Untitled

 長
1
円
古塗函入 三巻三軸 12,000,000
恨 歌 江戸初期写
紙高 31.8
糎︑大型巻子装︑全長は(上巻) 19
米 62.8
糎︑(中巻)
米
糎︑(下巻) 米
糎︒
21
14.1
17
81.1
× 3.2
糎)
に「長恨
題簽は朱に金泥の下絵の短冊型題簽( 14.6
歌上(中︑下)」と墨書︒表装は蜀江絹風の絹織物で鶯色の地に
菱 繋 ぎ に 後 背 風 の 模 様 を 織 り だ し て い る︒ 見 返 し に は 贅 沢 な 金
箔 が 散 ら さ れ て い る︒ 印 鑑 は 巻 末 に「 家 枉 愛 奎 浮 隝 原 帯 笑 図 書
画之印」の朱角印︑巻頭に「九曜文庫」の長角朱印がある︒
文 字 の 書 か れ た 本 紙 は︑ 金 泥︑ 銀 泥 で 藤︑ 桐︑ 菊︑ 笹 松 な ど
の 草 木 や 雲︑ 蝶︑ 水 草 な ど の 下 絵 が 描 か れ︑ 極 め て 絢 爛 な 体 裁
となっている︒
ただ錯簡がある︒下巻の後半部分︑「九華帳裏魂驚」以下の六
句 が 欠 落 し て い る よ う に み え る が︑ そ の 六 句 の 二 紙 は 巻 末 に 継
が れ て い る︒ お そ ら く 裏 打 ち の 際 に 継 ぐ べ き 場 所 が 分 か ら な く
なり︑巻末に纏めておいたのであろう︒本文には脱文もなく︑完
全なものである︒
絵 は 大 和 絵 風 で︑ 金 泥 を 多 用 し︑ 細 緻 に 書 き 込 ま れ て︑ 色 合
紙 605.0
糎︑中巻六図
いも見事である︒絵の枚数は上巻七図 13
糎︑下巻五図八紙 374.0
糎で︑本文よりも少し短い
九紙 421.0
糎の長さの紙を二枚つないで描かれ︑広い構図の中で︑玄宗
47
と 楊 貴 妃 の 姿 が 生 き 生 き と 描 か れ て お り︑ こ れ ら 絵 図 だ け で も
総一四米の長巻となって絵画としても見応えのあるものになっ
ている︒広い画面の中で︑衣服や調度品までも金泥で隈取りをし︑
隅 か ら 隅 ま で 鑑 賞 に 堪 え る よ う に︑ 非 常 に 丁 寧 に 描 き 込 ま れ て
いる︒豪華絢爛な絵巻である︒このような絵の長い絵巻は珍しく︑
糎程度の紙を
貴重なもの︒本文には絵の紙よりも少し大きな 50
用い︑時折︑本文を調節するためらしく︑短い紙を継いでいる︒
絵巻の作り方についても興味深い資料となる︒
現 在 知 ら れ て い る 諸 本 は 多 く な く︑ 中 野 幸 一 氏 編﹃ 奈 良 絵 本
絵巻集』第九巻二種︑東洋大学に二種紹介されている以外には︑
龍谷大学本・大東急記念文庫本・ライデン民族博物館本・チェス
ター・ビーティー・ライブラリー本などが知られているだけである︒
本書の本文は前出「奈良絵本絵巻集」中の第一種︑龍谷大学本︑
ラ イ デ ン 本 と ほ ぼ 同 じ で あ る が︑ 漢 字 や 仮 名 な ど の 表 記 の 違 い
以 外 に も︑ 異 文 が 多 く あ り︑ 本 文 の 校 訂 に 役 立 つ︒ 本 書 は︑ 段
落 を 設 け て 書 写 さ れ︑ 濁 点 も 豊 富 に 施 さ れ て お り︑ 分 か り や す
い と こ ろ が 多 い︒ 書 写 し た 人 物 は 本 文 を 読 み な が ら 書 写 し て い
ったらしいことが窺える︒
長 恨 歌 は 唐・ 玄 宗 皇 帝 と 楊 貴 妃 の 悲 恋 の 物 語 で︑ 白 居 易 が こ
の悲恋を長編詩に作り︑「比翼連理」などの言葉で有名であるが︑
日 本 で も﹃ 源 氏 物 語 』 を 初 め と す る 物 語 の 中 の イ メ ー ジ に 用 い
ら れ︑ 日 本 文 学 の 源 泉 の 一 つ と な っ た︒ こ の 絵 巻 の 内 容 も 通 常
の 絵 巻 と 異 な っ て︑ 日 本 の 伝 統 的 な 長 恨 歌 の 訓 読︑ 解 釈 が 記 録
されており︑この面からも貴重な資料となる︒
和1
玄宗皇帝の心理や長恨歌の世界がよく理解できるように描画
さ れ て お り︑ 絵 画 の 面 で も 本 文 の 面 で も︑ 非 常 に 貴 重 で︑ 且 つ
王朝物語の世界にも浸ることができるように作られたと思われ
る豪華絢爛な優れた一品である︒
和2
円
黒漆桐函入 二巻二軸 18,000,000
き
2 ようしゆん 寛文、延宝頃写
紙高上下とも 31.3
糎︑長サ(上巻) 12
米 86.0
糎︑
(下巻)
米 53.0
糎︑本文料紙三十二紙継ぎの長巻絵巻︑大型の巻
16
子本︒表紙は香色地に緑と金の葉付菊花紋の緞子装︒金泥下
絵のある短冊型朱題簽に「きようしゆん 上(下)」と墨書す
る︒見返しは布目金箔︒軸は直径 2.2
糎の象牙︒これらの装
丁は原装と思われる︒
本文料紙は厚手の鳥の子紙で︑下絵に金泥で雲霞・遠山・
帆舟・菖蒲・蓬・萩・桜・竹等を描く︒詞書は上下各七段ず
つ︒筆跡は肉太の伸びのある能筆で︑ほとんどが仮名書きで
ある︒ 極少虫入、部分文字詞書擦レ、各巻頭に個人蔵印
挿絵は上下二巻で計十二図︒また上下巻にそれぞれ三図ず
つ︑ 95
糎にもおよぶ長大図がある︒絵は上下の雲に金切箔
を散らし︑絵中にも金彩を多用した極彩色の大和絵で︑その
濃彩な画面は絢爛目を奪うものがある︒製作時期は江戸初期︑
ほぼ寛文︑延宝頃と見られる︒
内容は︑中国古代の聖帝と称えられた堯帝・舜帝について
の十四段からなる物語で︑お伽草子の「二十四孝」などにも
伝えられているが︑中には耳新しい説話もあって興味深い︒
堯・舜についての事蹟や説話を︑本書のような形にまとめた
ものは他に所伝を聞かず︑
「室町時代物語類現存本簡明目録」
や﹃国書総目録』にも「堯舜」と題する奈良絵本や絵巻は見
いだせない︒ただし﹃弘文荘待賈古書目』第二十六号と三十
号に︑「堯舜物語絵巻 寛文元禄頃写 奈良絵本」とあるが︑
これはその寸法や装丁から見て︑本書そのものと思われる︒
したがって本書は︑現在知りうる範囲においては︑他に伝存
を見ない孤本ということであろうか︒
和3
和4
円
11,000,000
ほ う ら い ─蓬萊物語絵巻─ 寛文頃写
3
黒漆桐函入 二巻二軸 面薄汚レアリ。各巻巻頭に二種の蔵印有
紙高各 31.7
糎︑ 長 サ( 上 巻) 米
糎︑(下巻) 米
8 45.8
9 50.5
糎︒本文料紙上巻十七紙継ぎ︑下巻二十紙継ぎ︒大型巻子装︑
上下二巻の絵巻︒表紙は鉄色地に菊唐草の金襴︒題簽は金泥下
絵のある短冊型鳥の子紙に本文と同筆で「ほうらい 上」・「蓬
萊 下」とある︒見返しは布目の金箔︒軸頭は直径二・五糎の
象牙︒これらの装丁はすべて原装である︒本文料紙は金泥下絵
のある上質の鳥の子紙︒紙背は金切箔を散らした雲母引き紙(部
︒一行の字詰は約十六~十八字前後︒筆跡は伸びのあ
分汚レアリ)
る流麗︑漢字まじりの仮名書き︒所々読みにくい漢字には振仮
名をつけている︒挿絵は︑上巻五図(巻末は余白がほとんどな
く︑断ち切りされている)︑下巻七図の計十二図︒うち上・下
糎以上の長大図が各二図ある︒絵は天地の雲に金切
巻とも 90
箔砂子を散らし︑金彩を多用した極彩色の大和絵で︑絢爛目を
奪うものがある︒豪華な装丁や料紙とともに︑この種の絵巻の
中では最上の部類に属するものであろう︒製作年代は江戸初期︑
表裏両
ほぼ寛文頃と推定される︒ 各巻折レ・シワなど補修済、少筋目アリ、 内容は不老不死の薬があるという蓬萊山(常世国)と︑これ
らにまつわる唐尭︑田道間守︑始皇帝・徐福︑漢武帝・西王母︑
玄宗・楊貴妃の伝説を挙げ︑最後に浦島説話に近い安曇安彦の
異郷訪問譚で幕を閉じる︒(渡辺匡一氏「お伽草子事典」)
「蓬萊物語」は「蓬萊山」「蓬萊山由来」などの名称で伝来し
ている諸本もあるが︑現在知られる伝本の数はさして多い方で
はない︒奈良絵本としては︑京大美学研究室蔵本︑実践女子大
蔵横本二冊︑スペンサー・コレクション大型本二冊など︑絵巻
としては︑元赤木文庫蔵二巻を始め︑西ドイツ国立図書館蔵二
巻などの四部︑このほか︑旧ハイド・コレクションの中にも寛
文頃の見事な絵巻二巻が見られ︑二︑三の重複はあるとしても︑
この作品の伝本は更に数部を加えることができる︒これらの諸
本の本文は︑寛文四年版本が形態・本文ともに若干異なってい
るほかはほとんど同一で︑挿絵の数も九から十一図となってい
る︒この点本書は挿絵が十二図あって︑他本よりも一図多い︒
京大美学美術研究室本と本書の本文との比較をすると︑初段の
四十一行中わずかに十三個所の異同を見るのみ︑それもほとん
ど異文というほどのものではない︒ただ本書の方が漢字を多く
用いているが︑振仮名を付しているものも多いので︑より理解
しやすくなっていると言える︒
和5
和6
奈
4 良絵本 釈迦一代記 寛永、正保頃
円
古桐函入 五冊 20,000,000
縦 30.1
糎︑ 横 22.2
糎︒ 袋 綴 装︑ 大 型 本︒ 表 紙 は 鳥 の 子 紙 に
唐草文様︒ 少傷擦レアリ、題簽ナシ、本文料紙一部手擦レによる薄汚レ、少虫損
本書は﹃釈迦の本地』として知られる釈迦の一生を描いた物語
の絵入本︒﹃釈迦の本地』は中世から近世にかけてさまざまなか
たちで流布したが︑なかには美麗な絵巻や絵入本に仕立てられた
ものも少なくない︒本書もまた︑金泥の下絵が施された本文料紙
に︑金切箔や金彩をふんだんに用いた極彩色の挿絵が添えられた︑
きわめて豪華な本である︒
﹃釈 迦の本 地 』の本 文 は︑刊本 系 とそれ 以 外に大 別 でき るが︑
本書は刊本系のなかでもとくに古活字本の本文に近い︒本書と同
様に古活字本に近い本文をもつ絵入本としては︑大英博物館所蔵
の絵入本がある︒大英博本も本書とおなじく五帖仕立てであり︑
巻分けや挿絵の位置などが一致するところも多いが︑挿絵の構図
には共通点はほとんどみられず︑それぞれが独自の画面を構成し
ている︒
挿絵は巻一に六図(うち見開一図)︑巻二に六図(うち見開一
図)︑巻三に六図(うち見開一図)︑巻四に六図(うち見開一図)︑
巻五に五図(うち見開一図)の計二十九図︒太子の誕生︑弓競べ︑
踰城出家︑目連の外道降伏︑涅槃の場面が躍動感あふれる筆致で
描かれており圧巻である︒
和7
和8
桐函入 五冊 奈
5 良絵本 本朝孝子伝 元禄頃写
円
12,000,000
縦 24.5
糎︑横 17.8
糎︑半紙本︑列帖装︒丁数は全五冊
で計 217
丁︒表紙は青磁色雲文地に竜丸飛文の金襴︑見返
しは布目の金箔︑表紙中央に金泥の雲霞下絵の短冊型題簽
を付し︑本文と同筆で「本朝孝子伝 一(二~五)」と墨書
する︒原装︒本文料紙は鳥の子紙︒一面十行書き︑一行 17
~ 20
字前後︒保存は極良好︒ 各巻巻頭に個人蔵印
本文は天子・公卿・士庶・婦女・近世の五つに分け︑計
七十四人の孝行談を収載している︒その内訳は︑第一冊十
七話・第二冊十六話・第三冊十三話・第四冊十四話・第五
冊十四話となっている︒
挿絵は全五冊で計三十五図︒絵は天地の雲霞に金切箔を
用 い︑ 画 中 に も 金 銀 を 多 用 し た 華 麗 な 極 彩 色 の 大 和 絵 で︑
人物の姿態や表情は巧みである︒筆跡は濃淡の少ない麗筆
で︑書写年代は江戸前期︑ほぼ元禄頃と思われる︒函は桐
の茶漆塗りで蓋上中央に「奈良絵本/本朝孝子伝 五冊/
江戸時代初期」と三行に記した貼紙があり︑「鳥」の篆書陰
刻朱印が押してある︒
らん さい
﹃ 本 朝 孝 子 伝 』 は︑ 江 戸 前 期 の 儒 学 者 藤 井 懶 斎( 1618
~
)の著で︑三巻から成り︑古今の孝子談七十一話をあつ
1709
めたもの︒成立は寛文( 1661
)以後︑天和四年( 1784
)を遡る
近い時期と考えられる︒
伝本には天和四年版と︑同版の貞享二年版・同四年版な
ど が あ る が︑ こ れ ら は す べ て 漢 文 体 で 記 さ れ た 絵 入 本 で︑
挿絵は各話に一つずつ七十一図を含んでいる︒一方︑仮名
書きの版本は︑﹃仮名本朝孝子伝』として︑貞享四年版・宝
永五年版・明和七年版等があるが︑内容は漢文体のものと
同じく七十一話を収載しており︑挿絵も同じである︒本書は︑
この﹃仮名本朝孝子伝』と同類のものであるが︑奈良絵本
仕立ての「本朝孝子伝」は極めて珍しく︑他に所伝を聞か
ない孤本と思われる︒
本書に収載の孝子談は︑前述のようにすべてで七十四話
で︑この点版本の孝子伝よりも三話多い︒挿絵三十五図は︑
版 本 の 七 十 一図 か ら 選 ん で そ れ を 基 に 描 い た も の ら し く︑
構図上の類似が見られるが︑版本の挿絵がいかにも簡略で
あるのに比して︑本書の挿絵は省略することなく︑かつ細
密である︒
また︑本書の本文は︑仮名の版本と文字遣いの面で本書
の方がやや仮名書きが多いのみで︑ほとんど一致している
ことから︑この仮名版本と密接な関係を有するものと考え
られる︒
和9
和 10
奈
6 良絵本 狭衣物語画帖(仮題)
二帖 桐函入
寛保~宝暦頃写 全八十八図
円
3,000,000
縦
糎︑横 21.0
糎(挿 絵 の 大 き さ 縦 23.0
糎︑
30.0
糎)︒上下巻各 44
枚︑緞子織表紙︑三方金︒
横 16.4
本画帖は︑奈良絵本の絵のみを貼り込んだもので︑
一帖に四十四図ずつ︑合計八十八図もの美麗な挿絵
を収める︒体裁や画風からは︑同一工房の作による
ものと推測されるが︑複数の作品をとりあわせたも
のである可能性も考えられる︒ただし︑その大部分
は﹃狭衣物語』が占めるとみられ︑とくに承応三年
刊の絵入版本と共通する構図のものが多いことが注
目される︒﹃狭衣物語』の承応三年版は五十近い挿絵
を収めるが︑本画帖は︑そのうち半数ちかくと近似
した構図をもつ︒版本にみられない構図のものにつ
いても︑﹃狭衣物語』の場面に 比定できるものもあり︑
もとは版本以上に挿絵を多く含む豪華本であったと
考えられる︒ただ︑貼り込まれた順序は﹃狭衣物語』
の 物 語 の 進 行 に し た が っ た も の で は な い︒ ま た︑
あめのわかみこ
天稚御子の降臨や︑飛鳥井の姫君の筑紫下向の場面
など︑ 変化に富んだ劇的な場面に相当するものがみ
られないことから︑﹃狭衣物語』全編の挿絵を完備す
るものではない可能性もある︒
﹃狭衣物語』の一部にもとづく﹃狭衣の草子』につ
いては︑奈良絵本も複数確認されているものの︑﹃狭
衣物語』そのものを奈良絵本に仕立てたものとして
は類例があまり知られておらず貴重である︒
絵については︑相貌は顔の輪郭が丸みを帯びた下
膨れのものが多く︑目が若干離れて小さく施されて
いる︒構図は前述のように版本挿絵と類似するもの
が多くみられるが︑数多く登場する人物を衣装の紋
様などで細やかに描き分けているなど︑全図に亘り
丁 寧 な 彩 色 を 施 し て い る︒ さ ら に 特 筆 さ れ る の が︑
室内障屏画の描写や鳳輦︑牛車といった器物の表現
で︑中でも五点描かれている仏龕は︑釈迦如来︑阿
弥陀如来から︑経文の掛け軸にいたるまで︑仏具の
荘厳と共に多彩に描き分けられている︒顔料や砂子
の様子から十八世紀後半の奈良絵本専門画工の手に
なるものと推察される︒
和 11
和 12
清
7 水寺縁起絵巻 江戸後期写
円
桐函入 三巻三軸 5,500,000
巻第七図少薄汚レ、個人蔵印二種
紙高
糎︑長 サ( 上巻) 米 21.3
糎︑
35.8
22
(中巻) 18
米 97.7
糎︑(下巻) 21
米 21.1
糎の
長巻︒表紙藍鉄色輪違い模様入緞子装︑題簽
付︒見返し銀箔波型模様入︒ 少虫入(一部補修)、中
清水寺創建と本尊の千手観音にまつわる縁
起を説いた三巻本の模写︒原本(重文)は東京
国立博物館に所蔵され︑﹃実隆公記』等によ
り永正十七(
)に完成したとされる︒詞書
1520
は 三 条 実 香( 1469
~ 1559
)︑ 甘 露 寺 元 長( 1457
~
)ほ か の 手 に な り︑ 絵 は 土 佐 光 信
1527
( 1434
?~ 1525
)が 手 掛 け て い る︒ 上 巻 で 僧
賢心の発心︑坂上田村麻呂の清水寺創建と蝦
夷討伐が描かれ︑この戦いに対する清水観音
の加護が描かれる︒中巻では蝦夷との戦いに
勝利をおさめた田村麻呂が凱旋し︑清水寺を
再建する様子が描かれ︑今日でも有名な清水
の舞台も登場し︑最後は田村麻呂の葬儀が描
かれる︒
下巻には本尊千手観音によるその他の奇瑞
が描かれる︒霊験譚は観音三十三応化身にち
なんで三巻三十三段にまとめられ︑物々しい
合戦の場面など劇的に展開する︒摸本は︑彩
色や建物の細部などを簡略化するものの︑流
麗な詞書とともに︑壮大な原本の図様をあま
すところなくとらえている︒函に「文晁自写」
と あ る が︑ 奥 書 等 は な く︑ 谷 文 晁( 1763
~
)に拠るものかは不明︒
1840
和 13
8)四天王寺蔵
扇面法華経下絵 江戸前期写
塗函入 1軸 250,000円
縦27.0糎、横248.0糎。極彩色。図6面。
四天王寺蔵「扇面法華経」の下絵を写したものの断簡六葉で、詞書(経文)は書写されていない。料紙は上質の楮紙。写し
は丁寧な筆致で、画風は唐絵の影響から脱した大和絵の優美、品格を原本から忠実に模写している。この四天王寺蔵本では、
「法華経」巻一、六、七および開結経2帖の計5帖が伝存するが、その他東京国立博物館にも巻八を、また各所に断簡5葉が分蔵
されている。
絵画の表現対象としては、人物が大部分であるが、公家と姫、或いは公家と子供の遊びなど、貴族や庶民の風俗など、自然
の景物が描かれ、断簡とはいえ絵画史はもとより、歴史資料としても価値が高い。
9)加茂祭礼絵巻 江戸後期写
古桐函入 1軸 3,000,000円
紙高30.7糎、長サ13米42糎の長巻。紙本。題簽付。奥書あり。表紙緞子織。全34紙(うち挿絵30紙、詞書4紙)。個人旧蔵印一種・虫入(一
部補修済)
本絵巻は一般に「葵祭」の名で知られる「加茂祭」(賀茂祭)の由来とその行列を描いたもの。詞書と奥書によれば、鎌倉後期、
亀山上皇主催の絵合のおりに、文永十一(1274)年四月十五日に行われた賀茂祭の行列を、絵を藤原為信、詞を藤原定成が担当し制作
された絵巻を藤原経業が献上したが、これを原本とし、ついで元徳二(1330)年、絵所預の高階隆兼と入道(源)季邦が書写したもの
を、さらに元禄七(1694)年、高階定信が絵を、沙門旦生が詞を転写したものとする。元禄七年は、約200年中断していた賀茂祭の行
列が再興された時期であり、このおり元徳本の模写が盛んになったと考えられる。更に詞書・奥書の筆者とは別の手で、その後、宝
暦十二(1762)年に別本と校合したとの追記がなされている。同系統の写本は、國學院大學、神宮文庫などに所蔵される。中でも『賀
茂祭草子』(京都産業大学所蔵)は、詞書の内容、図様ともに、近似している。
詞書には賀茂蔡の来歴と文永十一年の祭の意義、祭行列の見物者や検非違使列の様子、さらに近衛使の餝車、弘長の禁制、斎王在
任時代との比較などが記されている。段落式に付される絵では、見物の牛車や騎馬、庶民、行列の検非違使主従の様子、最後に華美
な餝車につづき、女使(もと斎王)の牛車と侍従たちなどが描かれる。京都産業大学本同様、衣装を近世化しておらず、古様を伝え
ている点で、史料として貴重である。
和 14
布函入 一巻一軸 長谷雄卿草子絵巻 江戸初期写
10
円
750,000
紙高 33.0
糎︑長サ 米
糎︒布表紙︑見返し楮紙︒台紙貼込︒
9 2.0
料紙は鳥の子紙︒ 挿絵一部に虫穴、薄汚レ。個人旧蔵印
鎌倉末期︑十三世紀末から十四世紀前半に製作されたといわれ
る永青文庫蔵「長谷雄草子」の模本︒冒頭第一段の詞書および第
五段の詞書末尾一文と︑挿絵(長谷雄が路上で鬼と出会い︑鬼が
逃げていくまでの図)が欠落している︒
歴代勇士図会 江戸後期写 紙本極彩色 11
桐函入 二巻二軸 円
400,000
紙 高 25.7
糎︑ 長 サ( 上 巻) 835.0
糎︑( 下 巻) 838.0
糎︒ 表 紙 は 黄 土 色 地 の 花 模 様 入
絹装︑題簽はおよそ幅 2.4
糎︑長サ 18.3
糎の金箔砂子紙短冊型の貼込︑無題︒料紙は厚
手鳥の子紙で︑一紙 18.0
糎幅の冊子本を巻子装に改めたもの︒軸頭は直径各 1.5
糎の木
製︒紙背は地模様入厚手鳥の子紙による総裏張︒ 料紙部分薄汚レ、僅カ虫入、シミアリ。個人蔵印
挿絵は上・下巻で八十図︑極彩色で各紙戦場での主たる武将名をはじめ︑合戦の様子
が詳述されている︒
上巻初めには「歴代勇士図絵自序」と内題され︑本書の概略と︑同筆で天保十二年丑
春二月 加納自然斎筆と末尾に記されている︒(筆者とされる加納自然斎は未詳︒)
内容は平安中期から足利時代に至る主な合戦の(武将を中心とした)絵図で︑引用さ
れた俗史書や歴史軍記物語は︑前太平記・後三年合戦記・保元︑平治物語・源平盛衰記・
平家物語・義経記・吾妻鏡・承久物語・太平記など︑多彩を極めている︒
和 15
12)古活字版
住 吉 物 語 慶長中刊 第一種本 上・下二巻
1帙 2冊 7,800,000円
縦27.3糎、横20.0糎。栗色元表紙(綴糸替り)、元題簽付(下巻僅カ傷跡)。
活字は古活字版「竹取物語」と同種で毎半葉10行大字本、平仮名交じ
り、袋綴。上巻四十四丁、下巻三十一丁。内題「住吉物語下」下巻巻末
に「住吉物語依少人御所望以秘本興行也」と付刻されている。
保存は極めて良く、各冊巻首に旧蔵印朱消跡及び数葉に僅カな虫穴と
小さいシミ、手擦れがある。各巻末に「月明荘」の蔵印。
「住吉物語」の古活字本伝本は一、二、三種本の他、のちに異植字版
も一本開版されているが、掲出の第一種本は現存極めて稀。
和 16
13)古活字版
すみよし物語 元和頃刊 第二種本 上・下合冊
1帙 1冊 3,800,000円
縦26.2糎、横20.0糎。濃紺表紙、毎半葉12行23字、袋綴。題簽欠
上巻三十丁、下巻十九丁、平仮名交じり、版心に巻数及び丁数を付す。
内題「すみよし物語上(~下)」とあるが上巻には手書き墨筆で「上下
合本」と補筆されている。極僅カな虫穴は完全に補修されて活字の摺り
も美しく極上の保存状態。蔵印は二種あり、うち一種は「月明荘」の朱印。
和 17
14)古活字版
ぢんてき問答 元和寛永中刊 第三種本
1帙1冊 3,800,000円
栗皮色元表紙(傷ミ・題簽欠)、毎半葉11行20字、袋綴、全三十九丁、平仮名交じり。蔵印一種
「塵滴問答」は教訓書として知られる。本文は正中二(1325)年のこととし、「塵滴問答集」と題する伝本
もある。内容は遠江今善光寺の門前の茶屋で、白山参詣の修行者と名乗る老僧妙塵坊と、三十余歳の商人
との問答を筆録した形式をとったもので、二十余項についてすべてを仏法に付会して、仏教の信ずるべき
ことを説く。商人が妙塵坊と問答後に出家して善滴を称するのが書名の由来(羽下徳彦氏)。
慶長十三年の書写にかかる最古の伝本(静嘉堂文庫、旧安田文庫蔵本)から仮名草子風に書き改めたも
ので、当時の人士に歓迎され、慶長末年から寛永年間にわたって数度の開版が行われたと聞く。
0
和 18
0
16)絵入
大和物語 題簽「やまと物語并首書」
明暦三年刊 谷岡七左衛門板
第一、三冊表紙擦レ補修、蔵印有 1帙 5冊 55,000円
18)絵入
源氏物語 五十四巻 付目案六巻 万治三年刊
林和泉掾板行 縦14.4糎、横20.8糎
元表紙・題簽一部欠 表紙少擦レ 僅カ細字書入
「山ちの露」
「源氏引歌」各冊欠。「あかし」
「てならひ」に各一丁欠。
15)伊
勢物語
絵入 二巻 宝永二年刊
礒田太良兵衛板 元表紙擦レ・ややツカレ 題簽墨書入
1帙 2冊 180,000円
17)源氏男女装束抄 上・下後附共
月村斎宗碩著 元禄九年刊
元表紙少擦レ 上・下巻題簽欠 1帙 3冊 180,000円
4帙 28冊 800,000円
19)雨夜物語だみことば 加藤宇万伎 安永六年刊 出雲寺文治郎等板
1帙 2冊 150,000円
縦25.5糎、横18.1糎。袋綴大本二冊(上下)。浅葱色の無地表紙の左肩に、「雨夜物語たみことは 上(下)」の刷題箋(損傷有)。
本文料紙は楮紙。刷りは鮮明であり、虫損と朱の書き込みはあるが状態は良好。
本書は、加藤宇万伎の著になる『源氏物語』帚木巻の注釈書。『源氏物語』の本文に簡単な注を傍記し、頭注では、諸書を引用
し難語を解説する。巻頭には上田秋成の序文(安永四年)と宇万伎本人の序文(明和六年)の二種類が添えられている。
和 19
20)徒然草諺解 五巻 南部草寿著 延宝五年刊 中村七兵衛板
元表紙少擦レ 題簽後筆貼込 1帙
5冊 260,000円
21)徒然草諸抄大成 二十巻 浅香久敬(山井)編 貞享五年刊 武村新兵衛板
23)首書絵入
和 20
元表紙 題簽付 第一冊表紙シミ跡・擦レ
徒然草吟和抄
五巻
元禄三年刊本の天保十一年重版本
元表紙題簽付、擦レ・摩損 1帙 5冊 120,000円 20冊 180,000円
22)改正
徒然草文段鈔
七巻 北村季吟
享保二年刊 田中庄兵衛等板
表紙擦レ・変色 題簽磨損 合本1帙 3冊 140,000円
25)宝
物 集 三巻 平康頼著 寛文元年刊 高橋清兵衛板
表紙・元題簽擦レ薄汚レ 1帙
27)続
世 継(今鏡)十巻
慶安三年刊 中野道伴板
120,000円
表紙擦レ、虫損補修、題簽磨損 蔵印、一ヶ所乱丁 合本2冊
28)絵入
24)謡曲
住 吉 詣 (下掛り写本) 江戸中期写
表紙少擦レ 1帙
3冊 150,000円
26)閑
居 友
1冊 95,000円
二巻 刊年不記
元表紙・題簽共、経年退色虫損補修 蔵印有 1帙
2冊 80,000円
源平盛衰記 四十八巻 替表紙少擦レ、3丁僅カ破レ、巻四十七1丁欠有 蔵印 2帙 24冊 200,000円
和 21
29)義
経虎巻
三巻 絵図入(兵法) 万治三年刊
3冊 1,400,000円
縦26.2糎、横18.5糎。内題「虎之巻 上巻(中・下巻)」 替表紙 墨書打付書題簽「万治三年古板義経公虎巻 天
(地・人)」。挿絵42頁分(一部後筆の着彩アリ)、印記、三種の蔵印。本文料紙に手擦レ、僅かな虫入があるが保存は上。
本書は兵法秘術四十二ヶ条について、その由来を義経等が用いたとされる兵法の相伝、伝承を詳述したもの。本
書は果園文庫目録(小田久太郎氏蔵書)に収載されているが、他には天理図書館に稀書として一組、また早稲田大
学図書館には上・中巻の所蔵がみられるのみで、市場に出ることは極めて少ない。なお武将等の挿絵は四十二頁に
わたるが、絵は古浄瑠璃「景正雷問答」に以る、といわれている。
30)義
和 22
経 記 絵入新板 巻一~七(第八巻欠) 元禄頃刊
元表紙 一部題簽付 擦レ・薄汚レ有
1帙 7冊 180,000円
31)絵入
義 経 記
八巻 寛文十年刊 吉野屋惣兵衛板
個人蔵書印二種 1帙
8冊 380,000円
縦26.2糎、横18.7糎。元表紙、題簽表題「新板 義経記一~」とある。本文全233丁、挿絵78図。見返
しに墨書による旧蔵者名や巻数などの落書があり、本文挿絵にも極一部淡い着彩がある。本の状態は経
年あるいは利用によって部分的に擦れや僅かに破れ(第二冊巻末半行)の他、部分虫損(補修)が見られる。
全体にややツカレの感がある。本文の摺りは挿絵に数葉の掠れがあるが各葉の文字はしっかりと美しく
印字されている。
「義経記」の成立は文体の古さから鎌倉末期という説と、室町中期という説があるようだが、今日は
後者が多くの支持を得ていると聞く。
諸本としては内容や形式の上から「判官物語」系と「流布本」系の写本、および「刊本」の三つの系
統に大別されるが、本書は最も完備されている刊本で、半丁(毎葉)14行、26~27字詰で摺られている。
32)前太平記図絵 六巻 秋里籬嶌著 法橋中和画 無刊記〔享和・壬戌頃刊〕 田中治兵衛板 6冊 80,000円
和 23
33)太
平 記 四十巻付劒巻一巻、目録一巻
34)
古活字版
元題簽「新刻太平記」 寛文十一年刊
表紙経年退色擦レ、第一冊半丁汚損
2帙
本文一部シミ、虫入有
きのふはけふの物語 二巻 (咄本) 元和中刊
21冊 150,000円
1帙 2冊 5,900,000円
縦23.8糎、横17.4糎。栗皮色表紙(題簽欠)。無辺無界、毎半葉10行、漢字仮名交じり。少墨汚レ・シミ・虫入
『昨日は今日の物語』は短編の笑話を集めた作者未詳の咄本。『醒睡笑』や『戯言養気集』とともに、日本にお
ける咄本の初期の作品。僧と稚児、僧の女郎買い、間男等の好色話が多く、またおろか者の話や無知譚など神宮
文庫本と等しい最も古い版。上巻七十八話、下巻七十二話を収める。織豊期の実在人物に関する実話はほとんど
狂歌咄である。本書の古活字版は近年市場に出るのは極めて稀。
35) 本朝故事因縁集 五巻 元禄二年刊 万屋清兵衛・金屋庄兵衛板
5冊 250,000円
縦25.2糎、横17.2糎。袋綴。縹色の無地表紙、左肩に「本朝故㕝因縁集 一(~五)」の刷り題簽。内題「本朝故㕝因縁集
巻之一(~五)」。本文料紙は楮紙。本文に少し虫損があり、極少の鉛筆書き込みが見られるが、刷りは鮮明でズレのない初版。
状態は良好。
本書は、古今諸国の奇談・因縁話約150話を収めた説話集で、当時行われていた説法談義の材との共通性から僧の手による
ものと考えられている。
また本書は仏教説話的性格をもつ一方で、怪異談としての性格も強く、後の仮名草子や浮世草子に強い影響を与えたようで
ある。伝本は多くはなく、『京都大学蔵大惣本稀書集成』(臨川書店刊)に収められているが、近世説話の派生や出典研究には重要
な位置にある資料であろう。
和 24
本 朝 女 鑑 十二巻 浅井了意著 寛文元年 吉田四郎右衛門板 替表紙虫入補修 1帙 7冊 540,000円
36)絵入
37)教
訓 差 出 口 伊藤単朴著 宝暦十二年刊 吉文字屋市兵衛・吉文字屋次郎兵衛板
元表紙題簽付 少虫損、表紙摩損、裏表紙墨書入
5冊 180,000円
縦22.8糎、横15.8糎。単朴(1680~1758)は静観房好阿の『当世下手談義』
(宝暦二年刊)に触発されて同年に『教訓雑長持』を著した教
訓談義本作者である。八王子辺の青柳に住したことから、「青柳散人」を号としている。
本書の跋文(宝暦十年)では「青柳野人」なる人物が単朴について、「宝暦寅の秋、稲葉の露と消うせて、心空相観居士と、名のみ残り
ぬ」と記しており、本書刊行時すでに単朴は亡くなっているため(宝暦八年没)、宝暦十二年刊の本書は単朴の遺稿であり、「青柳野人」
は単朴とは別人である。
単朴は都合五部の教訓談義本を刊行することとなったが、遺稿として刊行されたものは本書以外に『不断用心記』
(明和三年刊)、『楚
古良探』
(明和五年刊)の三部であり、生前に刊行されたものは『教訓雑長持』『銭湯新話』
(宝暦四年刊)の二部のみである。
さいくはりゅうぎしあげのおしえ
38)職流義仕上押絵 三巻(黄表紙) 薄川八重成作 栄松斎長喜画 享和三年刊 西村屋与八板
表紙擦レ、上巻題簽欠、表紙・見返し墨書入アリ
1帙 3冊 200,000円
和 25
1帙 12冊 350,000円
初・二編:天保三年刊 三・四編:同四年刊(後刷) 大島屋伝右衛門板
男子草履打 40
六巻(合巻) 山東京伝作 歌川豊国画 文化八年刊
和泉屋市兵衛等板 一帙 二冊 380,000
円
縦 22.0
糎︑横 15.5
糎︒前後編二冊三十丁︒自序(「文化七年庚午五月稿了 八年辛未新繪草紙 山東京傳作」)あり︒外題「男子草履打」
(方簽)︑内題「︿岩藤左衛門/尾上之助﹀おとこぞうり打」︑
版心 「さ(ざ・ぞ)うり打」︒ 一部虫損
この作品は︑中本と半紙本の二つの形で板行された︒中本のものが初刷で︑本書はこれにほとん
ど間をあけることなく出された後刷本である︒落書きによる彩色やシミが多いものの︑墨付きは良
く︑表紙も色褪せが少なく︑題簽も良い状態で残っている︒本作は伝本が少ないもの︒
前編は︑浄瑠璃や歌舞伎で有名な「鏡山」の草履打の趣向を男の世界に持ち込んだ話であり︑後
編では﹃山崎与次兵衛寿の門松』(享保三年)で知られる「吾妻与次兵衛」の趣向を取り入れている︒
科白なども演劇調の言い回しを多用し︑この時期の京伝の作品らしく演劇色豊かな作品に仕上がっ
ている︒前編末尾には︑豊国の筆による京伝壮年期の姿を写した似顔絵がある︒
和 26
児 誉 美 十二巻 絵入 為永春水作 柳川重信・柳川重山画
39)梅
蔵印・見返しに墨落書アリ
縦178.0糎、横11.9糎。元表紙、題簽付。内題「春色梅ごよ美」。彩色挿絵12丁。ややツカレ本・第4冊目第3〜6丁落丁・手擦レ・
41)北
越 雪 譜 初編・二編共 鈴木牧水編 初編三巻三冊 天保十三年 河内屋茂兵衛等板 二編三巻四冊
天保十一年 京山人百樹増修・序 元表紙題簽付(擦レ) 全体にややツカレ本 蔵印
43)伊勢土産
45)小
二 見 盃 (滑稽本) 瀧亭鯉丈編
春斎英笑画 刊年不記 西村屋与八等板
元表紙題簽付少擦レ 2冊 45,000円
栗 実 記 十二巻 付図讃・目録一巻 畠山泰全編
享保二十年刊 浪速書林板 漢字片仮名交り
元表紙題簽共擦レ有 極少虫入 13冊 95,000円
蔵印 表紙ラベル貼付
1帙7冊 600,000円
42)祗園会細記 江戸後期刊 替表紙 書題簽 奥書ナシ
「山鉾由来記」と本書を合わせ「祇園祭礼記」と称するもの
料紙一丁の一部に破レ・シミ有 1冊 40,000円 44)女人愛執恠異録 二巻 (読本)
臨水軒西隠伝阿著 文化三年刊 幡龍律寺蔵板
一瀬文庫他蔵印 見返し墨筆書入有 1冊 60,000円
和 27
46)和
漢 朗 詠 集 上・下二巻 江戸後期写
1帙 2冊 260,000円
縦26.0糎、横19.7糎。料紙上鳥の子紙、袋綴、題簽付。上巻見返しに「世尊寺定成朝臣書」の短冊型貼
紙アリ。「双鉤填墨」の写しがあることから、版本の書写と思われる。
47)竹
48)袖
中 抄 二十巻 顕昭著 (歌学書)慶安四年刊
丸屋庄三郎板 元表紙題簽共極美
1帙 10冊 220,000円
園 抄 (歌学書) 江戸前期写
桐函入
1帖 160,000円
縦16.5糎、横16.5糎。枡形本、全三十丁、綴
葉装、替表紙、見返し金銀箔散らし。ややツカレ
料紙は光沢のある薄鳥の子紙。
構成は流布本である寛永版本と同一であるが、
挿絵は省略されている。巻末には本文の「風体
之事」の末筆につづけて七行の識語がある。
(巻四題簽欠)
49)古今和歌集両度聞書 四巻 東常縁講 宗祇記 江戸中期写 表紙題簽「古今和歌集抄一(~三)」
唐草文様緞子織 粘葉装 見返し各金箔押 本文楮紙
1帙 4冊 250,000円
「古今集」全巻に及ぶ注釈で、常縁の説いたものを宗祇が整えて成文化しているという。宗祇は古今伝授の講釈を、本書を基
礎としている。本書は寛永版本或いは万治二年の再刊本の転写と思われるが、巻五、六を欠く。但し、本書の写本自体は非常に
少なく、そのほとんどは版本系の本文を持つといわれている。
和 28
51)新古今和歌集聞書 四巻
東常縁講・細川幽斎補 慶長二年刊
丹山隠士玄旨奥書
表紙擦レ・題簽磨損・少虫損補修 1帙 2冊 120,000円
52)八
代 集 伝堯真筆 室町末期写
50)古 今 類 句 山本春正編 寛文六年刊 山本景正板
第六冊表紙に朱蔵印・部分墨書入・少虫 16冊 240,000円
11冊 2,400,000円
縦25.5糎、横18.0糎。列帖装。各冊とも装丁は同じ。本文料紙は鳥の子。表紙は下地に金箔を貼り、その上に鱗形を織
りだした紺色の織物を重ねる。前後の見返しには、桜花の型を押した金箔を貼る。外題は、表紙左肩に「古今和歌集」等
の書き題簽。題簽の上下には金銀の箔が散らされている。中には金銀箔で梅花、桜花の花弁を成形したものもある。全冊
一筆で、書写奥書はないものの、室町末期写と見られる。金字で「八代集」と書かれた蓋つきの黒漆塗倹飩蓋箱に入れられ、
さらに外函も付されている。
全十一冊。後拾遺和歌集、千載和歌集、新古今和歌集が上下に分冊書写されるほかは、一歌集は一冊に写される。
特に古今集には、鑑定極が添えられているが「古今和歌集外題」と書かれた添え状には、表に「堯孝門人堯真 大智庵
其阿/古今和歌集 端五枚奥十二枚 〔琴山印〕」、裏に「古筆了仲」の印のある極札が封入されている。また、「古今和歌
集極」の添え状には、「古今和歌集 全部/堯孝法印門弟 堯真/口五枚 奥七枚/真名序/大智庵其阿/右両筆無紛者也
/金子壱枚/元禄四年孟春下旬 古筆了仲」とある。分家三代古筆了仲が、元禄四年一月下旬に鑑定したもの。裏に「古
筆了仲」の印のある極札は、非常に珍しい。
和 29
54)古今和歌集打聴 賀茂真淵 江戸後期写
1帙 20冊 200,000円
縦24.8糎、横17.4糎。袋綴装。藍色表紙。楮紙。外題打付書「古
今和歌集打聴巻一」(第一冊)。全丁一筆。巻首欠
賀茂真淵著『古今和歌集打聴』の写本。文字遣い・改行位置な
どから寛政元年刊の版本を忠実に書写したものと見られる。惜し
むらくは、真淵らによる序文と、古今集仮名序の注釈部分を欠く。
『古今和歌集打聴』は、真淵の講義を筆録したものを、上田秋成
の助力によって刊行した注釈書として著名。契沖『古今余材抄』
に依りつつ、真淵ならではの自説を交えた本書は、古今集注釈史
上、常に注意せられてきた一書である。保存状態は良好。
55)後
53)顕
註密勘
古今和歌集抄─ 二十巻
─
顕昭注 藤原定家補 元禄十五年刊
出雲路和泉板 元表紙題簽付 本文摺り上
表紙擦レ 1帙 8冊 180,000円
撰 和 歌 集 二巻 天福二年本 桑門明静写 寛文・延宝頃写 紺紙金泥草花模様原表紙 極美本
1帙 2帖 300,000円
縦23.8糎、横17.0糎。左肩に金泥雲霞引き題箋「後撰和歌集 上(下)」。綴葉装。本文鳥の子紙。前後見返しは卍・七宝
繋模様入り金箔を使用。豪奢を極めた装丁で、状態も極めて良好。江戸初期の嫁入り本と思われる。
本文は天福二年本系統のうち二条家流関戸本・浄弁本と奥書の特徴を同じくする。天福本は多数写本が残っているが、奥
書には乱れがあるものが多い。本書も他の天福本にみられる奥書「陽成院のみかどのおほみうた」に関わる記述などの脱落
があるものの、歌集本文の異同とも合せて、天福本後撰集の伝本過程や享受の一面を伺わせ興味深い。
和 30
56)後
撰 和 歌 集 天正五年 覚阿写 墨書入・部分補修済
1帙 1冊 400,000円
縦26.5糎、横19.8糎。袋綴装(改装、後表紙なし)。楮紙打紙。外題なし。全丁一筆。下巻のみの零本。奥書
は次の通り。
(一)此集故者公卿皆書名朝臣字(…中略…) 貞応元年七月十三日、為修後学之証本堪老眼終書写之功 戸
部尚書藤 在判
(二)此全部駿河國一華道長善寺之時衆養極院 覚阿書之 天正五丁丑暦初秋
本書は藤原定家(戸部尚書)が貞応元年七月十三日に本文を校訂書写した定家本の一本である。この奥書を
もつ伝本は、「貞応元年七月本系統」と呼ばれているようで、現在の通行本「天福二年本系統」に先行する定家
の書写本として従来から注目されてきた。しかし、これまでは書陵部蔵本ほか四本が知られるにすぎず(しか
も純粋な本文は書陵部本のみと聞く)、本文校訂に耐えうる伝本の出現が期待されてきた。本書はまさに、その
貞応元年七月の本奥書を持ち、かつ、例えば一三三五番歌の異同などにおいて、貞応元年七月本の特徴を端的
に示している。惜しむらくは下巻のみであるが、本文のみならず、勘物においても貞応元年七月本の特徴が確
認でき、純粋な貞応元年七月本の写本である可能性が高い。定家本後撰集の研究を飛躍的に進めうる極めて貴
重な資料といえる。
奥書に名の見える覚阿は、年代からみて遊行二十七代真寂か。筆跡の真贋は不明ながら、天正年間頃の書写
と見られる。時宗僧による歌書の書写活動という観点からも興味深い。なお、原表紙は逸しており後表紙はない。
しかし、そのほかは保存状態も良好である。
57)夫木和歌集抜書 西順著 延宝二年跋 深江屋太郎兵衛板
1冊 450,000円
縦26.0糎、横18.8糎。袋綴大本一冊。薄縹色表紙の左肩に「夫木和歌集抜書」と打付書き。料紙は楮紙。一
丁表に「博章」(濱口博章)の方形朱印。本文は一面14行。跋文末尾には「延寶二年季秋 桑門西順(印)」と
あり、刊記は「大坂呉服町書林深江屋太郎兵衛開版」。版心「夫木抜書第一(~四)」。元四冊本を合冊したもの。
表紙、裏表紙他一部に水損が見られるものの、虫喰などは殆どない。なお、裏見返しに、天明ごろのものと見
られる高橋平助版の広告が貼付されている。
本書は、元禄期の連歌師西順の手による、『夫木和歌集』からの抄出歌集。
版元の深江屋は、「西鶴大矢数」をはじめとする大坂談林関連の俳諧書を多く扱った。本書は深江屋の単独に
よる最初の版行である点で意義深い。
和 31
58)三十六歌仙画帖
(新三十六人歌合) 江戸中期写 塗函入 1帖 640,000円
折帖装。本紙各縦16.4糎、横14.8糎(総丈縦25.5糎、横30.2糎)。和歌三十六首、
金霞引金泥模様合五七桐紋刷模様入料紙。歌仙絵三十六図、金銀泥彩色画。見返四箇
所にそれぞれ和歌入四季風物図貼込み。題簽は「三十六歌仙哥合」とあるが、本文の
和歌・作者は寛喜~嘉禎年間頃(1229~1238)に成立したと言われる『新三十六人歌
合』のもの。『新三十六人歌合』は後鳥羽院御撰とする写本もあるが、実際には九条
基家が編纂したと考えられている。諸本は大きく三首本と一首本の両系統に分かれる
なかで、本書は一首本の中心的な伝本とされるB本類(『中世歌合伝本書目』)の本文
を持つ。『新三十六人歌合』の作者位署は諸本によって多様な形態をとることが知ら
れているが、本書では基家を「後九条内大臣」とし、仁和寺宮を「入道二品親王道助」
とするなど他の写本に見られない表記も少なからず見られ、伝本研究上も重要な価値
をもつものと思われる。見開き四種の貼込みは、この折本が仕立てられた当時に施さ
れたと考えられ、新古今集歌二首と古今集歌一首を記すほか、新編国歌大観では『千
五百番歌合』にしか所収が確認されない三宮作「むめかえの はなのねくらは あれ
はてゝ 桜にうつる うくひすのこゑ」を引くところは、この貼込みの筆者の歌学的
な教養の高さをうかがい知ることができて興味深い。装丁・造本の豪奢さはいうに及
ばず、歌合史・歌合享受史研究において資するところの大きい資料といえよう。
和 32
59)建保二年東北院歌合画巻(職人尽歌合)
天保十一年 文祐写
函入 1軸 400,000円
紙高25.9糎、長サ11米27.6糎。紙本。詞書共31紙。元題簽付。挿絵白描25図。個人旧蔵印二種有・少虫入・少墨汚レ・少シミ有
東北院職人歌合十二番本の白描臨模。原本は、最古本とされる東北院職人歌合(東京国立博物館保管、曼殊院本)から派生した流布本
のひとつで、職種が大幅に増え十二番の歌合せとなっている。職名は、医師(左)・陰陽師(右)、仏師・経師、鍛冶・番匠、刀磨・鋳物
師、巫女・盲目、深草・壁塗、紺掻・筵打、塗師・檜物師、博打・舟人、針磨・数珠引、桂女・大原人、商人・海人の計二十四種で、図
様は『建保歌合異本』(静嘉堂文庫所蔵)に近似し、鍛冶が鬼と対になっている点も一致する。ただし、通例判者がいない十二番本諸本
と異なり、最後に衣冠束帯姿の判者らしき姿を描く点に特色がある。奥書は、「天明壬寅之冬十二月下浣/平安 密熊思孝臨/天保十一年
庚子九月二十九日文祐手摹(印)」と記され、天明二(1782)年に京都の絵師・三熊思孝(1730~1794)が臨模したものを、天保十一(1840)年
に文祐(不詳)が書写したものとある。図様が近い静嘉堂文庫所蔵本(天明元(1781)年に伊勢貞丈が書写したものを、天保九(1838)年に
伴信友近辺で謄写)に年代的に極めて近い関係にあると推察される。
60)職人尽歌合 絵入 内題七十一番歌合
61)仙洞十人歌合 江戸後期写
1帙 1冊 120,000円
文政十一年 浪華書林刊 題簽付 表紙少手擦レ・蔵印 1帙 1冊 120,000円
縦27.1糎、横19.6糎。全21丁。袋綴装。原表紙に蔵書票複数添付。
正治二(1200)年に後鳥羽院主催のもと催された『仙洞十人歌合』の写本。
奥書はないが近世後期頃の書写と推定される。蔵書印から和学講談所
旧蔵本とわかる。ゆえに群書類従本との関係が予想されるが、巻頭の作
者一覧の下に勝負表があることや、本文の傾向から、両書には密接な関
係を見いだせず、系統は不明。集付や不審紙にも本品のみの独自箇所が
多い。『仙洞十人歌合』は、良経、定家、家隆、雅経、慈円といった新
古今時代を代表する詠者を揃えながらも、企画の経緯や出題者、判者な
どが未だに判然としていないと聞く。新出伝本である本品の性格を踏ま
えた、専門家による然るべき研究が俟たれる。四種の蔵印アリ
和 33
62)百 番 歌 合 巻子仕立 江戸前期~中期頃写
塗、桐函,二重函入 1軸 250,000円
紙高26.1糎、長サ1米84.7糎。紙数37枚。表紙は濃緑地裂表紙。牡丹唐草の織文。見返しは金砂子で雲を描く。本紙の天地には
金箔を散らす。外題は金箔散らしの題箋が表紙にあるが書名無記入。内題は巻頭に「百番歌合」。奥書なし。
本文は実に流麗な定家様で書かれており、息を呑む美しさがある。江戸前~中期の冷泉家当主の手によるものか。装丁は堅牢で、
傷みなどの劣化も殆どない。金砂子などをあしらった美々しいものであることも考え合わせると、贈答用に製されたものであろう。
本書は『六百番歌合』より、五百一首目から七百首目までの百番を抄出し、『六百番歌合』の番数を無視して一番から百番まで
の番数をふっている。
一帙一冊 広田社歌合 承安二年写
63
円
200,000
糎︑ 横 19.7
糎︒ 袋 綴︑ 全 38
丁︒
27.7
相 卿 百 首(江戸後期写)付冷泉為村書簡(冷泉家門人津金胤臣写)二種
縦
少虫入、蔵印二種、表紙薄汚レ、表題墨筆書入、補修済
64)為
1帙 2冊 250,000円
⑴ 縦25.2糎、横17.8糎。全一冊。全23丁。前半に『為相卿百首』、後半に冷泉為村の書簡を収める。表紙は共紙。外題、内題はなし。書
写者は明記されていないが、江戸時代後期の冷泉家門人と推定される。軽度の虫損が認められるが、概ね保存状態は良好。
前半の『為相卿百首』の奥書によれば、本書は江戸時代中期の公家歌人冷泉為久が『続千載和歌集』『新後撰和歌集』の撰集資料とし
て書写した両百首を為久の門人仁木充長が清書し、その後清基(詳細不明)、冷泉為村(為久の息)の門人宮部義正、冷泉為泰(為村の息)
の門人津金胤臣の順に書写を繰り返したものである。『為相卿百首』の伝本は多いが、本書はその中でも江戸期の冷泉門において流通し
た本文を伝えるものとして重要である。後半は、冷泉為村が宮部義正に送った安永三年七月十四日付の書簡を書写したもの。内容は後桜
町上皇から近衛内前への古今伝授の事や、為村の日常で起こった出来事がいくつか書かれている。為村は同年七月に没しており、為村の
死直前の動向が窺える貴重なものである。
⑵ 縦24.0糎、横17.2糎。全一冊。全25丁。前半に『為相卿百首』、後半に冷泉為村の書簡を収める。表紙は緑色卍繋ぎ地に植物の文様の
裂表紙。外題、内題はなし。前半部の奥書に朱書で「廿二日一校了 冷泉家二代門人津金胤臣」とあり、後半部の奥書には「冷泉門人 源胤臣 写」とあることから、尾張藩士津金胤臣(1727~1801)本人が書写、校訂を行ったものと思われる。
和 34
藤川百首抄 和田以悦(切臨)著
65
元和五年自跋 正徳三年刊
表紙少擦レ、小貼紙・蔵印、
出雲寺和泉掾板 極少虫損(補修済)
一帙一冊 円
120,000
66)義
正 聞 書 冷泉為村述・宮部義正記 江戸後期写
1帙 1冊 400,000円
縦23.8糎、横17.0糎。袋綴装、素紙。外題題簽「冷泉為村卿御口授 宮部義正聞書」、内題「冷泉為村卿口授 義正聞書」。全67丁。
前半8丁ほど虫損大
冷泉為村の講述を宮部義正が書き留めた伝書。『宗匠家御教諭』とも。三部抄の読み癖や制詞などを説くほか、詠草や短冊の書き方
についても述べる。冷泉為村は冷泉家中興の祖。霊元天皇より古今伝授を受けており、その内容は本書にも反映されている。義正は
享保十四(1729)年生。為村の門弟のひとりで、後に歌道師範ともなった。
本書巻末には「奥書有略之、義正法師〈宮部孫八〉より忍借して写し候との事なり、天明三年八月廿二日トアリ」とあるが、この
記述に該当する奥書が森文庫蔵本ほかに「天明三年八月廿二日〈冷泉院二代門人津金〉胤臣」とみえ、本書の親本は胤臣筆本であっ
たと推定される。本書は「二八明題・続五明題ふるきものに御座候哉」という項目で終わり、多くの諸本がもつ後人追補項目をもた
ない。追補項目を持たない本書は『義正聞書』の純粋な原体を留めるものと思われる。
67) 詠七夕言志和歌・同詩・同和漢連句
伝大内義隆筆
巻子装 木函入 1軸 980,000円
もと袋綴装を巻子装に改装したもの。一紙縦28.8糎、横44.5糎内外(最終紙のみ喰裂による補紙があり、63.0糎)。全8紙。元表紙な
し。唐草文改装裂表紙。本文料紙楮紙(裏打あり)。全丁一筆。古筆了仲極札「大内左京大夫義隆朝臣 詠七夕言志和歌」。函上書「大
内義隆卿 詩歌 巻物」。
大内義隆(1507~1551)を伝承筆者とする一巻。内容は、詠七夕言志応教和歌、同詩、ならびに和漢連句の三種から成る。詠歌年次
の記載はないが、義隆の興行した天文三年何山百韻の詠者と共通する者が多いことから、おそらく天文年間に詠まれた和歌・漢詩・
和漢連句を一巻にまとめたものと推定される。義隆自筆とは断じがたいが、おおよそ義隆の活躍期の書写とみてよかろう。
詠者は義隆の他、転法輪三条公頼、義隆の歌道師範であった堯淵を筆頭に、冷泉隆豊といった大内氏被官人、大内殿内連歌師とし
て知られる者の名前がみられる。いずれも義隆の周辺にいた者たちで、周防大内氏を中心とする当時の文芸歌壇の様相を今に伝える
貴重な資料である。新出歌も多く、とくに本巻所収の和漢連句は他に所在が知られない。「末世の道者」と称された義隆の筆跡として、
巻子装に改装されたうえで大切に伝えられてきた一品である。
和 35
古活字版 類字名所和歌集 七巻
68
里村昌琢編 元和三年刊 一帙七冊 円
2,000,000
毎半葉十一行の活字印本︒静嘉堂文庫︑安田文庫と同一の第三
種本︒原装元題簽付(内二冊は欠)第六冊第一〜十丁欠 第五冊裏表紙改装 大
部分の虫損は補修済 摺り極上︒
内題に「廿一代集抜書」と副題されているように︑本書は勅撰
二十一代集中より諸国の名所和歌をいろは分けにして抄出し︑類
聚した名所和歌集で「勅撰名所和歌抄出」の例に倣って編纂され
たもの︒本文七巻︑総歌数 883
首を有する︑毎行和歌一首を掲げ︑
頭部に撰集・部立名︑脚部に作者名を注記している︒
巻末の跋文に異同や誤謬があることが記載されているが︑本書
の資料的価値は極めて高い︒
和 36
70)連
集 良 材 寛永八年刊 漢字片仮名交リ
元表紙大判 本文一部破レ補修アリ 1帙 1冊 180,000円
69)江戸名所嘉留多 江戸後期写
読札、取札各249枚 裏面淡青一色 紙装 四方帙付
桐函入 保存極美
1組 220,000円
縦8.5糎、横6.2糎。表題は函書による。
江戸時代後期、天保年間に斎藤月岑が七巻二十冊で刊行した
『江戸名所図会』に収録されている和歌より任意にピックアッ
プされた二四九の区域の名所案内記。例えば向島界隈の「吾妻
の森」「吾妻権現」に載せられている和歌、「鳥がなくあづまの
森をみわたせば 月は入江の波ぞ志らめる」の前半を読札に、
後半を取札に収められている。
71)名
所 栞 村上忠順著 元治元年序 美濃判
11冊 180,000円
縦25.8糎。横18.2糎。黄色表紙、卍繋(空押)。刷題箋「名所栞 一(二~十一)」。見返に「村上忠順大人著/名所栞/松塢
亭蔵板」。後表紙見返刊記「発行書肆/〈京都三条通升屋町〉出雲寺文次郎他。本文匡郭は四周単辺、十二行書。
村上忠順は文化九年三河生。刈谷藩医としての活躍の一方、和歌・国学に優れ、「蓬廬雑鈔」の叢書編纂や熱心な蔵書家とし
ても知られる。本書は、稲荷山・石蔭山以下各名所につき、所在・景物・古歌例を示す。配列は、山・嶺・根・嶽・尾上等に
部類、各部類毎にイロハ順。地名に対する造詣もさることながら、各歌典拠は撰家集から説話・縁起類にまで幅広く及び、忠
順の博覧強記ぶりが存分に発揮されている。
なお、日本古典籍総合目録に報告される「名所栞」の書型は、いずれも本書(美濃本)よりも一回り小さい半紙本である。
また本書版面(板木)の大きさも、本来は半紙本のそれと思われる。当時、物堅い内容の本は多く美濃本の体裁で発行されて
いたことが知られており、印刷を担った板元で独自に美濃本大がふさわしいと判断したのだろうカ。
和 37
一帙一冊 円
200,000
和 38
さ ご 珍碩編
「十帖源氏物ぐさ太郎」・「新うすゆき物語」・「義経千本桜」・「酒呑童子話」等(内容書目ご照会下さい。)表紙汚損(1冊裏表紙欠)、
ひ
73
縦 23.0
糎︑横 16.1
糎︒袋綴半紙本一冊︒表紙は黄土色地
に緋色の雪華紋︒外題︑内題はない︒本文料紙は楮紙︒全一
六丁︒刊記は「寺町二条上ル町/井筒屋庄兵衛板」
(一六丁裏)︒
一六丁裏と裏表紙に︑文政五( 1822
)年の立春の年期をもつ「常
州水戸那河之郡石澤村 笹沼浅吉」の署名が見える︒そのほか︑
本文にも一部朱墨の書き込みがある︒表紙は大きく破れ︑本
文には虫損︑汚れ等存するが︑極めて丁寧に補修されており︑
閲覧には全く支障がない︒
内容は︑珍碩編﹃ひさご』︒初印本は元禄三( 1690
)年八月十
三日に刊行され︑芭蕉の奥州行脚後の新風を示すものとして、
後に芭蕉七部集の一つに数えられた。本文の字体と誤刻から
判断して、本書は後印本に属するが、新出の印本である。本
書の第二歌仙の発句/脇句は︑「いろくの名もまきらはし春の
草 珍碩/うたれて蝶の目を覚しぬる 翁」という︑初印本
と同じ句形をとる︒この句形を持つ後印本は︑東京大学知十
文庫本しか知られていないが︑六丁表「越人」が「越」とならな
い点︑一四丁裏「須广」の字形等︑本書には知十本との異同が
存する︒本書は極初期の後印本と目され︑早印本から後印本
への移り変わりを解明するのに資する貴重な伝本といえよう︒
本文虫入・シミ・墨汚レ有
34点一括 600,000円
74)浄瑠璃本一括 享保~延亨~天明頃刊 七行本
蒔絵函入 1軸 370,000円
72) 賦何船連歌 〔宝〕永三年十二月興行 能也・能正・能山等
紙高19.0糎、長サ3米94.0糎。打曇の連歌懐紙を揉み紙の台紙に貼って、巻子仕立にしたもの。
端作は「□永三年十二月吉日/賦何船連歌」。発句「春をまつ楽しみふかし宿の梅 御願主」、脇「松には雪をもてはやす庭 御
惣代」、第三「小夜嵐しつまる空の月出て 能也」。以下の連衆は、随銘、常能、能正、能山、能源、能唫、三千丸。北野天満宮の
社家による祈祷連歌で、発句の内容等から、慶事に関わるものと知られる。端作の元号が欠けているが、連衆の顔ぶれから、宝永
三年(1706)と推定される。能也、常能、能山、能源は、元禄八年(1695)一月吉日の垣何連歌(柿衞文庫蔵)にも出座している。
75)奇品新訳
ら ん え ん て き ほ う
蘭 畹 摘 芳 草 稿 大槻磐水著 同門人蓮沼清絹筆録
山村昌永校訂、寛政四年序
1帙1冊 1,600,000円
縦27.3糎、横19.5糎。濃紺色和装(擦レ有)、後筆の題簽、蔵印二種。僅カ虫損、シミ有
巻末の跋文に「此編壬子ノ歳我カ大槻先生ノ命ニ因テ筆録スル所ノ草稿ナリ 故
ニ其順次前後錯乱シ且其図及ヒ海椰子松木貝等ノ諸説遺漏スルモノ亦多シ他日再校
スベシ」と補記され、蘭語によるサインと甲寅之歳秋八月の記録がなされている。
本文は漢字片仮名交り、ボイスやヨンストンの「禽獣譜」等の原本に基づき、朱
筆をもって詳細な校訂が施されている。ただし前述のごとく不完本のようで錯簡も
みられる。
本書の書写本は初編より四編に付録がつくもののようであるが、完本は現存しな
いと聞く。岩瀬文庫に「蘭畹摘芳稿」として一冊を蔵されるが内容は未見。また版
本は文化十四年に上梓されているが、初編の抄出のみ。
和 39
一帙 30
冊 円
1,800,000
成 形 図 説 三十巻 島津重豪著
76
曽槃・白尾国柱等編 刊年不記
相屋九兵衛等板
薩摩藩蔵版
表紙少変色・蔵書票・一部水シミ跡有
縦 26.4
糎︑横 18.7
糎︒全冊黄表紙に刷題簽「成
形圖説」完揃︒第一冊表見返し及び第一丁オ︑第三
十 冊 最 終 丁 ウ に「 薩 摩 府 学 励 行 」「 鹿 児 島 藩 蔵 版 」
ほか四種の朱印が捺される︒刷の状態は概ね良好︒
﹃成形図説』は︑薩摩藩編纂の博物書︒薩摩藩第
二十五代藩主島津重豪( 1745
~ 1833
)は本草学に関心
深く︑領内の農事奨励を目的に本草学者曽槃(占春)
を招き︑藩の国学者白尾国柱とともに本書の編集に
あ た ら せ た︒ 農 事・ 五 穀・ 菜 蔬・ 薬 草・ 樹 草・ 虫
豸・魚介・禽獣などにわたる一大博物誌全百巻の原
稿 が 完 成 し た が︑ そ の う ち 一 ~ 三 十 巻 が 文 化 元
( 1804
)年に刊行されたが残りの原稿版木は文化三年
の江戸大火の際︑薩摩藩邸とともに焼失し︑結局江
戸時代に刊行されることはなく︑復元された稿本ま
たは写本として伝わるのみとなった︒
本書は刊本三十巻で︑巻一~十四が農事部︑巻十
五~二十が五穀部︑巻二十一~三十が菜蔬部︒巻一
の表紙見返しに「全部百巻上梓三十巻/成形圖説/
薩 摩 府 學 藏 版 」 と あ り︑ 序 文( 提 要 )に「 太 公 深 く
こゝに憂へて臣曾槃臣白尾國柱等の数人に命じて大
に品物を索めてこれを類聚せしむ(中略)毎品おの
おの其説を著はす書成て一百巻題して成形圖説と名
づく」「文化元年甲子十一月朔旦 臣曾槃謹記」と
見えて︑成立の経緯と年次が記される︒
内容は︑各事項について記紀・風土記などから古
名を挙げ︑「蕃名」として蘭語訳を付す︒農事部で
は農業に関する神事︑季節︑作業︑測量法︑用具な
どについて︑五穀部・菜蔬部では各種農作物につい
て詳しく解説されている︒
挿図は無彩色で︑巻一~十一では古歌の引用とと
もに農作業・祭りなどの光景を描く平易な挿絵風の
ものがほとんどだが︑農具の解説に入る巻十二以降︑
図鑑風に名称と精細な図を並べたものが主流となっ
ていく︒農作物に関しても︑葉から実に至るまで写
実的に描かれており︑その精密さが高く評価されて
いる︒
和 40
うおがい
薬師寺魚養経断簡 奈良後期写 桐函入 一幅
77
円
650,000
(本紙)縦 26.0
糎︑横 56.5
糎︒総丈縦 116.0
糎︑横 70.2
糎︒楮紙打紙︑草木染め︑薄墨界︑一紙分
行︒
24
いない︒本品の書体は︑﹃中阿含経』よりもいっそう稜
魚養経と呼ばれる奈良時代後期の写本︒大般若波羅蜜
角的で︑野放図なまでの︑筆先を押しつけたような書風
多経の第二百九十一巻の断簡を軸装したもの︒大般若経
は六百巻であるが︑魚養経と呼ばれる大般若経は︑現在︑ は︑いっそう極端である︒鋭い筆勢︑且つ端正であり︑
﹃中阿含経』の書体よりもさらに魅力的である︒書道史
藤田美術館(国宝)・薬師寺(重文)に四百数十巻が蔵され
的にみても︑注目すべき巻軸である︒文字の一画一画が
ており︑他の巻々は︑諸処に分蔵される︒大振りな文字
味わい深く︑この書巻を選んで軸に仕立てた理由がよく
と量感溢れる字体で定評がある︒魚養経は十数人の寄合
理解できる︑珍重すべき芸術品である︒
書きの写経で︑本品は量感のある魚養経の中でも特に異
魚養経は朝野魚養の書写とも︑発願経とも言われるが︑
彩を放つ優品である︒
魚養は平安時代初期に活躍した医師で︑能筆でも有名で
本品の書写者は︑おそらく天平宝字三年書写﹃中阿含
あった︒薬師寺魚養経ともよばれている︒魚養は奈良・
経』巻九を書写した一難宝郎であろうと思われる︒宝郎
は肉太な線と稜角的文字で書道の世界では有名であるが︑ 十輪院の開基の一人とも︑十輪院に住したとも伝えられ
る︒
宝郎の手になるものは︑﹃中阿含経』以外には知られて
78)阿弥陀経秘直談鈔 三巻 随流著
79)大疏百條第三重 寛永十年刊
3冊 180,000円 寛永二十一年刊
題簽欠・表紙損・墨朱書入有・蔵印・少虫入 1帙10冊 60,000円
和 41
80)浄土宗某寺院江戸期研究資料 「観経序分義引文」他一括
一部虫損 40点余一括 100,000円
漢字仮名交じり(内容書目ご照会下さい)
82)禅
苑 蒙 求 三巻 寛永十六年刊
田原仁左衛門板
表紙擦レ・少傷ミ 3冊 80,000円
81)法華直談鈔 十巻 内題「法華経直談鈔」
栄心著 万治二年刊
表紙擦レ補修・本文虫損 2帙
83)貫名海堂自筆「急就章」
(伝弘法大師筆) 紙本 毛筆 絹織装
20冊 90,000円
桐函入 1軸 360,000円
紙高31.5糎、長サ6米20.0糎。昭和三年刊『急就章』(一帖)を付す。
「貫名海堂、名は肅、海堂は其號、書道の大家貫名菘翁の孫。幼にして家学を受け、書は逎祖の筆法を学び、其の
神髄を得、更に中国歴代の墨蹟を臨書し…」
(『渋沢栄一伝記資料』第四十九巻 貫名海堂東部後援会 昭和三年三月)
とある。なお、中田勇次郎氏の『貫名菘翁年譜』によれば、貫名海屋は天保六年(1835)香川県の地蔵院(萩原寺)を
訪れ、同院に秘蔵する伝弘法大師『急就章』を観、同書の跋を書いたとなっている。本書の奥書より、また海堂貫
名肅は、昭和八年癸酉の年(1933)この地蔵院(萩原寺)を訪れ、同書を臨書したものとみられる。『急就章』は現在重
要文化財に指定されている。
和 42
一帙 三冊 第三種本
円
1,200,000
古活字版 尚
84
書 春・夏・秋(冬欠 ) 巻一〜九 本文に虫損あるがおおむね補修済
縦 24.2
糎︑横 19.4
糎 毎半葉八行 17
字 双辺有界 表紙改装
薄様鳥の子紙 表題墨書打付書 印字「をばま」(小汀利得)「月明
荘」「金合文庫」ほか各冊に十種余りの蔵書印がある︒ 朱点、墨書入。
第一冊見返しに「伏原家本慶長古活字版 尚書 春夏秋三冊(冬一欠)
昭和廿年十二月廿六日 於新興展 弘文荘」との貼り紙アリ 表紙・
*本書は「増補古活字版の研究」(川瀬一馬著)中巻補訂篇に「尚書」
巻一~九 三冊 伏原宣條書入本として記載されたものの同一本
と見られる︒
和 43
85)七 書 慶長十一年閑室元佶跋 覆刻整版 原表紙 題簽付
1帙7冊 160,000円
縦27.7糎、横20.2糎。四周双辺、付訓点本。孫子三巻・呉子二巻・司馬法三巻・尉繚子五巻・三略三巻・六韜六巻・
太宗(李衛公問対)三巻の七書。第六冊にシミ及び若干の書入有
87)漢訳伊蘇普譚 香港英華書院原刻
阿部弘国訓点 青山清吉板 明治九年
1冊 65,000円
86)通俗三国志 天明五年刊(後刷) 額田勝兵衛等板
首巻一冊・本巻五十冊 蔵印 一部傷ミ有 51冊 140,000円
88)標箋孔子家語 十巻 附録跋一巻 太宰春台増注
和 44
千葉芸閣標箋 寛政元年 嵩山房刊
元表紙・題簽共擦レ磨損 蔵印 5冊 60,000円
89)西園寺車輿図 函入 1軸 480,000円
紙高36.2糎、長サ6米68.0糎。紙本、鳥の子薄葉紙。挿絵全8図(大図)。拵表紙付。個人旧蔵印一種・少虫入
西園寺家の使用した牛車の外観および内部の意匠を着色で図示し、詳細な解説を施したものの敷き写し。西園寺家は摂家に次ぐ清華
家の家格を有する藤原北家閑院流の一門で、家名は四代公経が北山に建立した西園寺(北山殿)に因む。家紋は本作品の車輿図にも施
されている左三つ巴を使用している。陽明文庫本、東京国立博物館所蔵本、斎宮歴史博物館所蔵本など、写本がいくつか散見されるが、
国立国会図書館所蔵の『車絵図』と図様、解説の本文ともにほぼ一致している。ただし、本作品は、国立国会図書館本の後半部分が欠
けている。末尾の仕様例は慶長十(1605)年のものであり、原本の成立年代を示唆する。
91)年中行事秘抄 近代 江戸末期写
1冊 120,000円
93)装束要領鈔 二巻付一巻 絵入 壺井義知著
徳田良方注 正徳六年刊
表紙補修 題簽少虫・磨損 1帙3冊 65,000円
90)官
職 備 考 内題本朝官職備考 七巻 三宅帯刀編
元禄八年刊 永田調兵衛等板 元表紙 題簽付
表紙薄汚レ・擦レ有 7冊 80,000円
92)錺 鈔 別名装束飾抄 挿絵入 土御門通方著
天正十七年源某在判 三条西家逍遥院実隆自筆本書写
1帙5冊 150,000円
替表紙薄汚レ 題簽貼込
料紙虫補修シミ跡有
和 45
94)徳川家御旗鑑
桐函入 1軸 450,000円
紙高16.4糎、長サ6米2.5糎。紙本。題簽ナシ。挿絵六紙継ぎ(一紙約90糎)。個人旧蔵印一種・表紙並に料紙折レ・シワ共補修・少虫入
武家の旗や指物の意匠は、1543年に伝来した鉄砲が戦国末期より大量に導入されることで、大規模な集団戦のなかで敵味方を区
別するために工夫を凝らされるようになったという。また家紋については、慶長十六(1611)年家康は朝廷より菊紋を下賜されるが、
これを断り、一族が葵紋を少しずつ変えて用いることでその権威を高めた。本書は、徳川家における、旗・指物と、これに用いら
れる紋様を図示する史料である。
大江伝記 鎌倉見聞志
95
初篇三十巻、二編三十巻、三編二十五巻
江戸末期写 題簽付 蔵印
冊 200,000
円
20
96) 御
和 46
年 譜(写本)五巻 源(徳川)義直著
自天文十一年~至元和三年迄 正保三年序本の写 西荘文庫旧蔵
1帙 3冊 180,000円
縦27.2糎、横19.8糎。毎半葉8行。上冊表紙及び下冊最終丁に「西荘文庫」の旧蔵印、他蔵印一種有り。各冊表紙に「御
年譜 上(中・下)」の如き書題簽を付す。少虫入
徳川家康の生誕から逝去までを年譜形式で綴った書。序文には、筆者が二十年にわたり老臣らから取材して編纂した
ものである旨が記される。上冊(巻一)には天文十一年(1542)から天正二年(1574)の戦国の乱世模様、中冊(巻二・三)に
は天正三年から慶長四年(1599)、織田信長暗殺から朝鮮出兵、豊臣秀吉逝去まで、下冊(巻四・五)には慶長五年から元
和三年(1617)、征夷大将軍就任から逝去、葬儀、日光に祭られるまでを記して終わる。家康の動向が詳細に追われ、直
接に関与した歴史的事件に特に重点が置かれた史書となっている。
一帙一冊 東海道宿場附 江戸中期写
97
円
120,000
縦 27.7
糎︑横 20.4
糎︒奥書なし︒虫入・シミ有
京から江戸までの五十三宿について記した書︒
通常︑宿場は江戸を起点に数えるが︑本書は京
を起点に記す点が珍しい︒
内容は各宿場の解説︑近隣の名所旧蹟︑詠ま
れた古歌などで︑宿場ごとに情報に多寡はある
ものの︑案内書的要素を持つ書物である︒
98)大坂天王寺絵 彩色 天和三年刊 北村仁右衛門板 桐函入 1幅 280,000円
本紙縦27.0糎、横42.8糎。天に「天王寺絵被吟味新板仕□者也 天和三年亥正月吉祥月」とあり。
推古天皇元
(593)年に聖徳太子によって建立されたと伝わる、四天王寺の絵図。寺を真上から見た形で、
伽藍配置を一望できる。各堂には、「二 志やまんゐん」から「三十二 いんせんたう」まで右回りに、参
拝経路と思われる道筋と番号も書かれる。少虫入
99)新刻
肥前長崎図 彩色 享和二年刊(後刷) 長崎文錦堂板
1舗 120,000円
縦65.3糎、横70.0糎。表紙汚レ・折目ヤブレ(補修済)
和 47
100)答花江戸子数語録 一勇斎国芳画 蔦屋吉蔵板 縦60.2糎、横72.1糎
1枚 280,000円
子供の遊び、悪戯などを画材にした極彩色の木版刷双六。稀本。
102)百人一首廻利寿語呂久 大錦堂 大和屋貞助板
縦60.0糎、横71.0糎 極彩色木版刷 美本
1枚 160,000円
和 48
ひとくちしらべ はうたすごろく
101)新板一口調葉唄双六 江戸後期 一笑斎房種画
海老屋林之助板 縦51.3糎、横49.2糎 袋付
1枚 140,000円
彩色木版刷 保存極上(僅カ擦レ)
糎︑横
89.1
一枚 円
95,000
糎
48.6
円
35,000
糎 彩色木版刷
47.4
糎︑横
58.0
一枚 東京名所商家見立双録 明治二十九年
103
廣明舎刊 縦
保存極上 明治前期の東京市内の著名な商品や業種を紹介す
る珍奇な双六︒
新板 裏表忠臣蔵双六
104
石井六之助板
明治三十四年 縦
彩色木版刷 教訓 人間一生道中双六
105
一曜斎国郷画 丸屋甚八板
糎︑横 71.3
糎 彩色木版刷
縦 50.0
円
一枚
60,000
107)東海道五十三駅
名所旧跡行程記
109)東海旧道
新鐫道中双六
106)浮世道中
英泉画 喜鶴堂板 縦52.2糎、横72.0糎
彩色木版刷 少手擦レ、裏打 1枚 30,000円
膝栗毛滑稽双六 広重図、国貞写画
深川屋金之助板 明治31年 縦49.1糎、横70.8糎
彩色木版刷 裏打補修、部分シミ跡アリ
1枚 30,000円
膝栗毛滑稽双六 一立斎広重画
恵比寿屋庄七板 江戸末期 縦49.1糎、横70.4糎
彩色木版刷 擦レ少磨損(一部補修)
1枚 35,000円
108)東海道滑稽五拾三次双六 国利画
近江屋甚吉上梓 明治刊 縦48.3糎、横72.1糎 極彩色木版刷
振り出し京都上り東京 極一部補修 1枚 35,000円
和 49
111)料理早指南 初~四編揃 醍醐山人著
享和二年 甘泉堂刊
蔵印、表紙擦レ 1冊 45,000円
蔵印、一箇所乱丁、後見返極小書入 4冊 55,000円
113)和歌食物本草 二巻 承応三年
表紙・本文共水濡れ跡・シミ変色 1帙1冊 80,000円
本文虫損補修、一部補筆有
115)利休形道具寸法絵図(写本) 天保三年写
1冊 80,000円
縦27.0糎、横20.1糎。少虫・少シミ入
台子や棚、卓、湯桶、柄杓、巾着、屏風等茶道関係諸道
具を多数、詳細な寸法・材質等の資料とともに適宜図面を
付して載せたもの。巻末に「川上氏寸法圖写/天保三壬辰
年三月 寿星軒」の奥書あり。
和 50
110)膳部料理抄 江戸後期写 書題簽付
据善として一汁三菜から三汁九菜に至る献立を図入
りで詳述したもの。
112)臨時客応接 和田信定授、信篤等筆
大田南畝序 文政三年刊 須原屋佐助板 題簽付
表紙シミ、擦レ・蔵印・地、小口少汚レ 1冊 80,000円
114)会席料理 細工包丁 浅野直隆編、石田玉山画
文化三年刊 中川藤四郎等板 横本 題簽付
少手擦レ・蔵印 1冊 48,000円
117)墨田川梅柳新書 曲亭馬琴
鶴聲社 明治十六年刊
120)初学人身窮理 松山棟菴、森下岩楠訳
116)大岡名誉政談
1冊 12,000円
慶應義塾出版社 紙装 明治二十一年刊
2冊 12,000円
村井長庵伝 梅亭鵞叟識序
鶴聲社 明治十年刊
118)為朝再興記 高木真斎編述 大久保桜塘批評
金鱗堂 真盛堂 明治二十年刊 1冊 10,000円
119)西俗雑話 松葉卓爾編 矢野龍渓閲
成文書屋 明治二十年刊
122)小学筆算教授本 巻三上・下
増補改正
小学筆算教授本
121)改正
巻四上・下・答式
米国代威斯著 山田正一訳 京都書林正宝堂等
明治八・十四年刊
5冊 20,000円
1冊 12,000円
女子小学文範
1冊 10,000円
巻一・三・四・五・六・八
三尾重定編 水野慶治郎 和装 木版挿絵入
明治十五・十六年刊
6冊 24,000円
和 51
1 23)源
氏 香・源氏絵貝合 (袖珍本)二種
江戸後期・幕末期写
2帙 2帖 120,000円
「源氏香」縦3.5糎、横5.0糎 表紙花七宝模様緞子装 題簽付 四方金 五
十四種 折帖 帙入
「源氏絵貝合」縦6.2糎、横4.2糎 表紙三段格子模様緞子装 題簽は「源氏
貝合」、帙題簽は「光源氏」と墨筆あり
「源氏香」は組香のうちの系図香と称されるもの。香五種を、一種五包、計
二十五包を作り、香元が任意に五包ずつをとって焚き、香の異同を判別する、
その異同を五本の線で示すもの。源氏香の図はこの五本の線の組み合わせに
よってできる五十二図を、初帖の「桐壷」と終わりの「夢浮橋」とを除いた
五十二帖に当てた図で回答をする遊びの一種。
「源氏絵貝合」は「桐壷」以下「夢浮橋」まで五十四帖の源氏絵を貝合せ風
の絵柄に仕立て、源氏香の系図を添えた極彩色の木版図。いずれも保存は極
めて良く、これらは近年市場に出ること稀。
126)ちりめん本 八頭の大蛇
英訳「日本昔噺」第9号
チャムバレン訳
長谷川武次郎 明治十九年
極少汚レ 1冊 70,000円
和 52
125)ちりめん本 瘤 取
英訳「日本昔噺」第7号
ドクトル・ヘボン訳
長谷川武次郎 明治十九年
旧蔵者署名入 1冊 60,000円
124)ちりめん本 桃 太 郎
英訳「日本昔噺」第1号
ダビド・タムソン訳
長谷川武次郎 大正十年
旧蔵者署名入 1冊 60,000円