平成 23 年度 家庭用品健康被害防止調査 乳幼児が誤飲する可能性の

平成 23 年度 家庭用品健康被害防止調査
乳幼児が誤飲する可能性のある金属製品から溶出する重金属のフォローアップ調査
国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部 河上強志、伊佐間和郎、西村哲治
-------------------------------------------------------------------------------概要
ISO 玩具安全規格は、幼児用玩具に含まれるアンチモン、ヒ素、バリウム、カドミウム、
クロム、鉛、水銀及びセレンの溶出限度値を規定している。また、食品衛生法のおもちゃ
の規格基準では、金属製アクセサリー玩具を対象に鉛の溶出量が規定されている。ところ
が、乳幼児が飲み込むおそれがある大きさでも、金属製アクセサリー玩具に該当しない金
属製アクセサリー等の金属製品には、鉛その他の有害元素の溶出量に係る基準はない。そ
こで、今回、乳幼児が誤飲する可能性のある金属製アクセサリー等の金属製品を対象に、ISO
玩具安全規格で規制される有害 8 元素の溶出量をフォローアップ調査した。
金属製アクセサリー等又はそれらの容易に分離可能な部品を検体とした。
溶出試験は ISO
8124-3:2010 - Safety of toys - Part 3: Migration of certain elements に準じた。すなわち、
検体を内径約 40 mm の容器に入れ、37°C に加温した 0.07 mol/L 塩酸を検体が浸漬する
まで加え、遮光して 37°C で 2 時間放置した後、ろ過したものを試験溶液とした。誘導結
合プラズマ質量分析装置を用いて、試験溶液中のアンチモン、ヒ素、バリウム、カドミウ
ム、クロム、鉛、水銀及びセレンを定量した。なお、ISO 玩具安全規格への適否を判定す
ることが目的ではないので、分析補正値は考慮しなかった。
調査した 117 製品(184 検体)の中で、ISO の溶出限度値を超えたのは、Pb の 28 製
品(最大 569 mg/kg)及び Cd の 1 製品(160 mg/kg)であった。また、溶出限度値以下
で溶出基準値の 1/10 を超えたのは、Pb の 26 製品、Cd の 5 製品及び Cr の 6 製品であ
った。調査した製品の 1/4 が ISO の溶出限度値を超えており、乳幼児が誤飲する可能性の
ある金属製アクセサリー等において、有害元素の溶出量を低減する努力がさらに必要であ
ろう。
-------------------------------------------------------------------------------論文発表
伊佐間和郎・河上強志・西村哲治:乳幼児が誤飲する可能性のある金属製アクセサリーか
らの有害 8 元素の溶出, 薬学雑誌, 132, 959-968 (2012)
-------------------------------------------------------------------------------学会発表
伊佐間和郎・河上強志・西村哲治:乳幼児が誤飲する可能性のある金属製アクセサリー類
から溶出する有害元素, 第 49 回全国衛生化学技術協議会年会 (2012.11 高松)