InertSep News Vol.21 2015年3月号 農薬分析の前処理に用いられるミニカラムの紹介(3) 脂質除去のためのC18ミニカラム 残留農薬分析を行う場合、農作物類試料の中でも穀類・豆類はある程度の脂質類を含有しています。脂質類を含んだ 抽出液をGC/MSやHPLCに注入してしまうと、注入口の汚染や、検出器に対して深刻な影響を与える場合があります。 脂質除去の方法として、アセトニトリル/ヘキサンによる液液抽出法、GPC法ケイソウ土カラム法、C18ミニカラム法など があります。本NewsではC18ミニカラム法による脱脂方法を紹介します。 (1) コンディショニング アセトニトリル 10 mL C18ミニカラムは豆や穀類に含まれる脂質類を効果的に除去する 効果があります。アセトニトリルで抽出した試料を負荷するだけで、 (2) 試料負荷 (流出液は回収) 一定の脂質類を吸着させたまま、大半の農薬類を回収することが できます(図1)。手法自体はシンプルですが、残留農薬の脱脂を (3) 溶出 アセトニトリル 2 mL 目的としてC18ミニカラムを使用する場合は次の注意が必要です。 図1:C18固相による脱脂処理例 C18ミニカラムに充填されている“オクタデシルシリル化シリカゲル” は、シリカゲル母体にアルキル鎖が化学結合した構造をしています (図2)。ここで問題となるのは、シリカゲル表面に残存しているシラ ノールの存在です。この残存シラノールは、ピリミジフェンやアザコナ ゾールのような塩基性の官能基を有する農薬類を吸着します。その ためエンドキャップをしっかりと行なっているミニカラムを選択する必要 があります。 InertSep C18は残存シラノールの吸着影響を受けにくくするために、 残存シラノール 最適なエンドキャップ処理を行なっています。残留農薬の脱脂操作に 図2:C18の構造と農薬の吸着 お薦めするミニカラムです。 価格表 品名 InertSep C18 カラムサイズ 入数(包装単位) Cat.No. 価格 1 g/6 mL 30本 5010-61005 21,000 1 g/20 mL 20本(10本) 5010-61014 20,000 関連製品 自然落下メソッド対応 GL-SPE自然落下マニホールド 【特長】 ・最大17検体処理 ・カビ毒の固相前処理に最適 ・デリバリーチップを取り付けることで、自然落下速度を改善可能 ・ルアーストップバルブを使用することで、流速の調整が可能 ・エクステンションパネルを取り付けることで、高さを変えられ試験管やナスフラスコにも対応 品名 入数 Cat.No. GL-SPE 自然落下マニホールド 1式 5010-50430 GL-SPE 自然落下マニホールド用 4 mL バイアルトレー 1台 5010-50432 入数 Cat.No. GL-SPE 自然落下マニホールドエクステンションパネル 2枚 5010-50431 GL-SPE 自然落下マニホールド用 20 mL 濃縮管トレー 1台 5010-50433 GL-SPE 自然落下マニホールド用 200/300 mL ナス型フラスコトレー 1台 5010-50434 24本 5010-50420 100本 5010-50421 自然落下マニホールド オプション品 品名 デリバリーチップ(ポリプロピレン製) エクステンションパネル GL-SPE 自然落下マニホールドの高さを調節できます。 (5010-50431) ナス型フラスコトレー(5010-50434) 200/300 mL ナスフラスコが6 個設置 可能です。別途、エクステンションパネル が必要です。 デリバリーチップ (5010-50420) InertSep News バックナンバー Vol.19 色素の除去方法 グラファイトカーボンGCミニカラムの特長 http://www.gls.co.jp/technique/inert_series_news/20140901.pdf Vol.20 脂肪酸の除去のためのNH2,PSAミニカラム http://www.gls.co.jp/technique/inert_series_news/20141201.pdf アプリケーション検索(InertSearch) http://www.gls.co.jp/technique/inertsearch_lc/freeword.php InertSepは、ジーエルサイエンスの日本における登録商標です。 新製品情報を随時更新しています。 http://www.gls.co.jp AA730-20150302PDF
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