(別名:ディルドリン)分析法の検討

平成 22 年度 家庭用品規制基準調査
繊維製品ならびに家庭用毛糸中のヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエキソジメタ
ノナフタリン(別名:ディルドリン)分析法の検討
国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部 河上強志、伊佐間和郎、西村哲治
-------------------------------------------------------------------------------概要
「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(有害物質含有家庭用品規制法)」に
おける繊維製品ならびに家庭用毛糸中のディルドリン分析法について検討を行った。現行
法では、試料をメタノール還流抽出しフロリジルカラムで精製した後に 2 種類の充填カラ
ムを用いたガスクロマトグラフ(GC)および電子捕獲型検出器(ECD)にて、定性・定量
を行うこととされている。今回開発した試験法では、試料を水酸化ナトリウムにてアルカ
リ溶解した後にヘキサン抽出し、ヘキサン/ヘキサン飽和アセトニトリル分配およびフロリ
ジルカラムにて試料を精製した後に、キャピラリーカラムを用いた GC および質量分析計
(MS)にて定性・定量を行った。毛糸およびフェルト試料にディルドリンを 2.0 μg およ
び 0.08 μg/g 添加した際の回収率は 90~111%と良好であり、その変動係数も 2.2~8.4%と
精度にも問題は無かった。低濃度(0.08 μg/g)のディルドリンを添加した際の分析値から
求めた検出限界値(Limit of detection: LOD)および定量限界値(Limit of quantification:
LOQ)は、LOD が 0.0083~0.011 μg/g、LOQ が 0.020~0.037 μg/g となり、現行の基準値(30
μg/g)を大幅に下回った。以上から、今回開発した分析法は、有害物質含有家庭用品規制
法の規制化合物であるディルドリンを低濃度まで精度良く測定できることが確認できた。