災害に強いまちづくり のために大東市地域防災 計画を改訂しました 平成7年に発生した兵庫県南部地震 (阪神・淡路大震災)から今年で20年がたちました。 また、平成23年には東 北地方太平洋沖地震 (東日本大震災)というこれまで経験のない未曽有の災害が発生し、 大規模災害の発生時に 市民の生命、身体、財産を守る上でのさまざまな教訓となりました。市の災害対策においても、災害時の要援護者 への支援体制、 避難所の運営、 帰宅困難者対策など、多くの課題が見えてきています。 こうした背景のもと、東日本大震災をはじめとする災害教訓などの最新 の知見を反映した国の防災基本計画、南海トラフ地震の被害想定などを反 映した大阪府地域防災計画などが示されています。これらの各計画や関係 法令とも整合性を図り、より安心・安全なまちづくりを総合的に推進する ことを目的として、昨年12月に大東市地域防災計画を改訂しました。 今月号では、その概要についてお知らせします。 大東市地域防災計画の基本理念 東日本大震災などの教訓から、想定を上回る自然災害に対して全ての「災 地域防災計画とは いを防ぐ」ことは困難であり、「災い(被害)を減らして」、人命を最優先に 守るという施策が求められています。 本市の地域における災害予防、災 しかし、大規模な災害時は、市をはじめ関係機関が行う防災対策による「公 助」に限界があることから、市民が「自らの命は自らで守る」という「自助」 の原点に立つとともに、市民が相互に助け合う「共助」による防災コミュニ 害応急対策および災害復旧に関し、 本市および各防災関係機関が行う事 ティづくりを促進することとしています。 務または業務の大綱を定めることに 災害対策に当たっては、災害対策基本法に基づき、災害時の被害を最小化 よって、防災活動の総合的かつ計画 し、被害の迅速な回復を図る「減災」の考え方を防災の基本理念とします。 的な推進を図ることで本市の地域な らびに市民の生命、身体および財産 自助 共助 を災害から保護 することを目的 としています。 【自助】自らの命は自らで守る 【共助】地域においてお互いに 公助 助け合う 【公助】 市、消防、警察、自衛隊などが 安全を確保する だいとう 平成 27(2015)年 3 月号 1 特集 大東市の南海トラフ地震の被害想定 南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会(大阪府防災会議)により、想定外と言われ た東北地方太平洋沖地震の発生に鑑み、あらゆる可能性を考慮して地震・津波は最大 クラスの想定がなされました。 大東市の被害想定 最大震度 津波被害 死者 負傷者 6弱 なし 21人 483人 全壊 半壊 1,762棟 5,695棟 道路閉塞率 断水率 停電率 19.4% 100%(被災直後) 49%(被災直後) 幅員3.0m未満∼13.0未満 電話 避難者 帰宅困難者 (固定電話) 不通契約数(%) 23,276人(最大) 15,480人 100%(被災直後) 電話 (携帯電話) 停波基地局率 94.7%(被災直後) 【不通ランクA】 非常に つながりにくい 南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会(大阪府防災会議) 「大阪府域の被害想定について(ライフライン等施設被害・経済被害等、人的被害・建物被害)」より 25 災害対策基本法、 大阪府地域防災計画 などの改正点の反映 ﹁災害対策基本法 ︵平成 年6月改正︶ ﹂ や、﹁大阪 府地域防災計画︵平成 年3月改訂︶﹂などの次の 改正内容を反映しました。 大東市地域防災計画へ反映した内容 ①避難行動要支援者名簿の作成・活用 ②避難所での生活環境の確保や女性への 配慮など ③指定緊急避難場所、指定避難所の区別 ④地区防災計画の策定 ⑤洪水予報などの河川管理者から関係市 町村長への直接伝達 ⑥情報収集体制の強化 だいとう 平成 27(2015)年 3 月号 ⑦広域的防災体制の強化 ⑧原子力発電所対策の一環としての関西 広域連合区域内自治体からの広域避難 者の受け入れなど ⑨市民の基本的責務、 事業者の基本的責務 たちへの防災教育の実施 ⑩防災に関する知識の普及啓発、子ども 2 26 大東市災害体制の見直し 従来一つだった本市の災害体制を、気象警報発令時の「水防体制」と地震発生時の「地震体制」 に分けて構築し、本計画に反映しました。新しい災害(防災)体制のポイントは次のとおりです。 災 害( 防 災)体制のポイント 地震体制 水防体制 中学校区に準じ、市立 8 中学校(南郷、住道、四条、 深野、北条、谷川、諸福、大東)に拠点(地区対策部) を置き、 よりきめ細やかな対策を行います。 市域の東西南北 4 か所(北条人権文化センター、 野崎人権文化センター、総合福祉センター、諸福老 人福祉センター)に拠点(地区対策部)を置きます。 自主防災組織 自主防災組織とは? 自主防災組織は、「自分の地域は自分たちで守る」と いう自覚、連帯感に基づき、自主的に結成する組織で あり、災害による被害を予防し、軽減するための活動 を行う組織です。地域の実情に応じた組織体制が必要 であり、「共助」の中核をなす非常に重要な組織である ため、自治区などの生活環境を共有している住民など により結成・運営されています。 救急救命の方法を熱心に聞く自主防災組織(氷野地区)の皆さん 自主防災組織の強化を図っています 自主防災組織は、自治区ごとに結成されており、市では市内全ての地 域で組織化されるよう支援を行っています。現在 51 地区中 47 地区で組 織化されています。 自主防災組織(龍間地区)の皆さんによる防災訓練 自主防災組織の訓練に積極的に参加を! 災害時には慌てず行動することが大切です。地域が行う防災訓練に参 加して、災害時の行動手順などを学びましょう。 AEDの使い方を学ぶ参加者 だいとう 平成 27(2015)年 3 月号 3 特集 災害から身を守るために(普段からの心掛け) 災害はいつ、どこで、どんな形で起こるのか分かりませんが、必ず起こります。 過去の災害からも「自分の身は自分で守る自助」 「隣近所の助け合いによる共助」が非常に重要 であると言われています。普段から災害に備えて自分自身で、または地域でどれだけ準備していた だけるかが減災への近道です。 危機管理室☎875・0211 日ごろからの「自助」が大切です 災害が発生してから自分で何とかしようとしても、そう簡単に何とかできるものではありません。自分の身を自分で守 るには、 平常時からの準備が大切です。 具体的には、次のようなものが考えられます。 最低限3日分以上の飲料水・食糧を 備蓄する 避難する際に備え、 非常持ち出し品を準備する 避難場所や避難経路を確認しておく 家族の安否確認方法を決めておく 家具の転倒防止 を行う 家屋の耐震診断・耐震補強を行う 隣近所の人と顔なじみに なっておく 次のような物を準備しておくと役に立ちます 4 カセット ガスコンロ 燃料 (灯油、 カセットガス、 ライターなど) やかん 鍋 簡易食器 アルミホイル ラップ 簡易トイレ 工具類 新聞紙 毛布・タオルケット 寝袋 使い捨てカイロ 予備のメガネや 補聴器・入れ歯 洗面用具 マスク だいとう 平成 27(2015)年 3 月号
© Copyright 2024 ExpyDoc