退去強制手続等の在り方について (偽装滞在者対策の現状と今後の取組等) 平成26年9月 法務省入国管理局 送 還 放 認定の誤りと判定 理由あり 特別に在留を許可 する事情あり 在留特別許可 退去強制令書発付 特別に在留を許可 する事情なし 理由なし 法務大臣の 裁決 認定に誤りなし と判定 免 容疑なし 退去強制対象者に 非該当と認定 特別審理官の 口頭審理 退去強制対象者に 該当と認定 容 入国審査官の 違反審査 収 容疑あり 出 国 出国命令書交付 主任審査官へ通知 2 出国命令対象者 に非該当と認定 出国命令対象者 に該当 入国審査官の 違反審査 出国命令対象者 に該当と認定 入国警備官の違反調査 退去強制事由に該当すると思われる外国人 Immigration Bureau 出入国管理政策懇談会第13回会合 退去強制手続の流れ 不法残留者数の推移 出入国管理政策懇談会第13回会合 350,000 298,646人 300,000 250,000 不法滞在者半減 5か年計画 219,418人 200,000 150,000 100,000 113,072人 59,061人 50,000 0 ※ 平成2年は7月1日現在,平成3年~平成8年は5月1日現在,平成9年以降は1月1日現在の電算統計に基づく推計 Immigration Bureau 3 不法滞在者対策と課題 出入国管理政策懇談会第13回会合 不法滞在者対策 個人識別情報(指紋,写真)を活用した入国審査等厳格な水際対策の推進 警察等と連携し,入管法違反者の積極的な摘発を推進 出国命令制度の創設,在留特別許可に関するガイドラインの策定,広報の実施等 出頭を促す施策 これらの取組の結果,不法残留者数は 最も多かった平成5年から約80%減少 課題 不法滞在者の絶対数の減少と小口・分散化により摘発が困難に 不正な手段で正規の在留資格を得る偽装滞在の問題が顕在化 4 Immigration Bureau 違反形態の変化 出入国管理政策懇談会第13回会合 資格外活動事件 不法入国事件 16,000 3,000 14,000 2,500 12,000 2,000 10,000 1,500 8,000 6,000 1,000 4,000 500 0 0 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 減 少 傾 向 不法上陸事件 平成14年 平成15年 平成16年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 偽変造文書行使事件 250 2,000 平成17年 1,800 200 1,600 1,400 150 1,200 1,000 100 800 600 400 50 200 0 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 0 平成14年 平成15年 平成16年 不法残留事件 60,000 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 在留資格取消事件 250 50,000 平成17年 増 加 ・ 微 減 傾 向 2,000 200 40,000 150 30,000 100 20,000 50 10,000 0 0 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 5 Immigration Bureau 偽装滞在者とは 出入国管理政策懇談会第13回会合 偽装滞在者とは,・・・・・ 偽変造文書,不実の記載のある文書を行使する等不正の手段により入国・在留目的を偽るなどし て正規の在留資格に係る許可を受け,表見上は正規在留者として本邦に在留しているもの。 活動内容を偽装するもの 偽装就労 例)金属部品の設計・プログラミングを行うとして「技術」の在留資格を許可されたが, 実際には,既にプログラムが入力された機械を操作して製造作業そのものを行っている。 偽装留学 例)日本語学校への入学を許可され,これを踏まえて「留学」の在留資格を許可されたが, 実際には,学校へは通わずフルタイムで稼働している。 身分関係を偽装するもの 偽装結婚 例)法的な婚姻関係を結び「日本人の配偶者等」の在留資格を許可されたが,実際には, 婚姻の意思・実態はなく,日本人である配偶者とは別居して稼働している。 偽装日系人 例)日本人の孫であることを証する書類を提出して「定住者」の在留資格を許可されたが, 実際には,提出された書類は本人のものではなく,日系人に成り代わっている。 6 Immigration Bureau ・収容 ・摘発 ・人定確認 ・旅券確認 ・出入国記録照会 ・端緒情報 ・存在確認 ・追加資料収集 ・収集資料の再分析, 再評価 ・本来活動との比較 ・収集資料の分析, 評価 ・本来活動との比較 ・構成要件該当性検討 ・容疑不十分 ・在留資格取消 ・人定確認 ・旅券確認 ・出入国記録照会 ・活動実態に係る 裏付資料収集 ・居住実態に係る 裏付資料収集 ・端緒情報 ・存在確認 ・活動実態確認 ・居住実態確認 Immigration Bureau ・摘発 ・収容 追加立証 処理段階 立証段階2 立証段階1 事前段階 処理段階 事前段階 立証段階 旅券及び入管の保管 する出入国記録によ り違反事実が判明 不法残留者 出入国管理政策懇談会第13回会合 不法残留者と偽装滞在者の取締方法 偽装滞在者 7 入国警備官の調査権限 出入国管理政策懇談会第13回会合 出入国管理及び難民認定法(抄) 退去強制手続の違反調査 (違反調査) 第二十七条 入国警備官は、第二十四条各号の一に該当すると思料する外国人があるときは、当該外国人(以下「容疑者」という。)に つき違反調査をすることができる。 (違反調査について必要な取調べ及び報告の要求) 第二十八条 入国警備官は、違反調査の目的を達するため必要な取調べをすることができる。ただし、強制の処分は、この章及び第八 章に特別の規定がある場合でなければすることができない。 2 入国警備官は、違反調査について、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 (容疑者の出頭要求及び取調) 第二十九条 入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、容疑者の出頭を求め、当該容疑者を取り調べることができる。 2~4 (略) 第三十条 (略) (臨検、捜索及び押収) 第三十一条 入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、その所属官署の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所の 裁判官の許可を得て、臨検、捜索又は押収をすることができる。 2~5 (略) 第三十二条~三十八条 (略) 届出事項に関す る事実の調査 (事実の調査) 第十九条の十九 法務大臣は、中長期在留者に関する情報の継続的な把握のため必要があるときは、この款の規定により届け出るこ ととされている事項について、その職員に事実の調査をさせることができる。 2 入国審査官又は入国警備官は、前項の調査のため必要があるときは、関係人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示を求 めることができる。 3 法務大臣、入国審査官又は入国警備官は、第一項の調査について、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求める ことができる。 8 Immigration Bureau 入国警備官の調査権限 出入国管理政策懇談会第13回会合 出入国管理及び難民認定法(抄) 在留審査、在留資格取消 等に関する事実の調査 (事実の調査) 第五十九条の二 法務大臣は、第七条の二第一項の規定による証明書の交付又は第十二条第一項、第十九条第二項、第二十条第三 項本文(第二十二条の二第三項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第二十一条第三 項、第二十二条第二項(第二十二条の二第四項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、 第二十六条第一項、第五十条第一項若しくは第六十一条の二の十一の規定による許可若しくは第二十二条の四第一項の規定による 在留資格の取消しに関する処分を行うため必要がある場合には、入国審査官に事実の調査をさせることができる。 2 入国審査官は、前項の調査のため必要があるときは、外国人その他の関係人に対し出頭を求め、質問をし、又は文書の提示を求め ることができる。 3 法務大臣又は入国審査官は、第一項の調査について、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。 9 Immigration Bureau 今後の課題と取組み 出入国管理政策懇談会第13回会合 入国者の増加への対応 訪日外国人2000万人に向けた官民挙げての取組により今後も外国人入国者の 増加が予想される中で,不法残留者数が再び増加に転ずることのないよう相応の摘 発体制を維持しつつ厳正な対応を行っていく。 偽装滞在者対策の推進 入国警備官の調査業務の対象を退去強制手続に限定せず,在留資格取消手続や在 留諸申請の処分も見据え,我が国に不正に入国・在留を図ろうとする者の調査とし て広く推進していく。 治安・テロ対策の推進 海からの不法入国等防止のため,海港・沿岸におけるパトロール活動を強化する とともに,偽変造文書等を行使した我が国への不法入国及び我が国を経由した不法 出入国を防止するため,主要空港における直行通過区域の巡回・監視推進していく。 10 Immigration Bureau
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