実行プログラムの策定から 実施、評価、改善までの流れについて

資料3−1
「人権の視点!100!」実行プログラムの策定から
実施、評価、改善までの流れについて
実行プログラムは、各所属において年度ごとにPDCAサイクルに基づいた自己
点検・評価を行う仕組みを採用しています。
そこで、ここでは、PDCAサイクルによる自己点検・評価のねらいと年間を通
じた実行プログラムの策定から実施、評価、改善までの流れについて、解説してい
くこととします。
(1)PDCAサイクルによる自己点検・評価のねらいとは
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実施)、Check(評価)、
Act(改善)という4つの段階を繰り返し行い、継続的に業務改善を行ってい
く手法で、それぞれの頭文字をとってPDCAサイクルと呼ばれています。
①Plan(計画)
実行プログラムの策定
↓
②Do(実施)
実行プログラムによる取組みの実施
↓
③Check(評価) 実行プログラムによる取組みの自己点検・評価
↓
④Act(改善)
自己点検・評価結果を次の実行プログラムの策定等に反映
各所属では、上記①から④までの流れを毎年度、繰り返し行うことになりま
す。
このPDCAサイクルを採用したねらいは、取組みを継続的に行うことで、
人権尊重の視点からの行政運営という考え方を所属内に浸透させること、そし
て、この考え方を日常業務の改善や見直しにつなげることにあります。
また、自己点検・評価することのねらいは、所属自らが取組みを振り返りな
がら、新たな気づきを得て自主的に次の課題の解決に向けて組織的に取り組ん
でいく姿勢を最大限尊重することにあります。
①Plan
実行プログラムの
策定
④Act
②Do
実行プログラムの
実行プログラムの
改善
実施
③Check
実行プログラムの
点検・評価
1
(2)実行プログラムの取組みの流れ
年間における実行プログラムの取組みの流れを図で表すとおおむね次のとお
りとなります。
所属人権行政推進委員会事務局
大阪市人権行政推進本部事務局
(所属事務局)
(本部事務局)
①実行プログラムの策定
計
②策定シートの完成(様式1)
提供
③策定シートのとりまとめ
画
④人権施策推進審議会等で報告
⑤取組みの開始
実
⑥進捗状況の把握
施
⑦進捗状況を評価シート
提供
へ記入(様式2)
評
⑧進捗状況を記入した評価シート
のとりまとめ
⑨実行プログラムの評価・分析
⑩改善方法の検討・共有
価
・
⑪評価シートの完成(様式2)
提供
⑫評価シートのとりまとめ
改
実行プログラムの策定⇒①へ
善
2
⑬人権施策推進審議会等で報告
「人権の視点!100!」実行プログラムの評価及び策定のスケジュール
平成
27年
平成26年度
実行プログラム
平成27年度
実行プログラム
①平成27年度実行プログラムの策定
(本部事務局→所属事務局)
平
成
26
2月
年
度
実
行
第2回各所属人権行政推進委員会事務局担当者会議
プ
平成27年3月頃開催予定
ロ
グ
ラ
第2回大阪市人権行政推進本部幹事会議
ム
平成27年3月頃開催予定
の
実
3月 ⑨実行プログラムの評価・分析
施
※前年度評価を踏まえた改善
(所属事務局)
②策定シートの完成
(所属事務局)
⑩改善方法の検討・共有
(所属事務局)
平
成
27
年
度
実
行
プ
ロ
グ
ラ
ム
の
策
定
⑤取組みの開始
(所属事務局)
⑪評価シートの完成
(所属事務局)
4月
⑫評価シートのとりまとめ
(本部事務局)
③策定シートのとりまとめ
(本部事務局)
⑬人権施策推進審議会等で報告
(本部事務局)
④人権施策推進審議会等で報告
(本部事務局)
5月
以降
第31回大阪市人権施策推進審議会
3
平
成
27
年
度
実
行
プ
ロ
グ
ラ
ム
の
実
施
記入例
様式1
大阪市人権行政推進計画∼人権ナビゲーション∼に基づく
「人権の視点!100!」実行プログラム策定シート
○○区
取組方針
1 基本姿勢
ひとにやさしいまち○○区の実現
2 具体的取組みの方向性
庁内のあらゆるバリアを取り除き、だれもが快適に利用できる区役所づくりに向けた取組みを推進
平成○○年○○月○○日現在
①実施年度
平成
○○
年度
②担当課名(担当者名)
③電話番号
○○課(○○)
○○○○−○○○○
実行プログラム(人権尊重の視点からの行政運営を推進するための取組み)について
④プログラムの名称
「みんなに伝えたい!」∼ユニバーサルデザインを採用した情報発信∼
○○区で発行する広報印刷物について、ユニバーサルデザインを採用し、
⑤プログラムのねらい
見づらさ・読みづらさといったバリアを取り除くことで、すべての人にやさ
しい情報発信を行うことをねらいとする。
実施者:広報印刷物を作成する課
対象者:すべての市民
⑥プログラムの概要(実施
対
象:○○区で発行する広報印刷物
者、対象者、場所、時
期
間:4月∼3月
期、内容など)
内
容:すべての広報印刷物を作成する際にはだれにでも見やすくわかりや
すい文字として考えられたユニバーサルデザインフォントの使用と
色覚障害のある人に配慮した色使いに改良していく。
⑦行動(行為)目標
⑧期待できる効果
○○区で発行する広報印刷物へのユニバーサルデザイン採用率(100%)
「広報印刷物が昨年と比べて見やすい」と感じた区民の割合
(「今年のものの方が見やすい」70%:区民モニターアンケート)
4
⑨前年度又は策定時点に
おいて実施中の実行プ
ログラムの評価を踏ま
えて改善させたところ
前年度は取組みの中心となる課が主体となって取り組んでいたため、他課と
のかかわりが少なかった。今年度は実行プログラムを所属全体に浸透させて
いくためにも、限られた担当課だけが取り組めるものではなく、所属全体と
して取り組めるものに改善したところ。
⑩実施スケジュール(予定)
4月
上
5月
半
期
6月∼9月
10月
プログラムの周知(第1回人権行政推進委員会の開催、庁内ポータルへの掲
載、職員周知メールの送信、周知ポスターの掲示)
説明会の開催(2回)
各課において広報印刷物の作成(仕様書の作成・発注・納品)
進捗状況の把握
下
半
10月∼2月
各課において広報印刷物の作成(仕様書の作成・発注・納品)
期
3月
⑪実施により強化できる
プログラムの評価(第2回人権行政推進委員会の開催)
伝える
聴く・知る
備える
支える
つながる
務める
(情報公開・広報)
(広聴)
(環境整備)
(行政サービス)
(協働)
(事業者としての責任)
「人権の視点!100!」
の項目
⑫上記の項目の強化につ
ユニバーサルデザインの採用により、年齢や障害のあるなしにかかわらず、
ながると考える改善や
すべての人にとって、見やすい・読みやすい広報印刷物に改善する点が「伝
工夫
える」の強化につながると考える。
⑬その他(所属の業務実
態や特性にあわせて独
自の工夫を行っていると
ころなど)
市民向けの周知ポスターや広報紙の誌面に、ユニバーサルデザインを採用し
ている旨の内容を掲載することで、人権尊重の視点に配慮した○○区の取組
みを周知するとともに、ユニバーサルデザインの普及にもつなげるところ。
5
様式2
記入例
大阪市人権行政推進計画∼人権ナビゲーション∼に基づく
「人権の視点!100!」実行プログラム評価シート
○○区
平成○○年○○月○○日現在
①実施年度
平成
○○
②担当課名(担当者名)
③電話番号
○○課(○○)
○○○○−○○○○
年度
実行プログラム(人権尊重の視点からの行政運営を推進するための取組み)について
④プログラムの名称
「みんなに伝えたい!」∼ユニバーサルデザインを採用した情報発信∼
策定時(当初目標)
実施結果(実施後)
実施者:広報印刷物を作成する課
実施者:広報印刷物を作成する課
対象者:すべての市民
対象者:すべての市民
対
象:○○区で発行する広報印刷物
対
象:○○区で発行する広報印刷物
⑤プログラムの概要(実施者、
期
間:4月∼3月
期
間:5月∼3月
対象者、場所、時期、内容な
内
容:すべての広報印刷物を作成する際
内
容:すべての広報印刷物を作成する際
ど)
⑥行動(行為)目標/
行動(行為)実績
にはだれにでも見やすくわかりや
にはだれにでも見やすくわかりや
すい文字として考えられたユニバ
すい文字として考えられたユニバ
ーサルデザインフォントの使用と
ーサルデザインフォントの使用と
色覚障害のある人に配慮した色使
色覚障害のある人に配慮した色使
いに改良していく。
いに改良していく。
○○区で発行する広報印刷物へのユニバー
○○区で発行する広報印刷物へのユニバー
サルデザイン採用率(100%)
サルデザイン採用率(90%、9 件/10 件)
「広報印刷物が昨年と比べて見やすい」と
「広報印刷物が昨年と比べて見やすい」と
感じた区民の割合(
「今年のものの方が見や
感じた区民の割合(
「今年のものの方が見や
すい」70%:区民モニターアンケート)
すい」75%:区民モニターアンケート)
⑦期待していた効果/
実施後に判明した効果
⑧実施経過 ※策定時の実施スケジュールは記入しないでください。
プログラムの周知(第1回人権行政推進委員会の開催、庁内ポータルへの掲
5月
載、職員周知メールの送信、周知ポスターの掲示)
上
6月
説明会の開催(2回)
半
期
7月∼9月
10月
各課において広報印刷物の作成(仕様書の作成・発注・納品)
進捗状況の把握
下
半
10月∼2月
各課において広報印刷物の作成(仕様書の作成・発注・納品)
期
3月
プログラムの評価(第2回人権行政推進委員会の開催)
6
・ユニバーサルデザインフォントの文字が見やすいと感じた。(市民)
⑨市民・職員からの意見・感想
・少しの改善で人権尊重の視点に配慮した取組みとなることに気づいたので、他の業務に取り組む
など
際にも、この考え方を積極的に取り入れていきたいと思った。(職員)
聴く・知る
備える
支える
つながる
務める
(広聴)
(環境整備)
(行政サービス)
(協働)
(事業者としての責任)
策定時
⑩実施により強化できた
伝える
(情報公開・広報)
「人権の視点!100!」
実施後
の項目
ユニバーサルデザインフォントの採用率は、当初目標の 100%に達しなかったものの、おおむね
⑪策定時と実施後の評価を比
予定どおりにプログラムに取り組むことができた点で、「伝える」を強化ができたと考える。
較して上記のように分析した
また、すべての人の立場に立ち、見づらさ・読みづらさを改善した点は、情報の受け手の立場に
理由
立ったサービスを提供するという点で「支える」の強化につながったと考える。
⑫項目別評価 ※該当項目の□を■にしてください。
以下は、「人権の視点!100!」を踏まえた事業や取組みとして、「人権尊重の視点からの行政運営」を推進するためのものとなっていたかという点で、
取 組 み内 容
□優れた取組み例になっていた
■取組み例としては一般的であった
□取組み例というレベルには達しなかった
以下は、人権尊重の視点からの課題の解決、行政運営の実現にあたり、達成目標が明確であり、その効果が広く市民サービスの向上等に効果があったかという点で、
効 果 の程 度
□期待していた以上の効果があった
■期待していたとおりの効果があった
□期待していたより効果が少なかった
以下は、策定した実行プログラムを遂行できる推進体制、進捗管理及び成果の検証方法が確立できていたかという点で、
推 進 体 制
■しっかりとした体制で推進できた
□遂行に支障のない程度の推進体制だった
□推進体制としては弱かった
以下は、取組みの進捗状況や成果が、市民や職員にわかりやすく伝わったかという点で、
わかりやすさ
□とてもわかりやすく伝わった
■おおむねわかりやすく伝わった
□わかりやすくというレベルには達しなかった
以下は、取組み結果が特定の市民に有効なものではなく、検証や改善により幅広い市民や他の所属でも普及又は応用が可能なものであったかという点で、
普
及
性
■幅広く市民や他の所属でも普及又は応用できる
□所属内の他の業務には普及又は応用できる
□所属内の特定業務に限られる
以下は、取組みのためにかかった費用又は職員の時間や負担に対して明確な効果があったかという点で、
費 用 対 効 果
□期待していた以上の効果があった
■期待していたとおりの効果があった
□期待していたより効果が少なかった
評価の総括 ※所属人権行政推進委員会として記入してください。
⑬ 実行プログラム全体を通
して「人権尊重の視点」か
ら評価できるところ
・広報印刷物を作成する際に、すべての人にとって、見やすい・読みやすいユニバーサルデザインフ
ォントを採用した。
・視覚障害のある人に配慮した色使いとした。
・所属内での周知が徹底できていなかったために、採用率 100%の当初目標を達成できなかった。
⑭実行プログラム全体を通して
・広報印刷物に限らず、庁内の案内板等の作成に際してもユニバーサルデザインを採用することは可
の反省点
能であったため、プログラムの途中からでも対象を広げて取り組めば良かった。
⑮今回の評価結果を踏まえて
所属の業務又は次期実行プ
ログラムを改善するところ
・取組内容を確実に実行できているかをチェックする体制を整えることで、すべての担当で徹底され
るよう改善する。
・今回の取組みは市民から好意的な反応が多かったので、広報印刷物以外にも拡大していきたい。
⑯人 権 行 政 推 進 委 員 会
・今回の取組みについて、市民からの好意的な反応が多かったことは高く評価できると考えている。
委 員 長 (所 属 長 )の
今後も常に情報の受け手の立場に立った情報発信となるよう職員の意識改革に取り組んでいきた
コメント
い。
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