを心配する漁協など関係者を一同に集めた現
場説明会を行い、「子供達の海水浴に間に合わせたい」を合言葉にして、
関係者の合意を得ました。
○多くの所属で応用可能な、事務改善のヒントが詰まっています。自分のところで取り組める
ものがないか、探してみてください。
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