平成 26 年度 12 月 1 日 兵庫県中播磨消費生活創造センター作成 兵庫県中播磨地域における 「平成26年度 上半期」の消費生活相談状況 (平成 26年4月~平成 26年9月受付の相談) 姫路市と神崎郡3町(神河町、市川町、福崎町)を区域とする中播磨地域の消費生活 センター(3センター)及び消費生活相談窓口(2窓口)が平成26年4月~9月に受 けた消費生活相談についてまとめた。 (注)消費生活相談は、苦情、問合せ、要望に分類される。 - 0 - 1.消費生活相談の概要 ○相談件数は前年度に比して6.7%の増加 減少傾向が続いていた相談件数は、前年度に数年ぶりに増加に転じ、26年度上半期も前 年度同期と比べて6.7%の増加となっている。 ○相談内容は「インターネット情報サービス」が全ての年代で第1位 「インターネット情報サービス」に関する相談は、近年、第1位となっており、26年度 上半期は412件で、総件数に占める割合は約20%である。年代別でみると、昨年度まで は「70歳以上」は他の品目が第1位であったが、26年度は全ての年代において第1位と なっており、高齢者へもインターネットが普及している。 ○平均既支払金額が前年度同期より減少 「19歳以下」の平均既支払金額が前年度から約6千円増加したが、 「20歳代」より髙井 年齢層の既支払金額は全て減少し、全体の平均既支払額は減少している。 (1) 相談件数 平成26年度上半期の相談件数は2,499件(苦情2,082件、問合せ等417件) で、前年度同期に比べ157件増加(苦情226件増、問合せ等69件減) 、前年度同期比1 06.7%である。苦情件数は前年度同期比112.2%である。 (図1) 図1 相談件数の推移 (件) 6,000 5,355 5,153 5,000 4,682 4,484 4,000 下半期 3,000 問合せ等(上半期) 苦 2,000 情 (上半期) 1,000 0 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 上半期 表1 相談件数の推移 22年度 件数 年度総件数 問合せ等 苦 情 (4市町) 上半期 (県中播磨) 合 計 前年度比 5,355 (97.1%) 774 (123.2%) 1,939 (93.9%) 1,450 ─ 489 ─ 2,713 (100.8%) 23年度 件数 前年度比 5,153 (96.2%) 582 (75.2%) 2,140 (110.4%) 1,744 ─ 397 ─ 2,722 (100.3%) - 1 - 24年度 件数 4,484 543 1,747 1,532 215 2,290 前年度比 25年度 件数 前年度比 (87.0%) 4,682 (104.4%) (93.3%) 486 (89.5%) (81.6%) 1,856 (106.2%) ─ 1,654 ─ ─ 202 ─ (84.1%) 2,342 (102.3%) 26年度 件数 前年度比 ─ ─ 417 (85.8%) 2,082 (112.2%) 1,880 ─ 202 ─ 2,499 (106.7%) (2)苦情相談における契約当事者の年代別件数 相談が最も多い契約当事者の年代は、 「70歳以上」435件で17.4%を占めている。 次いで「60歳代」の357件で割合は14.3%、続いて「40歳代」352件、14.1% となっており、 「60歳以上」の高齢者層が上位になっている。 (図2) 図2 契約当事者の年代別構成 3.4 8.4 14.7 16.6 3.9 8.2 13.6 15.7 3.3 7.8 13.0 15.3 17.9 10.9 24年度 13.6 13.4 18.4 13.2 25年度 14.1 10.6 10.7 17.4 14.3 21.9 26年度 (上半期) 0% 10% 20% 19歳以下 30% 20歳代 40% 30歳代 50% 40歳代 60% 50歳代 70% 80% 60歳代 90% 70歳以上 100% 不明 表2 契約当事者の年代別構成 19歳以下 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上 不明 合計 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 件数 構成比 24年度 116 (3.4%) 289 (8.4%) 510 (14.7%) 573 (16.6%) 450 (13.0%) 528 (15.3%) 619 (17.9%) 376 (10.9%) 3,461 (100.0%) 25年度 148 (3.9%) 308 (8.2%) 514 (13.6%) 595 (15.7%) 514 (13.6%) 506 (13.4%) 694 (18.4%) 500 (13.2%) 3,779 (100.0%) 26年度(上半期) 83 (3.3%) 194 (7.8%) 264 (10.6%) 352 (14.1%) 267 (10.7%) 357 (14.3%) 435 (17.4%) 547 (21.9%) 2,499 (100.0%) (3)苦情相談の内容 ① 商品・役務 苦情相談を商品・役務別にみると、 「インターネット情報サービス」が412件で第1位で あり、第2位は77件の「不動産貸借」 、第3位は75件の「工事・建築」 、第4位は62件 の「エステティックサービス」となっている。 「インターネット情報サービス」は、前年度までは「70歳以上」は別の品目が第1位で あったが、26年度上半期では全ての年代において第1位となっている。 「不動産貸借」や「工 事・建築」は、 「30歳代」 「40歳代」 「50歳代」の中年層からの相談が多い。 「エステティックサービス」が、62件で第4位に浮上している。県内のエステ店の経営 者が逮捕され営業が停止したことを受けて相談が寄せられたことが要因と考えられる。 「20 歳代」 「30歳代」からの相談が多く寄せられている。 (表3、表4) - 2 - 表3 商品・役務別苦情相談件数 (件) 24年度上半期 順位 商品・役務 インターネット 情報サービス フリーローン・ 2 サラ金 1 25年度上半期 件数(%) 順位 331 (18.9%) 1 商品・役務 26年度上半期 件数(%) インターネット 情報サービス 商品・役務 順位 件数(%) インターネット 情報サービス 310 (16.7%) 1 412 (19.8%) 82 (4.7%) 2 健康食品 98 (5.3%) 2 不動産貸借 77 (3.7%) 3 不動産貸借 71 (4.1%) 3 不動産貸借 74 (4.0%) 3 工事・建築 75 (3.6%) 4 工事・建築 62 (3.6%) 4 工事・建築 68 (3.6%) 4 62 (2.9%) 5 自動車 55 (3.2%) 5 55 (3.0%) 5 食料品 58 (2.8%) 6 食料品 46 (2.6%) 6 自動車 43 (2.3%) 6 55 (2.6%) 7 新聞 38 (2.2%) 新聞 42 (2.3%) 7 新聞 47 (2.3%) フリーローン・ サラ金 エステティック サービス インターネット接 続回線 7 8 預貯金・証券等 35 (2.0%) 食料品 42 (2.3%) 8 フリーローン・ サラ金 45 (2.2%) 9 生命保険 32 (1.8%) 9 放送・コンテン ツ等 39 (2.1%) 健康食品 42 (2.0%) 自動車 42 (2.0%) 10 健康食品 30 その他 (1.7%) 10 預貯金・証券等 965 (55.2%) 苦情相談件数 9 1,747 (100.0%) 38 (2.0%) その他 1,047 (56.4%) その他 1,167 (56.1%) 苦情相談件数 1,856 (100.0%) 苦情相談件数 2,082 (100.0%) 表4 契約当事者年代別・商品・役務別苦情相談件数(平成26年度上半期) 順位 19歳以下 30歳代 46 インターネット インターネット 44 63 情報サービス 情報サービス 2 放送・コンテンツ等 5 不動産貸借 15 エステティック 34 エステティック サービス 15 サービス 1 3 インターネット 情報サービス 20歳代 洋服 3 携帯電話 サービス 11 工事・建築 11 (件) 40歳代 50歳代 60歳代 70歳以上 インターネット 104 情報サービス インターネット 55 情報サービス インターネット 55 情報サービス インターネット 26 情報サービス 不動産貸借 14 工事・建築 10 食料品 10 食料品 7 (注)件数は、年齢不明分を除く。 - 3 - インターネット 20 接続回線 食料品 15 工事・建築 23 健康食品 22 ○ 「インターネット情報サービス」 「インターネット情報サービス」の主な相談内容は、 「アダルト情報サイト」228件で ある。 「出会い系サイト」は23件、 「オンラインゲーム」は17件であった。 「無料とあったアダルトサイトで年齢認証18歳以上をクリックすると突然“登録完了” となり、高額料金を請求する画面が表示された」 、 「有料サイトの利用料が未払いであり、 連絡しなければ身辺調査をする、法的措置をとると覚えのない利用に関しての請求メール が届いた」等の内容である。 件数としては、 「40歳代」が多いが、 「60歳代」 「70歳以上」の高齢者や「19歳以 下」の若年層が増加傾向であり、どの年代においてもインターネットの普及が見られる。 表5 契約当事者年代別・インターネット情報サービス苦情相談件数 24年度上半期 24年度下半期 25年度上半期 25年度下半期 26年度上半期 件 数 対前期比 件 数 対前期比 件 数 対前期比 件 数 対前期比 件 数 対前期比 19歳以下 39 (84.8%) 40 (102.6%) 48 (120.0%) 37 (77.1%) 46 (124.3%) 20歳代 37 (94.9%) 23 (62.2%) 27 (117.4%) 41 (151.9%) 44 (107.3%) 30歳代 73 (104.3%) 57 (78.1%) 63 (110.5%) 49 (77.8%) 63 (128.6%) 40歳代 79 (125.4%) 84 (106.3%) 74 (88.1%) 72 (97.3%) 104 (144.4%) 50歳代 56 (101.8%) 47 (83.9%) 42 (89.4%) 54 (128.6%) 55 (101.9%) 60歳代 29 (96.7%) 28 (96.6%) 26 (92.9%) 41 (157.7%) 55 (134.1%) 70歳以上 3 (21.4%) 8 (266.7%) 16 (200.0%) 16 (100.0%) 26 (162.5%) 不 明 15 (166.7%) 9 (60.0%) 14 (155.6%) 13 (92.9%) 19 (146.2%) 合 計 331 (101.5%) 296 (89.4%) 310 (104.7%) 323 (104.2%) 412 (127.6%) ○ 「不動産貸借」 「不動産貸借」の主な相談内容は、 「賃貸アパート(集合住宅) 」58件、 「借家」8件とな っており、賃貸物件の入居時や退去時の契約内容に関するものである。 「入居時から雨漏りがして修理してもらったが直っていない」 「新築賃貸アパートに入居し たが不具合が多く解約したいが敷金など返してもらえるか」や「賃貸物件を退去するにあた り原状回復費用の負担額が100%になるのは納得できない」等の内容である。 ○「工事・建築」 「工事・建築」の主な相談内容は、 「新築工事」17件、 「増改築工事」11件となっている。 「床下工事を契約、業者から次々とリフォームを勧められ契約したが、解約できるか」や「リ フォーム工事の費用を先に支払ったが工事が遅れている」等の内容である。 ○「エステティックサービス」 「エステティックサービス」の主な相談内容は、 「脱毛エステ」が47件、 「痩身エステ」 が7件となっている。 「契約中のエステ店の経営者が逮捕されたと報道されたが未利用分の返金はしてもらえる のか」 「エステの中途解約を申出たが断られた」等の内容である。 - 4 - ② 既支払金額 苦情相談の平均既支払金額は295,850円で、前年度同期の530,461円から55. 8%減少している。 年代別にみると、 「70歳以上」の596,254円が第1位である。リフォーム工事や転 換社債の購入などの高額な契約の相談が要因と考えられる。 次いで「40歳代」の245,775円であり、出会い系サイトでの高額請求があった。 前年度同期から増額しているのは「19歳以下」で、歯の矯正治療、予備校の授業数減によ る授業料の減額等の高額な契約の相談によるものである。 (表6) 表6 契約当事者年代別既支払金額 年齢 (円) 24年 度 上 半 期 件数 19歳 以 下 25年 度 上 半 期 平均額 件数 26年 度 上 半 期 平均額 件数 平均額 58 4 6 ,4 0 3 80 5 1 ,6 4 3 80 5 7 ,6 7 9 20歳 代 146 3 1 9 ,2 0 9 135 1 2 0 ,5 0 9 183 9 2 ,0 9 3 30歳 代 260 6 9 9 ,0 3 1 256 9 0 6 ,8 0 2 253 1 9 5 ,5 5 4 40歳 代 284 2 7 2 ,0 9 9 309 5 6 6 ,2 5 9 331 2 4 5 ,7 7 5 50歳 代 222 2 9 8 ,3 2 7 240 1 7 6 ,6 8 3 251 1 5 1 ,6 7 2 60歳 代 281 5 4 7 ,8 2 3 236 5 6 2 ,5 6 7 325 2 3 8 ,8 7 7 70歳 以 上 288 7 7 1 ,9 2 4 366 8 2 8 ,9 9 8 376 5 9 6 ,2 5 4 不 明 208 1 5 4 ,8 1 8 233 3 0 7 ,0 5 8 283 7 1 8 ,4 8 0 平均金額 4 5 8 ,4 8 1 5 3 1 ,6 1 4 2 9 5 ,8 5 0 ③ 販売形態 最も多い販売形態は、 「通信販売」683件で、そのうち405件が「インターネット情報 サービス」である。次いで「訪問販売」227件、 「電話勧誘販売」191件である。特殊販 売に関する苦情割合が前年度から18.6%増加している。 (表7) 表7 販売形態別苦情件数 24年 度 上 半 期 件数 25年 度 上 半 期 構成比 前年度比 件数 構成比 前年度比 26年 度 上 半 期 件数 構成比 前年度比 通信販売 531 (30.4%) (90.3%) 519 (28.0%) (97.7%) 683 (32.8%) (131.6%) 訪問販売 239 (13.7%) (83.3%) 222 (12.0%) (92.9%) 227 (10.9%) (102.3%) 電話勧誘販売 87 (5.0%) (51.2%) 172 (9.3%) (197.7%) 191 (9.2%) (111.0%) マ ル チ商 法 22 (1.3%) (91.7%) 24 (1.3%) (109.1%) 24 (1.2%) (100.0%) ネ ガ ティブオプション 6 (0.3%) (60.0%) 31 (1.7%) (516.7%) 10 (0.5%) 訪問購入 0 (0.0%) - 9 (0.5%) (900.0%) 11 (0.5%) (122.2%) (0.4%) (57.1%) 22 (1.1%) (275.0%) その他無店舗 (32.3%) 14 (0.8%) (48.3%) 8 計 899 (51.5%) (81.1%) 985 (53.1%) (109.6%) 1,168 (56.1%) (118.6%) 店舗購入 521 (29.8%) (81.0%) 570 (30.7%) (109.4%) 627 (30.1%) (110.0%) 不 明 ・無 関 係 327 (18.7%) (84.1%) 301 (16.2%) 287 (13.8%) 1,747 (100.0%) (81.6%) 全 苦 情 件 数 (92.0%) 1,856 (100.0%) (106.2%) - 5 - (95.3%) 2,082 (100.0%) (112.2%) 2.消費者トラブルの相談事例 【事例1】 〈アダルトサイト〉 スマートフォンでアダルトサイトに接続、18歳以上に同意したら突然登録になり高額な 料金を請求された。慌てて退会メールを送信したら次々と請求メールが届くようになり、ア ドレスを変更した。他にすべきことはあるか。 [ 相談者 30歳代 男性 ] ≪結果≫ 契約に際して利用金額に合意がなければ契約は成立しておらず、内容の訂正や取消 ができる確認画面がなければ錯誤無効を主張できる。既に返信のメールを送信してしまって いるので、請求メールが届いていたと思われるが、アドレスを変更しているので今後、請求 はないと思われる。覚えのない請求や不審なメールは無視するよう助言した。 ★ 消費者へのアドバイス ★ ・ 無料だと思っても料金を請求されることがあるので、安易にアクセスしない。また、 スマートフォンではアプリを安易にダウンロードしない。 ・ 身に覚えのない請求は無視しましょう。 ・ 慌てて業者に連絡をせず、最寄りの消費生活センターへ相談しましょう。 ・ 請求画面が張り付いた場合やアプリをインストールしてしまった場合の対処法は、独 立行政法人情報処理推進機構(IPA)のホームページを参考にする。 ・ 画面に請求画面を張り付かせる行為は犯罪である可能性もあるので、警察署にも情報 提供しましょう。 【事例2】<美顔エステ> 結婚式の2ヶ月前にインターネットで見つけたブライダルエステの施術を体験。施術中に 執拗に高額なコースを勧められ20万円のコースを契約。コースにセットになっていた化粧 品を1週間使用したら炎症を起こし肌が赤くなった。解約して返金してほしい。 [ 相談者 30歳代 女性 ] ≪結果≫ 長期間で継続的にサービスを受ける契約は、特定商取引法の特定継続的役務提供と して規制を受ける。クーリング・オフ期間が過ぎていても中途解約ができると説明。契約経 緯を書面にして業者に通知するとともにカード会社にも通知するよう助言。センターから契 約書の不備等の問題点を指摘したところ、クーリング・オフができた。 ★ 消費者へのアドバイス ★ ・ ホームページや広告の情報だけに頼らず、受けたい施術や医療機関の情報を自ら収集・ 確認した上で医療機関に出向くか決める。 ・ 医療機関に施術のリスクや施術効果についての説明を求め、納得できるまで契約しな い。 ・ いったん契約すると、無条件に返金を受けることが難しいことを知っておく。その施 術は本当に必要かよく検討しましょう。 ・ トラブルにあった場合は、一人で悩まず早めに最寄りの消費生活センターへ相談し ましょう。 - 6 - このマークは、消費者(ふくタン) 、事業者(こうタン) 、行政(はば タン)の信頼と協働により、安全で安心なくらしを実現する兵庫県の 消費者行政の理念を表しています。 ~「おかしいな」と思った時や困った時は、すぐに最寄りの消費生活相談窓口へ~ 消費者ホットライン ☎0570-064-370 ※音声案内に従って郵便番号を入力すると、お近くの地域の消費生活センター等につながります。 中播磨地域の消費生活相談窓口は 兵庫県中播磨消費生活創造センター 姫路市消費生活センター 神崎郡消費生活中核センター (福崎町立生活科学センター) 神河町住民生活課 市川町住民税務課 ☎ 079-281-0993 ☎ 079-221-2110 ☎ 0790-22-4977 ☎ 0790-34-0963 ☎ 0790-26-1011 - 7 -
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