「姿マツタケ(仮称)」の増殖技術の開発(H26~29 年度) 実施主体:総合

「姿マツタケ(仮称)」の増殖技術の開発(H26~29 年度)
実施主体:総合グリーンセンター
担
当:林業試験部 森林育成・特産研究 G
連携機関:帝京科学大学
1
研究の目的・必要性
国産マツタケの生産量はアカマツ林の衰退とともに年々減少し、国内で消費されるマツタケの大半は中国産など輸入マツタケに占められている。
このため、外国産きのこに対して食の安全安心が懸念されている。また、マツタケの人工栽培は技術的に非常に困難であることから、マツタケと
同じ風味をそなえたニュータイプきのこの開発が求められている。
このため、マツタケと形態的に類似しており、かつ、熱加工することで良好な風味がでる「ニセマツタケ(俗称サマツ)」に着目し、その生理的
特性を解明し、増殖できる技術を開発することにより、付加価値の高い県産ブランドきのこを創出することを目的とする。
2
研
研究項目・内容・年度計画等
究 項
目
① 増殖技術の
開発
研
究 内
容
実
H26
(林内発生環境調査、菌糸培養、香気成分分析)
H28
広葉樹林を活用した増殖技術の開発
・放射線照射による突然変異株の育種
・突然変異株からの品種の選抜
事業費(千円)
試験研究事業
優良品種の選抜
13,159
5,000
5,000
期待される成果等(成果目標)
・付加価値の高い県産ブランドきのこが創出できる。
・主な共生宿主のナラ林は県内には豊富に存在しており、共生宿主が老朽化しない限り、長期的な生産が期待できる。
・広葉樹林の活用による山村の活性化が期待できる。
4
予算額
H29
生理的特性の解明
(感染苗、菌床の林地埋込み試験)
3
H27
度
・生理的特性の解明
・広葉樹林を活用した増殖技術の開発
② 収益性の高い
品種の開発
施 年
13,159
千円
(財源:国庫10/10「放射線利用・原子力基盤技術試験研究推進交付金」)
2, 000
5.現状・研究結果・成果
現
状
研
究
結
果
・国産マツタケ生産量が減少
しているなか、輸入マツタ
ケ(中国産)は増加傾向に
あり、食の安全安心が懸念
・栽培環境条件の解明、優良品
種の選抜により効率的なニ
ュータイプきのこの栽培方
法を確立
・マツタケの人工栽培は技術
的に困難
・山ぎわ広葉樹林の管理手法を
確立
・マツタケと同じ風味をそな
えたニュータイプきのこの
開発が必要
中
間
成
果
・ニュータイプきのこ
の栽培が可能とな
り、生産量拡大が期
待
最
終
成
果
・付加価値の高い県産ブラ
ンドきのこの創出
・山ぎわ広葉樹林の活用に
よる山村の活性化
「姿マツタケ(仮称)」の増産技術の開発
(H26~29)
課 題
現 状
人工栽培技術が確立されていない
○姿マツタケ
サマツ(早松)と呼ばれ、形がマツタケと類似
発生時期 : 9月(広葉樹林)
※マツタケ 10月(マツ林)
味・香り : 風味豊かで、マツタケと同じ食感
→ 市場に流通しない
サマツ(姿マツタケ)
(円/kg)
○市場性
市場 : 流通しておらず、希少性が高い
価格 : 一般きのこ(ひらたけ等)との価格差は「5倍」
研究目標
価格差「5倍」
サマツの発生メカニズムを解明
⇓
人工栽培技術の確立
研究内容
②収益性の高い品種の開発
①広葉樹林を活用した増殖技術の開発
広葉樹(コナラ)へ、きのこ菌糸を感染させ増殖させる技術
連携機関
放射線照射による優良菌の選抜
帝京科学大学
感染苗方式
イオンビームを菌糸に照射
感染苗:きのこ菌糸を感染させた苗
菌床埋め込み方式
期待される成果
培養した
菌糸の塊(菌床)
価値の高い
菌糸の増殖
広葉樹の根に埋め込む
きのこの増殖技術の助言・指導
姿マツタケの発生
成長を促進
成長の早い優良菌の選抜
県産ブランドきのこの創出