意見書 [pdfファイル]

平成 27 年 2 月 18 日
全国健康保険協会
理事長
小林 剛
殿
全国健康保険協会
運 営 委 員 会
平成 27 年度の都道府県単位保険料率の決定について
本日、当委員会は、平成 27 年度の都道府県単位保険料率を含む定款の変更案
を了承した。
本年1月 13 日に、政府の医療保険制度改革骨子が決定された。その中で、協
会の国庫補助率は、現行の 16.4%が維持され、かつ、暫定措置ではなくなるこ
ととされている。
法定準備金を超える部分に関する財政特例措置や、健康保険法本則で定める
国庫補助率の下限が 13%とされたこと、また、高齢者医療における後期高齢者
支援金の全面総報酬割の実施に伴い生じる国費が国民健康保険に優先的に活用
されることは残念と考えている。16.4%が期限の定めなく維持され、当初求め
ていた被用者保険間の格差の解消には至らないものの、当面、協会財政を安定
的に運営できる見込みとなったことは、評価ができると考えている。
そうしたことから、平成 27 年度においては、医療提供体制がアクセス、質、
コストの面から最適なものとなり、それにより加入者が適切な医療を享受でき
るようにするという中長期的な視点にも基づいて、第3期の保険者機能強化ア
クションプランの策定、実行などを通じ、保険者機能の強化に一層邁進してい
ただきたい。
また、平成 28 年度の保険料率の検討に当たっては、今回の医療保険制度改革
の影響等も踏まえた今後の協会財政に関する中長期的な見通しや、激変緩和に
関する長期の計画に基づいた議論が必要と考えているので、その点について留
意すべきである。
さらに、医療保険制度については、現役世代に過度に依存する制度を構造的
に見直すべきであり、今回の改革案にとどまることなく、高齢者医療制度の負
担構造の改革をはじめとして、医療保険制度全体のさらなる改革が進むよう、
今後とも議論を続けていただきたい。