学校法人 大東文化学園 平成27年度 事業計画書 DAITO VISION 2015 2015 年 2 月 25 日 理事会承認 目次 平成 27 年度(2015) 学校法人大東文化学園 基本方針・行動計画 ..........................................1 法人の概要 ............................................................................................................................2 Ⅰ 1.設置する学校の入学・総定員 ..............................................................................................2 2.入学者数 .................................................................................................................................3 3. 平成 27 年度学費について ......................................................................................................3 4.専任職員数 .............................................................................................................................4 5.理事・監事・評議員数 ...........................................................................................................4 平成 27 (2015) 年度 学校法人大東文化学園 基本方針 ················································ 5 各設置校および学園の事業計画 ············································································ 6 Ⅱ ○大東文化大学 ······································································································· 6 1.100 周年の大学像に向けた戦略的課題 ─ DAITO VISION 2023 を実現し、活気ある大学づくりに 邁進する ············································································································· 6 (1)学部・学科再編の具体化 ···················································································· 6 (2)大学財政の在り方の改革 ···················································································· 6 (3)新キャンパス構想の検討 ···················································································· 6 (4)大学ガバナンスの改善 ······················································································· 7 (5)魅力ある大学像の発信力強化と志願者の拡大························································· 7 2. 「教育の大東」の実現 ─ グローバルな視野・教養・語学力を持つ人間の育成、「主体的な学び」 の創造 ················································································································ 7 (1)「主体的な学び」と参加型・問題解決型学習の強化················································ 7 (2)語学教育の強化 ································································································ 8 (3)GPAの導入と組織的な学習支援の強化 ······························································· 9 (4)図書館のラーニング・コモンズ化のいっそうの推進·············································· 10 (5)教職課程センターの発足 ·················································································· 10 (6)全学カリキュラムの共通化・柔軟化・スリム化の検討··········································· 10 3.学生支援 ─ 自主・参加・共同の豊かな学生生活の支援 ········································· 11 (1)新教学システムによる Web 履修と学習支援の推進················································· 11 (2)奨学金・授業料減免制度の充実と経済的な支援の強化··········································· 12 (3)障がい学生などさまざまなニーズを持つ学生支援の充実········································ 12 (4)進路(キャリア)支援の強化 ············································································ 13 (5)スポーツ・文化活動の支援の強化 ······································································ 13 4.研究力の強化 ─ 「知の共同体」と高度な研究の創造 ············································ 14 (1)外部資金獲得と研究費の効率的配分 ··································································· 14 (2)研究所の再編による研究体制の強化 ··································································· 14 5.国際化戦略の構築と推進 ─「アジアから世界へ」・国際ネットワークの強化 ·············· 14 (1)交流協定校との関係の強化 ··············································································· 15 (2)ダブル・ディグリー制度など国際ネットワークの強化··········································· 15 (3)受け入れ留学生の増加 ····················································································· 15 (4)日本人学生の派遣留学の強化 ············································································ 15 (5)留学生の就職活動支援 ····················································································· 16 6.地域連携と社会貢献活動 ― 地域と連携・共同し、社会に貢献する ·························· 16 (1)生涯学習講座の充実と自治体生涯学習への支援···················································· 16 (2)学生のボランティア活動の支援、活動の単位化···················································· 16 (3)自治体との協働の促進と地域への還元 ································································ 17 (4)企業(特に中小企業)との連携の強化 ································································ 17 ○大東文化大学第一高等学校 ··················································································· 19 ○大東文化大学附属青桐幼稚園 ················································································ 22 ○大東文化学園 ····································································································· 24 Ⅲ 予算の概要 ····································································································· 28 平成 27 年度(2015) 学校法人大東文化学園 基本方針・行動計画 基本方針 教育改革をめぐる近年の様々な議論を経て、日本の教育制度は大きな転換期を迎えつつあると言われています。 創立100周年を控える大東文化学園は、この教育改革の流れの中で果たすべき大きな使命をしっかりと認識し、 この潮流が向かう先を正しく読み取りつつ、本学の歴史と伝統を踏まえた目標を掲げていかなければなりません。 本学園は、社会の尐子化がさらに加速していく中、これまで以上に精緻な実行計画のもとで学園運営にあたり、 盤石な経営基盤、運営体制を確保し、教育制度の諸々の変化にも耐えうる体質の強化に努めるべく、平成27(2 015)年度の基本方針を以下のとおり定め、法人ならびに各設置校の具体性と機動性のある効果的な運営に資 することとします。 2.教育の質保証と研究力の強化 「教育の大東」を推し進めるため、学生・生徒・園児に対する教育の質保証を追求します。また、大学は教 育の基盤となる研究力を高めるための環境整備を行い、「知の共同体」として地域と社会の要請に応えます。 3.地域と世界に貢献する人材の育成 グローバルな視野と教養を持ち、地域社会と世界の発展に貢献できる「ひと」を育てます。 4.Daito Global 戦略の推進 アジアから世界へ ― 「知」のアジアン・プラットフォームの創成を目指し、諸施策の実現を図ります。 1.100 周年を展望する大東文化ブランドの構築 社会の変化を踏まえつつ、大学・高校・幼稚園それぞれが本学の歴史と伝統に根ざす個性と独自性を持った教育 機関として、大東文化ブランドを構築します。 大 東 文 化 大 学 大東文化大学第一高等学校 大東文化大学附属青桐幼稚園 行動計画 行動計画 行動計画 1.教員の資質向上を図る (1) 教員対象、特に若手・中堅を対象とした研修、 外部研修会への参加 (2) 課外活動指導者の充実 (3) 先進的な他校の指導実態の研究の推進 1.100 周年を展望する大東文化ブランドの構築 (1) 知育・徳育・体育のバランスのとれた人格形 成を主眼に置いた特色ある教育の推進 1.100 周年の大学像に向けた戦略的課題 ― DAITO VISION 2023 を実現し、活気ある大学づくりに邁進する (1) (2) (3) (4) (5) 学部・学科再編の具体化 大学財政の在り方の改革 新キャンパス構想の検討 大学ガバナンスの改善 魅力ある大学像の発信力強化と志願者の拡大 1 2.「教育の大東」の実現 ― グローバルな視野・教養・語学力 を持つ人間の育成、 「主体的な学び」の創造 (1) (2) (3) (4) (5) (6) 5.改革を推し進めるガバナンス体制の強化 各政策を円滑に実現するための学内改革を推進し、ガバナンス体制の強化を図り、意思決定の迅速化、計画 の実行力を高めます。 「主体的な学び」と参加型・問題解決型学習の強化 語学教育の強化 GPAの導入と組織的な学習支援の強化 図書館のラーニング・コモンズ化のいっそうの推進 教職課程センターの発足 全学カリキュラムの共通化・柔軟化・スリム化の検討 ―「教育の大東」を実現する主体となる教学マネジメント体制の構築 3.学生支援 ― 自主・参加・共同の豊かな学生生活の支援 (1) 新教学システムによるWeb履修と学習支援の推進 (2) 奨学金・授業料減免制度の充実と経済的な支援の強化 (3) 障がい学生などさまざまなニーズを持つ学生支援の充実 (4) 進路(キャリア)支援の強化 (5) スポーツ・文化活動の支援の強化 4.研究力の強化 ―「知の共同体」と高度な研究の創造 (1) 外部資金獲得と研究費の効率的配分 (2) 研究所の再編による研究体制の強化 5.国際化戦略の構築と推進 ―「アジアから世界へ」・国際ネッ トワークの強化 (1) (2) (3) (4) (5) 交流協定校との関係の強化 ダブル・ディグリー制度など国際ネットワークの強化 受け入れ留学生の増加 日本人学生の派遣留学の強化 留学生の就職活動支援 6.地域連携と社会貢献活動 ― 地域と連携・共同し、社会に 貢献する (1) (2) (3) (4) 生涯学習講座の充実と自治体生涯学習への支援 学生のボランティア活動の支援、活動の単位化 自治体との協働の促進と地域への還元 企業(特に中小企業)との連携の強化 3.国際理解教育のいっそうの推進 (1) 提携校との交流の拡大、クラブ活動での交流 の検討 (2)修学旅行先の再検討 3.教育研究とその支援体制の再構築 (1) 教職員の各種研修会への参加 (2) 子ども子育て支援新制度の検証 4.経営基盤の要となる財政の確立 (1) 園児確保の為の未就園児教室(つぼみ組・す くすく教室)の充実 (2) 預かり保育の充実による家庭の支援 (3)ホームページの改善 4.カリキュラムの見直し、検討 (1) 「総合的な学習の時間」の見直しと充実 5.教育施設の整備と充実 (1) 普通教室の確保 (2)学園全体と連動した防災・防犯対策 法人事務局 1.100 周年を展望する大東文化ブランドの構築 (1) 情報発信力と戦略的広報活動の強化 (2) 新キャンパス構想への計画推進 (3) 認証評価 2016(平成 28)年度申請に向けた体制支援 (4) 100 周年に向けた組織的取組みの計画立案 (5)幼稚園専任教諭の段階的採用 2. 志願者拡大を意識した進路指導と入試広報 の連携 (1) 理系進学指導の充実と理系志望者の拡大を 図る (2) 難関私大への合格実績のいっそうの向上を図る (3) 尐人数・個別指導の推進 (4) 英語運用能力の向上を図る指導の研究 2. 「ひとを育てる教育の大東」の実現 (1) 漢字・英語・唐詩・書道・体操教育の推進 (2) 英語・国語・算数・絵画・サッカー・体操・ バレエ等課外教室の充実 行動計画 2.教学組織を支えるガバナンス体制の強化 (1) 教学行動計画を支えるための理事会の機能強化 (2) 教職協働プロジェクトの更なる促進 (3) 教学ガバナンスの改革支援 (4) コンプライアンスマネジメントの周知と充実 3.教学改革推進のための財政基盤の確立 (1) 中長期財政計画の策定 (2) 帰属収入増の促進対策への取り組み (3) 教育改革と予算編成方針及び執行方法の見直し Ⅰ 法人の概要 1.設置する学校の入学・総定員 平成27年度における各学校の入学・総定員は次の通りです。 大東文化大学 学 部・学 科 入学定員 学部 合計 外国語学部 10,360 10,360 0 2,200 2,200 0 日本文学科 150 600 600 0 中国学科 100 400 400 0 英米文学科 130 520 520 0 教育学科 110 440 440 0 書道学科 60 240 240 0 計 390 1,560 1,560 0 中国語学科 100 400 400 0 英語学科 230 920 920 0 60 240 240 0 360 1,440 1,440 0 社会経済学科 200 800 800 0 現代経済学科 160 640 640 0 計 経営学部 法学部 国際関係学部 環境創造学部 スポーツ・健康科学部 増減理由等 550 日本語学科 経済学部 総定員 増 減 2,590 計 文学部 前年度 総定員 総定員 計 350 1,400 1,400 0 経営学科 200 800 800 0 企業システム学科 150 600 600 0 計 375 1,500 1,500 0 法律学科 225 900 900 0 政治学科 150 600 600 0 計 200 800 800 0 国際関係学科 100 400 400 0 国際文化学科 100 400 400 0 環境創造学科 165 660 660 0 計 200 800 800 0 スポーツ科学科 100 400 400 0 健康科学科 100 400 400 0 大学院 合計 159 441 481 △ 40 文学研究科 43 97 97 0 経済学研究科 15 35 35 0 法学研究科 26 61 61 0 外国語学研究科 29 67 67 0 アジア地域研究科 16 36 36 0 経営学研究科 20 45 45 0 スポーツ・健康科学研究科 10 20 20 0 法務研究科 0 80 120 専攻科 0 0 0 △ 40 平成27年度より募集停止 0 全専攻募集停止 高校・幼稚園 学 校 別 大東文化大学第一高等学校 大東文化大学附属青桐幼稚園 入学定員 総定員 前年度 総定員 総定員 増 減 増減理由等 350 1,050 1,050 0 ※(70) 200 200 0 ※年中・年長の欠員補充を含む 2 2.入学者数 平成27年度入学者の受入にあたっては、確保の目安を次の通りとします。 学 校 別 受入数目安 学 部 大学院 専攻科 大東文化大学第一高等学校 大東文化大学附属青桐幼稚園 大東文化大学 学科毎に入学定員の1.17倍 入学定員数 募集停止 入学定員数 90名以上95名以内 3.平成27年度学費について 大学学部生授業料等については、平成27年度入学生より次の通り改定します。平成26年度以前入学の 学部生と大学院(法務研究科含む)、高校、幼稚園の授業料等は据え置きとします。 ただし、環境創造学部の実習費の改定(廃止)については、平成26年度以前入学生にも適用します。 (単位:円) 学 部 入学金 授業料 教育充実費 実習費 合 計 文学部(教育・書道学科以 外) 693,000 246,000 - 1,189,000 文学部(教育学科) 693,000 270,000 - 1,213,000 文学部(書道学科) 855,000 外国語学部 693,000 - 1,189,000 経済学部 683,000 - 1,179,000 683,000 - 1,179,000 - 1,179,000 経営学部 250,000 80,000 246,000 1,431,000 法学部 683,000 国際関係学部 693,000 - 1,189,000 環境創造学部 733,000 - 1,229,000 スポーツ・健康科学部 (スポーツ科学科) スポーツ・健康科学部 (健康科学科) 835,000 50,000 1,381,000 995,000 250,000 1,741,000 3 4.専任職員数 教育職員 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 予定数 大 学 高 校 幼稚園 371 48 13 369 47 14 364 47 14 363 47 12 364 47 15 医 専 9 - - - - 439 430 425 422 426 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 予定数 計 事務職員等 大 学 191 189 188 194 189 高 校 3 3 3 4 3 幼稚園 1 1 1 1 1 医 専 2計 197 193 192 199 193 ※平成27年度予定数は、1月現在の採用計画人数による。 ※大学教育職員には、特任、客員、助教、特任実験助手を含む。 高校教育職員には契約専任実習助手、嘱託講師を、幼稚園教育職員には契約教諭を含む。 事務職員等には、事務職員、医療職員(看護師)を含む。 法人事務職員は大学に含む。 ※過年度の人数は各年5月1日現在 5.理事・監事・評議員数 定数 役 員 評 議 員 理事 監事 平成27年 備 考 2月現在 22 22 理事長:(定数1、現員1) 3 3 常務理事: 47 46 4 平成 27 (2015) 年度 学校法人大東文化学園 基本方針 基本方針 教育改革をめぐる近年の様々な議論を経て、日本の教育制度は大きな転換期を 迎えつつあると言われています。 創立 100 周年を控える大東文化学園は、この教育改革の流れの中で果たすべき 大きな使命をしっかりと認識し、この潮流が向かう先を正しく読み取りつつ、本 学の歴史と伝統を踏まえた目標を掲げていかなければなりません。 本学園は、社会の尐子化がさらに加速していくなか、これまで以上に精緻な実行 計画のもとで学園運営にあたり、盤石な経営基盤、運営体制を確保し、教育制度 の諸々の変化にも耐えうる体質の強化に努めるべく、平成 27(2015)年度の基本 方針を以下のとおり定め、法人ならびに各設置校の具体性と機動性のある効果的 な運営に資することとします。 1.100 周年を展望する大東文化ブランドの構築 社会の変化を踏まえつつ、大学・高校・幼稚園それぞれが本学の歴史と伝統に 根ざす個性と独自性を持った教育機関として、大東文化ブランドを構築します。 2.教育の質保証と研究力の強化 「教育の大東」を推し進めるため、学生・生徒・園児に対する教育の質保証を追 求します。また、大学は教育の基盤となる研究力を高めるための環境整備を行い、 「知の共同体」として地域と社会の要請に応えます。 3.地域と世界に貢献する人材の育成 グローバルな視野と教養を持ち、地域社会と世界の発展に貢献できる「ひと」を 育てます。 4.Daito Global 戦略の推進 アジアから世界へ ― 「知」のアジアン・プラットフォームの創成を目指し、諸 施策の実現を図ります。 5.改革を推し進めるガバナンス体制の強化 各政策を円滑に実現するための学内改革を推進し、ガバナンス体制の強化を図り、 意思決定の迅速化、計画の実行力を高めます。 5 Ⅱ 各設置校および学園の事業計画 ○大東文化大学 1.100 周年の大学像に向けた戦略的課題 ─ DAITO VISION 2023 を実現し、活気ある大学づくりに 邁進する 平成 26 年 2 月、創立 100 周年となる 2023 年度に向け、大学の総合的な中期計画『大東文化 大学将来基本計画 DAITO VISION 2023』 (以下『DAITO VISION 2023』という)を策定しました。 初年度である平成 26 年度には、計画の実現に向けた取り組みや諸施策の検討を開始しました。 平成 27 年度は計画の 2 年目として、引き続き各施策の検討・実現のための体制を整え、着実な 実現を推進します。 (1)学部・学科再編の具体化 学部・学科の再編は、 『DAITO VISION 2023』の第 5 章「百周年の大東文化大学像」にも挙げ られている重要な課題です。現状において複数の学科が、社会情勢の変化などに起因する学生 募集の課題を抱えています。今後の 18 歳人口の減尐と大学進学率の動向を踏まえ、大学全体と して持続可能な組織となるために、より社会のニーズに即応した学部学科の再編や新学部学科 の設置についての検討を進めます。平成 27 年度は再編の具体案を示し、再編に伴う学部の運営 に係る調整、手続きを行います。 経営学部は、経営学科、企業システム学科の 2 学科による学科構成から、1 学部 1 学科とす る改編を決議しました。学科内コース制を取り入れた教育内容の発展的改革を行います。平成 27 年度は改編に関する行政手続きを進め、平成 28 年度の改編を目指します。 (2)大学財政の在り方の改革 学長のリーダーシップによる全学的事業の推進や、重点課題へのメリハリある予算配分、学 生数や授業料に応じた適正な教育研究経費の積算など、現行の大学予算のあり方を見直し、限 られた財源を有効に活用していくための大学予算の新たな仕組みを検討します。学園が進める 中長期財政計画の検討と歩調をあわせ、各学部学科の収支バランスを確認するとともに全学的 な共通経費の妥当性についても検証します。 (3)新キャンパス構想の検討 新キャンパス構想は、 『DAITO VISION 2023』第 5 章の「百周年の大東文化大学像」のなかで、 学部学科再編と教員定数の見直しを前提に、都心の新たなキャンパスを取得する意向が示され ています。現在は、8 学部中 6 学部において 1、2 年次と 3、4 年次でキャンパスが分散した状 態にありますが、そのことが学生の満足度を下げている一因ともなっていることから、新キャ ンパス構想は、同一学部同一キャンパスの 4 年間一貫教育の実現を念頭に置いて、段階的に施 策を検討します。 平成 27 年度は、学部学科再編の検討状況を踏まえつつ、多面的な情報収集を行い、都心展開、 新キャンパス構想の可能性を探ります。 6 (4)大学ガバナンスの改善 学校教育法等の一部改正が、平成 26 年 6 月に公布、平成 27 年 4 月より施行されることとな りました。この改正は、副学長権限や教授会の役割を明確化することにより、学長のリーダー シップおよび大学としてのガバナンス体制を強化することを目的としたものです。 この改正を受けて、平成 26 年 11 月に大学ガバナンス検討委員会を設置し、本学のガバナン ス体制の検証と必要とされる規程改正等の手続きを進めました。平成 27 年度以降も、戦略的な 大学運営を推進するためのガバナンス体制の確立に向け、引き続き検討を重ねます。 (5)魅力ある大学像の発信力強化と志願者の拡大 創立 100 周年に向け、 『DAITO VISION 2023』で掲げる新しい大学の理念「アジアから世界へ ――多文化共生を目指す新しい価値の不断の創造」を推進する教育改革や、これまで発信して きた「大東文化ブランド」をさらに強化するさまざまな教育研究活動を、多様なメディア、広 報を通じて発信します。 ≪学生募集の広報と志願者の拡大≫ 学生募集の広報については、特に新しいカリキュラムを導入する学部学科や入試制度の内容 などを中心に、積極的かつ効果的な広報活動を行い、志願者の拡大、優秀な学生の確保に努め ます。 大学全体による広報に加え、学部学科においても、高校教員である OB・OG との懇談会、指定 校推薦対象校への訪問、成績優秀な在学生による母校訪問、ホームカミングデーの開催など、 直接的な独自の取り組みを行い、志願者の安定的な確保を目指します。 大学院においては、東日本大震災以降の外国人留学生の減尐傾向を考慮し、平成 27 年度は特 に日本人学生の確保に重点を置いて、大学院全研究科の進学説明会の開催(2 回)や、秋季入学 試験を競合する他の大学院と同時期に早めて実施するなどの施策を行い、進学者の増加を目指 します。 ≪インターネット出願への完全移行≫ 2012(平成 24)年度入試より部分的に導入しているインターネット出願の取り扱いを拡大し、 2016 (平成 28)年度入試より、全入試方式を対象としたインターネット出願への全面移行を実 施します。受験生の出願手続きの利便性を向上させるとともに、紙媒体の入学願書の廃止によ る経費の削減と、願書受け付けから受験票発行までの事務作業の軽減を図ります。また、全面 移行に合わせ、併願による受験料について、同方式の 2 学科目を無料にするなどの割引制度を 拡大し、さらなる受験サービスの向上と志願者数の増加を目指します。大学院の入試について も、学部と同様にインターネット出願への完全移行を実施します。 2. 「教育の大東」の実現 ─ グローバルな視野・教養・語学力を持つ人間の育成、「主体的な学び」の創造 (1)「主体的な学び」と参加型・問題解決型学習の強化 大学教育における「主体的な学び」の確立が課題となっています。平成 24 年 8 月の中教審の 答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える 力を育成する大学へ~(答申)」のなかでも、主体的な学習を促すための学士課程教育の質的転 換の必要性が強調されています。 7 本学では、 『DAITO VISION 2023』において、 「主体的な学び」を通じて「大東学士力(本学が 教育の目的とする能力と人格) 」を育てる「教育の大東」実現のため、さまざまな施策を掲げて います。 ≪課題解決型学習(PBL)の推進≫ 「主体的な学び」を確立するために、学習の場において、従来のような教員による一方的な 講義形式の「受動的学習」から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、学生が主体的に問題を発 見し答えを見出していく「能動的学習」への転換を推進します。 国際関係学部では昨年度、自治体が抱える課題の提案を受け、学生がチームで課題解決の方 策を考え、解決策のプレゼンテーションを行うPBL(課題解決型学習)型の授業を導入しま した。平成 27 年度は、新たに企業(旅行業)とも連携し、PBL型授業の増設を図ります。 また、環境創造学部では、新たに「企業研究」授業の一環として、実際の店舗の一角を一定 期間借用し、学生が店舗運営や営業活動を通して、思考力や行動力を身につける、体験型の授 業を開講します。 ≪入学前教育・初年次教育≫ 入学前教育は、入学後の学習の基礎となる教科の学力向上やレポート作成、プレゼンテーシ ョン能力の学習など、大学での学習をスムーズに始めるための教育を中心に各学部学科におい て実施します。多様な実施方法により、学習習慣、学習量の維持を図り、また、入学後に必要 とされる英語力や語彙力、専門教育に必要な基礎学力を養成します。 初年次教育の一環として、全学部全学科において実施されている新入生オリエンテーション は、学部学科の特色やカリキュラムを理解するために効果的な取り組みです。平成 27 年度も「大 学生活への適応」 、 「学習意欲の喚起」 、 「専門教育への導入」、「新入生同士のつながり」に重点 を置き、引き続き全学部全学科で実施します。また、大学での学び方、学生生活の過ごし方な ど大学生活の基本を講義形式で紹介するプログラムや、クラス単位や選択語学クラス単位での 宿泊学習や視察旅行、初年次教育科目の授業に自己理解・他者理解を深めるためのプログラム 「自己探求セミナー」を取り入れるなど、さらなる充実を図ります。オリエンテーションの運 営には、在学生が積極的に参加することにより、学生同士のピアサポートによる教育的効果が 期待できます。 専門教育の導入となる必修科目や初年次教育の基幹科目では、教員編集によるオリジナルの テキストを使用するなど、カリキュラム・ポリシーに則った学科の特色を反映し、学習成果を 保証します。クラス担任制や徹底した出欠管理と欠席者への指導を行い、学習習慣の定着と修 学意欲の維持向上を図るとともに、2 年次以降の専門科目、ゼミナールや卒業論文制作に必要 な基礎学力を養います。 (2)語学教育の強化 『DAITO VISION 2023』では、本学が教育の目的とする能力と人格(大東学士力)の定義のな かで「地球的規模の視野と感覚を持ち、異文化への理解力・共感力、コミュニケーション能力 を持ち、諸問題の解決に貢献できる」人材を育てることを掲げています。近年、国際社会で活 躍するグローバル人材の育成が求められ、異文化を理解するためのスキルとしての語学の重要 性が益々高まりつつあることから、本学では、入学前段階から入学後の多様な体験活動を通じ 8 た語学教育の強化を推進しています。 外国語学部英語学科では、e ラーニング教材を活用した入学前教育を実施し、入学後には全 員が TOEIC®テストを受験し、スコアによるクラス別編成の授業を行います。また、1 年次の英 語スキル科目に到達目標やガイドラインを設定し、語学力の標準化を目指します。TOEIC®や TOEFL®の外部試験受験を奨励し、文学部英米文学科では在学中に 2 回以上の受験を目標に、試 験対策に特化した教育補助員による対策講座を開講します。一方、国際関係学部では「言語文 化講座(英語)」を受講する学生を対象に、4 年次までに TOEIC®800 点以上の獲得を目標とする 重点的指導を行う「英語力増強プロジェクト」を新設します。 外国語学部中国語学科では、ネイティブの教員による 1 年次の中国語必修科目について、教 育補助員による教材作成や授業補助を行い、中国語初学者の学習を支援します。また、外国語 学部日本語学科では、専門領域である日本語能力を測る「日本語語彙・読解力検定」の受験を 奨励し、各学生の日本語力の再確認と学習の動機付けを図ります。 またそのほかにも、多文化共生にふさわしいヨーロッパ諸言語、アジア諸言語のカリキュラ ムを、国際関係学部、外国語学部、文学部を中心に多数開講します。 各学部学科がカリキュラム・ポリシーに掲げ、継続して実施している海外研修(「現地研修」 、 「海外演習」など)については、研修前の事前学習や語学力の向上、また研修後の事後課題や 研修成果の発表など、研修前後の学習内容を充実させ、現地での研修の効果を高めるカリキュ ラムを展開します。 海外インターンシップは、全学共通科目として全学部生へ開放したことにより、参加者の増 加傾向が保たれています。平成 27 年度も引き続き社会システムの研修やコミュニケーション能 力など国際的なキャリアアップの期待できるプログラムを取り入れ、継続して実施します。 (3)GPAの導入と組織的な学習支援の強化 ≪GPAの導入≫ 大学教育の質保証という観点から、また、グローバル化の進展に伴う大学教育の国際的な通 用性と共通性の向上を図るために、シラバス等における成績評価基準の明示とともに、その基 準に基づく客観的な成績評価を行うことが必要とされています。 本学では、平成 27 年度中のGPA制度導入に向けて、平成 26 年 7 月に「GPA制度設計の ためのワーキング・グループ」を設置し検討を開始しました。具体的な制度の設計や活用方法 等の検討を行い、 「大東版GPA」制度の制定を実現します。 ≪組織的な学習支援の強化≫ 組織的な取り組みによる、学生の「主体的な学び」への支援を強化します。 GPAの導入により、成績評価の厳格化を図る一方で、成績不振学生への個別指導など、学 生に対する組織的な学習支援の充実が求められています。学部学科ごとに成績不振の基準を具 体的に定めるとともに、成績不振学生に対する主体的な指導体制を整備します。 大学院生を教育補助員として活用し、レポート作成や資料調査などの学習技術を身に付ける ための支援や、生活面の相談にも対応する支援を行います。1、2 年次生に対しては語学学習や 導入教育学習支援の窓口として、3、4 年次生に対しては、卒業論文やゼミナール課題作成の相 談窓口として、教員とは異なる身近な立場からのアドバイスを行います。パソコンや辞書を備 9 えた教育補助員専有スペース(TA ルーム)を設けます。文学部では、複数の学科の教育補助員 が交代で常駐し、学科を横断した分野の支援にも対応します。環境創造学部では、学部独自の 「ライティング・カフェ」 (学習支援コーナー)を新設し、教員による学習相談やアドバイスを 行います。 (4)図書館のラーニング・コモンズ化のいっそうの推進 図書館では、平成 26 年度(東松山図書館は 6 月、板橋図書館は 9 月)より、図書館内にラー ニング・コモンズを新設しました。ラーニング・コモンズは、可動式の机、イスを配置し、グ ループ学習(ディスカッション、ワーク)やパソコンを利用した情報収集ができる、自律的な 学習空間です。また、ラーニング・コモンズの一角に、これまで東松山図書館で運営してきた 「ライティング・サポート・デスク」の機能を発展させた「学習支援コーナー」を設置しまし た。教職員が当番制でチューターとなり、一般的な学習の仕方や学生生活で必要となる文章や 手紙の書き方のアドバイス、専門分野を生かしたレポートや論文の書き方指導、プレゼンテー ション指導などを行っています。 平成 27 年度は、パソコンの増設や入退室を管理するゲートの設置、ラーニング・コモンズを 活用したアクティブ・ラーニングのワークショップ開催など、さらなる機能の充実を図ります。 さらには、図書館をよく活用している学生にラーニング・コモンズの運営に参画してもらい、 まだ利用者の尐ない「学習支援コーナー」の利用者増加を目指します。 (5)教職課程センターの発足 教員を志望する学生に対して、資格取得と教員採用に係るさまざまな支援を、全学規模で行 うための「教職センター」機能を持つ組織が必要とされています。平成 24 年 8 月の中教審によ る「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(答申)」においても、 教員養成の質を全学的に高めるため、 「教職センター」等の体制を整備し、教員養成カリキュラ ムの改善等に積極的に取り組むことが求められています。 本学においては、全学教職課程委員会および教職課程等事務室を統括する発展的組織として、 「教職課程センター」の設立に向けた準備委員会を設置し、検討をすすめてきました。引き続 き、教員組織の整備などの調整作業を行い、早期の設立を目指します。 (6)全学カリキュラムの共通化・柔軟化・スリム化の検討 ─「教育の大東」を実現する主体となる教学マネジメント体制の構築 カリキュラムの全学的な共通化・柔軟化・スリム化は『DAITO VISION 2023』の第 3 章 「創立百周年に向けた6つのヴィジョン」において、 「教育の大東」実現のための施策の一つと して掲げられています。また、教育面で検討すべき施策としては、教育効果の可視化、初年次 教育・基礎教育の強化、教育効果と学生に配慮した時間割編成、学部学科の垣根を越えた複数 専攻制など、ほかにも多くの課題が認識されています。 これらはすべて大学全体の課題と位置付けられていますが、本学には、学部横断的な課題に 取り組むための全学的組織が十分に整備されていないため、全学的課題への対応が遅れていま す。平成 27 年度は、こうした学部学科の垣根を越えた全学的な課題に対して、主体的に取り組 むことのできる教学体制を整備し、諸施策への早期対応を目指します。 10 3.学生支援 ─ 自主・参加・共同の豊かな学生生活の支援 (1)新教学システムによる Web 履修と学習支援の推進 ≪新教学システムの開発≫ 導入から 20 年が経過した新教学システムの入れ替えを行うため、平成 25 年度より開発を進 めてきた新教学システムを本稼働させます。従来の教学システムの機能を全面的に強化し、イ ンターネット環境やパソコン、スマートフォンなどの情報端末の普及による大学生の生活環境 の変化に対応できるシステムを提供します。また新たに、Web 履修、学生カルテの機能を導入 します。Web 履修の導入により、学生の登録手続きの利便性が向上するとともに、手続きから 時間割確定までの大幅な時間短縮と、早期の卒業判定などを実現します。 教学システム開発は、平成 27 年度の本稼働に引き続き、開発計画のフェーズ 4 として、試験 システム、成績システムの設計・開発を行い、平成 28 年度の全面稼働を目指します。学生の利 便性をさらに高める、効率的な事務システムの運用によって学修支援の充実を図ります。 ≪施設設備面での学習支援の推進≫ 設備面については、平成 26 年度より検討をすすめてきた情報実習教室システムの入れ替えを 実施します。平成 28 年 4 月の新教室システムの稼働を目指し、平成 27 年度は、事業に関わる 国庫補助金を獲得のための申請を行います。最新の OS や情報基盤を導入し、学習効果を高める 教育環境を整備します。 また、板橋校舎では、平成 25 年度より進めている 3 号館の AV 機器の入れ替えを、平成 27 年度も引き続き行います。東松山校舎では、体育館講義室の AV 機器、CALL 教室のサーバー、 ソフトウェアの入れ替えおよび更新を行います。最新の設備を導入し、高機能化を図ることに より、AV 機器を活用した授業や、インターネット上のコンテンツ(教材・課題等)を有効利用 したeラーニングができるなど、さまざまなメディアやソフトを用いる多様な授業形態に対応 することが可能になります。 ≪東松山キャンパス整備事業の完成≫ 平成 22 年 10 月に第 1 期工事を起工した東松山キャンパス整備事業は、平成 26 年 11 月に最 終の第 3 期工事が完工し、平成 27 年 3 月より新 2 号館の供用を開始します。5 棟の新校舎の建 築を含む大規模なキャンパス整備事業の完了により、最新の快適なキャンパス・アメニティを 提供するとともに、キャンパス内の新しい動線や人の流れを生み出していきます。 平成 27 年度は、引き続き第 3 期工事の計画変更により残ることとなった既存校舎の改修(屋 上防水・空調機・トイレ・電気設備など)を行い、教育研究環境のさらなる改善を図ります。 11 東松山キャンパスの改修工事など 工事 実施時期 1 号館・11 号館の改修整備 H27.4~9 学内駐車場整備(現在の学外駐車場の代替地として) H27.4~5 第 2 厚生棟 2 階フロアの整備(飲食スペース設置) H27.4~9 電話交換機設備の更新 H27.4~9 板橋キャンパスの改修工事など 工事 実施時期 電話交換機設備の入れ替え H27.8~9 エレベータ改修工事(平成 27~28 年度継続) 通年 (2)奨学金・授業料減免制度の充実と経済的な支援の強化 授業料減免、給付型奨学金(一般・外国人留学生) 、特別修学支援金給付、教育ローンの利子 補給金給付、学生災害見舞金など、近年充実させてきた学内奨学金制度については、授業料減 免の選考基準の見直し、特別修学支援金の増額など、経済的困窮の救済を重視した改善を行い、 学ぶことをあきらめさせない環境作りに配慮した「教育の大東」にふさわしい支援体制を整備 します。 さらに、平成 27 年度入学生より、入学前予約採用型奨学金「桐門(とうもん)の翼奨学金」 を創設します。 「桐門の翼奨学金」は、一般入試の受験者を対象に、成績基準を課さずに入学前 の家計審査と入学試験の成績により選考し、さらに学ぶ意欲を表明する「学習計画書」 (入学後 は学習経過報告書)の提出を求める本学独自の奨学金制度です。平成 26 年度の募集段階では 90 件を超える応募があり、優秀な学生の確保が期待されます。 (3)障がい学生などさまざまなニーズを持つ学生支援の充実 学生一人ひとりが心身ともに健康で、安全かつ安心した学生生活を送ることができるように、 学生支援センターを中心に、さまざまなニーズに対応する支援を行います。 身体に障がいのある学生に対しては、ガイドラインに沿って、入学前に当該学生と大学の事 前調整を行い、入学後の望ましい支援体制を協議します。入学後は学生支援センターのコーデ ィネートのもと、教職員、学生が連携を図り、それぞれの学生の障がいに合わせた支援を行い ます。教員に対しては、年度当初に全教員に向けて障がいのある学生への配慮についての文書 を配付し、協力を依頼するとともに、認識と理解を深めます。学生に対しては、ノートテイク やPCテイク、学習補助などのボランティアの育成を促進し、同時にボランティア学生の活動 状況をボランティア以外の学生にも周知するなど、理解と協力を大学全体に広げます。平成 27 年度は、障がいのある学生の学年進行(所属校舎)に対応可能な安定的なボランティアの人数 の確保と育成を課題とします。 一方、近年必要性が高まっている発達障害や精神障害のある学生への配慮について、学生支 援センター内の学生相談部会を中心に、教授会等での説明機会を設けるなど、教員の発達障害 等に関する知識、対応方法などの理解を深めるための活動を推進します。また、教員の FD 活動 12 の取り組みとも連動しながら、学内の協力体制の構築を目指します。 さらには、発達障害、精神障害以外にも、アレルギーや虚弱体質、心臓疾患など、健康面へ の配慮についても、保健室が中心となり、入学後の早い段階での情報把握に努め、個別面談を 実施するなど、大学としての支援体制を検討します。 (4)進路(キャリア)支援の強化 ≪進路選択と就職支援≫ 日本経済の緩やかな景気の回復基調が継続するなか、平成 27 年度の就職状況については、新 卒採用の改善傾向が期待される反面、厳しい採用環境が続くという見方もあります。さらには、 平成 28 年 3 月卒業・修了者から、就職採用活動時期が変更される(採用広報活動は 3 月 1 日か ら、選考活動は 8 月 1 日から、採用内定日は 10 月 1 日で変更がない)ことによる、学生の就職 活動への影響が予想されます。 このような状況に対応するため、キャリアセンターを中心に、進路選択と就職支援のさらな る強化を図ります。活動時期の後ろ倒しにより、参加機会の増加が予想されるインターンシッ プを充実させるため、企業との情報交換や、地方自治体(県)との就職協定(U ターン・I ター ン就職情報の提供、インターンシップの受け入れ)の締結を推進します。また、従来から実施 している資格試験受験対策講座(ダブルスクール) 、教職・公務員講座などについてもさらなる 充実を図り、現役での合格率の増加を目指します。教員希望者に対しては、在学中の近隣自治 体の学校ボランティアへの参加を促進します。学内セミナーの開催による採用選考期間の短期 化を踏まえた活動準備の指導、進路選択や就労意識の低い学生への動機付けや、4 年次の未内 定者向けの学内合同企業説明会の開催など、きめ細かい支援を実施します。 ≪キャリア教育の拡充≫ キャリア教育については、単に就職するためだけではない、学生が自らの人生の方向性を考 え、在るべき姿を実現するためのキャリアマインドの育成を目指し、1、2 年次を中心とした入 学後の早い段階でのキャリア教育を重点的に推進します。 キャリア教育科目としては、全学共通科目の「キャリアデザイン」をはじめ、各学部学科の カリキュラムにも専門教育科目として組み込み、学部学科の特徴を反映した授業を展開します。 平成 27 年度の新カリキュラムとして、環境創造学部の「キャリア形成と人生」、国際関係学部 の「キャリア講座」を開講します。国際関係学部では新カリキュラムにおいてキャリア教育科 目の体系化を実施します。 また、カリキュラム以外においては、専門家や卒業生によるキャリア講演会や学部学科独自 の就職関連資格試験(語学資格・SPI・一般教養・面接など)の対策を行います。 (5)スポーツ・文化活動の支援の強化 学生による自主的な活動である、スポーツ活動、文化活動、自治会活動は、学生生活の発展、 充実に資することを目的に、また学生が主体的に考え行動する力を発揮する場として、参加を 奨励するとともに、大学として活動全体を支援し、学生の自主的活動の活性化を図ります。 スポーツ活動の支援としては、スポーツ振興センターを中心とした運動部の強化策の推進に つとめます。有力選手のリクルート、スポーツ奨学金の増額、指導者の待遇改善、運動施設・ 設備の改善などについて、段階的に取り組みます。また指導者会議を通した情報共有や、ケガ・ 13 事故などに対するリスクマネジメント、ハラスメントの防止指導、運動部学生の学習面のケア などを行うことにより、各運動部の運営、選手の育成・管理についての連携強化を図ります。 文化活動への支援としては、各学部学科がカリキュラム・ポリシー具現化のための事業とし て実施する文化的イベントや行事について、学生の運営に対する支援を継続して行います。 学生自治会の活動に対しては、学生支援センターを窓口として、教職員が積極的に関わりア ドバイスを行い、ルールに則った運営を補佐します。また、学生が主体となる大学行事の活性 化を図るため、例年 10 月に実施していた「大東ウォーク」の開催時期を、平成 28 年度より前 期(5〜6 月)に早め、自治会を中心とした学生の運営による、新入生の総参加を目指すイベン トして実施するための検討を行い、自治会活動への支援強化を図ります。 4.研究力の強化 ─ 「知の共同体」と高度な研究の創造 大学院研究科、および大学附置研究所、学部附置研究所においては、平成 27 年度も引き続き、 それぞれの研究機関の強みを活かし、高い社会的評価を得ることが期待できる研究成果を、広 く発信します。国内外の研究者を招聘したシンポジウムの開催、研究成果物の刊行などを通じ て、研究所の研究領域や主幹テーマに関する中心的課題、最先端事象を取り上げながら、研究 水準の向上を期すとともに、社会的関心の高いテーマにも配慮し、学生および大学院生や一般 (地域住民)の参加を促進し、研究成果を学部(学士課程)教育に還元するとともに、地域へ の貢献につなげます。 (1)外部資金獲得と研究費の効率的配分 本学の研究活動をより活性化させるために、公的研究費(科学研究費等)の応募数、採択率 を向上させる組織的な支援を行います。具体的には、申請説明会の開催、採択された本学教員 の研究計画調書等の公開、過去に採択実績をもつ教員による講演会など、採択のためのノウハ ウを共有します。また、科学研究費以外の民間企業や財団等の助成金についても、適確な情報 提供と、申請手続きの支援を通じ多くの獲得を目指します。 学内の研究助成である特別研究費の配分については、従来の大学独自の審査により採択・配 分する方法を見直し、科学研究費不採択者を対象として、不採択時の審査結果(3 段階)に基 づいて配分を決める方法に変更します。これにより特別研究費の採否の公平性を保持し、合理 的な配分を可能にします。 (2)研究所の再編による研究体制の強化 研究所の再編成については、 『DAITO VISION 2023』の第 3 章「創立 100 百周年に向けた 6 つ のヴィジョン」では、学際的、国際的な研究規模の拡充や、研究成果の発信力の強化を図るた めに、統合による、より規模の大きい研究所への再編の方向性が示されています。 5.国際化戦略の構築と推進 ─「アジアから世界へ」・国際ネットワークの強化 現在の日本社会において、 「グローバル人材の育成」は大学の重要な使命とされています。本 学は、 『DAITO VISION 2023』において、「国際的な学術・教育のネットワークの拠点となり、世 界に向けて発信する」とのヴィジョンを掲げ、また、本事業計画のなかでも「Daito Global 戦 略の推進」を基本方針の一つに掲げています。本学のアジアに軸足を置いた研究と教育の蓄積 14 と、国際的な文化研究と異文化交流を世界に発信してきた歴史を踏まえ、 「Daito Global」とし て国際化施策を推進します。 平成 26(2014)年に、文部科学省の補助金政策であるスーパーグローバル大学等事業(スーパ ーグローバル大学創成支援)として策定した「Daito Global 知のアジアン・プラットフォーム の創成-アジアから世界へ-」構想を継承し、諸事業の企画・実施を推進します。 (1)交流協定校との関係の強化 国際交流センター、北京事務所を中心に、既存の交流協定校と関係強化を図るとともに、新 規協定校の開拓を推進します。 昨年度に引き続き、世界規模で開催される国際教育交流大会 NAFSA2015 に本学のブースを出 展します。全世界から国際交流に携わる関係者が多数参加する大会で、日本留学および大東文 化大学の魅力を世界にアピールし、大会に参加する協定校関係者や海外の大学の教職員との関 係強化と協定締結に向けた交流を図ります。また、中国については、現地事務所の強みを活か し、北京事務所を窓口として希平会(日中高等教育交流連絡会:中国に事務所、拠点、同窓会 組織を持つ日本の大学、政府系機関、研究所等で組織された団体)における情報交換や、日本 留学の合同説明会に参加します。 (2)ダブル・ディグリー制度など国際ネットワークの強化 外国語学部中国語学科では平成 25 年度より中国の協定校 3 大学とのダブルディグリープログ ラムを開始しました。平成 25 年度は 2 名、平成 26 年度は 3 名の学生を派遣しています。さら に、外国語学研究科中国言語文化専攻においても平成 27 年度の導入を目指し、協定校との交渉 を進めます。 国際ネットワークの構築の取り組みは、大学院研究科や研究所を中心に協定校の研究者や海 外研究者を招いた国際的なシンポジウム、ワークショップの開催を契機として、活発な研究交 流を継続し、さらなる強化を図ります。 (3)受け入れ留学生の増加 現在、全学生数の 3%(平成 26 年 5 月現在全学生数 11,790 人、留学生数 306 人)を占める 外国人留学生について、 『DAITO VISION 2023』では 10%程度まで増やすことを目標としていま す。受け入れ留学生拡大の施策として、国際交流センターを中心に、(1)海外で開催される日本 留学フェアへの参加、(2)国内外の日本語学校への訪問、(3)留学生入試(後期)の実施学科の 増加、(4)日本語能力試験(国際交流基金・日本国際教育支援教育主催)の本学入試への活用、 (5)国費外国人留学生(日本語日本文化研修生)の安定的受け入れに取り組みます。また、各学 部学科においても、外国語学部日本語学科開設以来受け入れているマレーシア政府派遣留学生 や、海外で日本語教育に携わっている卒業生のネットワークを活用して、本学への留学を促進 します。 (4)日本人学生の派遣留学の強化 国際社会で活躍するグローバル人材育成のために、国際交流センターを中心に短期海外研修 プログラムの充実を図ります。語学研修、海外インターンシップによる職業体験、国内で疑似 留学体験ができる英語集中プログラムや、埼玉県主催の「グローバルキャンプ埼玉」など、多 様な留学体験の機会を提供し、学生の参加を促進します。 「グローバルキャンプ埼玉」には、講 15 師として教員を派遣するなど、地域をあげたグローバル人材の育成にも貢献します。 また、各学部学科がカリキュラム・ポリシーに掲げ、継続して実施している現地研修や海外 研修についても、参加人数の増加を目指すとともに、参加後の長期留学への意欲を高める効果 を期する施策を検討します。 また、留学やインターンシップへの動機付けを与える語学資格試験の受験を促進する対策講 座の開講や、身に付けた語学力を実践できるスピーチコンテストの開催などを行います。 (5)留学生の就職活動支援 大学等を卒業後、日本国内に留まって就職する留学生の数が増加しています(平成 17 年: 5,878 人、平成 24 年:10,969 人/法務省入国管理局資料による) 。留学生の日本での就職は、 日本社会のグローバル化に寄与するとともに、留学生にとっても将来のキャリア形成を考える 上で日本留学の大きな誘因となります。このような観点から、多くの留学生が学ぶ本学にとっ て、留学生のキャリア支援を重要な施策と位置付け、キャリアセンターと国際交流センターの 連携のもと、留学生向けキャリアガイダンスの充実、個別面談の実施、さらには幅広い職域の 開拓を行い、また中小企業庁の「地域中小企業の海外人材確保・定着支援事業」や、埼玉県の 「グローバル人材育成センター埼玉」などの行政の推進事業も積極的に活用し、留学生の就職 活動を支援します。 6.地域連携と社会貢献活動 ― 地域と連携・共同し、社会に貢献する (1)生涯学習講座の充実と自治体生涯学習への支援 地域連携センターを中心に、地域住民を対象としたオープンカレッジを引き続き企画、運営 し、地域の生涯学習の場を提供します。本学の教育・研究活動を還元するアカデミックな講座 を、専任教員が中心となって開講します。特に平成 27 年度は、土曜、夜間の講座を増設し、日 中受講することが難しい社会人等の新たな受講者層の増加を目指します。また、東洋研究所公 開講座「アジアの民族と文化」 、書道研究所主催の「中国・日本書文化伝習塾」「大東書道技法 講習会」においても研究所の特色ある研究成果を反映した公開講座を実施します。 本学主催の講座に加え、 板橋区との共催公開講座を学部輪番制で運営します。平成 27 年度は、 スポーツ・健康科学部による全 8 回の講座を実施します。また、埼玉県西部地区の私立大学で 構成する「彩の国大学コンソーシアム」、東松山市主催の「東松山市きらめき市民大学」 、埼玉 県主催の「県民活動センター(けんかつ)オープンカレッジ」への講師派遣などを行い、地域 との友好な関係を築き、地域に根ざした大学を目指します。 (2)学生のボランティア活動の支援、活動の単位化 学生が主体的に学べる手段として、また思いやりと責任感を持って社会貢献に寄与すること のできる人間を育成する場として、学生のボランティア活動を多方面から支援します。地域連 携センターを窓口とした東日本大震災の復興支援活動(宮城県東松島市)の継続、周辺自治体 や地域団体の行事やイベントにおけるボランティア協力、キャリアセンターを窓口とした小中 学校への学習ボランティア派遣など、大学と地域をつなぐコーディネート活動を行います。学 生支援センターにおいては、学内外のボランティア活動に参加する学生の保険加入など、参加 しやすい環境を整備します。国際関係学部では、学部行事などの課外活動やボランティア活動 16 を含む学生の自主的活動を指数化して評価し、ポイント制によって単位を認定する制度「DACIX (=Daito Asian Communication Index)」を平成 26 年度から導入しました。ボランティア参加 への動機づけを与えるとともに、活動への意欲を高めます。 また、平成 26 年度より、社会貢献活動の分野において、ボランティア等の支援活動を行い、社 会への貢献が顕著な本学学生を表彰する 「社会貢献活動(ボランティア)奨励事業」を新設し、 初年度は 6 団体(学生)を表彰しました。平成 27 年度も継続事業として実施し、社会貢献活動 の意識の育成・普及・奨励とともに、人材育成と社会への貢献を推進します。 (3)自治体との協働の促進と地域への還元 わが国の大学政策においては、 「グローバル化」や「グローバル人材の育成」が掲げられる一 方で、地域の特色や特性(ローカリゼーション)を考慮した教育・研究を進め課題解決に資す る、地域の中核的存在 COC(Center of Community)としての機能も求められています。さらに最 近では、グローバルな視点や考え方を身につけて、それを地域の課題解決に活用、還元すると いう、2 つを組み合わせた「グローカル」な人材の養成が必要とされています。 本学では、地域連携センターを中心に、各学部学科、研究所の専門領域を活かしたさまざま な取り組みを継続して行い、グローカリゼーションの実践を推進します。 板橋区とは、環境創造学部を中心とした、商店街活性化事業「なかいた環創堂」 、高島平地域 の魅力創出と再活性化を目指す「みらいネット高島平」事業を継続します。商店街のイベント 支援や、地域内での多文化・多言語の「学びあい教室」の開催など、地域のさまざまな世代と の交流によって、地域住民と大学の協働による地域の活性化を図ります。 東松山市周辺地域とは、平成 26 年度より開催し、好評を博した「子ども大学ひがしまつやま」 事業を引き続き実施します。大学が、周辺市町村、企業、NPO、県等と連携した座学と実習を 組み合わせた講義により、地域の子どもたちの学びに対する興味や関心を高めます。スポ ーツ・健康科学部スポーツ科学科では、小中学生を対象とした基礎運動スキルの向上を目指し たトレーニング・クリニックや、大人向けのランニング・クリニックを開催し、地域住民の体 力向上や健康増進に貢献します。この他にも、課外活動(体育連合会)の学生によるスポーツ 指導や、留学生を中心とした国際交流授業など、学生が主体となる活動を推進します。 板橋区、東松山市以外の地域についても、引き続き環境創造学部を中心に、 「域学連携」の取 り組みとして、世界遺産に指定された富山県南砺市の五箇山合掌造り集落地域住民との地域活 性化に取り組んでいきます。 一方、自治体との協働研究事業について、板橋区とは第 6 期地域デザインフォーラムを、東 松山市とは農業振興策や中心市街地の活性化についての第 1 期協働研究報告書の刊行を、それ ぞれ平成 26 年度に実施しました。平成 27 年度は、次期の協働研究についての検討を、両自治 体と協議します。 また、平成 24 年度より始まった教員・大学院生と東松山市役所との間の調査研究を継続して 行います。 (4)企業(特に中小企業)との連携の強化 近年の産学連携の重要性に対する認識の高まりと、大学や研究機関の研究成果を事業化に結 びつける「研究成果の社会還元」の政策化などにより、多くの大学が産学連携を重要な目標に 17 掲げ、推進に努めています。そのなかでは、大企業との連携ばかりでなく、地域の中小企業と の連携が地域の活性化やイノベーションの創出に効果的であるという考え方が強まっています。 本学の産学連携は、国際関係学部が、平成 18 年度より 3 年間実施した特色 GP の取り組みを 継承する「大豆のアジア学」 (実習を含む特殊講義)において、大豆の栽培から加工品の開発ま でを実践し、平成 25、26 年には、山崎製パンとの共同開発による 4 種類のパンを開発・販売し、 好評を得ました。平成 27 年度も、学内学会である地域研究学会に実施主体を移行して継続し、 さらに企業や地域社会と連携した学生の自由な発想を活かした活動を展開します。 また、経済研究所においては、 「日本酒産業の新たな成長戦略(仮)」シンポジウムの開催、 経営研究所においては、地域の業界団体(板橋中小企業診断士会、企業活性化センターなど) との人的交流を含む連携の強化を図ります。 18 ○大東文化大学第一高等学校 1.教員の資質向上を図る (1) 教員対象、特に若手・中堅を対象とした研修の推進、外部研修会への参加 平成 27 年度は、校内研修や、教科ごとの研究授業の回数を増やし、入試動向などの情報の 把握につとめ、教員の資質向上をはかります。 また、平成 25 年度(数学・理科は平成 24 年度)から、実施されている高等学校新学習指導 要領に対応するために、外部研修会についても、参加機会を増やします。主要 5 教科(国語、 英語、数学、理科、地歴・公民)の若手・中堅教員(各 2 名)を中心に、教育セミナー等に参 加することにより、受験テクニックだけでなく、教科の面白さを伝え、将来にわたって役立つ 基礎学力を修得させる指導能力の向上を目指します。 (2)課外活動指導者の充実 強化クラブ(ラグビー、陸上、野球、サッカー、男子バスケットボール、柔道)を中心に、 部活動の充実をはかります。強化クラブについては、推薦制度の見直し、およびスカウティン グについて検討するとともに、全国大会出場経験のある陸上競技部については、新たに外部指 導者を配置します。一方、文化部については、顧問の研修参加や文化祭・地域活動などの活動 目的の明確化などによる活性化を図ります。 (3)先進的な他校の指導実態の研究の推進 教育・進学業界から外部講師を招き、他校の進学指導の先進事例研究の紹介や講演を校内に おいて実施します。全教員を対象に、学期末時期に年間 3 回程度の機会を設け、他校の進学指 導の先進事例を研究し、積極的に取り入れることにより、進学実績の向上を目指します。 2.志願者拡大を意識した進路指導と入試広報の連携 (1)理系進学指導の充実と理系志望者の拡大を図る 理系進学指導の充実と理系進学志望者の拡大をはかるため、また、生徒数確保からも教員採 用計画の面からの対策を検討します。退職者の担当教科の補充にとどまらず、各教科の教員配 置を再検討し、現行の教員数(47 名)の範囲内で、理科・数学の教員数を各 1 名増員すること を検討します。 (2)難関私大への合格実績のいっそうの向上を図る 難関私大への合格実績の向上を図るため、特別進学クラスの成績上位者を対象に、外部の通 信教育による講座の受講を取り入れます。きめ細かい講座を受講することにより、難関大学が 求める学力を養い、難関大学への合格を支援します。 (3)尐人数・個別指導の推進 大学進学に向けた、入学時からの学力の向上をはかるため、普段の授業の質を高めるととも に、定期考査後や長期休暇期間中の自宅学習期間に実施する進学に的を絞った課外講習・季節 講習の充実を図ります。本年度は、受験クラスの担任を組織化した「受験系クラスコース会議」 を中心に、クラス担任、学年主任、教科担当、進路指導担当間で情報を共有することにより、 生徒一人ひとりの学習状況の把握につとめ、きめ細かい学習指導を強化します。 19 (4)英語運用能力の向上を図る指導の研究 グローバル人材育成は、大学・社会人だけでなく、より早期からの取り組みを行う必要性が 指摘されています。このような社会のニーズに対応し、英語教育の充実、英語力の強化につい て検討を行い、英検等の受検を積極的に奨励します。 3.国際理解教育のいっそうの推進 (1)提携校との交流の拡大、クラブ活動での交流の検討 本年度も引き続き、カナダの提携校であるカレッジハイツ・セカンダリースクールからの訪 日研修団(教職員スタッフ及び生徒総勢約 20~30 名)の受け入れを行い、授業やホームルーム への参加など、生徒間の国際交流を深めます。また、クラブ活動における交流は、平成 25 年度 にラグビー部が、もう一つの提携校であるニュージランドのアボンデイルカレッジへの遠征を 行いましたが、平成 27 年度は学校全体の国際交流の充実に重点を置き、ラグビー部以外のクラ ブの交流なども視野に入れた各提携校との連携の拡大に向けた検討を行います。 (2)修学旅行先の再検討 国際理解を深める意義を持つ修学旅行は、従前は中国において実施していましたが、社会情 勢不安などの影響により安全確保に万全を期す観点から、国内(沖縄)での実施に切り替えて います。当面は沖縄を継続しながら、平成 27 年度は海外実施の再開に向けて、新たな候補地の 情報収集と実施の検討を進めます。 4.カリキュラムの見直し、検討 (1)「総合的な学習の時間」の見直しと充実 学習指導要領の改訂において示された「総合的な学習の時間」の特質や目標、育成する生徒 の資質や能力に関する指針を踏まえ、 「総合的な学習の時間」の見直しと充実を図ります。第 1 学年を対象に、国際理解、情報、環境、福祉・健康など、横断的、総合的な課題について、生 徒の興味、関心、進路等を考慮したテーマを検討し、外部講師による特別授業など、体験的な 学習の推進や問題解決能力の涵養に資するような学習活動を実施します。 5.教育施設の整備と充実 (1)普通教室の確保 学則定員 350 人を確保し、きめ細かい指導による高い教育効果を上げるクラス編成(40 人学 級×8 クラス=320 人に加え、特別進学クラス 30 人の合計 9 クラス)を行うために、平成 27 年度以 降順次不足する普通教室の確保について調整を図ります。 (2)学園全体と連動した防災・防犯対策 学園作成の防災マニュアルを基本として、高校用の防災マニュアルの作成に着手します。今 年度は、防災対策についての論点を整理し、教職員が取り組むべき課題を抽出します。管轄す る自治体や地域との連携を図りながら、防災コンサルタントの活用も視野に入れ、マニュアル 作成に向けた校内の体制を整備します。また、学園全体の危機管理対策とも連動しながら、安 心して通学できる防災対策を充実させていきます。 20 なお、校内の不審者侵入対策として、年次計画(2 年ないし 3 年)を立て、教室周辺への防 犯カメラ設置について進めます。 21 ○大東文化大学附属青桐幼稚園 1.100 周年を展望する大東文化ブランドの構築 (1)知育・徳育・体育のバランスのとれた人格形成を主眼に置いた教育の推進 「知・徳・体」のバランスの取れた人格の芽を育成するという一貫した教育理念のもと、知 育(漢字による教育) 、徳育(集団生活を通じての社会習慣の会得)、体育(心と身体の健康づ くり)を推進し、子どもたちをすこやかに育てます。七夕や節分などのさまざまな季節・伝統 行事により伝統文化に親しみ、合宿保育や親子遠足など子ども同士や家庭との絆を深めます。 また、大学行事と連動した「ウォーク」や大学生との交流を図るもちつき、お茶会など、大学 附属の幼稚園の特色を生かした行事の開催を通して、他園との差別化をはかります。 2. 「ひとを育てる教育の大東」の実現 (1)漢字・英語・唐詩・書道・体操教育の推進 「知育」の根幹ともなる漢字教育や英語教育を通して、子どもが成長の過程で身につけなけれ ばならない「言葉の能力」を伸ばしていきます。 「徳育」としては、唐詩や書道を通して主体性 と社会的な態度を育てます。 「体育」では、体育専門の講師による指導により、運動機能やたく ましい精神を養います。 (2)英語・国語・算数・絵画・サッカー・体操・バレエ等課外教室の充実 ネイティブスピーカーによる英語教室、石井式国語教育研究会による国語・算数教室、専門 講師による絵画・体操・サッカー・バレエ教室など多彩なプログラムの課外教室を正課保育後 の園内において開催し、子供たちの可能性を伸ばす機会を提供します。 3.教育研究とその支援体制の再構築 (1)教職員の各種研修会への参加 幼児教育に関わる教職員の技能と資質を高める研修会や、安全・安心な幼稚園運営のための 防災・危機管理意識を高める講習会など、教職員の各種研修会への参加を推進します。また、 研修会や講習会の成果を教職員間で報告・共有することにより、園全体の教育力の向上をはか ります。 (2)子ども子育て支援新制度の検証 平成 24 年 8 月に成立し、平成 27 年 4 月に本格施行される「子ども・子育て支援新制度」に ついて、参加した場合の園の教育内容、園児の選抜方法、補助金などの財政基盤への影響につ いて検証を行い、参加の是非を検討します。 4.経営基盤の要となる財政の確立 (1)園児確保の為の未就園児教室(つぼみ組・すくすく教室)の充実 未就園児向け体験「つぼみ組」 (2 歳児対象)と「すくすく教室」 (1 歳児対象)は、開設以来、 年々活動への認知度が向上し、定員を上回る希望者があり好評を得ています。本年度もこれら の未就園児向けの事業をさらに充実させ、子どもたちの幼稚園生活への準備、乳幼児期の家庭 22 教育の支援、入園児獲得への PR に取り組んでいきます。 (2)預かり保育の充実による家庭の支援 夏季・冬季・春季休業期間中の預かり保育を充実させることにより、安心できる幼稚園とし ての評価と入園児の獲得につなげていきます。 (3)ホームページの改善 平成 24 年度にリニューアルしたホームページの掲載内容を見直し、情報発信を充実させます。 豊富な情報をホームページに掲載することにより、教育理念や教育内容を学内外に広く周知し、 園児募集の PR につなげます。 23 ○大東文化学園 1.100 周年を展望する大東文化ブランドの構築 (1)情報発信力と戦略的広報活動の強化 ≪大学(学園を含む)全体の広報≫ 大学(学園を含む)全体の広報として、入試広報部を中心に、ホームページ、SNS(Twitter、 Facebook)など電子媒体を活用した即時性の高い情報と、 『大東文化新聞』や『大学案内 CROSSING』 など豊富な情報量を有する紙媒体の情報との双方を通じて、情報発信の強化につとめます。 「教 育の大東」を象徴するような学生の姿、運動部の活躍を紹介する「大東スポーツ」 、本学が誇る 伝統を受け継ぐ「大東書道」の諸活動など、魅力ある大学像を発信し、ステークホルダーをは じめ、社会的認知度の向上を図ります。 また、ビアトリクス・ポターやアジア民族資料室、地域貢献活動などに見られる学部学科の 特徴的な取り組みや、研究所の特色ある研究成果を生かした公開講座の開催、学部学科や研究 所の活動内容などを積極的に発信していきます。 大学広報をめぐる環境については、大学ポートレートの開始、インターネット出願への移行 など、近年、学内外ともに状況が大きく変化しつつあります。他大学においても大学のブラン ド力向上のために戦略的な広報活動を展開する事例が見受けられるなど、大学広報の位置づけ が益々重視されるなか、本学においても、こうした変化に対応し、本学の魅力を効果的に発信 していくための広報体制のあり方について検討します。 (2)新キャンパス構想への計画推進 近年、大学の都心展開の動きが顕著となっています。本学においても『DAITO VISION 2023』 第 5 章の「百周年の大東文化大学像」のなかで、キャンパスの都心進出の方向性が示されてい るように、新キャンパス構想は、4 年間同一キャンパスによる一貫教育の効果や、他大学に対 する本学の競争力を高める観点からも、特に重要な課題と位置付けます。 平成 27 年度は、引き続き都心展開、都心のキャンパス用地に関する情報収集を行うとともに、 中長期財政計画の策定において、都心展開を想定した財政的根拠の確立と実行可能性を展望し ます。 (3)認証評価 2016(平成 28)年度申請に向けた体制支援 学校教育法の定める認証評価制度に基づき、財団法人大学基準協会の認証評価における書面 評価及び実地調査等への対応を行います。本学は、2010(平成 22)年度に第一回目の認証評価を 受け、審査の結果、同協会の定める大学基準に「適合」しているとの認定を受けました。平成 28 年度に第 2 サイクルの認証評価を受審するため、平成 27 年度は、認証評価報告書の作成、 必要となる根拠資料等の準備を進めます。担当部局との調整を行い、スケジュールに則った認 証評価手続きを遂行します。 (4)100 周年に向けた組織的取組みの計画立案 平成 25 年度に 90 周年記念事業として制作した自校史ブックレット『大東文化大学の歩んで きた道』を再版し、新入生全員に配布します。また全学共通科目「自己・人間をみつめる(現 代の大学) 」においても、自校史教育の有効なテキストとして活用し、大東文化の歴史への理解 24 を深めます。 さらには、 『百年史』刊行へ向けた編纂体制の検討を開始し、素案をまとめるとともに、歴史 資料館を中心に、今までに刊行した『五十年史』、 『七十年史』 、およびブックレットの出典資料 の検証など、 『百年史』編纂に向けた基礎作業を進めます。 (5)幼稚園専任教諭の段階的採用 幼稚園は、昭和 47 年の開園以来、多くの園児を預かり、特色ある幼児教育の実践により、大 学・高校とともに「大東文化ブランド」の一翼を担っています。 懸案となっていた幼稚園教諭の処遇の改善として、平成 26 年度に諸規則を制定・改正したこ とを契機に、専任教諭の段階的採用・増員を行い、さらに魅力的な教育効果を発揮し、幼稚園 の持続的発展に資する安定的な組織体制を築きます。 2.教学組織を支えるガバナンス体制の強化 (1)教学行動計画を支えるための理事会の機能強化 理事会が最高意思決定機関としての機能、役割を果たし、学園としてのガバナンス体制を確 立することができるように、引き続き、平成 26 年 1 月に取りまとめた理事会の役割と機能に関 する改善提案(答申)の実現に向けた検討を進めます。理事会機能の強化を通じて、「DAITO VISION 2023」を支援していきます。 (2)教職協働プロジェクトの更なる促進 大学ガバナンスの充実・強化の実現をはじめ、大学改革についての多岐にわたる内容が提言 されるなか、改革を担う教職員の在り方が重要となっています。教育・研究、社会貢献と、そ れを支える大学運営全般における、定型・通常の業務から企画・プロジェクトなど多様な活動 にいたるまで、教育・研究を担う教員と、教育・研究に多角的に関わる職員がプロジェクトを 企画して、機能的に活動することにより、教員と職員の協働を促進します。 (3)教学ガバナンスの改革支援 現在、大学では、学校教育法等の一部改正に対応するため、学内のガバナンス体制の見直し 等の手続きを進めています。この改正は、大学が学長のリーダーシップのもとで、戦略的な大 学運営を可能にするためのガバナンス体制を構築することを目的として、大学の組織及び運営 体制を整備すべく、副学長の職務を改め、教授会の役割を明確化することなどを主旨とするも のです。 学内規則等については、平成 26 年度中の改正および制定に向けた手続を進めていますが、今 後は、改正の趣旨に基づいた大学運営が実現されるよう、教職員に広く周知・徹底を図り、大 学のガバナンス体制の強化とそれに伴う意思決定の迅速化、戦略化が実現されるよう支援しま す。 (4)コンプライアンスマネジメントの周知と充実 平成 24 年度に整備されたコンプライアンスに関する制度、規則の周知徹底に、引き続き取り 組みます。コンプライアンス研修の定期的な実施による意識の向上を図るとともに、担当する 顧問弁護士などの専門家との関係を強化し、必要とされる規程の改正、問題発生時の適切な対 応に努めます。 25 3.教学改革推進のための財政基盤の確立 (1)中長期財政計画の策定 安定した財政基盤を確立し、永続的な質の高い教育・研究活動を推進すること、また『DAITO VISION 2023』に掲げられている諸施策の実現に向けて、資金となる財政的根拠を確立すること を目的に、中長期財政計画の策定を行います。中長期財政計画策定プロジェクト推進本部のも と、計画の策定手順として、現状分析、施策検討、計画策定の 3 つのフェーズを設定し、最終 的に 10~15 年間を想定した計画を策定します。平成 26 年度に行った現状分析、施策検討フェ ーズに続き、平成 27 年度は計画策定フェーズの作業を行い、平成 27 年 8 月の策定を目指しま す。 (2)帰属収入増の促進対策への取り組み 帰属収支差額比率の適正化を保ち、安定的な財政基盤を確保した上で、 『DAITO VISION 2023』 に掲げる諸施策の実現に向けた財源を創出するための帰属収入の増加に取り組みます。 帰属収入の 80%近くを占める学納金については、平成 27 年度より、大学学部入学生の授業 料と教育充実費の値上げを実施します。これにより、学部学生一人当たりにつき 4 年間で 192,000 円の増額が見込まれます。しかしながら同時に入学金の値下げを行うため、入学初年 度の学納金収入は微増にとどまること、また、学納金収入の算定基準となる入学定員超過率に ついて、補助金不交付の条件の厳格化や一部学科の入学者数安定的確保の困難性から、さらに 引き下げざるを得ない見通しであることを考慮し、学納金以外の財源の確保も課題とします。 私立大学経常費補助金をはじめとする国庫補助金については、より多くの申請・獲得に向け た戦略的な体制の強化を図ります。補助金申請事務担当部署を中心に担当部署間の連携を強め、 補助金申請に対する意識改革を促すとともに、補助金獲得の可能性のある事業の掘り起こし、 補正予算や追加募集など、国が定める流動的な申請スケジュールに対応できる早期の申請準備、 補助金獲得を前提とした早い段階での事業計画への組み込みなどを推進します。平成 27 年度は、 通常の私立大学等経常費補助金(一般補助・特別補助)のほか、私立学校施設整備費補助金、 私立大学等研究設備整備費等補助金を重点的に以下の 8 件の申請を行います。 申請対象事業 ①情報実習教室システム導入費 総事業費 補助金申請 (千円) 上限額(千円) 372,494 100,000 ②呼気ガス分析システム 81,000 4,000 ③④⑤国際文化学科特定図書(3 口) 10,000 6,666 ⑥9 号館 AV 設備一式 18,786 9,393 ⑦1 号館 AV 機器入替 16,724 8,362 ⑧CALL 教室 機器入替 28,080 14,040 また、平成 25 年度より新設された「私立大学等改革総合支援事業」(私立大学等が組織的・体 系的に取り組む大学改革の基盤充実に対して交付される補助金)については、平成 25、26 年度 と 2 年連続で、グローバル化に対する取り組み(平成 25 年度「タイプ 3B 海外大学の連携等 26 グローバルな教育環境の下での質の高い教育研究」 、平成 26 年度「タイプ 4 グローバル化へ の対応」 )が採択されました。 「私立大学等改革総合支援事業」が、予算積算上の事業に限らず、 国が求める大学像を目指す全学的な取り組みが点数化され、採択された大学に重点的に補助金 が交付されるという特性をもつことに鑑み、グローバル化のさらなる推進を含む補助金獲得を 意識した大学改革の計画・実現を推進します。 (3)教育改革と予算編成方針及び執行方法の見直し 例年、学園の予算編成については、法人(財務部)が枠組みを設定し、予算積算を主導して きましたが、今後、大学予算については、すべての予算を細分化せず、大学全体の中で柔軟な 振り分けができるように大枠提示の幅を持たせるなど、予算編成に関する業務内容を見直しま す。これまでのような実績ベースによる均一配分から大学全体の方針に基づく重点事業への配 分へ、より戦略的な予算編成の実現が期待できます。 27 Ⅲ 予算の概要 平成 27 年度学園事業を実施するに当たり、 「学園基本方針」として、1. 100 周年を展望 する大東文化ブランドの構築 2. 教育の質保証と研究力の強化 3. 地域と世界に貢献する 人材の育成 4.Daito Global 戦略の推進 5.改革を推し進めるガバナンス体制の強化の 5 項 目が提示され、これに基づき法人及び各設置校より行動計画が示されました。またこれら の事業を具現化していくための予算編成方針が平成 26 年 9 月 24 日開催の理事会で承認さ れました。 予算編成方針では、基本方針・行動計画の趣旨を受け、社会の変化を踏まえつつ大学・ 高校・幼稚園それぞれが、本学の歴史と伝統に根ざす個性と独自性を持った教育機関とし て大東文化ブランドを構築し、 「教育の大東」を推し進めるため、教育の質保証を追及する 施策を実施するために重点的に配分するとともに、人件費を始めとする諸経費の削減を行 い、収支のバランスを保つため帰属収支差額(帰属収入から消費支出を引いた額)を確保 することを目途といたしましたが、平成 27 年度予算は帰属収支差額が△2 億 79 百万円とな りました。 その原因につきましては、文部科学省の学生定員抑制に伴い、大学においては平成 25、 26 年度の入学者数が大幅に減少したこと、一部の学科、大学院の定員割れが続いているこ と、また、法務研究科については学生募集停止が決定しています。一方第一高等学校につ いては、平成 26 年度は定員を充足したもののこれまでの定員割れが影響しています。支出 においては各校舎の改修工事の発生、又経常経費としては東松山新校舎のランニングコス トの増加等があります。 資金収支予算では、収支各総額が 335 億 54 百万円となり、前年度予算比では 27 億 79 百 万円の減少となりました。この中には平成 28 年度学費等の前受け金が 49 億 63 百万円計上 されています。 資金支出は、東松山キャンパス整備事業は終了しましたが、旧校舎の改修工事等(旧 2 号館他)の施設関係支出 2 億 59 百万円、又設備関係支出は学園総合情報センターの情報実 習教室システム導入費 3 億 72 百万円及び学園全体の電話交換機取り換え 1 億 09 百万円が 重点事業として挙げられます。この結果、次年度繰越支払い資金は 108 億 81 百万円となり ます。 消費収支予算については、帰属収入合計が 161 億 93 百万円と前年度に比べて 11 億 55 百 万円の減少となりました。これは寄付金、補助金が若干増加となりましたがそれ以外の科 目は減少となり、また、資産売却差額については、平成 26 年度に医学専門学校跡地の売却 がありましたので、売却益分 9 億 91 百万円が減少したことが主な要因です。 消費支出の人件費は、98 億 64 百万円となり、前年度に比べて 71 百万円の減額となりま したが対帰属収入比 60.9%とまだ大きな比率を占めています。その主な要因は学納金を含 む帰属収入の減少によるものです。 教育研究経費全体では 1 億 2 百万円の減少となりました。これは新校舎に伴うランニン 28 グコストの増加、減価償却額 88 百万円の増加等がありましたが、教務システム(Web 履修) の改修の終了に伴い、支払手数料が 1 億 80 百万円の減少となったことが主な要因です。 管理経費全体では 16 百万円の減少となりました。これについては減価償却額の増加 15 百万円、委託管理費 8 百万円等の増加がありましたが、入試のインターネット出願に伴い 印刷製本費が 26 百万円減少したことが主な要因です。 帰属収入合計は 161 億 93 百万円で、消費支出の部合計は 164 億 73 百万円となりこの結 果、予算編成方針の目標である帰属収支差額(収入超過)を確保することができませんで した。 また、消費収入合計は先の帰属収入合計から基本金組入れ額合計 10 億 95 百万円を控除 した 150 億 98 百万円となり、消費支出合計を差し引くと当年度消費支出超過額は 13 億 74 百万円となります。なお、前年度繰越消費支出超過額は 43 億 55 百万円ですので、次年度 繰越消費支出超過額は 57 億 30 百万円となりました。 今後学園財政を維持していくためには帰属収支の改善、消費支出超過から消費収入超過 への転換といった財政基盤の強化、確立が緊急の課題となっています。そのため、平成 28 年度以降の予算は帰属収支差額の均衡を確保することを必須条件としなければなりません。 支出の抑制は勿論、収入についても外部資金の獲得等検討していく必要があります。 29 別表1 資 金 収 支 予 算 書 平成27年4月 1日から 平成28年3月31日まで (単位:円) 収入の部 科 目 学生生徒等納付金収入 本年度予算額 前年度予算額 増 減 (△) 12,904,879,000 12,985,261,000 △ 80,382,000 手数料収入 369,080,000 424,718,000 △ 55,638,000 寄付金収入 110,300,000 109,400,000 900,000 補助金収入 1,441,231,000 1,315,269,000 125,962,000 資産運用収入 642,286,000 728,238,000 △ 85,952,000 資産売却収入 100,000,000 1,240,880,000 △ 1,140,880,000 事業収入 204,379,000 216,753,000 △ 12,374,000 雑収入 521,540,000 578,607,000 △ 57,067,000 1,000,000 1,000,000 0 前受金収入 4,963,428,000 5,281,921,000 △ 318,493,000 その他の収入 5,957,978,000 7,814,498,000 △ 1,856,520,000 △ 5,748,862,000 △ 7,358,787,000 1,609,925,000 前年度繰越支払資金 12,087,110,000 12,995,593,000 △ 908,483,000 収入の部合計 33,554,349,000 36,333,351,000 △ 2,779,002,000 借入金等収入 資金収入調整勘定 支出の部 科 目 本年度予算額 前年度予算額 増 減 (△) 人件費支出 9,991,431,000 10,032,016,000 △ 40,585,000 教育研究経費支出 3,332,890,000 3,524,395,000 △ 191,505,000 827,507,000 859,326,000 △ 31,819,000 借入金等利息支出 3,975,000 6,867,000 △ 2,892,000 借入金等返済支出 192,620,000 247,970,000 △ 55,350,000 施設関係支出 333,986,000 1,781,615,000 △ 1,447,629,000 設備関係支出 823,943,000 749,774,000 74,169,000 資産運用支出 6,393,187,000 6,269,783,000 123,404,000 その他の支出 1,954,338,000 1,833,936,000 120,402,000 400,000,000 400,000,000 0 △ 1,581,202,000 △ 1,459,441,000 △ 121,761,000 次年度繰越支払資金 10,881,674,000 12,087,110,000 △ 1,205,436,000 支出の部合計 33,554,349,000 36,333,351,000 △ 2,779,002,000 管理経費支出 〔予備費〕 資金支出調整勘定 30 別表2 消 費 収 支 予 算 書 平成27年4月 1日から 平成28年3月31日まで (単位:円) 消費収入の部 科 目 学生生徒等納付金 本年度予算額 前年度予算額 増 減 (△) 12,904,879,000 12,985,261,000 △ 80,382,000 手数料 369,080,000 424,718,000 △ 55,638,000 寄付金 110,300,000 109,400,000 900,000 補助金 1,441,231,000 1,315,269,000 125,962,000 資産運用収入 642,286,000 728,238,000 △ 85,952,000 資産売却差額 0 991,215,000 △ 991,215,000 事業収入 204,379,000 216,753,000 △ 12,374,000 雑収入 521,540,000 578,607,000 △ 57,067,000 16,193,695,000 17,349,461,000 △ 1,155,766,000 基本金組入額合計 △ 1,095,539,000 △ 2,202,451,000 1,106,912,000 消費収入の部合計 15,098,156,000 15,147,010,000 △ 48,854,000 帰属収入合計 消費支出の部 科 目 本年度予算額 前年度予算額 増 減 (△) 人件費 9,864,117,000 9,935,269,000 △ 71,152,000 教育研究経費 5,335,398,000 5,438,195,000 △ 102,797,000 943,070,000 959,651,000 △ 16,581,000 借入金等利息 3,975,000 6,867,000 △ 2,892,000 資産処分差額 25,800,000 149,613,000 △ 123,813,000 722,000 2,056,000 △ 1,334,000 300,000,000 300,000,000 0 16,473,082,000 16,791,651,000 △ 318,569,000 当年度消費支出超過額 1,374,926,000 1,644,641,000 △ 269,715,000 前年度繰越消費支出超過額 4,355,502,000 3,201,990,000 1,153,512,000 0 491,129,000 △ 491,129,000 5,730,428,000 4,355,502,000 1,374,926,000 管理経費 徴収不能引当金繰入額 〔予備費〕 消費支出の部合計 基本金取崩額 翌年度繰越消費支出超過額 31 別表3 資 金 収 支 予 算 書 平成27年4月 1日から 平成28年3月31日まで (単位:円) 収入の部 科 目 本年度予算額 学生生徒等納付金収入 12,904,879,000 手数料収入 369,080,000 寄付金収入 110,300,000 補助金収入 1,441,231,000 資産売却収入 100,000,000 付随事業・収益事業収入 204,379,000 受取利息・配当金収入 617,139,000 雑収入 546,687,000 借入金等収入 1,000,000 前受金収入 4,963,428,000 その他の収入 5,957,978,000 資金収入調整勘定 △ 5,748,862,000 前年度繰越支払資金 12,087,110,000 収入の部合計 33,554,349,000 支出の部 科 目 本年度予算額 人件費支出 9,991,431,000 教育研究経費支出 3,332,890,000 管理経費支出 827,507,000 借入金等利息支出 3,975,000 借入金等返済支出 192,620,000 施設関係支出 333,986,000 設備関係支出 823,943,000 資産運用支出 6,393,187,000 その他の支出 1,954,338,000 〔予備費〕 400,000,000 資金支出調整勘定 △ 1,581,202,000 翌年度繰越支払資金 10,881,674,000 支出の部合計 33,554,349,000 32 別表4 事 業 活 動 収 支 予 算 書 平成27年4月 1日から 平成28年3月31日まで (単位:円) 本年度予算額 科 目 教 育 活 動 収 支 事 業 活 動 収 入 の 部 学生生徒等納付金 12,904,879,000 手数料 369,080,000 寄付金 100,300,000 経常費等補助金 1,296,577,000 付随事業収入 204,379,000 雑収入 546,687,000 教育活動収入計 15,421,902,000 事 人件費 業 教育研究経費 の活 管理経費 部動 支 徴収不能額等 出 教育活動支出計 9,864,117,000 5,335,398,000 943,070,000 722,000 16,143,307,000 教育活動収支差額 教 育 活 動 外 収 支 △ 721,405,000 収事 科 目 入業 受取利息・配当金 の活 部 動 教育活動外収入計 支事 借入金等利息 出業 の活 部 動 教育活動外支出計 教育活動外収支差額 本年度予算額 617,139,000 617,139,000 3,975,000 3,975,000 613,164,000 経常収支差額 特 別 収 支 △ 108,241,000 収事 科 目 入業 その他の特別収入 の活 部 動 特別収入計 支事 資産処分差額 出業 の活 部 動 特別支出計 特別収支差額 本年度予算額 154,654,000 154,654,000 25,800,000 25,800,000 128,854,000 〔予 備 費〕 300,000,000 基本金組入前当年度収支差額 △ 279,387,000 基本金組入額合計 △ 1,095,539,000 当年度収支差額 △ 1,374,926,000 前年度繰越収支差額 △ 4,355,502,000 翌年度繰越収支差額 △ 5,730,428,000 (参考) 事業活動収入計 16,193,695,000 事業活動支出計 16,173,082,000 33
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