有 - 三菱東京UFJ銀行

FX Weekly
平成 27(2015)年 2 月 20 日
GLOBAL MARKETS RESEARCH
チーフアナリスト
内田 稔
三菱東京 UFJ 銀行
A member of MUFG, a global financial group
Table of contents
1
今週のトピックス
1. 今週のトピックス
(1) 米国金融政策
利上げ開始の意向強し、開始時期に含み
シニアマーケットエコノミスト
2
鈴木 敏之
来週の相場見通し
(2) 議事要旨にみられたドル高への警戒
3
来週の経済指標・イベント
4
マーケットカレンダー
チーフアナリスト
内田 稔
(3) 豪中銀、議事録公表
リサーチアシスタント
福島 由貴
(4) 銀行為替取引データからみた最近の人民元安の要因分析
アナリスト
関谷 菜摘、アナリスト
天達 泰章
2. 来週の相場見通し
(1) ドル円:決め手欠き、来週のイエレン議長の証言待ちへ
117.00 ~ 120.00
予想レンジ
(2) ユーロ:良好なユーロ圏経済指標から底堅い推移を予測
予想レンジ
対ドル:
1.1250 ~ 1.1550
対円:
133.00 ~ 138.00
(3) 豪ドル:次回 RBA を控えて様子見ムードとなろう
予想レンジ
対ドル:
0.7700 ~ 0.7900
対円:
91.00 ~ 94.00
(4) 人民元:動意に乏しい展開続く
次回の FX Weekly は、
3 月 6 日発行予定です。
1
FX Weekly | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
予想レンジ
春節商戦の行方に注目
対ドル:
6.2350 ~ 6.2650
対円:
18.70 ~ 19.20
(1) 米国金融政策 利上げ開始の意向強し、開始時期に含み
利上げ開始時期に含み
をもたせた FOMC 議
事要旨
2 月 24 日に米議会上院、25 日に下院で、イエレンFRB議長の半
年毎の定例議会証言(旧ハンフリー=ホーキンス議会証言)が行わ
れる。共和党が議会で優位を獲得してから最初の議会証言で、Fed
への監査の実施など、いわゆるFedの独立性にかかわる問題の扱い
が重いとみられるが、金融政策の転換といえる局面であるので、当
然、今後の金融政策の進め方についての市場の関心も非常に高くな
る。2 月 18 日に公表された 1 月 27-28 日のFOMCの議事要旨
(Minutes)を踏まえて、議会証言での議長の金融政策に関する発
言姿勢を展望しておきたい。一言でいうと、利上げ開始の意向は強
いが、開始時期については、曖昧にしそうということになる。
① 利上げ開始の意向は堅固
利上げを開始する意向
は堅固
18 日に公表された議事要旨でみると、金融政策を正常化するた
めに利上げを開始するか、否かは議論の対象になっていない。利上
げの開始時期についてこそ含みを持たせているが、利上げ開始に進
む意向をしっかりと保持していることに揺らぎはない。議事要旨の
参加者の政策プランについての討議の部分は、利上げ開始を前提に
議論が交わされているし、また、「忍耐強い」をはずすかのフォ
ワードガイダンスのキーワードの扱い、利上げの進め方についても
議論が交わされていることから、その意向の強さがわかる。
12 月に示されたFOMCメンバーの経済見通しには、各メンバーの
政策金利の見通しが示されている。そこでは、年内に利上げを進め
るという見方が大勢である。それを覆すような経済の見方の変更は
なされていない様子であるし、雇用拡大の数字は当時みられていた
よりも強いものになっている。
第 1 表: 雇用統計の主要計数 ~3 ヶ月で 100 万人を超える雇用者数の増加
9月
10 月
11 月
12 月
1月
千人
250
221
423
329
257
失業率(U3)
%
5.9
5.7
5.8
5.6
5.7
失業率(U6)
%
11.7
11.5
11.4
11.2
11.3
労働参加率
%
62.7
62.8
62.9
62.7
62.9
平均時給 前月比
%
0.0
0.2
0.4
-0.2
0.5
%
2.0
2.0
2.1
1.9
2.2
非農業部門雇用増加数
前年同月比
(資料)米労働省のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成
また、今回の議事要旨では、金融安定にリスクがあることが、ス
タッフから報告されているが注目される。過剰緩和の弊害も無視で
きなくなっているということである。
2
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
② 利上げ開始の時期には含み
遅い利上げ開始論がい
われる要因は、一部の
景気指標の弱さ、予想
インフレ率の低下、国
際経済情勢の不透明
3
このFOMC議事要旨が記しているのは、1 月 27-28 日の会合で
あって、3 ヶ月で非農業部門雇用者数の増加が 3 ヶ月で 100 万人を
超えた 2 月 6 日発表の強い雇用統計の前である。また、当時は各国
で債券利回りが急低下して、先行きが不透明になっていたときでも
ある。原油価格も最安値を探っていたときである。したがって、こ
の議事要旨の記述よりもFOMCメンバーの見方は強い方向へ傾いて
いるかも知れない。しかし、この議事要旨では、利上げ開始の時期
について含みを持たせている。すなわち、スタッフから、利上げ開
始の時期が早くても、遅くても(おそらくモデル計算で示される)
経済状態は変わらないが、リスクは異なるという説明がなされた。
それに対する討議結果が、早期の利上げに消極的というものだっ
たということである。多くの参加者(Many)が、利上げが早すぎ
て、着実な景気回復を阻害するリスクを、緩和を続け過ぎる弊害よ
りも重くみているというのである。FOMCメンバーから相次いで、
6 月利上げを言う発言が続いている中で、この記述があらわれた意
味は、吟味する必要がある。
大きなポイントとして、次があげられる。
第一は、一部の景気指標の中に弱めの動きがあることである。こ
のFOMCの直後に出た第 4 四半期のGDP成長率が、その前の期の
5.0%から 2.6%に低下している。FOMCはこの数字の発表前である
が、議事要旨では、低下を見込んでいたとしているが、2.6%では、
“Solid(しっかりしている)”とは言いきれない。また、供給能力
の余剰(スラック)の縮小が、インフレ率を上昇させるという見方
を強く言えなくなる。
第二は、予想インフレ率の低下である。これについては、議事要
旨の記述の紙幅も多い。エネルギー価格の低下は、人々の実質購買
力を高め、インフレ率をやがて高めることになるといえるが、予想
インフレ率が下がってしまうと、その話が通じなくなる厄介がある。
予想インフレ率が既に低下の動きを見せているのに、利上げをして、
結果としてインフレ率が下がったとあっては、Fedの信認にかかわ
る。物価安定の任務達成に逆行することになる。“忍耐強く”利上
げをもっと待とうという発想は理解できよう。
第三は、国際経済情勢、そしてドルの上昇である。実際、世界経
済の成長が弱いことの悩ましさは大きくなっている。IMFの世界経
済見通しは、米国の成長率を 3.6%とみていて、それで、ようやく
世界経済を支える形にしている。その世界経済に米国発のストレス
をかけることは避けなければならない。2 月 24 日と 25 日の議会証
言では、ドル高が話題にのぼる可能性が大きいとみるのが順当であ
ろう。これについてFedは目配りをしていることを言っておかなく
てはならない。
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
③ 議会証言の後の日程:3 月 6 日の雇用統計、17-18 日の FOMC
3 月 6 日発表の雇用統
計が引き続き強いと、
3 月 17-18 日の FOMC
で、「忍耐強くいられ
る」の表現継続が問わ
れる展開に
この議事要旨からみると、この 2 月 24 日と 25 日の議会証言に対
して、イエレンFRB議長は、正常化に進むべく利上げの意向を持ち
つつも、その開始時期は含みを持たせるという姿勢で臨みそうであ
る。その後、3 月 6 日の雇用統計が、強い拡大の持続を示すとする
と、今度は、3 月 18 日のFOMC声明で「忍耐強くいられる」(can
be patient)の表現の扱いが気にされだす。「忍耐強くいられる」を
そのまま残しておくと、「次の 2 回のFOMCでは利上げしない」と
いう解釈になり、4 月 28-29 日と 6 月 16-17 日の利上げなしという
話になってしまうからである。
金融システムに過剰緩和による不安定要素があるとFedが認識し
ていて、強い雇用拡大があり、欧州などが政策対応に動いた中で、
原油価格が下げ止まっていて、債券利回りも上がってきた。遅くな
ると、米国の景気拡大の成熟の見え出す中で利上げを始める問題が
浮上してくる。正常化が難しくなるということである。6 月 16-17
日のFOMCでの利上げ開始という見方をもち続けたい。
第 2 図: 原油価格は前回の FOMC の頃が最安値
(ドル/バーレル)
(%)
125
2.70
110
2.50
95
2.30
80
2.10
65
1.90
1/27‐28日のFOMCの頃が、
原油価格は最安値
50
1.70
35
1.50
14/1
14/2
14/3
14/4
14/5
14/6
14/7
14/8
14/9
14/10
14/11 14/12
15/1
(年/月)
原油価格(WTI) 〈左目盛〉
5年先の予想インフレ率=BEI=I 〈右目盛〉
(資料)米労働省のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成
シニアマーケットエコノミスト
4
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
鈴木 敏之
(2) 議事要旨にみられたドル高への警戒
やや踏み込んだドル高
への警戒
今週公表されたFOMC議事要旨によれば、FOMC内にてドル高に
関する議論が交わされた模様だ。議事要旨の中にみられた具体的な
ドルに関する記述は以下の通りである。
(Staff Economic Outlookより)
The forecast for real GDP growth over the medium term was little revised, as greater
momentum implied by recent spending gains and the support to household spending
from lower energy prices was about offset by the restraint implied by the recent
appreciation of the dollar.
(Participants’ views on current conditions and the economic outlookより)
The increase in the foreign exchange value of the dollar was expected to be a
persistent source of restraint on U.S. net exports, and a few participants pointed to
the risk that the dollar could appreciate further.
好調な消費は、ドル高による景気へのマイナスの影響によって、
概ね相殺されるおそれがある。また、ドル高が輸出(外需)への重
石となるほか、一段とドル高が進む「リスク」も警戒されているよ
うだ。基本的に通貨政策の所管は米国の財務省であり、通常FOMC
やそのメンバーが為替相場に言及することは多くない。例えば、昨
年 9 月のFOMCでもやはりドル高への言及がみられたが、どちらか
と言えば、ドル高による物価への影響に軸足を置いたものと言える。
その点、今回はドル高への警戒姿勢を強めたとみることもできよう。
一段とドル高が進む場合、物価の伸びも鈍化するため、FOMCに
とっては厄介な問題となりそうだ。
注目が高まる 4 月の為
替報告書
5
通貨政策を所管する米財務省も今後、ドル高への関心を強める可
能性がある。足元のドル相場の水準を、米FRBが公表しているデー
タでみたものが第 1 図だ。この内、点線は過去 20 年間でみた平均
線を示している。昨年 10 月の米財務省によるいわゆる為替報告書
( Report to Congress on International Economic and Exchange Rate
Policies)では、昨年 8 月以降に活発化したドル高の動きを客観的
に説明した上、この 20 年の平均線よりもまだドル安(下側)に位
置していると表記するにとどめた。しかし、足元では既にその水準
を上回ってドル高が進んでいる。これまでのところ、ルー財務長官
からは目立ったけん制はきかれていないが、当面、幅広い通貨に対
するドル選好はまだ続く公算が大きい。次回 4 月の為替報告書では、
財務省もドル高に対して、けん制トーンを強める可能性は低くない。
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
第 1 図:米ドルの名目実効相場と過去 20 年間の平均線(点線)
140
(ドル高)
130
120
110
100
90
△・・・昨年10月の為替報告書作成時
(ドル安)
80
94
96
98
00
02
04
06
08
10
12
14 (年)
(資料) 米 FRB より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
過去最大のドルロング
ドル高の主因は、正常化へと進む米国自身にあることは自明の理
だ。しかし、昨年の終盤以降、予想を下回る米国の経済指標が増加
しており、その一因として、ドル高への関心が高まる可能性はある
だろう。そもそも、この予想を下回る経済指標の一因が、実際にド
ル高だとすれば、今後ドル高の進展とともに、経済指標の悪化度合
いも強まると懸念される。折りしも、足元では非商業部門(投機筋)
のドルの買い越し(ドルロング)が過去最大規模に積み上がってお
り、「ドルバブル」さながらといった様相を強めている。このため、
こうした持ち高の重さを勘案すれば、今後ドル高が進む場合、その
ペースは鈍いものとなりがちだろう。一方、何らかの前提が崩れ、
これまでのドル高に対する反動が訪れる場合、値幅が広がったり、
下落速度が加速する可能性に十分な留意が必要だろう。
第 2 図:米ドルの持ち高(非商業部門)
(枚)
80000
60000
40000
20000
0
-20000
-40000
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15(年)
(資料) 米 CFTC より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
チーフアナリスト
6
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
内田 稔
(3) 豪中銀、議事録公表
四半期報告書を踏まえ
て、利下げは今回が適
切
2 月 17 日、オーストラリア中央銀行(以下、RBA)は定例理事
会議事録(2 月 3 日開催分)を発表した。RBAは 2 月 3 の定例理事
会で利下げを決定。政策金利をこれまでの 2.50%から 2.25%へ引き
下げた(第 1 図)。
第 1 図: 豪ドルと政策金利の推移
8
(米ドル)
(%)
1.2
1.1
7
1
6
0.9
5
0.8
4
0.7
3
0.6
政策金利<左目盛>
2
2008
豪ドル<右目盛>
0.5
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
今回の議事録では、「需要をさらに促進するために更なる政策金
利の引き下げが適切だと判断した」と言及。利下げのタイミングに
ついては、「変更のタイミングを決定する上で、メンバーは今回の
理事会で行動すべきか次回(3 月)の理事会で行動すべきか議論し
た」としている。また、「今度の四半期金融政策報告に関して早期
に追加のメッセージを伝える機会となるため、今回の理事会で行動
するのが望ましい」としている。
こうした議事録の内容を踏まえると、2 月に引き続き 3 月にも利
下げとなる可能性は低そうだ。かつ、四半期金融政策報告の発表に
合わせる形で利下げを実施したとなると次回利下げを判断するタイ
ミングとしては 2014 年第 4 四半期のGDP(3 月 4 日発表)、2015
年第 1 四半期の消費者物価指数(4 月 22 日発表)の結果をみてから
の可能性が高い。加えて、今回の議事録では前回までと比べて住宅
市場に関する懸念が多く示されていた。足元の住宅価格は上昇を続
けており、これまでの低金利による加熱感も伺える。こうした状況
を考えれば、5 月 5 日のRBA理事会までは利下げによる効果を見極
める可能性高いだろう。
資源価格、豪ドル高に
注意
7
もっとも、今回の理事会でRBAは豪ドル水準について、「豪ドル
は米ドルの上昇によって著しく下落したが、通貨バスケットに対し
てはそれほどではない。」と評価しており、豪ドル安志向も根強い
ようだ。また、議事録でも商品価格の下落にも関わらず、貿易加重
平均指数でみると 2014 年初めの水準から 4%しか下落していないと
言及している(第 2 図)。
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
第 2 図: 豪ドル(対ドル)と豪ドル貿易加重平均指数の推移(2014 年 1 月~)
0.9600
(米ドル)
(指数)
0.9400
74.00
72.00
0.9200
70.00
0.9000
68.00
0.8800
66.00
0.8600
0.8400
64.00
0.8200
62.00
0.8000
豪ドル(対ドル)<左軸>
豪ドル貿易加重平均指数
60.00
0.7800
0.7600
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
58.00
(月)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
昨年までスティーブンス総裁は妥当な豪ドル水準として「0.75
(対米ドルレート)」という数字を挙げていた。今回の理事会では
明確な水準こそ示していないものの、明らかに目指すべき豪ドル水
準を引き下げている。やはり、鉄鉱石価格の下落を補うツールは豪
ドル安であり、今後もさらに鉄鉱石価格が下落を続ける場合には時
期を待たずして利下げをする可能性が高まろう。加えて、今回の議
事録では世界的な行われた金融緩和にも言及している。今後もこの
ような他の中銀による緩和が続く場合には、相対的に高金利かつ高
格付国通貨である豪ドルは上昇しかねない。よって、3 月の利下げ
の可能性も排除できない。実際、市場でも 50%程度は 3 月の利下げ
を織り込んでいる。今後の商品市況、他の中銀の動向、豪ドルの値
動きが重要となってこよう。
リサーチアシスタント
8
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
福島 由貴
(4) 銀行為替取引データからみた最近の人民元安の要因分析
中国では、貿易黒字が過去最高額を記録するなど、需給面にみる
元高圧力が健在であるにも関わらず、2014 年 12 月以降、人民元は
軟調に推移し、中国人民銀行が設定する対ドル基準値と比べて元安
水準での推移が続いている(第 1 図)。
本稿では、こうした軟調な人民元相場の要因を解明するため、国
家外為管理局(以下、SAFE)が公表している銀行為替取引データ
を用いて、為替フローを分析した。当該データは、SAFEが中国人
民銀行・商業銀行における銀行自身と顧客取引を月次で集計してい
るもの。顧客取引については、輸出、輸入、サービス等の経常取引
と直接投資、間接投資等の資本取引など詳細に分類している。
第 1 図: 人民元対ドル相場推移
6.30
(元)
6.25
6.20
6.15
6.10
6.05
対ドル基準値
一日の変動許容制限
6.00
5.95
11/1
12/1
1/1
2/1
(資料)Reuters, Bloobmerg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
① 銀行為替取引データにおける経常取引の動向
経常収支は高水準な黒
字だが、SAFE 銀行為
替取引データの経常取
引は人民元売り超を示
唆
貿易収支は、最近では、先進国向けを中心とした輸出の増加と個
人消費の低迷による輸入の減少を受け、貿易黒字が拡大傾向にある。
他方、中国人による海外旅行の増加を反映した観光収支の赤字が拡
大するなか、サービス収支の赤字も拡大している。経常収支全体で
みれば、経常収支の黒字は高水準で推移している(第 2 図)。すな
わち、経常収支からは、最近の人民元安方向の推移を説明できない。
第 2 図:中国経常収支
2000
(億ドル)
1600
1200
800
400
0
▲ 400
▲ 800
貿易収支
サービス収支
所得収支
経常移転収支
経常収支
▲ 1200
2010年
2011年
2012年
2013年
(資料)国家外為管理局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
9
今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
2014年
しかし、SAFEが公表する銀行為替取引データの顧客取引をみる
と、経常収支の動きと実際の経常取引に係わる為替取引(経常取引)
の動向が異なることがわかる。第 3 図は、貿易収支の輸出額と銀行
為替取引データの輸出に係わる為替取引(輸出取引)を比較したも
のである。銀行為替取引データの輸出取引と貿易収支の輸出額は、
相関が高く概ね一致した動きを示す1。
ところが、2014 年以降は、貿易収支の輸出額が増加する一方、
銀行為替取引データの輸出取引は横這いで推移している。これは、
2014 年に人民元安方向に推移したことから、輸出企業が輸出に
よって得た外貨を人民元に替える取引を手控えたこと 2等によろう。
加えてサービス取引に係わる為替取引(人民元売り)が拡大傾向に
あるため、銀行為替取引データの経常取引は、2014 年 9 月以降、
人民元売り超で推移している(第 4 図)。すなわち、銀行為替取引
データの経常取引は、人民元安方向での推移を裏付けている。
第 3 図:銀行為替取引データの輸出取引と貿易収支の輸出額
7,000
第 4 図:銀行為替取引データの経常取引
(億ドル)
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
貿易収支(輸出)
銀行為替取引(輸出)
1,000
10/3
11/3
12/3
13/3
14/3
(資料)国家統計局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(資料)外為管理局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
② 銀行為替取引データにおける資本取引の動向
金融収支も SAFE 銀行
為替取引データの資本
取引も人民元売り超を
示唆
2014 年以降の金融収支(旧資本収支)は、直接投資における資
本流入が継続する一方、その他投資における資本流出を受けて、資
本収支はゼロ近傍で推移していたが、2014 年第 4 四半期には 912 億
ドルの流出と大幅に流出額を拡大させた3(第 5 図)。
銀行為替取引データの資本取引4を月次でみると、2014 年 10 月以
降、証券投資が資本流出超で推移していることに加えて、その他投
資の資本流出超幅が大幅に拡大している(第 6 図)。これは、米国
での利上げ期待を受けて、新興国からの資金流出が生じていること
1
2013 年に一時的に乖離が生じている背景には、SAFE による資本流入規制を受けて一時的に銀行為替取引が減少したことが
ある。このように、貿易実務においては、様々な要因によって、輸出額と輸出に係わる為替取引(輸出取引)のタイミングが
ずれると考えられる。
2
最近では、春節を前に外貨需要が強いことも、こうした動きを助長した可能性がある。
3
直近では、直接投資以外の内訳は公表されていないが、直接投資(610 億ドルの流入)から試算すると、証券投資・その他
投資で計 1522 億ドルの資本流出が生じたと言える。
4
銀行為替取引データの資本取引は、金融収支の約 3 割程度のフローであるが、一貫して相関の高い動きを示している。
10 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
によると考えられる。実際に、証券投資に加えて、その他投資の与
信等で資金流出超幅が拡大している。
こうしたことから、金融収支と銀行為替取引データの資本取引は、
両方ともに人民元売り超であることを示し、最近の人民元安方向で
の推移を裏付けている。
第 6 図:銀行為替取引の資本取引
第 5 図:中国金融収支
(億ドル)
1600
↑中国へ資本流入
1200
800
400
0
▲ 400
直接投資
▲ 800
証券投資
その他投資
▲ 1200
↓中国から資本流出
資本・金融収支
▲ 1600
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
(資料)外為管理局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(資料)外為管理局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
③ 外貨準備の動向
外貨準備は減少
なお、銀行為替取引データの経常取引と資本取引が人民元売り超
になっていることから、外貨準備高は 2014 年 11 月以降、減少して
いる(第 6 図)。すなわち、経常取引と資本取引による人民元売り
圧力が強い中で、人民元が対ドル基準値から乖離して人民元安方向
へ過度に進んだことを受けて、中国人民銀行がドル売り・元買い介
入を実施した可能性が指摘出来よう。理論的にも、国際収支がバラ
ンスするためには、外貨準備の減少が必要になる。
第 6 図:中国外貨準備高
4000
第 7 図:中国国際収支(2014 年 4Q )
(億ドル)
貿易収支
1,693
金融収支
-912
3500
サービス収支
-733
外為準備増減
300
3000
所得収支
-244
誤差漏洩
2500
経常移転収支
-104
経常収支(黒字)
612
2000
10/01
10/07
11/01
11/07
12/01
12/07
13/01
13/07
14/01
14/07
(年/月)
(資料)中国人民銀行より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
11 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
資本収支(赤字)
-0
-612
(資料)外為管理局より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
④ 結語
従って、銀行為替取引データは、人民元の動向を為替フローから
分析する上で非常に有用である。加えて、銀行為替取引データから
は、最近の人民元安方向の推移は、経常取引と資本取引で人民元売
り超に転じたことによって説明される。当方は、輸出企業等が人民
元安方向への推移を踏まえて一時的に外貨を人民元に替えていない
ことや、米国利上げ期待による資本流出などが、背景にあると考え
ている。
中国では 1 月の消費者物価指数が約 5 年ぶり低水準となるなど、
低インフレが続いている。これまでの元高基調には、中国人民銀行
がインフレ抑制のために元高を許容していた側面もあるが、現状そ
の必要はない。対ドル基準値の上昇が抑えられるなか、直近では元
買いフローの活発化は見込みにくく、人民元は目先上値の重い展開
が続こう。
しかし、輸出企業等は相応の外貨を抱えているとみられ、いずれ
かの段階で外貨を人民元に替えるものと考えられ、潜在的な元高圧
力は強い。そのため、中長期的な人民元の見通しは元高基調である。
アナリスト
12 今週のトピックス | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
関谷 菜摘、アナリスト
天達 泰章
(1) ドル円:決め手欠き、来週のイエレン議長の証言待ちへ
今週のドル円相場は、118.64 で寄り付いた。依然としてギリシャ
情勢を巡る不透明感が重石とはなったものの、欧米や本邦の堅調な
株式相場や下げ渋る原油価格などを手掛かりにドル円は底堅く推移
した。もっとも、米国とその他多くの国との景況感や金融政策の方
向に違いがある点はかなり織り込まれている。一段のドル高には利
上げ期待の高まりや米国債利回りの上昇が求められるところだろう。
しかし、今週も引き続き予想を下回る米国の経済指標が散見され、
為替相場への影響が強い米国の 2 年国債の利回りも 0.6%台半ばで
は上昇を抑えられた(第 1 図)。このため、金利差拡大は阻まれて
おり、昨年 8 月以降のドル高にも一服感がみられている(第 2 図)。
今週のレビュー
第 1 図:米国の 2 年国債の利回り
第 2 図: ドル指数と 2 年国債の金利差
(%)
1.2
(%)
0.8
(金利差拡大)
米国とその他6ヶ国との金利差
ドル指数(右目盛)
(ドル高)
100
0.7
1.0
95
0.6
0.8
90
0.5
0.6
85
0.4
0.4
80
0.3
0.2
75
(ドル安)
0.2
14/1
14/4
14/7
14/10
15/1
(月)
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
0.0
14/1
14/4
14/7
14/10
15/1
70
(年/月)
(資料)Intercontinental Exchange、Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバル
マーケットリサーチ作成。ドル指数は、ユーロ(57.6%)、円(13.6%)、ポンド
(11.9%)、加ドル(9.1%)、スウェーデンクローナ(4.2%)、スイスフラン(3.6%)を対
象とした米ドルの名目実効相場。カッコ内はウェート。6 ヶ国の金利は、ドイツ、日
本、英国、カナダ、スウェーデン、スイスの 2 年債利回りをそれぞれ上記の比率で
加重平均したもの。
加えて、公開された米連邦公開市場委員会(以下、FOMC)の議
事要旨(1 月 27 日~28 日開催分)によれば、利上げに向けた準備
を着々と進める一方、FOMC内で早急な利上げには慎重な議論が交
わされていたことが明らかとなった。これが、米国債利回りの低下
とドル売りを招いた。議事要旨公表直前には、金利差拡大への期待
から 119.41 を記録したドル円も、一時 118.55 まで急落している。
もっとも、議事要旨では、早まった利上げには、景気回復や労働市
場の改善を阻害したり、(2%よりも実際の物価の伸びが低い段階
で利上げを開始すると)物価安定に対する当局の信任を損なうリス
クがあるなどとした一方、適切な時期を逃せば、好ましくないイン
フレを招くことへの警戒も示している。利上げ開始時期はあくまで
も経済状況次第(Data dependent)であると繰り返し表記されてお
り、明確な利上げ開始時期のヒントを得にくかったという方が適切
だろう。実際、このFOMCが開催された後に、予想を大幅に上回る
1 月分の雇用統計が発表されている。こうしたことから、今回の議
事要旨を以って、米国の利上げ期待の根幹が揺らいだわけではない。
13 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
FOMC後のドル売りが限定的となり、ドル円が 119 円台を回復した
背景だろう。
このほか、今週は日本郵政が約 6,200 億円を投じて、豪物流大手
を買収するとした報道もドル円を支えた可能性がある。(円売り豪
ドル買いと推測される)実際の為替取引は、まだ先のこととなろう
が、M&Aといった直接投資は、証券投資よりも為替ヘッジ(手前
の円売りと先物やスワップ取引を用いた円買い)を伴わない円の売
り切りが多く、市場の円安期待を高めたかも知れない。結局、イエ
レン議長の議会証言を控え、ドル円は上下ともに決め手を欠いてい
る状況を脱していない。今週の週間レンジは 118.24~ 119.42(いず
れも 17 日)と 1 円 18 銭の狭い範囲に留まった。値幅の狭さとして
は、日銀が追加緩和を決定する前の昨年 2014 年 9 月以来となる。
尚、今週、日本銀行は、金融政策決定会合を開催し、金融政策の
現状維持を決定した。その後の記者会見で日銀の黒田総裁は、物価
上昇の基調そのものに変化はなく、追加的な対応を現時点で取る必
要はないと説明した。もちろん、こうした基調に何か変化があれば、
その際は躊躇なく政策の調整を行うとも付言している。事前の予想
通りの結果と言え、黒田総裁の記者会見前後でのドル円の変動は限
られた(2 月 20 日正午のドル円スポット相場 119.02~05、第 3 図)。
第 3 図: 今週の為替相場推移
(円)
120.0
↑円安
119.0
↓円高
118.0
2/16
2/17
2/18
2/19
2/20
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
来週の見通し
来週のドル円相場は、イエレン議長の議会証言を経て神経質な値
動きとなりそうだ。改めて、議事要旨を振り返ると、1 月分の良好
な雇用統計をみる前であったことを勘案しても、やはり景気に対す
る慎重な姿勢もうかがえた。特に、エネルギー価格の低迷が長引け
ば、消費へのプラス面が一巡した後、エネルギー関連企業の設備投
資の落ち込みや人員削減の拡大といったマイナス面の影響が強まる
ことへの警戒が示された。物価面についても、これまでさほど問題
視してこなかった債券市場から導く市場(投資家)の期待インフレ
率(ブレークイーブンインフレ率)を従来よりも重視する姿勢がう
かがえた(第 4 図)。これまで安定的に推移しているとしたいわゆ
るサーベイベースの期待インフレにも若干の低下傾向がうかがえる
(第 5 図)。このほか、良好な米経済の牽引役として個人消費への
言及が目立った一方、ドル高がこの好影響を打ち消すため、経済見
通しを引き上げる必要はないとし、ドル高への懸念も示された(ド
ル高についてはこのほかにも、外需への悪影響を指摘)。実際、そ
14 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
の小売売上高は、昨年 12 月、1 月と続けて、市場の予想を下回っ
ている。こうしたことを踏まえれば、来週の議会証言において、イ
エレン議長が利上げ開始時期の前倒しや、利上げペース加速を想起
させる表現を示すとは考えにくいだろう。また、FOMCは着実に正
常化(利上げ)へと準備を進めているため、このタイミングで、市
場にゼロ金利長期化といったメッセージを送ることもないだろう。
結局、イエレン議長は利上げ開始の時期やその後の利上げペースは、
あくまでも経済情勢次第(データディペンデント)であることを繰
り返すと考えられる。このため、イエレン議長の議会証言を挟んで、
ドル円の神経質な値動きが見込まれるものの、引き続き方向感は出
にくいものと予想する。一方、本邦貿易収支の改善傾向を鑑みれば、
2 月の月末に向け、本邦実需筋の円買い需要が高まる可能性はある
だろう。
尚、本稿執筆時点では、ギリシャの金融支援を巡る決着をみてお
らず、来週も市場心理の重石となりそうだ。ただ、足元では、既に
市場が強い警戒を示していないことから、決着した場合の円売りは
限定されよう。一方、決着が持ち越しとなった場合でも、断続的に
臨時会合などが開催されると考えられ、今しばらく時間を要するだ
ろう。このためギリシャ情勢によるリスク回避の円買いも勢いを欠
くものと予想する。
第 4 図:米国の期待インフレ(市場の 5 年先 5 年の BEI)
第 5 図:米国の期待インフレ(サーベイベース)
(%)
2.8
(%)
先行き5年のCPI
3.0
先行き10年のCPI
2.6
2.5
2.4
2.0
2.2
1.5
2
1.0
1.8
0.5
07
08
09
10
11
12
13
14
(資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(注) BEI は債券市場から算出したブレークイーブンインフレ率の略
予想レンジ
07
15 (年)
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
(資料)フィラデルフィア連銀の Survey of Professional Forecasters(エコノミスト調
査)より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
(注) ×印は、1 月 FOMC 後に発表されたデータ
ドル円:117.00 ~ 120.00
チーフアナリスト
15 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
内田 稔
(2) ユーロ:良好なユーロ圏経済指標から底堅い推移を予測
今週のレビュー
今週のユーロドル相場は、良好なユーロ圏経済指標とギリシャ債
務問題などの売買材料が交錯し、1.13~1.15 のレンジで概ね横這い
推移した(第 1 図)。
第 1 図: 今週の為替相場推移
(ドル)
1.145
↑ユーロ高
1.140
1.135
↓ユーロ安
1.130
2/16
2/17
2/18
2/19
2/20
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
週初にユーロドルは 1.14 付近で寄り付いた。16 日のユーロ圏財
務相会合では、現行の金融支援プログラムの条件遵守を求めるユー
ロ圏各国に対し、ギリシャが受け入れ拒否を表明し、協議が物別れ
に終わったことを受けて、ユーロドルは 1.1320 まで下落した。そ
の後、20 日に再度会合が開催され、協議の継続が報じられたこと
から、幾分反発した。17 日には、独 2 月ZEW景況指数(期待)が 1
年ぶりの高水準となったことを受けて、ユーロドルは 1.1450 まで
上昇した。
18 日には、ユーロドルはじりじりと 1.1334 まで下落したが、1 月
FOMC議事要旨において、多くの参加者が時期尚早の利上げが経済
回復の勢いを鈍らせる可能性に言及したことが明らかとなったこと
から、ユーロドルはドル売りが優勢となって 1.14 台前半に反発し
た。
19 日には、ギリシャが金融支援プログラムの延長を申請したと
報じられたことを受けて、ユーロドルは 1.1450 まで上昇した。し
かし、ドイツがギリシャの延長提案を拒否したことが報じられると、
ユーロドルは 1.1355 まで下落している。
第 2 表: 相場に影響した主な経済指標
発表日
2/17
経済指標名
独 2 月 ZEW 景況指数(期待)
結果
53.0
市場予想
55.0
前回
48.4
(資料) Bloombeg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
来週の見通し
来週は、独 2 月Ifo景況指数(2/23)等が発表される。独 2 月ZEW
景況指数は、ユーロ安による輸出の増加と原油安によって現況と期
待ともに改善している。独 2 月Ifo景況指数も改善が見込まれる。
ギリシャ債務問題については、ギリシャ政府は金融支援プログラ
ムの延長を申請し、20 日のユーロ圏財務相会合で協議される。一
部報道では、ギリシャ政府は現行の緊縮財政策を認めない形で金融
支援プログラムの継続を申請したと伝えられている。しかし、ショ
16 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
イブレ独財務相は「ギリシャ支援問題について、同国との交渉の余
地は限られている」と発言するなど、ユーロ圏側は強硬姿勢を貫く
と考えられる。ギリシャ政府が譲歩する形(緊縮財政策の継続)で
決着するのではないか。ギリシャ政府としても、6 カ月間は緊縮財
政策を受け入れ、この間に緊縮策を弱めた内容の新たな金融支援プ
ログラムの締結に向けてトロイカと協議する意図があろう。仮に
20 日のユーロ圏財務相会合で交渉が決裂した場合にも、引き続き
協議は続けられるとみている。
従って、来週のユーロドルは、良好なユーロ圏経済指標を受けて
1.13~1.15 ドルのレンジの中で底堅い推移を予測する。もっとも、
ギリシャ政府とトロイカとの交渉が決裂した場合には、ギリシャ債
務問題を材料としたユーロ売りから一時的に下落する場面もあると
考えられる。
以前から指摘してきたように、当方は(イ)GIIPS諸国が財政健
全化を進め、財政状況が改善していること、(ロ)ユーロ圏金融機
関によるギリシャ向け対外与信がほとんどないこと(例えば、フラ
ンス金融機関によるギリシャ向け対外与信の割合は欧州債務危機時
の 2%から 0.1%に低下)から、欧州債務危機再来の可能性は現時点
で低いと見ている。すなわち、ユーロ圏各国への財政リスクと金融
システム不安の伝播は限定的なことから、今週見られたように、ギ
リシャ債務問題を材料に一時的にユーロドルが下落しても、巻き戻
されるとみている。
予想レンジ
ユーロドル:1.1250 ~ 1.1550
ユーロ円:133.00 ~ 138.00
アナリスト
17 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
天達 泰章
(3) 豪ドル:次回 RBA を控えて様子見ムードとなろう
今週のレビューと
来週の見通し
今週の豪ドルは 0.776 近辺で寄り付くと、週初は同水準での値動
きが続いた。17 日にはオーストラリア準備銀行(以下、RBA)定
例理事会(2 月 3 日開催分)の議事録が発表された。議事録では利
下げについて「変更のタイミングを決定する上で、メンバーは今回
の理事会で行動すべきか次回の理事会で行動すべきか議論した」な
どの内容があり、市場の追加利下げ観測が後退。これを受けて豪ド
ルは 0.78 台前半まで反発した。豪ドルは上げ幅を縮小する場面も
みられたが、その後発表されたFOMC議事要旨では、市場予想より
も利上げ開始の時期を巡って慎重な議論が交わされていたため米国
債利回りが低下。米ドル売り優勢となると豪ドルは 0.78 台半ばま
で反発した。しかしその後は上値重く 0.77 台後半から 0.78 台前半
での値動きが続いている。
(20 日正午のスポット相場:0.7742-0.7743、第 1 図)。
第 1 図: 今週の為替相場推移
(ドル)
0.790
↑豪ドル高
0.785
0.780
0.775
↓豪ドル安
0.770
2/16
2/17
2/18
2/19
2/20
(月/日)
(資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
2 月 17 日のRBA定例理事会議事録を受けて、市場では 70%程度
織り込んでいた 3 月の利下げ観測が、50%程度まで低下している
(トピックス参照)。今後は利下げの効果を見極めるためにも、
2014 年第 4 四半期のGDP(3 月 4 日発表)、2015 年第 1 四半期の消
費者物価指数(4 月 22 日発表)、毎月の雇用統計など、主要な豪
州の経済指標に注目が集まろう。
ただ、来週は豪州で主要な経済指標の発表やイベントを控えてい
ないことから、豪州要因での値動きは限られよう。実際に、今週は
議事録が発表された時こそ豪ドルは反発したものの、週を通してみ
れば 0.77 台半ばから 0.78 台半ばでの小幅なレンジに留まっている。
豪州は次回のRBA定例理事会を 3 月 3 日に控えており、それまでは
様子見ムードの展開が続こう。
予想レンジ
対ドル:0.7700 ~ 0.7900
対円:91.00 ~ 94.00
リサーチアシスタント
18 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
福島 由貴
(4) 人民元:動意に乏しい展開続く 春節商戦の行方に注目
今後のレビューと
来週の見通し
今週の人民元は 6.24 台前半で寄り付いた後、幾分軟化する展開
となった。17 日には対ドル基準値が元安方向へ設定されたことも
あり、6.25 台半ばまで弱含んだ。18 日以降は春節休暇のため、主
要金融市場は休場となっている。国家外為管理局が発表している銀
行による為替取引のデータによると、経常・資本取引共に人民元売
り超に傾いており、過去最大規模となった貿易黒字は数値にみるほ
ど元高圧力となっていない。そのため、変動許容下限付近での推移
が継続しているようだ。
第 1 図:人民元相場推移
(元)
6.30
6.25
6.20
6.15
6.10
6.05
対ドル基準値
一日の変動許容制限
6.00
5.95
11/1
12/1
1/1
2/1
(資料) Reuters、Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成
17 日に発表された 1 月の中国主要 70 都市の新築住宅価格は、前
年比▲5.1%となった。前月比では▲0.43%と下落幅が縮小してきて
おり(8 月:同▲1.1%)改善の兆しが見られる。中国では、2 軒目
の住宅を購入する際の住宅ローンの提供に関する規制を緩和するな
ど、低迷が続く不動産市場のてこ入れを実施しており、徐々に効果
が現れてきた格好だ。
春節明けには、商務省による春節休暇中の小売売上高が発表され
る。2014 年は習政権による倹約令が発令されて始めての春節で
あったこともあり、公務員などによる高額消費の鈍化が響き、前年
比+13.3%と 2005 年の統計開始後最も低い伸びとなった。今年は倹
約令発令の特殊要因が剥落することから、前年比改善が期待される。
仮に前年から鈍化するようであれば、追加緩和の可能性が更に高ま
ろう。例年、春節休暇明けすぐに発表されている為、25 日の報道
には注目だ。
来週も春節休暇による休場が続き 25 日の再開となる。月末週に
あたるため、輸入業者によるドル買いにより元安に動きやすい。年
初来安値圏である 6.26 付近へ軟化する局面が予想される。
予想レンジ
ドル人民元:6.2350 ~ 6.2650
人民元円:18.70 ~ 19.20
アナリスト
19 来週の相場見通し | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
関谷 菜摘
来週、再来週の主な経済指標
23 日 (月)
24 日 (火)
25 日 (水)
26 日 (木)
27 日 (金)
28 日 (土)
1 日 (日)
18:00
18:00
18:00
0:00
19:00
19:00
23:00
0:00
10:45
0:00
18:00
19:00
22:30
22:30
22:30
23:00
8:30
8:30
8:30
8:30
8:30
8:30
8:30
8:30
8:50
14:00
22:30
23:45
独
独
独
米
ユ
ユ
米
米
中
米
ユ
ユ
米
米
米
米
日
日
日
日
日
日
日
日
日
日
米
米
Ifo 景況指数(景気動向、2 月)
Ifo 景況指数(現況評価値、2 月)
Ifo 景況指数(予想値、2 月)
中古住宅販売件数(1 月・万件)
消費者物価指数(前年比、1 月確定)
消費者物価指数(前年比、1 月確定コア)
ケース・シラー住宅価格指数(12 月)
消費者信頼感指数(2 月)
HSBC 製造業 PMI(2 月速報)
新築住宅販売件数(1 月・万件)
マネーサプライ M3(季節調整済前年比、1 月)
欧州委員会景況指数(2 月)
新規失業保険申請件数(2/21・万件)
消費者物価指数(前年比、1 月)
耐久財受注(前月比、1 月)
FHFA 住宅価格指数(前月比、12 月)
消費者物価指数(全国、前年比、1 月)
消費者物価指数(全国、除生鮮、前年比、1 月)
消費者物価指数(全国、除食料エネ、前年比、1 月)
消費者物価指数(東京都区部、前年比、2 月)
消費者物価指数(東京都区部、除生鮮、前年比、2 月)
消費者物価指数(東京都区部、除食料エネ、前年比、2 月)
失業率(1 月)
家計調査消費支出(1 月)
鉱工業生産指数(前月比、1 月速報)
住宅着工戸数(1 月・万戸)
GDP(前期比年率、4Q 改定)
シカゴ購買部協会景気指数(2 月)
10:00
中
製造業 PMI(2 月)
8:50
19:00
19:00
19:00
22:30
22:30
22:30
0:00
0:00
9:30
19:00
22:30
日
ユ
ユ
ユ
米
米
米
米
米
豪
ユ
加
米
豪
ユ
米
米
米
日
日
米
米
米
米
中
法人企業統計調査(4Q)
消費者物価指数(前年比、2 月速報)
消費者物価指数(前年比、2 月速報コア)
失業率(1 月)
個人所得(前月比、1 月)
個人支出(前月比、1 月)
PCE デフレータ(前年比、1 月)
ISM 製造業景気指数(2 月)
建設支出(前月比、1 月)
経常収支(4Q・億豪ドル)
生産者物価指数(前年比、1 月)
GDP(四半期/年換算、4Q)
自動車販売(2 月・万台)
GDP(前年比、4Q)
小売売上高(前月比、1 月)
ADP 雇用統計(2 月・万人)
ISM 非製造業景気指数(2 月)
製造業受注指数(前月比、1 月)
景気一致指数(1 月速報)
景気先行指数(1 月速報)
貿易収支(1 月・億ドル)
非農業部門雇用者数変化(2 月・万人)
失業率(2 月)
消費者信用残高(1 月・億ドル)
貿易収支(2 月・億ドル)
予想
107.2
112.7
103.3
500
▲ 0.6%
0.6%
99.5
49.5
47.5
3.8%
▲ 0.1%
1.6%
0.4%
2.4%
2.3%
2.1%
2.2%
2.2%
1.7%
3.4%
▲ 4.1%
3.0%
88.0
2.1%
58.3
49.8
予想
2 日 (月)
3 日 (火)
4 日 (水)
5 日 (木)
6 日 (金)
7 日 (土)
8 日 (日)
9:30
19:00
22:15
0:00
0:00
14:00
14:00
22:30
22:30
22:30
5:00
20 来週の経済指標・イベント | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
前回
106.7
111.7
102.0
504
▲ 0.6%
0.6%
172.94
102.9
49.7
48.1
3.6%
0.16
28.3
0.8%
▲ 3.3%
0.8%
2.4%
2.5%
2.1%
2.3%
2.2%
1.7%
3.4%
▲ 3.4%
0.8%
88.3
2.6%
59.4
前回
5.5%
▲ 0.6%
0.6%
11.4%
0.3%
▲ 0.3%
0.7%
53.5
0.4%
▲ 125
▲ 2.7%
2.8%
1,656
2.7%
0.3%
21.3
56.7
▲ 3.4%
110.7
105.6
▲ 466
25.7
5.7%
147.55
600.3
中央銀行関連
23 日 (月)
24 日 (火)
25 日 (水)
26 日 (木)
27 日 (金)
28 日 (土)
8:50
22:45
23:00
0:00
0:00
1:30
3:00
14:00
3:30
3:30
日
ユ
ユ
米
米
ユ
米
米
ユ
米
米
日銀金融政策決定会合議事要旨(1/20, 21 分)
メルシュ・ECB 専務理事講演
ドラギ・ECB 総裁講演
イエレン・FRB 議長議会証言(上院銀行委員会)
イエレン・FRB 議長議会証言(下院金融委員会)
ドラギ・ECB 総裁議会証言(欧州議会)
ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
メスター・クリーブランド連銀総裁講演
コンスタンシオ・ECB 副総裁講演(ニューヨーク)
フィッシャー・FRB 副議長講演(ニューヨーク)
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁退任
14:00
12:30
23:00
3:00
4:00
21:00
21:45
22:30
0:00
米
豪
米
米
米
英
ユ
ユ
米
メスター・クリーブランド連銀総裁講演
RBA 理事会(政策金利発表)
エバンス・シカゴ連銀総裁講演
ジョージ・カンザスシティ連銀総裁講演
地区連銀経済報告
MPC(BOE 金融政策委員会、政策金利発表)
ECB 理事会(政策金利発表)
ドラギ・ECB 総裁定例会見
ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演
12:45
3:00
19:35
3:00
12:45
19:00
3:00
中
日
米
ユ
米
日
ユ
米
春節休暇(18~24 日)
40 年債入札
2 年債入札
5 年債入札(ドイツ)
5 年債入札
2 年債入札
5 年債、10 年債入札(イタリア)
7 年債入札
12:45
日
10 年債入札
12:45
18:30
18:50
中
日
ユ
ユ
全国人民代表大会開幕
30 年債入札
国債入札(スペイン)
国債入札(フランス)
米
夏時間に移行
1 日 (日)
2 日 (月)
3 日 (火)
4 日 (水)
5 日 (木)
6 日 (金)
その他
23 日(月)
24 日(火)
25 日(水)
26 日(木)
27 日(金)
2 日(月)
3 日(火)
4 日(水)
5 日(木)
6 日(金)
7 日(土)
8 日(日)
※市場予想は Bloomberg 調査中央値
時刻は日本時間
*印は作成日(2/20)現在で未確定のもの
21 来週の経済指標・イベント | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
マーケットカレンダー
月
火
2015/2/23
水
24
木
米/中古住宅販売(1 月)
米/ケース・シラー住宅価格
米/新築住宅販売(1 月)
独/Ifo 景況指数(2 月)
指数(12 月)
日/日銀金融政策決定会合
CB 消費者信頼感指数(2 月)
議事要旨(1/20, 21 分) ユーロ圏/消費者物価指数
確報(1 月)
米・イエレン FRB 議長議会証言
米・2 年債入札
中国春節休暇(18~24 日)
3/2
米/個人所得・消費支出(1 月)
建設支出(1 月)
ISM 製造業景気指数(2 月)
ユーロ圏/失業率(1 月)
消費者物価指数速報(2 月)
金
25
26
27
米/消費者物価指数(1 月)
耐久財受注(1 月)
米/GDP 改定(4Q)
シカゴ PM 景況指数(2 月)
FHFA 住宅価格指数(12 月) 日/完全失業率(1 月)
ユーロ圏/マネーサプライ M3
家計調査(1 月)
(1 月)
消費者物価指数
欧州委員会景況指数(2 月)
(東京都区部 2 月、全国 1 月)
鉱工業生産速報(1 月)
住宅着工件数(1 月)
米・イエレン FRB 議長議会証言
米・5 年債入札
3
米・アトランタ連銀総裁講演
米・7 年債入札
4
米・クリーブランド連銀総裁講演
米・フィッシャーFRB 副議長講演
5
6
米/自動車販売(2 月)*
米/地区連銀経済報告
米/製造業受注指数(1 月)
米/雇用統計(2 月)
ユーロ圏/生産者物価指数(1 月)
ADP 雇用統計(2 月)
ユーロ圏/ECB 理事会
貿易収支(1 月)
加/GDP(4Q)
ECB 総裁定例会見
消費者信用残高(1 月)
ISM 非製造業景気指数(2 月)
豪/RBA 理事会
ユーロ圏/小売売上(1 月)
英/MPC(BOE 金融政策委員会) 日/景気動向指数速報(1 月)
英/MPC
中/製造業 PMI(1 日、2 月)
日/法人企業統計(4Q)
豪/GDP(4Q)
米・フィラデルフィア連銀総裁退任
(1 日) 米・クリーブランド連銀総裁講演
米・シカゴ連銀総裁講演
米・カンザスシティ連銀総裁講演
(BOE 金融政策委員会、~5 日)
9
10
中/貿易収支(8 日、2 月)
日/国際収支速報(1 月)
米/卸売在庫・売上(1 月)
中/消費者物価指数(2 月)
生産者物価指数(2 月)
対外対内証券売買契約状況
マネーサプライ M2(2 月)*
(2 月)
GDP 改定値(4Q)
景気ウォッチャー調査(2 月)
欧州議会本会議(~12 日)
ユーロ圏財務相会合
EU 経済・財務相理事会
米・3 年債入札
16
11
米/NY 連銀景況指数(3 月)
米/FOMC(~18 日)
鉱工業生産(2 月)
住宅着工件数(2 月)
設備稼働率(2 月)
建設許可件数(2 月)
証券投資収支(1 月)
ユーロ圏/消費者物価指数確報
日/日銀金融政策決定会合
(2 月)
(~17 日) 独/ZEW 景況指数(3 月)
日/日銀金融政策決定会合
日銀総裁定例会見
豪/RBA 議事要旨(3/3 分)
12
米/小売売上(2 月)
米/生産者物価指数(2 月)
輸出入物価指数(2 月)
ミシガン大消費者信頼感指数
企業在庫(1 月)
速報(3 月)
固定資産投資(都市部、2 月) ユーロ圏/鉱工業生産(1 月)
日/機械受注(1 月)
日/法人企業景気予測調査(1Q)
豪/雇用統計(2 月)
米・30 年債入札
18
米/FOMC
FRB 議長定例記者会見
ユーロ圏/貿易収支(1 月)
英/MPC 議事録(3/4, 5 分)
日/日銀金融経済月報(3 月)
貿易収支速報(2 月)
19
22 マーケットカレンダー | 平成 27(2015)年 2 月 20 日
20
米/経常収支(4Q)
ユーロ圏/経常収支(1 月)
フィラデルフィア連銀景況指数 日/日銀金融政策決定会合
(3 月)
景気先行指数(2 月)
米・ダラス連銀総裁退任
EU 首脳会議(~20 日)
米・10 年 TIPS 債入札
*印は作成日(2/19)現在で日程が未確定のもの
13
米/財政収支(2 月)
中/小売売上(2 月)
鉱工業生産(2 月)
米・10 年債入札
17
米・サンフランシスコ連銀総裁講演
中・全国人民代表大会開幕
米国夏時間(8 日~)
議事要旨(2/17, 18 分)
照会先:三菱東京UFJ銀行 市場企画部 グローバルマーケットリサーチ
チーフアナリスト 内田 稔
当資料は一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定のお客様のニーズ、財務状況又は投資対象に対応することを意図しておりませ
ん。また、当資料は、適用法令上許容される範囲内でのみ利用可能であり、当資料の頒布を制約する法令が存在する地域の方によって利用されることを意
図しておりません。当資料内のいかなる情報又は意見も、預金、有価証券、デリバティブ取引その他の金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨す
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23 FX Weekly | 平成 27(2015)年 2 月 20 日