もりおか水道施設整備構想 策定 改訂 改訂 平成18年2月 平成19年7月 平成26年6月 整備構想について 水道施設の中心となる浄水場のあり方を中心に,これからの 100年先を見据えた水道施設整備の方向性を示すものである。 今回の改訂では,水需要の減少,大規模な自然災害や異常気 象の発生,そして老朽化が進む水道施設の更新等,長期的な観 点から水道事業者が取り組むべき内容を整理した。 今後は,本構想をもとに実施計画を立案,各種事業を推進。 現状と課題 【水源】河川表流水を中心に良質な水源を確保しており,平成25 年度末時点で138,517m3/日の取水が可能である。一方,異常 気象の増加や温暖化等により,将来的な安定取水に不安材料 も存在する。 現在取水量(m3/日) 将来想定されるリスクと課題 ①気候変動…盛岡市の年平均気温は上昇傾向にあり,100年間 で1.6℃の変化率となっている。また,21世紀末までに東北地方 の年平均気温は2.5~3℃程度上昇すると予想され,渇水などが 発生し水資源確保への影響が懸念⇒(対策)健全な水循環の維 持・回復のための水源保全 主要事業の概要 ~平成31年度 玉山区配水管整備の強化 有収率向上を目的 凡 例 有収率:目標値90%(平成25年度 75.8%) ※玉山区配水管整備計画より 生出浄水場 盛岡の年平均気温の推移 (1924~2010年) 青線:年平均気温 赤線:5年移動平均値 東北地方の年平均気温の変化予測 1981~2000の20年平均に対する2081 ~2100年の20年平均の気温上昇量 (茶色) 行政区域 (赤色) 給水区域 (緑色) 東北自動車道 (黒色) 鉄道 (青色) 河川等 前田浄水場 刈屋浄水場 ②大規模災害のリスク…東日本大震災規模の大規模地震によ る長期断水被害の発生⇒(対策)非常用電源確保,配水池容量 確保 ③施設長期供用によるリスク…浄水場等の大規模施設や重要 施設の長期供用による事故の発生⇒(対策)適切な保全管理, 更新 【浄水施設】昭和9年創設の米内浄水場が80周年を迎えたが, 盛岡市水道事業のシンボルである緩速ろ過池は現役で活躍し ている。一方,機械設備や電気設備を多く抱える急速ろ過施設 は,老朽化が進み,順次更新時期を迎えるため,将来の水需要 の減少等を踏まえた施設の再構築が求められている。 施設能力 (m3 /日) 浄水場の整備時期と更新時期 40,000 30,000 20,000 沢 田 ( 10,000 これからの水道施設整備の基本的な方向性と主な施策 新 庄 米 内 中 中 中 屋 屋 屋 敷 敷 敷 刈 生 屋 出 米 内 緩 速 更新集中 ) 0 S9 S19 S29 S39 S49 S59 H6 H16 H26 ④水道事業の広域化…人口減少,水需要減少,給水収益の減 少,技術者の減少,老朽資産の増加→経営基盤の弱体化⇒(対 策)県都盛岡市として,周辺事業体との連携強化に努め,水道 事業の経営形態安定化を研究 H36 H46 H56 H66 1 安全でおいしい水道水の追求 ・水源涵養林の取得拡大,適正管理 ・魚類監視装置の強化(自動化) ・沢田浄水場マンガン処理設備導入 ・赤水発生路線の早期更新 ・鉛製給水管の解消 【管路】市内には1,554㎞(H26.3末)の水道管が布設されている が,耐震性を有する管路の割合は23.3%(H26.3末)であり,耐震 化の推進が急務となっている。また,高度経済成長期に大量に 2 給水安全度の向上による安定給水の実現 布設した管路の更新時期が到来する。水需要減少に伴う減収が ・基幹施設,基幹管路の耐震化(早期の耐震化率100%) 見込まれる中で,更新費用の確保が課題である。 ・水管橋,橋梁添架管の適正化(保守,修繕による長寿命化) ・重要給水施設までの配水管耐震化 (m) 導・送・配水管整備延長の推移 100,000 ・高級鋳鉄管,硬質ポリ塩化ビニル管の早期更新(目標値:平成 導水管 今後20年間で積み 80,000 50年度の耐震化率46.8%) 送水管 上がる老朽管路 配水管 60,000 ・米内浄水場,沢田浄水場の能力向上 40,000 ・配水池貯留量の確保(計画1日最大給水量の24時間分を目 20,000 標) 0 ・周辺水道事業体との緊急時用連絡管整備による広域連携の ~S26 S36 S46 S56 H3 H13 H23 強化 【水需要】昭和9年の水道創設以来,人口,水需要ともに増加を 続けてきたが,高度経済成長期を過ぎてからは水需要の伸びは 3 水道施設の再構築による効率的な供給体制の実現 鈍化し,近年は,横ばいから減少傾向となっている。今後におい ・中屋敷浄水場の縮小,廃止(水需要減少に伴う廃止) ては更に人口減少,水需要減少の傾向は強まると予想される。 ・米内浄水場の更新(位置エネルギーの有効活用) ・天日乾燥床の拡大 配水量と人口の実績と推計 人 m /日 350,000 ・水運用,配水調整の統括管理体制の構築(新庄浄水場への機 200,000 一日最大配水量 能集約) 280,000 行政区域内人口 150,000 ・配水ネットワーク構築による効率的な水運用(配水幹線への複 210,000 推計値 数ルートからの流入を確保し,効率的な水運用体制を構築) 100,000 140,000 ・長期的には,盛岡地区については2浄水場体制(現行4浄水 50,000 70,000 場),玉山地区については2浄水場体制(現行3浄水場)による安 0 0 定供給を目指し,更新費用の圧縮による経営の安定化を図る。 3 S10 S15 S20 S25 S30 S35 S40 S45 S50 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 H52 平成38年度 中屋敷浄水場廃止 水需要減少,施設の老朽化 に伴い廃止し,新庄浄水場と 米内浄水場で対応する。 米内浄水場 米内川 中屋敷浄水場 盛岡駅 新庄浄水場 雫石川 簗川ダム(平成32年度完成予定) 簗川 沢田浄水場 ~平成32年度 沢田浄水場能力増強 北 上 川 ~平成40年度 高級鋳鉄管の更新 ~平成50年度 塩ビ管の更新 水源涵養林取得拡大 適切な維持管理 綱取ダム 中津川 御所ダム 平成40年代 米内浄水場更新 施設能力30,400m3/日⇒34,400m3/日 平成26~37年度 重要給水施設配水管耐震化 基幹管路耐震化 (m3 /日) 140,000 整備延長:約200㎞ 耐震化率目標値:46.8% 計画1日最大給水量と施設能力の推移 浄水場廃止 (沢田or新庄) 中屋敷浄水場廃止 120,000 100,000 80,000 60,000 施設能力 40,000 計画1日最大給水量 20,000 0 病院・要援護者収容施設までの配水管を優先的に耐震化 H26 H36 H46 H56 H66 H76 H86 H96 70,000 0 0 H26 0 S10 S15 S20 S25 S30 S35 S40 S45 S50 S55 S60 H2 H7 施設能力 米内浄水場 中屋敷浄水場 沢田浄水場 新庄浄水場 32,450m3/日 30,850m3/日 30,400m3/日 33,000m3/日 H26~H32 H29 □急速ろ過系 一部廃止 20,250m3/日 H26~H32 (中屋敷廃止対応) H46 H56 H66 H76 H86 水道施設の再構築計画【玉山地区】 水道施設の再構築計画【盛岡地区】 □施設強化 H36 H12 H17 H22 H27 H32 H37 H42 H47 H52 3 126,700m /日 生出浄水場 刈屋浄水場 前田浄水場 4,295m3/日 724m3/日 98m3/日 施設能力 5,117m3/日 H30 年 □能力増強 □増圧系廃止 H29 (簗川分加算) H50 年度以降 116,100m3/日 □更新方針検討 32,450m3/日 H32 34,400m3/日 120,100m3/日 更新 H38 □中屋敷廃止 統合 H38 3 H60 99,850m /日 H40 年代後半 □米内更新 □更新 H30 年代後半 機能集約 浄水場の統廃合による効率的な体制構築 施設能力 H60 □更新 □維持 4,393~ 5,117m3/日 (配水調整,監視一元化) H80 年代 □沢田,新庄の統合 または □御所浄水場への統合 H60 □統合・廃止 H80 年代 約 65,000m3/日 H96
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