相続事前準備と事業承継 - 税理士法人 東京総合会計

日経相続フェア(2015.2.27)
相続の事前対策と事業承継
公認会計⼠、税理⼠
所⻑ 佐々木秀一
http://www.tokyosogo.jp
TEL 03-5299-6181
相続税担当
清⽔税理⼠ [email protected]
事業承継担当 有光公認会計士 [email protected]
相続の事前対策と事業承継
目
次
税理⼠法人東京総合会計
所⻑ 佐々木秀一
第4.事業承継
第1.兄弟が権利を主張する時代になった
事例1.渋谷さんの遺言書-土地の共有を記載
資料1-1.なぜ兄弟が争ったのか
資料1-2.遺⾔書作成の⼀般的な留意点
資料1-3.受益者連続型の信託契約
P
P
P
P
2
3
6
7
P8
P10
P11
事例5.遺産分割した5年後に兄弟の家庭環境が急変 P27
おわりに
遺族に負担を掛けない弊社の税務調査対応
第3.生前贈与の節税対策いろいろ
事例3.今川さんの妻への愛情
資料3-1.節税対策の⼀般的例⽰
資料3-2.暦年贈与の実施⽅法の例⽰
資料3-3.相続税の実効税率表
資料3-4.贈与税の実効税率表
P20
P21
P25
P26
第5.総合事例
第2.名義預⾦は相続財産に加算される
事例2.税務調査で発⾒された孫の通帳
資料2-1.名義預⾦のチェックリスト
資料2-2.信託契約で名義預⾦認定を防⽌
事例4.上田さんの事業承継
資料4-1.上⽥さんの事例内容
資料4-2.自社株評価の引下げ対策例⽰
資料4-3.事業承継に議決権指図信託を活用
P31
P12
P16
P17
P18
P19
1
第1.兄弟が権利を主張する時代になった
事例1.渋⾕さんの遺⾔書-⼟地の共有を記載
⻑男の⾃宅
父所有
⻑⼥、⽗の⾃宅
道路
⇒遺⾔書の通りに相続すると、⼩規模宅地の特例(80%減額)が
フルに取れない
2
資料1-1.なぜ兄弟が争ったのか
渋谷さんの 理⼯系の会社を退職し、プロへ相談をしないで自分で遺言書作成。
父は兄弟を平等に扱う人であった。
遺言書
退職後は海外旅⾏にお⾦を消費して預⾦は少しだけ。
相続対策はしていない。生命保険はなし。
家族
⻑⼥夫婦は⽗所有の渋⾕区の宅地に住む。⽗の部屋は空けてある。
⺟は先に他界、⽗は施設で介護中に他界。⻑⼥は⼆⼈の介護をした。
⻑男は隣接する⽗の⼟地に⾃宅建築。次男は浦和の賃貸マンション。
⽗は⼋王⼦にも更地を所有。
問題点
⼩規模宅地の特例による80%減額評価をフル活用出来ない。
将来売却したい時に共有者全員の同意が必要。
⻑男の嫁が兄弟の⺟と⽗の介護を⼿伝わなかった。
3
アドバイス
①3人で分割協議書を合意する。⻑⼥と⻑男には現在の区画を取得。
次男には八王子を分割。
②⻑⼥の住む⼟地と⻑男の住む⼟地を路線価で評価し、差額を現⾦決済。
⻑⼥は⼩規模宅地の特例をフルに適⽤し、全員の税⾦負担を調整する。
その結果
弊社会議室で5回会議しても⻑⼥と⻑男(嫁)が合意不成⽴。
申告書提出後にも会議したが気持ちがこじれたまま。
(遺産分割が間に合わない場合には「申告期限後3年以内分割⾒込み書」
を提出し、分割後に「更⽣の請求」をして減額可能)。
4
教訓1.感情的な恨みがあると合意に時間がかかる。
教訓2.事前にプロに相談または信託契約を活用する。
教訓 3. 土地や自社株の共有はしない。
5
資料1-2.遺⾔書作成の⼀般的な留意点
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
争いを防止するため公正証書遺言をお勧め(偽造、紛失の防止)
不動産の共有(包括遺贈)や⾃社株の分散は避け、特定遺贈する
相続⼈への遺⾔には「相続させる」と記載(名義変更が容易)
他の相続⼈から遺留分(法定相続の1/2)請求を受けない配慮をする
不動産については登記簿上の地番等を正確に記載する
負債を忘れずに記載し、負債の負担者を記載する
遺⾔執⾏者を指定し、預⾦⼝座解約等の権限を与える
書換えた遺言書は新しい日付が有効、前の遺言書撤回する旨記載
認知症(意思能⼒)になる前に遺⾔書を
「付言」を記載して、子供達へ父の気持ちを伝えて争いを防止する
(参考)
信託契約書の方法でも遺言書と同様に相続人に財産分配を指示出来る。
相続人以外の第三者(受託者)が契約当事者なので争い防止効果がある。
6
遺言書の作成をお勧めしたい人
1.子供がいない---親と兄弟姉妹が相続人になる
(兄弟姉妹には遺留分の権利は無い)
2.法定相続人の特定の人に特に多くの財産を与えたい
3.法定相続人の特定の人に財産を与えたくない
4.法定相続人以外の人(子の配偶者、孫、兄弟等)に与えたい
5.特に世話になった第三者や愛人などに与えたい
6.先妻(非相続人)の子(相続人)と後妻(相続人)の子(相続人)がいる
7.寄付したい
8.兄弟姉妹の仲が悪い
7
遺⾔作成のヒト⼝知識
1.認知症
意思能⼒が無いと無効。医師⼆⼈の⽴会の下で遺⾔をする事は有効。
65歳以上の4人に1人が認知症になる。
2.⽣命保険⾦は遺留分減殺請求の対象ではない
⽣命保険⾦は受取⼈が指定されている。
受取⼈の固有財産と判例で認められている。
3.遺留分の放棄が出来る
⽣前に相続放棄は出来ないが、遺留分の放棄は可能。
家庭裁判所へ「遺留分放棄の許可の審判」を請求する。
本⼈の⾃由意思と代償性がある事(代わりに現⾦を貰う等)が必要。
遺言者にその旨を記載する事。
8
資料1-3.受益者連続型の信託契約
信託を活用して2次相続人を指定出来る
管理者=信託銀⾏
⾃宅
信託契約
一次相続
先妻 他界
1次受益者=後妻
委託者=夫
二次相続
2次受益者=⻑男
◎遺言書では連続型の指定は出来ないと解されている(所有権の制限となる)。
◎信託では受益権者が取得した財産は、所有権と同じ評価額で相続税の課税対象となる。
9
法定相続分と遺留分 ※以下()の⾦額は相続⾦額1億5,000万円とした場合の例
1.法定相続分
法定相続人
妻・子
妻・両親
妻・兄弟姉妹
妻
子
1/2
1/2
(7,500万円)
(7,500万円)
2/3
両親
兄弟姉妹
1/3
(5,000万円)
(1億円)
3/4
1/4
(3,750万円)
(1億1,250万円)
2.遺留分
法定相続人
妻・子
妻・両親
妻・兄弟姉妹
妻
子
1/4
1/4
(3,750万円)
(3,750万円)
1/3
(5,000万円)
両親
兄弟姉妹
1/6
(2,500万円)
遺留分なし
1/2
(7,500万円)
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第2.名義預⾦は相続財産に加算される
事例2.税務調査で発⾒された孫の通帳
--良くある税務調査官のねらい目
お爺さんのタンス
孫名義の通帳と
お爺さんの印鑑
銀⾏の貸⾦庫
11
教訓1.税務調査官は事前に親族全員の過去5年間
の預⾦の動きを把握してから訪問する。
教訓2.税理⼠と現地調査の際の想定問答を準備する。
教訓3.
財産を隠さないで全て税理⼠に知らせる。
12
資料2-1.名義預⾦のチェックリスト
(1) 贈与の証拠となる契約書が存在するか
(受取⼈の意思確認がないと⺠法550条でいつでも取消可能)
(⺠法549条諾成契約、贈与は受取⼈の意思確認が必要)
(⼦供の場合には親権者が法定代理⼈となる)
(2) 贈与税の申告書を提出しているか
(3) 通帳や印鑑を被相続⼈が管理していないか(名古屋地裁H2/3/3)
(4) 名義預⾦を誰が消費しているか、被相続⼈が引出していないか
(5) 贈与した資⾦の移動が記帳で確認できるか
(6) 名義⼈の本⼈に収⼊があるか、財産蓄積の⾦額は妥当か
(7) 財産の運⽤の利得者は誰か(利息、配当等)
(8) 過去の相続財産の場合にそれを証明する証拠があるか
(9) 夫婦間でも別財産制である(ヘソクリは夫のもの)
(10) 認知症になっていないか(意思能⼒があるか)
(参考)名義預⾦の疑いを避けるため信託契約を利⽤すると確実です。
13
資料2-2.信託契約で名義預⾦認定を防⽌
受託者(信託銀⾏)
委託者(祖父)
信託契約
管理者
信託のメリット(贈与と比較)
①贈与をする祖⽗と管理者を分離出来る
②相続⼈以外の第三者が介在する(変更が困難)
③贈与に対する孫の同意が不要
④信託財産の倒産隔離ができる
孫
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第3.生前贈与の節税対策いろいろ
事例3.今川さんの妻への愛情
① 全財産1億5千万円を妻へ相続させる遺言書を書きたい。
⾦融資産が大半。宅地の評価額は郊外のため少額。
優良会社を退職し趣味のピアノを楽しむ。頑固な性格。
妻1次相続で全部妻へ
⇒税額ゼロ
(妻の相続が1億6千万円以下の場合)
娘2人 既婚、夫の持家
2次相続:2人合計1億5,000万円
⇒税額1,840万円
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②⺠法の法定相続に従って遺産分割すると仮定し、
2次相続まで計算すると税⾦が約700万円安くなる!
妻1次相続で2分の1相続
⇒税額ゼロ
1次相続:子供2人 税額747万円
2次相続:子供2人 税額395万円
合計税額1,142万円(700万円少ない)
⇒
しかし頑固な今川さんは⾃分の意⾒を主張
13
③相談中に姉妹の意⾒を聞くと
次⼥の家庭事情が急変
次⼥の⽣活安定への提案
「住宅資⾦の贈与」をお勧め。
不⾜分1/2を父名義で登記。
更に7百万円税⾦が減少し
合計14百万円減少!
⻑⼥
次⼥
⇒
ようやく受諾する
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教訓1.2次相続までの合計税額を計算して節税プランを!
教訓2.相続人の今後の生活安定にも配慮してあげる。
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資料3-1.節税対策の⼀般的例⽰
(1) 暦年贈与を複数の親族に⻑期計画で実施する⇒次ページ参照
(2) 教育資⾦を⼀括贈与1,500万円(非課税)
(3) 相続時精算課税(2,500万円まで贈与税非課税)を活用
(4) 住宅資⾦の贈与(非課税)(平成28年9月より最大3,000万円)
(5) 結婚、⼦育て資⾦の贈与1,000万円(非課税)
(6) 結婚20年の妻へ2,000万円贈与(非課税)
(7) 納税資⾦対策として終⾝⽣命保険を⼀括払い(相続⼈⼀⼈につき500万円非課税)
(8) 遺産の代償分割資⾦に⽣命保険⾦を活⽤
(9) ⽣命保険料を⼦に贈与、受取保険⾦を⼀時所得で節税
(10) 信託銀⾏に公益信託基⾦を設定
(11) 国・地方公共団体等に財産を寄付
(12) ⼩規模宅地の特例80%減額を計画的に活用
(13) 賃貸不動産に投資して評価減
(14) ⼆世帯住宅に建替えて⼦と同居し⼩規模宅地特例を
(親が介護施設に⼊り、⾃宅を賃貸していない場合も適⽤)
(15) 収益不動産の管理会社を設⽴、給与を⽀払
(16) 自社株の評価額を下げる対策をしてから贈与する
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資料3-2.暦年贈与の実施⽅法の例⽰
暦年贈与を複数の親族に⻑期計画で実施する
(1) 暦年贈与⼀⼈当たり510万円の例
実際の贈与額510万円-基礎控除110万円=課税価格400万円
課税価格400万円×税率15%-控除10万円=税額50万円
税額50万円÷実際の贈与額510万円=実効税率9.8%
(4⼈に贈与すると年間2千万円の財産減少、5年間で1億円の減少)
(2) 暦年贈与⼀⼈当たり310万円の例
税額20万円÷実際の贈与額310万円=実効税率6.5%
(4⼈に贈与すると年間1千2百万円の財産減少、5年間で6千万円の減少)
(3) どこまで贈与を続けるか?
相続税限界税率よりも贈与税実効率が低ければ贈与をし、
相続税の税負担率になるまで続ける
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資料3-3.相続税の実効税率表
平成27年1⽉1⽇〜
各相続⼈の取得⾦額
税率
控除額
税額
実効税率
1,000万円以下
10%
-
100
10.0%
3,000万円以下
15%
50万円
400
13.3%
5,000万円以下
20%
200万円
800
16.0%
10,000万円以下
30%
700万円
2,300
23.0%
20,000万円以下
40%
1,700万円
6,300
31.5%
30,000万円以下
45%
2,700万円
10,800
36.0%
60,000万円以下
50%
4,200万円
25,800
43.0%
60,000万円超
55%
7,200万円
20
資料3-4.贈与税の実効税率表
直系尊属から20歳以上の者への贈与(軽減税率)
各相続⼈の取得⾦額
税率
控除額
200万円以下
10%
-
200万円超〜400万円以下
15%
400万円超〜600万円以下
実際の贈与額
実効税率
20
310万円
6.4%
10万円
50
510万円
9.8%
20%
30万円
90
710万円
12.6%
600万円超〜1,000万円以下
30%
90万円
210
1,100万円
18.9%
1,000万円超〜1,500万円以下
40%
190万円
410
1,610万円
35.4%
1,500万円超〜3,000万円以下
45%
265万円
1,085
3,110万円
34.8%
3,000万円超〜4,500万円以下
50%
415万円
1,835
4,610万円
39.8%
55%
640万円
4,500万円超
税額
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教育資⾦の⼀括贈与の非課税特例
(1)内容:直系尊属から⼦や孫への教育資⾦1,500万円までの一括贈与であれば贈与税が非課税
(2)特例期間:平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間の贈与について適用
(3)非課税対象となる教育資⾦の対象⽀出
学校等に支払われるもの
学校以外の者に支払われるもの
1,500万円まで非課税
500万円まで非課税
①⼊学⾦、授業料、⼊園料、保育料
①教育に関する役務提供の対価、施設使⽤料
②施設設備費
②スポーツまたは文化芸術に関する活動その他
教育の向上のための活動の指導の対価として
支払われるもの
③在学証明、成績証明等⼿数料
③上記の役務提供や指導において使用する物
品の購⼊に要する⾦銭で、その指導者等に直
接支払われるもの
④学⽤品の購⼊、修学旅⾏費または学校給⾷ ④学⽤品の購⼊、修学旅⾏費などで、学⽣等
費、その他学校等における教育に伴って必要
が全部または大部分を支払うべきものと学校
等が認めたもの
な資⾦に充てるための⾦銭
(4)留意点
①教育資⾦の贈与は特定の信託か預⾦により⾏う
②受贈者は教育資⾦非課税申告書を提出する
③受贈者は領収書等を⾦融機関に提出する
④子や孫が30歳になると制度は終了する
⑤教育資⾦の残額に贈与税が課税される
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相続時精算課税制度と暦年課税⽅式の⽐較
親の所有財産から⼦(法定相続⼈)1⼈に毎年510万円を5年間贈与し、10年目に贈与者である親に
相続が開始した場合のケース
※前提:⽗は既に他界、⺟の所有財産1億円、法定相続⼈は⼦1⼈のみ
所有財産価額
1億円
課税方式
暦年課税⽅式
贈与額
生前贈与
相続時精算課税制度
贈与税
贈与額
贈与税
1年目
510万円
50万円
510万円
0円
2年目
510万円
50万円
510万円
0円
3年目
510万円
50万円
510万円
0円
4年目
510万円
50万円
510万円
0円
5年目
510万円
50万円
510万円
10万円
2,550万円
250万円
2,550万円
10万円
計
相続財産価額
1億円-2,550万円=7,450万円
相続税課税価格
7,450万円
7,450万円+2,550万円=1億円
基礎控除差引
7,450万円-3,600万円=3,850万円
1億円-3,600万円=6,400万円
相続税額
3,850万円×20%-200万円=570万円
6,400万円×30%-700万円=1,220万円
相続税・贈与税の
合計税額
570万円+250万円=820万円
1,220万円+10万円=1,230万円
暦年贈与が410万円有利=1,230万円-820万円
※1:2,550万円を超える⾦額に対して20%の贈与税(2,550万円-2,500万円)×20%=10万円
23
生命保険の課税関係
1.満期保険者の場合
契約者
受取人
税⾦の種類
父
父
所得税・住⺠税(⼀時所得)
父
⺟、⼦
贈与税
契約者と受取⼈が同⼀⼈の場合には⼀時所得、異なる場合は贈与税。
⼀次所得の計算=(保険⾦-保険料累計-50万円)×1/2
2.死亡保険⾦の場合
契約者
被保険者
受取人
税⾦の種類
父
父
⺟、⼦
相続税
⺟
父
子
贈与税
子
父
子
所得税・住⺠税(⼀時所得)
通常は、契約者が保険料を負担するが、契約者以外の⼈が負担する場合には課税関係が変わるので注意すること
24
3.⽣命保険契約の権利の課税関係
ケースA
ケースB
ケースC
保険契約者
子
父
父
保険料負担者
父
父
子
被保険者
子
子
子
ケースA:保険契約者である⽗から、⽗の負担した保険料の額に対応する⽣命保険契約の権利(解約返戻⾦)を
相続又は遺贈により取得したものとみなす。
⇒相続税が課税
ケースB:⽗が負担した保険料の額に対応する⽣命保険契約に関する権利を、⽗の相続⼈が相続⼜は遺贈により取得
⇒共同相続人の遺産分割協議の対象
ケースC:⽗が保険料を負担していないため課税はされない。
但し、⼦が死亡したときに、⼦が負担した保険料の額に対する保険⾦は保険受取⼈として指定された者が
相続又は遺贈により取得したものとみなされる。
25
⼩規模宅地等の特例
区分
事業
⽤宅
地等
居住
⽤宅
地等
相続開始直前状況
被相続
人等の
事業の
用に供
されて
いた宅
地等
不動産
貸付業
等以外の
事業用
各要件
課税価額を
減額する割合
限度⾯
積
被相続人の事業用
「特定事業⽤宅地等」
に該当する宅地等
80%減額
400㎡
被相続人と生計を一に
する親族の事業用
「特定事業⽤宅地等」
に該当する宅地等
80%減額
400㎡
「特定同族会社事業⽤宅地
等」に該当する宅地等
80%減額
400㎡
「貸付事業⽤宅地等」
に該当する宅地等
50%減額
200㎡
被相続⼈等の居住の⽤に供されていた宅地等
「特定居住⽤宅地等」
に該当する宅地等
80%減額
330㎡
被相続人と生計を一にする親族の居住の用に
供されていた宅地等
「特定居住⽤宅地等」
に該当する宅地等
80%減額
330㎡
不動産貸付業等の事業⽤
※「特定事業⽤宅地等」と「特定居住⽤宅地等」とを併⽤する場合は、⾯積の制限があります。
26
第4.事業承継
事例4.上⽥さんの事業承継
純資産2億円の
会社はどこへ?
父の急死
株式購⼊のお⾦
ないよ〜
妻 主婦
専務
⻑男 サラリーマン
⻑⼥ 主婦
M&A?
リクルート?
解散?
27
資料4-1.上⽥さんの事例内容
(1)事例
⼩規模電気部品下請けのオーナーの社⻑、60歳で突然病死。
承継対策をしていない。
従業員11名。会社幹部は⻑年会社を⽀えてきた専務62歳。
監査役の妻58歳で専業主婦。
⻑⼥専業主婦28歳 ⻑男32歳で会社勤務で、⼆⼈とも非常勤役員。
社⻑個⼈の正味財産約5億円。信託銀⾏に社⻑個⼈の預⾦2億円。
社⻑所有の敷地に⼩規模賃貸マンション所有3億円、借⼊⾦1億円残。
会社の純資産価額の株式評価額2億円。株式⽀配は社⻑が100%。
運転資⾦の預⾦残⾼は⼗分ある。借⼊⾦無し。
28
(2)事業承継の検討
①家族の承継者の可能性
⻑男は経営者のリスクを取る意思が無い。サラリーマンを継続したい。
②専務の事業承継の検討
株式を購⼊する⾃⼰資⾦が⾜りない。
③外部から経営者をリクルート
競争の多い業態と会社の将来性に疑問提議。
社内の人材に対する評価に難色。
④M&A売却先を探す
同業の会社に買収を打診したが直ぐには結論が出ない。
技術系の職員1名以外は事前に全員退職させろとの要求がある。
⑤解散して純資産を分配?
売却先を探すのに1年かかり、家族会議で⻑男は解散も決意。
29
(3)上田さん家族への弊社アドバイス
①社⻑に死亡退職⾦⽀払、不良資産損失処理等で株価を4千万円下げる。
②会社が遺族から50%の株を自己株として買取る。⼀部借⼊⾦で賄う。
遺族は納税資⾦に充当。
③遺族は全員非常勤役員(報酬年間1千万円)を辞任し、専務の報酬を増額。
④専務が株式の50%を⾃⼰資⾦2千万円と、増額報酬から分割払いで買取る。
30
教訓1.オーナーは後継者の人材育成を計画的に
教訓 2.会社を売却出来るようなキャッシュフロー経営を
31
資料4-2.自社株評価の引下げ対策例⽰
(1) 不良資産の償却損失、含み損のある資産売却
(2) 高収益部門を分割し株価評価を下げる
(3) 従業員持ち株会の活用(オーナーが所有する株式を従業員へ譲渡)
(4) 借⼊⾦で不動産を購⼊し資産規模を増⼤させる
(5) 損⾦算⼊可能な⽣命保険の活⽤
(6) オーナーへ退職⾦の⽀給
(7) レバレッジドリース等の投資による損⾦算⼊の活⽤
(8) 社⻑の貸付⾦を現物出資
(9) 種類株式(無議決権株式)を第三者に割当て
32
資料4-3.事業承継に議決権指図信託を活用
社⻑が⽣前に、⾃社株式を信託契約し、死亡後に⻑男が受益権を取得
自社株式を信託
社
⻑
議決権⾏使
議決権⾏使の指図
社⻑死亡後、⻑男が
議決権⾏使の指図
⻑
男
信
託
銀
⾏
等
会
配当⾦
社
受益権(配当)
メリット
①⻑男が第三者に⾃社株式を処分してしまうリスクを防ぐ(財産の隔離)。
②信託契約により事業承継が確実。
(出典) 「中間整理 〜信託を活⽤した中⼩企業の事業承継の円滑化に向けて〜」を参考に作成
URL:http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2008/080901sintaku.htm
33
第5. 総合事例
事例5.遺産分割した5年後に兄弟の家庭環境が急変
6億円
⻑男80%
次男20%
百万円 百万円 百万円
⻑⼥
急死!
次⼥
三⼥
入院中
資⾦援助
家賃収入
子供3人が東京の大学へ進学
嫁の内心⇒⽼後は楽天笑顔
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父の家族
地⽅都市。⽗は個⼈所有⼟地6億円を遺して10年前に91歳で他界。
⺟も直ぐに他界。預⾦は少ない。保険無し。相続対策無し。遺言は無い。
会社は売上も下降傾向で⽗の他界後に⾚字転落。
子供は計5⼈で内、⼥性3人既婚(孫が各々2人)、男性2⼈(⻑男は孫
3人、次男は未婚)。
遺産分割
地元の税理⼠が遺産分割の相談を⻑男と協議した。⻑男が兄弟姉妹の今後の
⾯倒を⾒る前提で80%の⼟地を相続した。相続前に⻑男が動脈硬化で倒れ、
嫁が⻑男の⾯倒を⾒る事に対して、兄弟姉妹が同情した。
次男は土地の20%を相続。姉妹は現⾦⼀⼈当たり1百万円を貰った。
家庭急変
⽗の他界5年後に⻑男が脳梗塞で急死。
次男も狭⼼症と⾼⾎圧と糖尿病になり、年⾦5万円で⽣活困難。
⼊退院の次男を姉妹が⾯倒を⾒たが、出費と精神的ストレスで限界に。
嫁が拒否
姉妹が嫁に対して次男へ支援を依頼したが、「皆さんが押印したから私の財産だ」
と支援を拒否。
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弊社の調査 ⻑男の嫁は⾃分のお⾦を守ることばかりの性格で、次男へ援助を拒否。
⻑男の⼟地の賃貸収⼊年間12百万円が、相続分割で考慮されていない。
次男と姉妹が遺産分割協議書に押印をしたが、財産の課税価額を⾒ていない。
アドバイス
①⻑男の嫁と息⼦宛に対して、次男へ年3百万円の資⾦贈与を要請。
②子供の無い次男に遺言書を書かせて、⻑男の子へ相続させない手段を取る。
③次男の⼟地にサービス付き⾼齢者住宅を誘致し、賃貸収⼊を得る。
④孫達に不動産管理会社を設⽴させ、次男の⼟地を管理する。
佐々木から手書きの10ページの⼿紙を⻑男の嫁と息⼦宛に発信した。
「------------------------------------」。
⻑男の息⼦から兄弟姉妹全員に電話があった。
---「次男の生活実態を全く知りませんでした。大変すみませんでした。
自分が責任を持って次男の世話とお⾦の⽀援をします。」
---嫁からは連絡無し。
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教訓1.賃貸収入を考慮に入れた遺産分割をする。
教訓2.相続人の健康状態を考慮して分割プランを。
教訓3.相続人の配偶者の性格も考慮する。
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おわりに
弊社のサービス方針
◎節税ばかりでなく、親族が仲良く暮らすように配慮します。
◎弊社は、税務調査の際に、遺族に負担を掛けないように対策をします。
1.税務代理権限証書を税務署に提出し、直接税理⼠が調査官に対応します
(添付資料参照)
2.税理⼠が⾃主的に財産の調査報告書を作成し、調査官に説明します
(添付資料参照)
福沢諭吉のことば
「⼦孫に教育を遺せ、お⾦(財産)を遺すに及ばす。」
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佐々木 秀⼀の略歴
慶應義塾大学経済学部卒業
日本経済新聞社入社
ロンドン⼤学LSE修⼠課程修了
英国トウシュ・ロス会計事務所シニアマネージャー
監査法人トーマツ パートナー(元)
⽇本公認会計⼠協会国際委員会委員⻑(元)
ホワースインターナショナル会計事務所日本代表(元)
現 税理⼠法⼈ 東京総合会計 代表パートナー
http://www.tokyosogo.jp
著書『ベーシック 財務諸表入門』(日本経済新聞出版社)
『相続・贈与税の知識』(日経文庫)
他
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