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平成27年度
施
政
方
針
本日ここに、平成27年第1回知多市議会定例会を、招集申し上げましたところ、
議員各位にはご多忙の中、ご参集を賜り、厚くお礼申し上げます。
本定例会にご提案申し上げます、平成27年度の当初予算案を始めとする重要諸議
案の説明に先立ち、所信の一端を述べ、本市議会並びに市民の皆様の深いご理解と
ご協力を賜りたいと存じます。
この一年を振り返って見ますと、国内では御嶽山の噴火や広島市における豪雨に
よる土砂崩れなど、多数の犠牲者を出す災害が発生しました。幸いにも本市では大
規模な災害は発生しませんでしたが、避難情報の伝え方など減災に対する取組の重
要性を改めて痛感いたしました。
市政への重責を担い、全力を傾注して取り組む中で、様々なイベントにも参加し、
そこで拝見した子どもたちや市民の皆様の素敵な笑顔は、私の嬉しい思い出でござ
います。特に、第1回新舞子ビーチフェスティバルにおける花火の打上げは、地域
の皆様のご理解とご協力、そして多くの事業者の方々からのご協賛により、大いに
盛り上がり、私にとって大変感慨深いもので、知多を愛する子どもたちの心に楽し
い思い出として残ってくれるものと信じております。
さて、我が国の経済は、内閣府の月例経済報告では「個人消費などに弱さが見られ
るものの、雇用、所得環境の改善傾向が続く中で、原油価格下落の影響や各種政策
の効果もあって、緩やかな回復基調が続いている。」としています。
そうした中、政府は、経済の好循環を確かなものとし、地方に景気回復の実感を行
き渡らせるため、元気で豊かな地方の創生に全力を挙げ、強い経済の実現による税
収の増加と、聖域なき歳出削減を加速させることにより、経済再生と財政健全化の
両立を目指すとして、総額を96兆3,420億円とする平成27年度当初予算案
を取りまとめております。
平成27年度の地方財政対策では、地方交付税は、リーマン・ショック以降継続さ
れてきた歳出特別枠と別枠加算を縮小するものの、まち・ひと・しごと創生及び公
共施設の老朽化対策のための財源を上乗せし、前年度と比較して微減としておりま
す。一般財源総額では、地方消費税の増などにより、前年度を2パーセント程度上
回る額が確保されました。歳出面では、地方創生、公共施設の老朽化対策に加え、
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社会保障の充実として、子育て支援、介護職員の処遇改善、国民健康保険の保険者
支援などに重点が置かれております。
このような中で、平成27年度における本市の財政状況でございますが、歳入の
骨格を成す市税は、全体としては1.7パーセント、約2億5千万円の減収と大変
厳しいものとなっております。個人市民税は、雇用環境の改善による納税義務者の
増加はあるものの、個人所得の伸びは限定的であり、年金所得の減尐もあることか
ら全体としては、1.2パーセント、約6,100万円の減、法人市民税も、景気
回復の影響は限定的で法人税割が伸びず、税制改正の影響もあり、21.9パーセ
ント、約1億2,900万円の減と見込んでおります。また、固定資産税において
は、全体で0.6パーセント、約4,200万円の減を見込んでおります。新年度
は土地、家屋の評価替えの年にあたることから、現年課税分では、土地は地価の下
落により約3,400万円の減、家屋は新増築による増はあるものの、既設家屋の
減価により約4,800万円の減を見込んでおります。償却資産は当初予算比較で
は約3,800万円の増としておりますが、決算見込額との比較では、減尐を見込
みました。
普通交付税は、市税の減尐はあるものの、配当割、株式等譲渡所得割、地方消費
税などの交付金の増があることから、2億3,000万円を計上し、臨時財政対策
債は、地方財政対策の減額を踏まえ、6億3,000万円の計上といたしました。
こうした厳しい状況下において、最終年度を迎える知多市行財政改革プラン20
13では、約6億7千万円の効果額を捻出するとともに、経常経費を抑える一方、
防災対策、子育て支援、ごみ対策、産業振興などの重要課題に財源を重点配分した、
予算編成を行い、ここに平成27年度当初予算として、
一般会計 251億7,000万円
特別会計 110億5,900万円
企業会計
総額
43億0,130万円
405億3,030万円
の予算案を取りまとめ、皆様に、お諮りさせていただくとともに、市民の皆様のご
理解をお願いするものでございます。
以上、申し述べてまいりましたことを念頭に、第5次知多市総合計画の各項目に沿
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って、施策の概略を申し上げます。
初めに、生活環境分野であります。
防災・安全では、強靭なまちづくりを推進する体制整備として、防災担当部署を独
立させ、防災危機管理課を設置するとともに、災害時における業務継続計画を策定
いたします。この計画は、庁舎機能や参集する職員などのリスク分析、重要業務の
選定、必要となる資機材や対策の検討を行い、災害応急対策業務や市の業務で緊急
性、重要性の高い業務を継続するために必要となる取組を定めるものであります。
また、新たな被害想定を踏まえた津波避難計画の策定に併せ、津波避難対象地域や
避難路などを掲載した津波ハザードマップを作成し、全戸に配布するほか、災害時
に必要となる資機材などを増強するため、新知東町2号公園に備蓄倉庫を建築する
とともに、岡田、新田の各小学校に避難所防災倉庫を設置し、地域の防災力向上を
図ります。
さらに、高齢者を始め支援を必要とする市民の方々へ、コミュニティFMのラジオ
放送を活用して、地震や風水害などの情報を伝え、緊急時の情報伝達手段の強化を
図るための環境整備に取り組んでまいります。
福島県南相馬市の復興支援では、引き続き、市職員を1年間継続して派遣すること
で、支援要請に応えてまいります。
環境・美化では、市内の環境を監視する3測定局の大気汚染自動測定器を順次乾式
機器に更新するほか、知多斎場では火葬炉全てをレンガからセラミックに改修する
ことで、保守管理の効率化と設備の安定的な稼働を確保いたします。
ごみ処理では、家庭系収集ごみの有料化について、コミュニティなど地域と協働し
て、ごみ袋の価格を含め、ごみ減量と資源化を推進する具体的な施策を検討し、実
施計画としてまとめます。次期清掃センターについては、西知多医療厚生組合にお
いて、建設に向け、ごみ処理基本構想を策定してまいります。また、現清掃センタ
ーの機能を確保するため、施設修繕、ごみ処理施設精密機能検査及びごみ処理施設
改良工事を実施いたします。ごみ処理施設精密機能検査は運転管理実績や設備装置
の状況などについて精度の高い検査を行い、今後の修繕や設備の更新に無駄のない
よう役立ててまいります。ごみ処理施設改良工事では、保証期間が終了する中央処
理装置を更新するなど、ごみ処理機能の確保、向上を図ります。
消防では、小型動力ポンプ付水槽車を買い替えるほか、金沢地内に消防団第5分団
詰所を建築し、消防力の強化を図ります。
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また、消防本部に女性消防職員用の仮眠室を整備し、八幡出張所と合わせ2か所に
することにより、女性消防職員の活躍の場を広げます。
次に、健康福祉分野であります。
西知多総合病院は建築工事が無事完了し、5月1日の開院に向けた準備に入ってお
ります。新病院は、病床数468床、地下1階、地上9階建てで、免震構造を採用
するとともに、電力や水の供給の途絶を防ぐ対策を施すなど、災害時においても医
療機能を継続できる設備を備えています。地域の中核病院として、二次救急を確実
に受け入れるため、救急診療センターを設置するとともに、地域の医療機関との効
率的な連携を図り、知多、東海の両市民を始めとする利用者から信頼され、愛され
る病院を目指してまいります。
一方、地域医療のあり方について、東海市・知多市地域医療等あり方検討委員会か
ら、2月9日に報告書の提出がありました。この報告書では、回復期や慢性期の治
療に取り組む医療機関の確保を始め、医療、介護、福祉の連携など様々なご提案を
いただいております。今後も引き続き、東海市と協議の上、市民が安心して暮らせ
るよう、医療機関の確保に取り組み、地域医療の更なる充実に繋げる考えでありま
す。
地域福祉では、生活困窮者自立支援法に基づく事業として、自立相談支援事業及び
住居確保給付金の支給を行ってまいります。また、高齢者福祉では、高齢者保健福
祉計画第6次改訂の開始年度であり、計画の着実な推進を図るとともに、知多北部
広域連合を始め、関係機関と連携して、地域包括ケアシステムの構築など、新たな
事業に取り組んでまいります。なお、在宅ケアセンターは、旧佐布里老人憩いの家
へ移転し、円滑な事業の継続を目指すとともに、在宅医療と介護の連携を図ります。
子ども、若者、女性への支援では、若者女性支援室を置く子ども若者支援課と、幼
児保育課からなる子ども未来部を設け、乳幼児から青尐年、女性に関わる支援の一
層の連携、充実を図ってまいります。
子育てでは、「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、親子ひろば事業の拡充、
病児病後児保育事業の開始、相談事業や養育支援訪問事業の充実、市民活動団体と
のネットワークの強化に取り組んでいきます。親子ひろばは、児童センターに開設
することにより、5中学校区の全てで常設型となります。また、病児病後児保育は、
西知多総合病院の院内保育所に併設した病児病後児保育室において実施し、働く保
護者を支援いたします。
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保育園・幼稚園は、子ども・子育て支援新制度に対応し、認定事務等の手続きを円
滑に行うとともに、保育園では11時間保育の創設や保育士の確保を図ります。や
まもも園では療育時間の延長、幼稚園では預かり保育の開始などにより、子育て支
援の充実を図ります。待機児童対策としては、未満児の利用定員を増やすとともに、
私立朝倉保育園の未満児クラス増設のための施設改修を支援いたします。また、第
三子保育料無料化等事業は、引き続き、愛知県の補助制度を活用し、所得に応じた
無料又は半額補助を継続いたします。
放課後児童クラブは、入所対象者を全学年の児童へと拡大し充実を図ります。増加
する児童に対応するため、八幡、岡田に加え、新たに旭北小学校において放課後子
ども教室を一時休止し、放課後児童クラブを2教室に増やして実施してまいります。
若者女性支援は、青尐年会館を若者支援の拠点として、ひきこもりやニートなどの
悩みを抱える若者や保護者の支援を進めるため、若者支援地域協議会を立ち上げる
とともに、若者相談窓口を開設いたします。また、男女共同参画センターでは、女
性のための相談事業、市民への意識啓発を行ってまいります。
保険・福祉医療では、国民健康保険事業の安定を図るための繰出金や、子ども、障
がい者、高齢者などの医療費の助成を継続して行います。
健康では、ピロリ菌の除菌により胃がん予防や次世代への感染の防止が期待できる
ことから、将来の発病リスクを軽減し、健康を保てるように中学校3年生を対象と
したピロリ菌検診を実施します。予防接種では、接種される方の利便性を考慮し、
集団接種から個別接種への移行を進めます。また、妊娠を希望している女性とその
パートナーを対象に、風しん予防接種費用の一部助成を継続します。
そのほか、臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金の支給につきましては、国
の施策に基づき実施してまいります。
次に、産業経済分野は、
地方創生において中心となる分野であります。産業、経済を活性化することによっ
て、まちの活性化へ繋げてまいります。
商工業では、次期企業用地として、大興寺地区を対象に都市計画法に基づく地区計
画を策定してまいります。
観光では、観光資源を活用したイベントを開催して集客を図ります。佐布里池梅ま
つりでは、梅まつり会場と岡田を結ぶシャトルバスを運行し、岡田の古い街並みへ
の誘客を図ります。新舞子ビーチフェスティバルにおける花火の打上げにつきまし
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ては、新舞子のロケーションを活かし、海上からの打上げを計画しており、子ども
たちの夏休みの楽しみとなるよう継続したいと考えております。
農業振興では、たまねぎ、ふきに加え、ペコロスの優良種確保に対し、新たな補助
を行い、農業生産力の向上や生産者の新規参入を促し、出荷量の拡大を図ります。
また、農地中間管理事業などを活用し、担い手への農地集積及び耕作放棄地の解消
を図るほか、青年就農給付金事業を継続し、新規就農者の育成を支援します。
土地改良では、農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るために、地域の
共同活動組織を支援します。また、施設整備として、老朽化した獅子懸工区の用水
管布設換えや浸水被害防止のために、大草排水機場の排水ポンプを増設するほか、
県営事業による、新舞子新池、日長大池の耐震改修工事や基幹農道の舗装打換え工
事に対して応分の負担をしてまいります。
次に、都市基盤分野では、
都市政策として、人口減尐の歯止めや企業誘致による雇用の促進など、新たな市街
地整備に向け、住居系の信濃川東部地区、工業系の新南地区の区画整理事業につい
て、平成29年度の組合設立を目指し、市街化編入に伴う協議書の作成、区画整理
事業立ち上げに向けた設計委託を、同時に進めてまいります。
防災・減災の取組として、民間木造住宅耐震診断では、岡田一区を重点地区として
職員及び民間の耐震診断員の方々のご協力を得て、戸別訪問を実施し、耐震改修の
促進に努めます。また、国や県の耐震改修促進計画との整合を図るため、本市の建
築物耐震改修促進計画を改訂します。
道路・橋りょう整備では、平成20年度からの継続事業である日長4号線を全線完
了させるほか、舗装修繕計画の作成、長根橋の補修工事、臨海部の市道北浜金沢線
の3箇所で舗装の打ち換えなどを行います。
排水対策事業として、継続事業である平井排水区に加え、亥新田南部地区では、調
整池整備のための設計及び用地取得を行い、清水が丘地区では、浸水防除対策の検
討を始めます。
交通安全施設整備では、LED型の道路照明灯を10年間のリース契約で導入しま
す。リース料は削減した電気使用料で賄い、環境に対する負荷の軽減を図ります。
緑化・公園では、佐布里池周辺散策路に面した愛知用水路の側道にフェンスを設置
するなどの安全対策を行うほか、生育の悪い梅林の排水対策や土壌改良、苗木の植
栽を行い、佐布里池周辺の魅力を高めます。施設整備では、老朽化した旭公園の電
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灯用電気設備、冒険広場の大型遊具の更新や七曲公園の遊具更新に係る設計など、
利用者の安全と満足度の向上を図ります。また、市道つつじが丘2号線の街路樹の
植え替えを継続して行ってまいります。
上水道では、耐震対策として、丸根配水場のバイパス管布設工事の継続、樋之口橋
と長根橋の水管橋の耐震化を進めるほか、応急給水体制を強化するため、日長ポン
プ場跡地を給水拠点として整備してまいります。
下水道では、平成28年度までの2か年で、南部浄化センター管理棟の耐震化、沈
砂池・主ポンプ設備の更新工事を実施するほか、汚泥処理の過程で発生し、現在、
一部を焼却処分している消化ガスを有効利用するための施設整備を行い、平成28
年度後半から余剰消化ガスを民間事業者へ売却します。また、引き続き、新南地区
における面整備を行い、生活環境の改善に努めてまいります。
次に、教育文化分野であります。
今回の教育委員会制度の改正に伴い、新たに、市長として「総合教育会議」を主催
し、教育行政の大綱の策定や教育の条件整備など重点的に講ずべき施策について、
教育委員会と協議、調整を行ってまいります。
学校教育では、将来を担う子どもたちの夢をはぐくむ取り組みとして、今年度に引
き続き、小学校4年生の2分の1成人式を前にしたドリームマップ作成講座や、中
学校2年生を対象にしたキャリアデザインセミナーを開催してまいります。
また、震災後の調査で、新耐震基準又は耐震補強済みの屋内運動場においても、天
井の崩落や照明器具などの落下による被害の発生が多数報告されていることを踏ま
え、八幡中学校では屋内運動場の天井除去工事を行い、天井のない各小中学校の屋
内運動場についても、照明器具の落下防止対策を行います。老朽化している施設の
整備として、旭北小学校及び岡田小学校のトイレ改修を行い、学習環境の改善を進
めます。
学校給食では、食育の一環として、主食用食器を日本の食習慣に合うように茶碗型
の器に更新するほか、老朽化した厨房機器の更新などを行ってまいります。
生涯学習では、市制45周年記念事業として、テレビの公開収録音楽番組や、常滑
市出身の人間国宝「山田常山」の作品による特別企画展を、企業の協賛を得て開催
いたします。
また、勤労文化会館の指定管理では、利用料金制導入により、民間のノウハウを生
かした芸術文化事業の運営を含め、効果的な会館運営を行ってまいります。
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生涯スポーツでは、総合型地域スポーツクラブの未設置地区への設立支援と、既存
クラブへの運営費の一部補助や情報交換会などを行います。
また、子どもの体力向上実践事業では、至学館大学との連携をより強化して、子ど
もの体力向上や望ましい生活習慣の形成を図ります。
施設面では、海浜プールの50メートル、25メートルプールの閉鎖に伴い、円形
プールとの間に防護柵を設置し、安全対策を講ずるほか、市民体育館トレーニング
室の機器を計画的に更新いたします。
次に、協働経営分野であります。
地域・市民活動として、コミュニティ活性化事業などを通じ、地域自治組織の活
性化や、まちづくりの担い手となる人材育成に引き続き取組んでまいります。また、
地域活動の拠点施設である上平井公会堂、新知台集会所の改修に対し、助成いたし
ます。
広報・広聴では、コミュニティFMのラジオ放送を利用し、地域に密着した市民
活動や行政情報などの情報発信を始めます。
市制施行45周年を市民とともにお祝いする機会として記念式典を挙行し、市政
発展に貢献された方を顕彰します。
社会保障・税番号制度につきましては、平成28年1月から個人番号カードの交
付を予定しており、特定個人情報保護評価、番号利用に伴う条例制定、関連する各
電算システムの改修を行い、新制度に対応してまいります。また、個人番号カード
などを利用して、全国のコンビニで住民票の写しや印鑑登録証明書などを即時に発
行できるようにし、利用者の利便性向上を図ります。
行政経営では、行財政改革プラン2013が最終年度を迎えます。急激な収支不
足を解消するため、改革プランを策定し、市民の協力を得て実行してまいりました。
新年度予算を含む3年間の効果額は目標を若干上回り、一定の効果を上げることが
できました。しかし、平成28年度以降におきましても、歳入の漸減傾向は変わら
ず、高齢化、子育て支援などに伴う歳出の増加は避けられないことから、厳しい財
政状況が続くとの見通しを持っております。このような背景から、新たな行財政改
革の実施は避けられないものと判断し、限られた経営資源を有効活用して、効率的
な行政サービスが提供できるよう、次期行財政改革の計画を策定してまいります。
また、重要課題に柔軟かつ迅速に対応できる新たな組織体制として、行政が優先
して取り組むべき課題への対応とマネジメントが効果的に機能する組織の2つを視
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点に、「危機管理機能の充実」、「子育て支援、青尐年と女性の活躍支援の推進」、「環
境政策と産業振興の調和」、「マネジメント体制の強化」を基本方針として、笑顔あ
ふれる明るく元気な知多市を目指して、私の公約であります「安全で強靭なまちづ
くり」「住み良いまちづくり」「産業振興によるまちづくり」に取り組んでまいりま
す。
そのほか、水素燃料電池自動車を平成29年度までに購入することといたしまし
た。知多半島の5市が揃って導入するもので、環境負荷の低減に向けた取組の必要
性を周知していくうえで役立つと考えております。
国の平成26年度補正予算には、地方への好循環の拡大に向けた緊急経済対策に
沿って、地域住民生活等緊急支援のための交付金として「地域消費喚起・生活支
援」や「地方創生先行型」に係る予算が盛り込まれました。本市も、これに対応し
た事業を組立て、補正予算案を今定例会にご提案いたしております。
主なものでは、地域消費喚起として、プレミアム付商品券を発行いたします。ま
た、地方創生先行型では、知多市版総合戦略を策定するとともに、戦略目標の一つ
である、まちの活性化を図るため、コミュニティバス事業の拡大や地域の人材育成
を行ってまいります。コミュニティバス事業では、西知多総合病院へ直接乗り入れ
るバス路線を1路線新設し、病院へのアクセスと公共交通の利便性向上を図ります。
また、地域の人材育成として、地域懇話会を継続するほか、コミュニティの課題の
解決支援、まちづくり促進事業や、まちづくり人材育成事業などを展開してまいり
ます。
新年度は、播いた「種」を育てる時期にあたると考えております。作物の生育に
は、「種」を播いた後の世話が大切です。芽が出たら、しっかりと陽の光に当て、水
と必要な養分を与え、こまめに手入れをすれば、しっかりと根を張り、風雨にも負
けません。市政も同様で、成果や効果がでるまでの期間に長短はありますが、2年
目には手間隙をかけ、しっかりとした根を張ることが大切であると考えます。それ
ぞれの施策が大きな実を結ぶよう全精力を注いで市政運営に努めます。
今年の9月には市制施行45周年を迎えます。先人たちの業績に感謝するととも
に、今後の更なる発展を誓い、全職員一丸となって「笑顔つながる
都市」の実現に向けて努力をしてまいる所存であります。
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いきいき 緑園
今後とも、議員各位はもとより、市民の皆様方の一層のご理解と、ご協力を心か
らお願い申し上げ、新年度に向けての私の施政方針とさせていただきます。
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